HISAKOの美容通信2014年10月号
冷え症の治療~冷え(性)外来
冷えは万病の元。
手足が冷たい、低血圧、貧血、疲れ易い、不眠、イライラ、やる気が起きない、集中力の欠如、片頭痛、月経困難症、肌荒れ、シミ、老化、下痢・便秘、肥満、頻尿、膠原病(関節リウマチ、果ては癌まで等々と、ありとあらゆる不幸の根源(笑)です。
さあ、体質改善しましょう!
クリニックでは、乱れてしまった自律神経を正す生活のアドバイスから、交感神経をブロックしたり、ツボにプラセンタを注射したり、オゾン療法(血液クレンジング)、筋肉を鍛えたり、漢方薬や披露した副腎を助けるサプリメント等々で、 全面的に冷え症(性)に悩む貴女をバックアップ!
”ひえしょう”とWordで入力すると、変換候補として「冷え性」、「冷え症」が平気で出て来ますが、一体どっちを選択したら良いんだか、ちょっと途方に暮れちゃう事があります。日本語のスタンダードを語る上で外せない広辞苑には、「冷え性」って言葉しか記載がなく、「冷え症」って単語自体存在しない日本語扱い(笑)。ですが、読売新聞の読売スタイルブック2005には、「冷え性」=体質、「冷え症」=病気って使い分けがなされてるんだそうな。ふ~ん。平たく言うと、自覚的或いは他覚的に寒いとか冷え易いと感じる(感じる事が多い?)体質の事を「冷え性」と呼び、それを「ちょっとヤバいよね」的に病的なものと認識し、改善(治療)を要する(欲する?)状態が「冷え症」ですかね。
今月号は、<冷え外来>です。
冷え症に関するありきたりなお話
「私って、冷え症?」と問われましても…
「冷え性」ではなく、「冷え症」と如何に名乗ろうと(笑)、冷えは未病です。未病って考え方は極めて東洋的で、肩こりって概念自体が欧米人にないのと同様、西洋医学的な検査で判定出来る代物ではありません。”放置プレイで楽しんでいる間に、本当の病気になっちゃうかもしれない、半健康・半病気状態だよ~ん。今の内に手を打っておかないと、後で酷い目に遭うぞぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ←取り敢えずは、警告しておいたにゃん”と言う未病って考え方は、2000年前の後漢の時代の”黄帝内経”の「素間四気調神大論」って、シーラカンス級の古い書物に記載されている位、我々東洋人には延々と、殆どDNAに刷り込まれているんじゃないかってレベルの概念なんですが、これが西洋人にはない。ない事自体がHISAKOには摩訶不思議なんですが、まあ、当たり前だけど、無いものは無いので、西洋医学至上主義の現代の日本の医療では、冷えを検査で判定する事は出来ません。
他覚的な判定を!と詰め寄られれば…、まあ、「体温?」かな、無難なところでは。
午前は36.4℃前後、午後は37.0℃前後が、所謂”平熱”です。約50年前(←HISAKOがちょうど生まれた頃。『ALWAYS 続・三丁目の夕日』のザ・昭和!って感じの時代)の日本人は、今よりも劣悪な居住環境と食環境、(衣は…どうなんだろう? 確かにセーターに穴が開いていガキはいたが、今みたいな真冬の旭川!でも生足の女子高生なんて棲息していなかったし、防寒とか保温とかって意味では微妙なのかも知れない)は、当たり前に、起床時の体温(腋窩温)が36.5℃だったんですよ。今時は、若い男の子でも、35℃代の冷血動物!?級がゴロゴロいる時代ですからね。地球は温暖化なのに、日本国民総低体温化なんです(笑)。
冷え症の病態生理
漢方医学で言う”冷え”とは、気が足りない状態(気虚)、血が足りない状態(血虚)、そして血が滞っている状態(瘀血)です。冷えによると思われる症状は右表の通り。
低体温
人間の体の中では、生命活動を維持する為に、常に様々の酵素が活動しています。ここら辺の酵素自体のお話は、殆どイコール栄養素のお話でもある訳ですから、今まで何度も特集して来た栄養療法がらみの特集
(美容通信2007年3月号)
(美容通信2007年4月号)
(美容通信2011年4月号美容通信2007年4月号)
(美容通信2010年6月号)
(美容通信2014年1月号美容通信2010年6月号)
を読んで頂ければ、まあ、良いかな。
酵素反応は化学反応なので、当然の事ながら、温度によって影響されます。これを表わしたのが、Arrheniusの経験式です。
InK=InA-EA/RT
k:速度定数、EA:Arrheniusの活性化エネルギー、R:気体乗数、T:絶対温度、A:頻度因子
数式を見せられると、何が何だか拒絶反応(笑)って数学嫌いの輩もいるので、分り易く図に示すと、左図の様な反応速度曲線になります。この反応曲線の頂点、つまり酵素が最も活発に働いてくれる温度が、酵素反応の至適(最適)温度です。私達の体の中で働いてくれる、この愛しい働き蟻ん子達は、中心体温(直腸温の事で、腋窩温じゃないよ~ん)で約38℃~40℃の時に、一番良く働く❤ 完全に相関している訳じゃないけど、直腸温から大体-1℃位が腋窩温とされてますからねぇ。って事は、所謂体温、体温と呼び捨てされているのは腋窩温ですから、腋窩温で37℃~39℃ないと酵素反応が効率良く進まないって事で、最近の低体温の連中は…、冬眠中(笑)? 酵素活性、がた落ちだよね。
まあ、端的に言えば、福利厚生が充実している方が、労働力の確保・定着、勤労意欲・能率の向上等の効果が期待出来るのと同じで、酵素が十分に働けるだけの職場環境(温度)が確保出来ないと、当然ながら、物質代謝、エネルギー代謝面で甚大な損失が出てしまいます。例えば、脂肪の分解酵素が働かなければ、肥満は解消されない(美容通信2011年9月号)(美容通信2010年3月号)。糖を代謝する酵素が働かなければ、エネルギーの産生が出来ない。蛋白質の合成酵素が無きゃ、人間の体は須らく蛋白質で出来てるんで、必要物品が揃えられない(笑)。脳内伝達物質(例えばセロトニン)や各種のホルモンが、そもそも合成出来なきゃ、精神病や糖尿病、その他のホルモン異常も発生するかも知れないし。更に更に、笑い事じゃなくて、癌やアルツハイマー病が発生しちゃうかも。ヒトの遺伝子は、紫外線やダイオキシン、ウィルス、活性酸素等によって常に傷付けられているんですが、即行、恙無く修復出来れば大事には至りません。ところが、この肝心の修復作業員は遺伝子修復酵素なる仰々しい名称の酵素達で、低体温が故に業務に支障を来すと、遺伝子が修復されないまま、欠陥蛋白質を合成し続けるなんて羽目に、なる(美容通信2011年11月号)(美容通信2011年12月号)。又、慢性病や老化の主因となる活性酸素により引き起こされた病気(美容通信2010年10月号)(美容通信2011年8月号)(美容通信2008年11月号)は、循環器疾患(動脈硬化、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞etc.)、呼吸器疾患(肺気腫、成人窮迫症候群etc.)、神経疾患(脳浮腫、てんかん、パーキンソン病、認知症etc.)、消化器疾患(胃粘膜障害、潰瘍性大腸炎、クローン病、肝障害、膵炎etc.)、血液系疾患(貧血、播種性血管内凝固症候群etc.)、内分泌疾患(糖尿病etc.)、腎疾患(糸球体腎炎etc.)、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎(美容通信2011年4月号)、しみ (美容通信2014年11月号)、ソバカス、シワ (美容通信2014年11月号)、肌荒れ、日光皮膚炎(美容通信2012年10月号)etc.(美容通信2013年10月号))、膠原病(関節リウマチetc.)、眼科疾患(白内障、未熟児網膜症etc.)、悪性腫瘍等があります。
まとめると、左図で終了!なんです(笑)が、冷えはありとあらゆる疾患の原因になりかねないので、侮るな!って事ですかね。
循環障害
血液サラサラ、ドロドロって話は良く耳にすると思いますが、「実は血液の粘度ってもんは、何時も一定って訳ではなくて、温度が高いとサラサラなんですが、下がると血液は粘っこくなる。つまり、低体温だと循環障害を来し、又、循環障害を起こすとそれで低体温になると言う、負のスパイラルに。恐ろしい!
