HISAKOの美容通信2007年3月号
検査値の裏読み~分子整合栄養医学
世の中にはサプリメントが大氾濫(笑)していますが、本当に自分に必要な栄養素を知った上で補充していますか?
サプリメント外来では、アトピー性皮膚炎や頭皮湿疹、ニキビ・ニキビ跡、薄毛、色素沈着等の様々な皮膚症状の改善や、疲れ易い、冷え症等の体質改善の為に、血液検査や尿検査のデータを基に、貴女に本当に必要なサプリメントを提案しています。
検診で採血した結果を渡されて、全部正常値♪=私は健康体♪ これは、額面通りには正しい。しかし、物事、どんな物(者?)にも裏がある。人生、腹黒く行こうぜ!?
”検査値の裏読み”です。
因みに、オマケで表(おもて)読みも載せときます。
検査値の表(おもて)読み
折角採血して検査しても、それが何を意味するのかを知らなければ、豚に真珠、猫に小判。それとも、単なる資源ごみ? まあ、個人情報が記載されているから、資源にもならないか‥。
先ずは、採血の項目からの解説です。検査項目毎に、所謂、表(おもて)の意味を載せときましょう。
血液生化学検査
- 総蛋白(TP)
血液中の蛋白質の量。↓値:低栄養。↑値:肝疾患・膠原病・骨髄腫の疑いetc.
関連:A/G比、ALB、ZTT
- アルブミン/グロブリン比(A/G比)
血液中の2種類の蛋白質の量の比。他の値を参考にしながら、総合的に病気を診断。
関連:TP、ALB、ZTT
- アルブミン(ALB)
血液中で、主な栄養分となる蛋白質。↓:低栄養、肝臓・腎臓疾患疑い。
関連:TP、A/G比、ZTT
- 総ビリルビン(T-Bil)・直接ビリルビン(D-Bil)
胆汁中に含まれ、脂肪の消化を助ける物質。↑:胆汁の流れが悪い・肝疾患。
関連:GOT、GPT
- 亜鉛混濁試験(ZTT)
血液中のグロブリンと言う蛋白質の量を反映。他の値を参考にしながら、総合的に病気を診断。
関連:TP、A/G比、ALB
肝機能検査
- アルカリフォスファターゼ(ALP)
肝臓と骨に主に含まれている酵素。γ=GTP↑&ALP↑:胆石etc.の胆道系疾患や肝疾患が疑い。その他、妊娠や成長期でも↑。APLのみ↑:骨の病気。
関連:γ-GTP、LAP
- グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)
肝酵素の一つ。↑:肝疾患(特にアルコール性肝障害)・胆道系疾患。筋肉にも存在するので、心筋梗塞や筋疾患でも↑。
関連:GTP
- グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)
肝酵素の一つ。
↑:GOTと同じく肝疾患・胆道系疾患で↑。肥満や脂肪肝etc.ではGOTより上昇し易い。
関連:GOT
- ガンマグルタミントランスぺプチターゼ(γ-GTP)
飲酒で上昇する酵素として有名。↑:飲酒・肝疾患(薬剤性肝障害)。γ-GTP↑&ALP↑:胆石etc.の胆道系疾患の疑い。
関連:ALP、GOT、GPT
- 乳酸脱水素酵素(LDH)
殆ど全ての臓器に存在する酵素。↑:何らかの臓器の障害を示す可能性があるが、他の値や画像を参照にしながら総合的に病気を診断。
- ロイシンアミノペプチターゼ(LAP)
殆ど全ての臓器に存在する酵素。↑:肝疾患・胆道系疾患・膵疾患etc.。他の値や画像を参照にしながら総合的に病気を診断。
関連:ALP、γ-GTP、AMY
- コリンエステラーゼ(ChE)
肝臓で作られて全身に運ばれる酵素。他の値や画像を参照にしながら総合的に病気を診断。↑:脂肪肝・肥満・糖尿病etc.↓:低栄養状態・肝硬変。サリンや有機リン系物質の中毒では、ChEの働きが低下して全身に影響を与える。
関連:GOT、GPT、ALB、T-Cho
膵臓・糖尿病検査
- アミラーゼ(AMY)
主に膵臓と唾液腺で作られる酵素。↑:膵炎・唾液腺炎etc.で、これらの組織が壊されると↑する事も。↓:殆ど病的意義なし。膵癌で↓の事も。
- 血糖値
↑:糖尿病。但し、食事の影響を受け易いので、診断にはブドウ糖負荷試験やHbA1cの値の参照が必要。
関連:HbA1c
- ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)
ブドウ糖と結びついた赤血球の割合。一日の中で変動が無く、最近1~2ヶ月の血糖値の状態を良く反映するので、糖尿病の状態を見る良い指標。但し、肝硬変や特殊な貧血では不正確な値になる。
関連:血糖値
腎機能・痛風検査
- 尿素窒素(BUN)
蛋白質の代謝産物。腎機能の指標。Cre→&BUN軽度↑:脱水(検査前の絶食による?)