血液の循環が滞ると、赤血球は酸素を体の隅々まで酸素を運べなくなっちゃうし、免疫担当の白血球がボケボケしてたら敵にやられちゃうし、血小板が微細な怪我を即行修復出来ければ、無駄に被害は拡大するし、血漿は栄養を組織に運び、使い終わった老廃物を運び出すのがお仕事故、滞れば当然物流に支障が出る。ロクな事が無い以上に…悲惨だ(笑)。
日常生活と冷え
現代の日常生活は、冷やす事ばかり(笑)。思い付くままに列挙しちゃいましょ。
冷蔵庫の普及(冷たい飲み物)
キンキンに冷えたビールを飲みながらナイター中継(←昭和のオヤジ!)、イヴは暖かいお部屋で、アイスクリームのクリスマスケーキ❤ 因みに、昭和の道産子小学生のクリスマスケーキ番付は、上から、①アイスクリーム→②生クリーム→③バタークリームでした。HISAKOは、フロインドリーブのバタークリームケーキが一番好きなんですけどぉ…。
エアコン
3.11以降、随分とオフィスやデパート、電車の夏の設定温度が上がりましたよね、ホント。
日常生活
薄着、冷蔵庫でキンキンに冷えたまんま胃袋に直行する食い物やガリガリ君、ロクに咀嚼しないって言うか…、咀嚼を要しない食い物ばっか喰ってるって言うか…、車を足代わりに使うなんて一昔前の車社会の王道ですが、未だに「車で行ける所は敢えて歩かない!」ってポリシーを貫くあまりに生じる運動不足、これについては、エスカレーターが付いている所は敢えて歩かない(笑))ってバージョンもありですが、他には、エコ?時短?と称する風呂なしシャワーのみ習慣、ストレス等による睡眠不足etc.。
親の過保護…。
男か女か、それが問題だ。
悔しい事に、女子は、そんじょそこらの男共に比べて、体に脂肪が多く、筋肉量が少ないんです。脂肪には血管が殆どないので、断熱効果としては優れますが、如何せん、熱を加えて温めても…その熱が全身にまで行き届かない。
性格は熱しやすく冷めやすいのに、HISAKOの有り余る脂肪達は…尽くしても尽くしても尽し甲斐が無い鈍感な塊なんですかね、トホホ(--〆)と思いきや、じゃなくて、更に、筋肉量の少なさは循環不全(浮腫)を誘発します。まあ、手足の筋肉は、静脈やリンパ管に対する謂わばポンプの役割をしていますから、女子が浮腫み易いのは当たり前で、浮腫めば、それ即ち津液で、陰。熱を下げるモノ。つまり、筋肉量の少なさから循環障害が起こり、浮腫が惹起され、それが故に循環障害に拍車が掛かる。悪循環やのう。
そして、筋肉は、基礎代謝の世界の中心に位置する大事な臓器。基礎代謝は1日のエネルギー消費の60~70%を占め、その実に70%が体温維持に費やされます。つまり、筋肉量の多いってだけで、男は熱を産生する能力が高く、冷え知らずなんですよ。羨ましい!
病気と薬
病気によっては、代謝が落ちる、即ち熱産生量の落ちるものもあります。下垂体機能不全症、甲状腺機能低下症、副腎機能不全症等の、立派な保険病名が付いた病気で低体温を来す事はあります。が、病気では勿論ないんですが、爺婆化により、甲状腺のホルモンや男性ホルモン等の分泌が下がって、代謝が落ち(美容通信2011年10月号)、ヒートテックのお世話になったり、中年太りを嘆く大人女子と男子はうじゃうじゃいます。病気なら治療は必須ですが、より質の高い大人ライフを満喫するの為のホルモン補充療法(美容通信2014年7月号)(美容通信2010年9月号)は、その人の人生観って話になって来るので…、ガッツく必要が無くなった大人同士のHみたいなもんで、しないよりした方が楽しいじゃん(笑)。副腎疲労症候群(美容通信2010年12月号)も同じだよね。抗ストレスホルモンであるDHEAや、副腎疲労をサポートしてくれるサプリメント”アドレナルガード90”を勧めちゃいますけどね。
薬物については、解熱鎮痛薬は、飲みであろうと貼りであろうと、その名の通り、使えば体温は下がる。副腎皮質ステロイドホルモンも、強力な抗炎症薬である以上、体温をガツガツ下げるだけでなく、血小板凝集を促進する作用もあり、循環障害が大なり小なり付いて来ます。その他にも循環障害や低体温を来す薬物は沢山あります。医者は、メリットデメリットを天秤に掛けた上での必要悪として割り切り処方をしているだけですから、その分何処で体温稼ぐかって考え方は、薬を飲む以上、必要だとは思います。
ストレス
ストレスって概念を医学界に持ち込んだのが、カナダの生理学者Hans Selye博士です。ストレスとは、何らかの刺激が心身に加えられた時に、その心身に生じる歪んだ(負荷が掛かった)状態を言い、その原因(ストレッサー)には様々なものがあります。例えば、直接的なストレスの原因としては、下記のモノが挙げられます。
- 物理的:異物、外傷、手術、出血、寒冷、酷暑、高熱、放射線、騒音etc.
- 科学的:飢餓、酸素欠乏、薬物、化学物質etc.
- 生物学的:バクテリア、ウィルスetc.
- 心理的:怒り、不安、焦燥、緊張、恐怖、激しい労働、神経刺激、情緒の変動etc.
ストレスは、総て悪者とは限らない
distressは、通称”悪いストレス”。eustressは、通称”良いストレス”。まあ、人生と同じで、良い奴悪い奴と、ドラマの水戸黄門みたいに勧善懲悪的に断じるなんて事はどだい無理な話ですが。
ストレスが掛かると、それに対処する為に副腎皮質ステロイドホルモンが体から分泌されます。例えば、虫に刺されたりして炎症ってストレス(まあ、この場合は単純にdistressと断じて構わんでしょうなぁ)が加われば、その炎症を抑える為にステロイドが何時も以上に分泌されます。それでも痒みが治まらなければ、ムヒの様なステロイドを買って塗って、それで収支決算が付けば終わり。ところが、面白い事に、仕事中にこの虫刺されが痒くて痒くて仕事が手に付かないかって問われると、手に付かない人も確かにいるけど、仕事中より家に帰ってホッとすると、痒みが猛然と襲い掛かって来るなんて人の方が遥かに多かったりします。この場合、仕事は、eustress。軽いストレスは、抗炎症作用として働くからです。ところが、癌だとか感性症だとか、怪我でも、何らかの薬物でも、まあアホな上司でもストーカーでも何でも構わないんですが、distressに長時間晒され続けて副腎がへタレ状態(←そのうち特集予定ですが、これが今流行の「副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)」って奴です)になってると、肝心要な時にステロイドが出せない。つまり、この場合、eustressとして働く仕事は、立場が変わるとdistressとして働くかも知れないって事です。
ストレスに伴って起きる反応
ストレスが長期間加わると、①副腎皮質の肥大(ステロイドホルモン分泌)、②胸腺リンパ組織の委縮(免疫力変化)、③胃腸の潰瘍、④血液成分の変化等の反応が起こります。
ストレスと自律神経
体温調節を担当しているのは自律神経ですがぁ、実は自律神経の仕事は多岐に亘っていて、呼吸や血圧等、ありとあらゆる生命活動の調整を行っていて、それが故に、ホメオスタシスのドンと呼ばれています。
自律神経には、交感神経と副交感神経ってもんがあるなんて事は、何とはなしに耳にした事があるんじゃないかと思います。交感神経の先っぽからは、血管をキュンと縮める作用があるアドレナリン(正確には副腎皮質から分泌)やノルアドレナリンが分泌されます。反対に副交感神経の先っぽからは、血管を拡張させるアセチルコリンが分泌されます。例えば、極寒の北海道。暖かい部屋でぬくぬくDVD鑑賞していたけど、突然、便意を催し、屋外の共同便所に行く為に外に出たら、「鬼寒~い!!」。交感神経系が軽やかに緊張し、心拍数や呼吸数を上げて体温を上昇させます。ところが、もろケツ状態で便所でしゃがんでたら、いきなり、雪男が戸を開けて乱入! 軽やかな刺激には軽やかな反応(分泌)しかしなかった交感神経系が、この非常事態を受けて、アドレナリンやコルチゾールを過剰に分泌。循環障害を引き起こし、先程と反対に体温は低下します。…雪男が「失礼しました」と退場すれば、これで終わりです。が、「ウホっ❤ウホっ❤」と喜びの雄叫びを上げた雪男に拉致られて、指を一本づつ、耳を一個づつと齧り取られた日にゃあ、交感神経優位のままで循環障害が続き、過剰に放出された顆粒球で組織障害が広範囲に進んでしまいます。…アーメン。
冷えの実態調査をした偉い先生がいる
冷え症は、私達女子の約半数に認められます。
川嶋朗先生によるWEB調査をそのまんま抜粋
夏冷え、冬冷え、そして通年冷え
年中冷えてるって…正にアイスマンを地で生きてる御婦人が、恐ろしい事に3割強もいるんだそうです。冬だけって女子(←HISAKOです! 北海道出身の癖にって言われますが、超寒がりです)も確かに存在はするけれど、夏だけとか、夏も冬もと、夏も”冷えてる!”女子っているんですよねぇ。夏は、腹の中から冷却!とばかりに、主食の米をかき氷に変えるHISAKOにはちょっと信じがたい事実ですが。唯、夏冷え女子の殆どは20代、30代のOLさんなので、オッサンの背広に合せた、エコでないオフィスの温度設定に問題があるとは、容易に推測出来ます。
何処が冷える?
冬冷え族にとって、当たり前だけど、足の先っぽや手の先っぽ、謂わば末梢系は定番中の定番の冷える場所です。ところが夏冷え族には、肩32.0%、腹20.3%と、体の中心で冷気を叫ぶ的な人が多いのが特徴で、その傾向は大人女子より小娘に強いんです。
何時が冷える?