関連:Cre
- クレアチニン(Cre)
腎機能の指標。↑:様々な原因による腎機能の悪化。
関連:BUN
- 尿酸(UA)
食物中の核酸(プリン体)の代謝産物。↑:痛風発作や尿路結石の原因にもなる為、要注意。アルコール(特にビールの摂取やストレスでも上昇。
電解質
- ナトリウム(Na)・クロール(Cl)
血液中に最も多く存在するミネラル分。通常非常に厳密な範囲に保たれているので、大きくバランスが崩れている場合には危険!
- カリウム(K)
細胞の中に多く存在するミネラル分。神経や筋肉、特に心臓の働きの調整に大きな役割を持っている。↓:利尿剤や一部の漢方薬etc.の内服で低下するので、定期的な検査が必要。↑:腎不全等の場合に上昇する事があり、不整脈etc.の原因に。
- カルシウム(Ca)
血液中のミネラル分の一つ。↑:副甲状腺機能亢進症・骨粗鬆症や悪性腫瘍でコツが溶け出した。↓:副甲状腺機能低下症・腎障害。
関連:無機リン
- 無機リン
カルシウムと共に骨を作る大切な成分。Caと同様に副甲状腺機能異常や腎障害で異常値に。他の値や画像を参照にしながら、総合的に病気を診断。
関連:Ca
血液一般検査
- 白血球数(WBC)
外敵から体を守る血液成分。↑:細菌感染症。↓:ウィルス感染症。体調によりある程度変動するが、極端な異常値の場合には血液疾患の場合も。
関連:白血球像
- 血小板数
止血・凝固の働きを持つ血液成分。↑:炎症・血液の病気。↓:肝疾患・薬剤性によるもの。
- 赤血球数(RBC)
酸素を運ぶ血液成分。Hb値、Hct値と併せて貧血の程度を判断。↑:脱水・稀に多血症
関連:Hb・Hct・MCV・MCH・MCHC
- ヘモグロビン(Hb)・ヘマトクリット(Hct)
夫々に赤血球の色素の量・血液中の赤血球の割合を示す。貧血の程度を示すのに使う。
- 平均赤血球容積(MCV)・平均赤血球血色素量(MCH)・平均赤血球濃度(MCHC)
夫々の組み合わせで貧血の種類を示すのに使う。
- 白血球像
白血球の色々な細胞の総称。正常血液中では、好中球・リンパ球・好酸球・好塩基球・単球etc.が一定の割合で存在。この割合が大きく崩れたり、通常存在しない細胞成分が存在すると、病気の存在が示される事も。
- 鉄(Fe)
赤血球のヘモグロビンの材料。Fe↓&Hb↓:鉄の摂取不足・出血性の疾患(胃・十二指腸潰瘍、出血性ポリープ、子宮筋腫、過多月経、悪性腫瘍etc.)疑い。
- C反応性蛋白(CRP)
↑:急性の炎症や組織の損傷(風邪程度でも敏感に反応するのが特徴)・リウマチや膠原病等の自己免疫疾患。
ウィルス感染症、細菌感染症では、白血球数等も参考にして感染の程度を診断。
関連:WBC
感染症検査
- ヘリコバクターピロリIgG抗体
人の胃に住み着く細菌として有名な”ピロリ菌”の感染の既往を調べる。除菌によりピロリ菌が消えても陽性が続くので、除菌の効果判定には向いていない。年齢によっては半数以上が陽性になる事も。ピロリ菌は胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌等の発生に関係がある。除菌は内服薬のみで比較的容易。