冬冷え族が、特に震え上がるのは、気温が下がる夜、夜中と相場が決まっております。ところが夏冷え族は、外の気温もなんのその、1日の最高気温を叩き出す昼下がりに冷えを実感するんだとか。もうこうなると、冷房が如何に悪者か想像に難くない。
夏冷え族の悩み
夏冷え族の悩みは多岐に亘り、腹痛・生理痛、肩や腰の痛み、頭痛etc.の痛み系の症状から、眠れない、集中力の欠如、イライラする等の精神的な症状までと、実に多彩。
冷え症と免疫のお話
体温についてもう一度語ろう
体温から考える病人と健康人
健康人を名乗ってる人々は、年齢に関係なく、大体35.8℃~37.2℃の中に入っています(←本来あるべき望ましい(?)体温は、また別の話ですよ。お間違いなく! あくまでも、今の現状です)。アグレッシブに生きてる人は体温が高めだし、枯れつつある老人は低目と、結構大人は仕事内容や性格等々によって、様々。
しかしながら、病人の体温はどうかと言うと…、低体温なりに頑張ってるって感じかな。特に、アトピー性皮膚炎の痒みやパーキンソン病の振戦なんかは、低体温から脱却する為の発熱。インフルエンザの高熱然り。酵素どもを最大限働かせられる温度環境を少しでも整える事で、病気と多少とも張り合う為の精一杯の抵抗?否、防御反応なんです。まあ、つまりは、低体温のままだと、病状改善傾向に潮目を変えられないって、一種の最後通告みたいなものなんだけどね。
自律神経と冷えの関係は、人生を考えさせられる…。
私事ですが、HISAKOも50を過ぎて、天命を知ったか知らずはさて置いて、人生の後半戦をどう生きるかって事をふと考えた時、客観的な主軸として、体温(腋窩温)を36.5℃~37.0℃前後を保つ生き方をしようと思い至りました(笑)。
日常の活動によって体温が上下するのは、皆さんも御存じの通り。アグレッシブな生き方をしている人は、体温は高めなもんだし、悟りの境地に達した仙人の様な、若しくは単なるご隠居さん的なゆったりした生き様を実践している人は、体温が低めなものです。しかしながら、アグレッシブを通り越して、殆ど単なる無理強い生活を驀進していると、交感神経緊張となり、血管収縮により低体温になります。逆に、平穏無事過ぎる、波風も立たない様な平和ボケを地で行く様な生活をしていると、冬眠中のヒグマさんに、つまり副交感神経優位に偏り、代謝抑制→低体温になります。つまり、自律神経のレベルが体温を決定している以上、冷えがあれば、無理をし過ぎているか、楽し過ぎているかの、どっちかしかありえない訳で、立ち止まって生き方を見直すべきだって事ですかね。
うら若き乙女と言うか小娘の冷え症の原因に、大いに関与するのがダイエット。筋肉は大きな発熱臓器なので、筋肉が脆弱だと、冷えは中々改善しません。肉喰って、運動しろ!と私は言いたい。
動物実験から考えるストレスの病態
ストレスは、自律神経と内分泌(ステロイドホルモン)の働きを介して、低体温と高血糖状態を作り出します。つまり、ストレスが長く続くと、病気と名乗るのはおこがましいがぁ、病気に成り掛けと言うか…半病人と言うか…って状態(未病)で踏ん張れればまだしも、本ちゃんの病気になっちゃうって事なんです。
これを裏付ける恐ろしい動物実験があって、マウスを金網に挟んで放置プレイを行っている間は、当然ながら激しいストレス下にあるって意味なんですが、激しい低体温と高血糖状態になります。しかし、マウスを自由の身に解放すると、急速に体温と血糖値は通常状態に戻るんだそうです。そしてこの状態を人工的に作るには、マウスにカテコールアミンを投与するだけでよく、この事はやっぱストレスは病気の基なんだぁって再認識をさせられる実験なのでありました。
エネルギー生成系からも、ストレスを考えてみよう
ストレスで冷え症になる。唯、面白い事に、体の反応が上手く行かなくなった挙句の低体温ばかりではなくて、実は冷える事自体が理に叶うなんて時もあるんです。それを理解する為には、私達人間には2つの異なるエネルギー生成系があり、その使い道がそれぞれに決まっているって事実を、先ずは認識する必要があります。
解糖系 | ミトコンドリア系 |
|
部位 |
細胞質 | ミトコンドリア |
酸素 | – | + |
糖(glucose) | ++ | + |
体温 | 低体温(32~33℃) | 高体温(>37℃) |
特徴 |
瞬発力と分裂に使われる | 持続力に使われる |
生成の速さ | ×100 | ×1 |
ATP/1グルコース | 2分子 | 36分子(効率が良い) |
利用する細胞 | 白筋 精子 再生上皮細胞 骨髄細胞 癌細胞 |
赤筋 心筋 ニューロン 卵子 一般の細胞 |
嫌気的な環境下に於いて、解糖系でエネルギーを産生する方法と、好気的な環境下に於いて、ミトコンドリア系でエネルギーを作る方法の2つの経路です。
解糖系
嫌気的条件で働く解糖系は、好気的な条件下で行われるミトコンドリア系のエネルギー生成と異なり、効率は悪い。何たって、ブドウ糖1分子から、ATPは2分子しか得られないんです。後述するミトコンドリア系は、ブドウ糖1分子から、ATP36分子作れちゃうのにですよ。けど、反応と言うか…やる事は極めて単純な操作のみなので、ちゃちゃちゃと手早くATPを産生出来るのが特徴です。イメージとしては、100m走の様な短距離走って、息止めて、殆ど瞬発力ありき的な走り方しますよね? 解糖系って、あれです。
解糖系を活性化する為には、寧ろ血液循環を抑制して、低体温や低酸素状態を作る事が大事なんです。深部体温より5℃位低い!方が寧ろ反応には好都合なので、金玉は冷える場所にあるし、皮膚も冷える場所にあって、冷えた条件下で分裂が促進されるんです。
ミトコンドリア系
ミトコンドリア系を駆使してATPを産生するのには、膨大な手間が掛かります。まるで日本の農業を地で行く様な反応で、手間暇を惜しまず掛けて、漸く付加価値の高い霜降り牛肉だとか、糖度の高い高級な果物を収穫する(笑)。まあ、匠の技。それ故、効率良く得られたATPで持続力を維持しますが、反応に恐ろしく時間が掛かるので、瞬発力としては使えない。ミトコンドリアの多い細胞は、どれも心筋細胞だとか、赤筋細胞、脳神経等々なんですよね。
人生に於けるエネルギー系の変遷に思いを馳せる。
私達には2つのエネルギー産生系があり、使い道が夫々異なるので、実は栄養学で提唱している物質の熱量を基盤としたエネルギー計算なんて、当て嵌まんないんですよねぇ。ガキんちょ→大人→爺婆となるにつれ、2つのエネルギー産生系の割合が緩やかにシフトしているからです。ガキんちょ時代は解糖系が少し優位。大人になると、1:1の調和の時代になり、唯、老いと共に、ミトコンドリア系がずんずんと存在感を増します。
ガキんちょの頃は、軽やかに解糖系優位の、分裂が盛んな成長期。それ故に、成長を助ける為には、解糖系を働かせ易い環境、つまり体を冷やす様な刺激や酸素不足が時には必要なんです。だから、子供は風の子と昔から称され、屋外で空っ風に吹かれて遊んで大きく育つもんなんです。そして解糖系優位のガキんちょは、エネルギー産生効率が悪いので、鱈腹飯喰わないと細胞の分裂に支障を来す。今時のJSガールはせっせとダイエットの励みたがるけど、それしちゃうと…、DQNでおバカなお姉さんになっちゃうよ~ん。
大人になると、解糖系とミトコンドリア系の調和の時代に入るので、持久力がぐ~んと付く。だから、結構中高年になってランナーデビューする輩も多いし、下手な若造よりもタイムが良いなんて事もザラになるんです。
爺婆になると、完全にミトコンドリア優位のエネルギー生成系になるので、瞬発力に欠ける様になるので、人間が丸くなると言うか…瞬発力に依存する行為、つまり、慌てたり怒ったりって行為が減るんです。 持続力はありますが、体を使って持続力を維持する努力をしないと、能力低下してボケ茄子になって、早々に死んじゃう羽目に陥ります。分裂は減るので、胸腺は萎縮するし、骨髄細胞は脂肪化し、皮膚はシワシワで薄っぺらくなります。それを思うと、クリニックで取り扱いを開始したフィロルガの細胞再生注射4 in1は、ホント、爺婆には良いよなぁって思う。しかしながら、一番の爺婆の特徴は、エネルギー産生効率の良いミトコンドリア系がメインになるので、飯は腹八分目なんて言い回しが昔からあるんですよ。生活の知恵っすかねぇ。
ストレスによる低体温と高血糖は、短いスパンでは、瞬発力を得て危機を乗り越える為の、大切な解糖系の反応をより進め易い環境整備でもあるんです。唯、これが長引けば、当然、ミトコンドリア系のエネルギー生成系を抑制するので、最終的には自分の首を絞める事になりますが、ね。
炎症と発熱
ミトコンドリアに於けるエネルギー生成が抑制された状態⇔冷え。そして、冷えからの脱却!手段は発熱で、多くの場合、腫れや痛みを伴う炎症って形で現れます。
医者としては、これは実に悩ましい問題で、現代の医療の殆ど全てが対症療法(美容通信2013年3月号)に過ぎな以上、炎症が起きたら、副交感神経反射なので、当然体調が悪くなり、仕事や学校どころではなくなっちゃうので、火消しに躍起になるしかないんですよね。本来は、炎症ってもんは、治さなくてはいけない病気本体ではなくて、単に病気を治そうとする体の治癒反応に過ぎないのに、日常生活に不調を来すって理由だけで、本末転倒的に叩かれる。まあ、だからって訳じゃないけど、本体の病気が中々治らないなんて事も、往々にしてある(笑)。
左図を見て貰えれば分るように、炎症反応のボス的な存在がプロスタグランジンって奴なんですが、こ奴は、私達の平和な日常の生活を脅かす、実に不快な症状を齎らします。プロスタグランジンの作用には3つあって、①血管拡張による血流増加(→腫れる!)、②発熱によって代謝を高め、組織修復を促す、③痛い!=危険を知らせ、病気の進展を防ぐです。確かに、プロスタグランジンの産生阻害剤は、炎症を一時的に軽減はさせてはくれますが…、「お前、抑えて良いのか!?」と叫びたくはなりますです、はい。
癌
癌は、ストレスで起こる低体温、低酵素、高血糖に対する一種の適応現象。無理な生き方が祟って、交感神経緊張と糖質コルチコイドの分泌によって、上記の内部環境が続くと、分裂細胞が解糖系に依存した癌細胞に進化(適応)するんです。…えっ? 紫外線(美容通信2013年10月号)や放射線、発癌物質(美容通信2008年7月号)(美容通信2006年10月号)、ウィルス(美容通信2010年7月号)等の発癌因子による刺激で、遺伝子の多段階変化で癌になっちまうんじゃないんですかい? はい。これは、確かに良く知られている発癌のプロセスではありますが、実は癌の発端としては少数派。殆どの癌は、寧ろ日常生活の中のストレスに端を発し、内部環境への適応現象として、遺伝子の多段階変異(美容通信2011年11月号)(美容通信2011年12月号)を来したってパターンなんですよ。
つまり、発癌に至るプロセスには、ストレスで起こる冷えが結構多大な条件となり、延いては、癌細胞の自然退縮の条件が体を温める事なんですよ。腫瘍熱とか、傍腫瘍症候群とか言われる現象は、患者自身が、自衛策とでも言うんですかね、
皮膚の冷え≠冷え症の冷え
皮膚の冷えは、一般的には皮膚温の低下を意味しますが、冷え症に於いては、必ずしも皮膚温の低下を伴わない。つまりは、皮膚の冷えは、冷え症の条件ではないって事なんです。
お家で冷え症対策
「冷やさない」。「温める」。「間違いを正す」。
そして、壮大な野望を抱かず、出来る事から始める。…これじゃあ、何時ものHISAKOの外来と変わんないとお叱りを受けそうですが、肝斑の様なシミの治療も、ニキビの治療も、アトピー性皮膚炎の治療も、まあ、慢性疾患の治療はこれが全てですかね。以前、医療費削減の切り札と、医療コーチング(美容通信2010年2月号)の話をしましたが、実は、全ての治療で一番大事な事だと思ってます。だって、HISAKOを始めとする医者の殆どは、根治療法ではなく、対症療法って手段としての薬しか持ってないんですから、ね。日々の積み重ねがモノを言うんです。
腹式呼吸
HISAKOを始めとする一般人は、適当に鼻と口だけで呼吸しているので、腹式呼吸は意識しないと、出来ない。腹に手を置き、腹の上に追いた手と腹が一緒に連動する様に息を吸い、息を吐く時には手が引っ込めた腹と一緒に動く様に、努めて!呼吸しましょう。唯、四六時中腹式呼吸を意識してなんて事を患者さんに要求しても、無理! せめて、起床時とか就寝時とか、時間を区切って5分間ですかね。
HISAKOは、「周期的に健康オタクに目覚めては、暫く嵌」るを、繰り返し繰り返し懲りずに行っています。少し日差しが春めいて来る頃に目覚め、木枯らし1号が吹く頃に冬眠に入る?的なパターンを、笑っちゃいますが、人生の半分以上踏襲し続けております。冬と言うか…、最近気が付いたんですけど、最高気温が19℃を切る日は、ダメ。完全にやる気が起きない(笑)。あれ? 話が外れちゃいましたが、大昔、その周期でヨガにのめり込んだ事がありました。ヨガで呼吸法を重視している程度の事は、ヨガと無縁な人々でも周知の事実だと思いますが、呼吸と自律神経は密接な関係があります。自律神経的には、主に交感神経が吸気を、副交感神経が呼気を担当しているので、これを利用して自律神経の偏りを正してしまえ!的な発想です。
緊張して体が冷えている状態の時は、交感神経優位。だから、意識して深く息を吸い込んで、ゆっくりと、そう、息を吸う時よりも倍の時間を掛けて吐き出します。これだけでも、副交感神経が作動してリラックスするので、縮こまっていた末梢血管が拡張し、血液の循環も良くなります。反対に、緊張感の欠如のあまりに、だら~んと体が弛緩しまくった挙句の低体温なら、強く息を吸い込み、浅く吐き出す。これで、冬眠していた交感神経が目を覚まし、体温も上昇しますです、はい。
あ、何処で呼吸するかって? 口呼吸は比較的浅い呼吸になりがちなので、交感神経優位。反対に鼻呼吸は、深いゆったりとした呼吸になる為、副交感神経優位です。
運動
事件は、現場で起こっている。熱は、(殆どを)筋肉が産生している。それに加えて、静脈やリンパ管は、動脈と違い、押し出してくれる心臓って強力な 肉の塊が無い以上、出先から戻るには、手足の筋肉によるポンプ作用しかありえない(美容通信2011年1月号)。ポンプがちゃんと機能する≒歩くなり、走るなり、まあ、筋トレするなり、何らかの運動とでも言いますかね、ポンプ機能がしっかり稼働しなきゃ、血液、リンパ液は鬱滞し、循環不全や浮腫と言った、要らないオマケが付いて来ます。…HISAKOは、前述の通りに、寒いとやる気が完全に枯渇する変温動物系(笑)なので、「運動不足は、筋肉を減少させ、脂肪を増やし、低体温を誘発するだけでなく、循環障害も引き起こす!」と、幾ら笛吹けど踊れず…、冬場は自発的な運動は諦め、専ら、AC BODY(美容通信2012年7月号)の様な他動的運動に頼るしかないのが実情です(笑)。
厚生労働省は、健康づくりの為の運動指針なるものを設定し、1週間で23エクササイズ(1エクササイズ≒20分間のウォーキングに『相当)を推奨しています。参考までに、下記に、1エクササイズに相当する身体活動を列挙しておきますね。アウトドア派?ならこんな感じ。
- 普通歩行(マメこいガキんこや犬を連れてとか、お買い物etc.);20分
- ボウリング;20分
- 軽い荷物運び;17分
- 自転車に乗る;15分
- 階段の上り下り;10分
- ジョギング;10分
- 1~2Kgの軽装(←つまり、本気で富士山登山に行こうレベルなら、最低限の装備でも、何やかにやで、リュック本体を入れて6~7Kgは背負いますから!)で、ゴジラ気分で八ツ山登山♪
- ランニング;7~8分
- 水泳;7~8分
インドア派…?
- 立ちんぼで子供の世話;20分
- 拭き掃除;20分
- 家財道具の片付け;20分
- モップ、掃除機を使用した掃除;17分
- 床磨き;16分
- 風呂掃除;16分
- 庭の草むしり;13分
- ガキんちょに遊んでいただく(笑);12分
- 家財道具の移動・運搬(←夜逃げ? 単なる部屋の模様替え?);10分
- 美容体操;10分
プールでのウォーキングは、水圧が掛かるのと、体重の影響を軽減出来るので、推奨される事が多い運動ではありますが、自宅の庭にプールが無い非セレブ人だと、どっかのジムに通うかしないと実際問題として無理だし、そうなると水虫が怖いし、体温より高い温水プールなんて温泉以外にありえないと断言しちゃっても良い位なので、物理的に冷える…と、HISAKOはプールに行かない言い訳しそう(笑) 。
食生活の改善
貝原益軒の「養生訓」には、「飯はよく熱して、中心まで和らかなるべし、こはくねばきをいむ。暖なるに宜し、羹は熱きに宜し、酒は夏月も温なるべし、冷飲は脾胃をやぶる。冬月も熱飲すべからず。気を上せ、血液を減らす」とあります。
冷たい物は、飲まない、喰わない。
体温以上の物を食べる。そして飲む。
冷たい飲食物は、口の中で十分温めてから呑み込めばOKなんて、屁理屈をこね回す小学生が吐きそうなセリフですが、これは間違い。口に入った瞬間に冷たい食い物は、交感神経をバリバリに緊張させちまいます。
温める性質を持った食べ物(美容通信2005年5月号)と言えども、油断は出来ません。体温より低い温度の食い物は、熱を貴女から奪うんです。熱を奪いたかったら、自分より高い温度の食い物を、百歩譲ったとしても、常温以上の食い物を狙うべきです。男女関係と一緒です(笑)。
良く噛んで、噛んで、噛み砕いて食べる。
物を良く噛んで食べると、歯根膜や咬筋に分布する三叉神経の感覚枝が興奮し、何だかんだで神経ヒスタミンの産生を促し、脂肪、特に内臓脂肪の燃焼を促して、熱産生を亢進させます。反面、物を噛むって行為は、スポーツ選手が良くガムをくちゃくちゃやってますが、あれは教養が欠如しているからではなく、血漿コルチゾールやアドレナリン、ノルアドレナリンの分泌を抑えてくれるので、リラックス効果が期待出来るからです。つまり、咀嚼って行為は、体にとって有利になる様に、自律神経を上手くコントロールしてくれるお利口なツールなのです。
暴飲暴食は、それだけでも十分に冷えの原因になる。
暴飲暴食すると、全ての血液が消化管に集結! 筋肉や末梢の循環障害を引き起こし、熱産生が妨げられ、手足の先っぽは冷えるし、HISAKOは脳みその血まで胃袋に行ってしまうのか、果てしなく眠くなります。
酒について言うと、飲んで暫くの間、つまり副交感神経優位なのは飲み始めの1~2時間位なもので、それ以上飲み続けると、交感神経を刺激するようになり、却って緊張感を高め、ストレスを増やしてしまいます。
蟒蛇だとか、笊だとか、果ては枠、反対に下戸なんて人がおりますが、一般的には、日本酒1~2合程度、ビール1~2本程度なら、未だ副交感神経優位の範囲内で、「酒は百薬の長」。これを超えると、逆に交感神経の緊張を引き起こすようです。まあ、個人差はあるでしょうが。
エビデンス、つまり科学的根拠は無いに等しいけど、おばあちゃんの知恵は凄い。
- 食材のルール
①色の濃い、つまり黒だとか赤だとかの食い物は、温める。
[代表食材]黒ゴマ、黒ビール、黒砂糖、玄米、蕎麦、海藻、赤ワイン、ニンジン、根菜類etc.
同じ食材なら、スーパーで色の濃い方を選ぼう!
赤ワイン…バブルの頃は、ボージョレ・ヌーボー、少し冷してって口癖の様に毎日飲み歩いていたけど、これからの季節は、お散歩の合間に、甘酒感覚でホットワインが一番だね(笑)。
②地下に伸びて行く野菜は、温める。
地表近くで横に伸びて行くお野菜や、地下に伸びて行くお野菜の類は、体を温める「熱・温」の性質を有しています。例えば、ニンジン、ゴボウ、イモ類。
③北海道や東北の様な寒い地方が産地の野菜は、温める。
寒い地方が産地の食い物は、体を温める性質があり、反対に暑い地方の食い物は、体を冷やす性質があります。秋から冬に掛けての収穫祭♪で採れる野菜や果物は、水分が少なく、硬く実が充実していて、体を温めてくれる食材です。ネギ、ニラ、蕪、蜜柑、林檎etc.が、その代表格。
フェイント系(笑)が、主に採れるのに、どっちかって言うと「涼性」な白菜や、法蓮草、小松菜ども。こ奴等は、鍋の具として喰ってしまいましょう。
④果物には、一手間掛けて食べる。
果物は、南の島の楽園ってイメージの通り、多かれ少なかれ、水分が多く、体の熱を冷ます性質があります。つまり、冷え症の癖に、果物なんか喰うな!って話になります。…せ、殺生な!って心底思うフルーツ王国の住人の場合は、面倒でも、一手間掛けて、性質を変えるなんて裏技を試してみておくんなまし。加熱する、日干しにする、酢漬けにする、香辛料を振り掛けて食べる、発酵食品…キムチ? 納豆? クサヤ?と一緒に食べるですかね。あ、これ、生野菜を食する時も、同じです。
東進ハイスクールの林修先生は、「いつやるか? 今でしょ!」で、昨年、新語・流行語大賞を受賞しましたが、果物を食べる時間に、「今でしょ!」は当て嵌まりません。一日のサイクルで言えば、夕方から夜に掛けては、気温も下がりますよね? つまり、果物や生野菜は、喰うんなら、午前中なんですよ。
⑤体を芯から冷やす食い物は、どいつだ?
体を芯から冷やす食い物と知りつつも、宗教上の理由から、若しくは単なる生的!欲求から、食べざる得ない状況に追い込まれたら、その時は、④の様なMr.マリックばりの超魔術を駆使して食べて下さい。
体を芯から冷やす食い物とは、生クリーム・白砂糖を使ったスィーツ全般(ケーキ、クッキーerc.の、まあ、所謂「お菓子」って奴です)、牛乳、ヨーグルト、チーズ(←好きな人はチーズ星人!)etc.の乳製品、スナック菓子、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓、コーラ、ジュース、冷えた水、果物、生野菜、夏を旬とする野菜、カフェインの強い物、激辛や刺激物、粉モノ、マヨラーやケチャッピスト(日本語俗語辞典によると、ケチャラーとかケチャッパーなる呼び方もあるそうな…)の必需品等々。あ、ソースをこよなく愛するお好み焼き国の住人は、巷では何て呼ばれているんでしょうねぇ。ソース派とか、ソース狂、ソーシスト、ソー(ス)ラー?
- 四性(食性)
「四性」とは、中国の長い歴史の中で培われた概念で、食材を熱、温、(平)、涼、寒の四つ(若しくは、平を入れた五つ)のグループに分けるものです。
熱、温は、①体を温める、②新陳代謝を上げる、③興奮作用があるもので、代表的な食べ物は下記の通り。
熱;胡椒、唐辛子、シナモン
温;人参、南瓜、玉葱、鶏肉、鮭、海老、黒砂糖、、生姜、大蒜、蓮根、山芋、ラッキョウ、韮、山葵etc.
涼、寒は、反対に、体を冷やし、鎮静、消炎効果を持つ食材です。
涼;大根、白菜、豆腐、セロリ、胡瓜、蜜柑、苺、小麦粉etc.
寒;牛蒡、トマト、茄子、昆布、塩、醤油etc.
平は、中間。どっちつかずの半端もんって訳じゃないけど(笑)。
平;キャベツ、馬鈴薯、アボカド、林檎、牛・豚肉、米、蒟蒻、椎茸etc.
- 調理の工夫
体を温める食べ物だけを食べて生きて行ける…そんな生易しい世界ではないので、どうしたって、そうじゃない食べ物だって食べなきゃいけない(笑)。
高血圧の人はドン引きしそうですが、塩味や辛みを濃い目に味付けすると、温まる。味噌、生姜、大蒜、うこん、赤唐辛子、山椒、コチュジャン等を使いましょう。素材自体に温めるパワーが無いんなら、調理の際に生姜や大蒜を加えて炒めたり、温め効果のある黒ゴマを振り掛けたりと、工夫の余地はあります。野菜や果物は、火を通す癖をつけましょう。野菜は生で食べずにスープとか、果物は焼いたり、コンポートにしたり。クックパッド、お世話になっております(笑)。
風呂の嗜み(美容通信2003年12月号)
日本温泉気候物理医学会によると、38℃のお湯は副交感神経、42℃のお湯は交感神経を刺激するんだそうな。それ故に、交感神経がバリバリに緊張しちゃって、低体温♪なんて婦女子には、38~40℃のお湯でゆっくり入浴をしたいただくのが、オススメ。シャワーだけなんて、話にもなりません。
因みに、クリニックで販売している未来入浴剤は、冷え症には心強い友。唯、効果を期待出来るのは5時間ぽっきりなので、翌日の追い炊き時は期待出来ませ~ん、悪しからず。詳しくは、スタッフにお尋ね下さい。温泉土産の定番、「湯の花」も同様で、天然の温泉(美容通信2014年6月号)は湧き出た直後から酸化され、時間が経つと…、気のせいレベルに(笑)。
のぼせずに、お風呂で体の芯からじっくり温まるには、掛け湯がポイント。それも、洗面器やバケツにお湯を張って、其処に足を突っ込んだまま行う、ながら掛け湯が最強のテク。これは体を洗う時にも応用出来る方法です。
風呂から上がったら、後述の「寝る」の章でも触れますが、シャツと股引を着て、それからパジャマ。マッパにパジャマなんて、ましてシャネルのNo.5だけなんて、冷えるだけ。×です。髪を乾かして、汗が止まったら、即行、寝る。風呂に入って30分以内が、お約束ですかね。涼み過ぎると、交感神経にスイッチが入っちゃって、何の為の風呂なんだか分んなくなっちゃいます(笑)。
あ、温冷水浴? あれ、悪くはないんだけど、自律神経がトラぶってる時は、未だ使いこなせる段階にないって言うのかな、殆ど時期尚早。冷えてない健常人になって初めて、自律神経を鍛えてモノになる。
お洒落番長の腕の見せ所
冷やさない服装を語るのは、簡単。①シンプルで、②体を締め付けない、③トップスは薄目、ボトムスは厚めが、冷え対策の鉄板コーディネート(笑)。別に、重ね着すりゃあ良いなんて代物じゃないんです。③を少し補足しますと、筋肉の約70%が下半身に偏って存在しているので、お洒落番長としては、これ等をどう可愛く?格好良く?カパーして冷やさないかに尽きると思います。腹巻、股引(≒スパッツ? レギンス? トレンカ? …呼び方によって、世代がバレるって言うけど、HISAKOの様なバブル世代は、正統派の”股引”って呼び方を好みます)は、必須アイテム。上半身で筋肉が多いのは二の腕なので、タンクトップの類は論外。プルプル二の腕は、見た目の問題以外にも、隠すのが○って事です。後、手首、足首、単なる首等は、動脈が体表に露出しているので、環境の影響を受けやすいんです。ストールにマフラーに、ルーズソックス…。個人的には、こ、これって、小さな幸せ、SMAPの世界に一つだけの花、森ガール、ちょっと年増ならリンネルか?って勝手に妄想が爆走しちゃうんですが…。
唯、こんなナチュラル・ほっこり・ゆるふわ(ちょっと樹海?)系のファッション+正しい食生活だけで、低体温の患者さんなら体温は簡単に1℃は上がります。洋服で妥協して、それで体温が上がるならお安いもんだ!と割り切れる程、切羽詰まった冷え症に悩む非森系女子、若しくは真正森ガールは、是非実践して下さい。
寝る
自律神経のバランスを整えて、基礎代謝を上げる為には、夜寝るって当たり前の事が大事。電気がなかったお猿さんの頃の生活に戻れ!と、つい、原始人回帰を謳ってしまいますが、現代人の冷えの多くが交感神経優位の症状である以上、本来休息すべき副交感神経優位の時間が、仕事で交感神経優位の時間に侵食されてしまうのは、やっぱ致命傷。早寝早起きが基本かな。毎日が無理でも、せめて、週に1~2回は、何時もより1時間程度は早く寝る!
えっ? そんな事言っても寝らんねぇ? 不眠に対するアドバイスとしては、「起きる時間を一定にして、早起きをするよう!」が一番かな。朝早く起きりゃぁ、そりゃあ、当然、夜は眠くなって当たり前。不眠を訴える中高年女子には、もう年齢と共に不可逆的に分泌が低下して来ちゃってるので、プロゲステロン(美容通信2011年10月号)と一緒に、メラトニン(美容通信2010年9月号)のホルモン補充療法を行う事は多いですが、実はこのメラトニンってホルモンは、出処がセロトニンなんです。セロトニンは2500ルクス以上の強さの光で、合成・分泌が亢進します。それ故に、ルクスは強いが紫外線の少ない、つまり朝の早い時間に太陽光を浴びながらお散歩するのって、実は不眠の特効薬でもあるんです。
因みに、セロトニンは体温維持機構にも拘わっているんです。毛細血管の血液温度を感知し、縫線核から温熱中枢、血圧中枢へセロトニンが放出されて体温が維持されます。が、十分なセロトニンが出てないと、回り回って、基礎代謝が落ちて太るだけじゃなく、、低体温になる。
統計によると、冷えを強く感じる時間帯では、8割以上の人が就寝時を挙げています。就寝時の冷え対策としては、以下が挙げられます。
- 就寝30分~1時間前にゆっくり風呂に浸かる。
風呂釜が壊れて沸かせないなら…、せめて足湯(美容通信2009年6月号)だけでも○。
- パジャマは素っ裸に直に纏うもんじゃなくて、下着のシャツ(七分以上!)と股引を穿いて、その上から着るのが由緒正しいお姿。
- 寝てる時寒いのは、京都の冬じゃないけど、底冷えと言うか…床に接する側の、体の下面と表現したら良いのかな、体の芯から熱が奪われて行くから。
牢名主の様に敷布団を重ね、毛布の上にシーツを敷き、湯たんぽや電気毛布で予め温めておきましょう。唯、寝る時には湯たんぽはベットの外に追い出すし、電気毛布のスイッチは切るは必須ですがね(笑)。
クリニックで冷え症治療
中々一筋縄では行かないのが、冷え症の治療。組み合わせて、相乗効果を狙います。
即、試して実感❤系
- 交感神経優位なら、(原因はさて置いても)取敢えずブロックしちまえ!って、強行突破的嗜好なら、”スーパーライザー(美容通信2007年12月号)”、”プラセンタのツボ注射(美容通信2009年4月号)”。
- マイクロウェルダー、フットケア(美容通信2009年6月号)で、冷え切った筋肉を温めます。
- オゾン療法(血液クレンジング)(美容通信2011年8月号)、キレーション(美容通信2006年11月号)で、血流改善! 活性酸素も退治します。
- 体質改善なら、漢方薬(美容通信2005年6月号)。
- 甲状腺ホルモンや男性ホルモン等の代謝に関与する系のホルモン補充療法(美容通信2011年10月号)は、中高年の冷え症には抜群の効果を奏します。
- 抗ストレスホルモンであるDHEAホルモンの補充療法(美容通信2010年12月号)(美容通信2010年9月号)、副腎を助ける医療用サプリメント「アドレナルガード90」で、ストレス対策。
- 熱産生の場である筋肉を本気で鍛えるなら、器械に頼る”AC BODY(美容通信2012年7月号)”、自力で頑張る”エクササイズ(美容通信2014年6月号)”。
回り回って、有難味を感じる系
- 点滴療法(美容通信2008年11月号)(美容通信2010年10月号)、プラセンタ療法(美容通信2009年2月号)で、活性酸素による被害を最小限に喰い止めつつ、一気に流れを変える。
- 栄養療法(美容通信2007年3月号)(美容通信2010年4月号)、ビタミンD(美容通信2013年3月号)、貧血の改善(美容通信2013年11月号)で、普段から、多寡が活性酸素ごとにきに負けない強い子になっておこう。
その為には、必要な栄養素を確保して、細胞達が働き易い環境にしておく。つまり、ライナス・ポーリング(Linus Pauling)博士が提唱した、”分子整合栄養医学(分子矯正精神医学)です。EPA(美容通信2010年6月号)も末梢循環改善には効果的です。
- 腸内細菌叢の改善(美容通信2012年8月号)(美容通信2013年8月号)、遅延性フード(食物)アレルギー(美容通信2012年9月号)、腸管免疫(美容通信2014年1月号)は、基本中の基本。
- 睡眠の質を上げるメラトニンのホルモンの補充療法(美容通信2010年9月号)。
*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。
※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。
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- 未来入浴料AP AKシリーズ
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- ツボ治療
- オゾン療法(血液クレンジング)
- AC BODY
- 副腎疲労
- ホルモン療法で代謝を改善
- 細胞再生注射
- 続・天然ホルモン療法
来月号の予告
疾患別遺伝子検査キットが販売されました。
肥満とか、美肌とか、メタボとか、アトピー性皮膚炎、子宮癌、乳癌の遺伝子等々と、ターゲットを絞っているので、それも、お手軽価格なんです。
是非、お試し下さい。
<疾患別遺伝子検査(廉価版)>です。