- ペプシノーゲンⅠ型・Ⅱ型
胃炎や胃粘膜の萎縮の程度を測る。萎縮が進む程、胃癌が発生し易い。胃癌発生のリスクを測る目安。
面白くないかもしれませんが、ここで止める訳には行きません。欠伸を噛み締めながら、読んで下さい。尿検査についてで~す。これまた、検査項目毎に表(おもて)の意味を載せておきます。
- 尿定性・尿潜血
腎臓、膀胱等の尿路系の疾患を調べる。但し、女性の場合、疾患が無くても陽性になる率がかなり高い。骨盤MRIやPET等の画像を参考にしながら、総合的に病気を診断。
- 尿定性・尿蛋白
腎炎やネフローゼといった腎疾患で陽性になる。過度の運動etc.でも一時的に陽性になる事も。血液検査や画像検査を参照しながら、総合的に病気を診断。
関連:TP、ALB、BUN、Cre
- 尿定性・尿糖
血糖値がおおむね180を超えると尿糖が出る。だから、尿糖が陰性でも糖尿病は否定出来ない。糖尿病以外でも腎性糖尿と言って尿糖を認める場合があり、これは治療不要。
関連:血糖値、HbA1c
- 尿定性・尿ウロビリノーゲン
肝臓・胆道系疾患で異常値(+以上)。
関連:GOT、GPT、T-Bil、D-Bil
- 尿定性・ビリルビン
血液中に何らかの原因でビリルビンが増えると、尿中にもビリルビンが出て来る。血液検査や画像診断を参照にしながら、総合的に病気を診断。
関連:GOT、GPT、T-Bil、D-Bil
- 尿定性・ケトン体
糖尿病、食中毒、長期の絶食等で栄養分の代謝がうまくいかなくなり、血中にケトン体が増えることによって、尿中にもケトン体が見られるようになる。何れにしろ、早急な改善が必要。検査前の絶食が長いと陽性になる。
関連:血糖値、遊離脂肪酸
- 尿定性・pH
通常一定範囲に保たれているが、糖尿病、肺気腫、気管支喘息、脱水、嘔吐、腎不全etc.で変動。血液検査や画像検査を参照にしながら総合的に病気を診断。
- 尿定性・尿比重
腎臓の濃縮力の指標。脱水で高比重。
- 尿沈渣-赤血球・白血球・扁平上皮・粘液糸etc.
尿を遠心分離して得られる固形成分を顕微鏡で観察。腎臓、膀胱等の泌尿器系疾患の診断に使う。
”分子整合栄養医学”に基づいた栄養療法
冒頭の写真の妙に猫心をそそる爺ちゃんは、ライナス・ポーリング(Linus Pauling)博士です。もう亡くなっちゃいましたが、ノーベル賞を2回(化学賞・平和賞)もらった物凄い科学者です。噂によると、DNA構造の研究ではワトソン&クリックに先を越され、3つ目のノーベル医学生理学賞を逃してしまったとか。まあ、HISAKOの様な凡人には伺い知れぬ脳みその持ち主だった事は、確かなようです。
その彼が提唱したのが、”分子整合栄養医学(分子矯正精神医学)です。「健康を維持し、病気の治療を促進する為には、人体を分子レベルから捉え直し、病気をその分子病として分類すべきである。ビタミンを始めとする分子矯正物質を積極的に活用すれば、人間の平均寿命は110歳位は伸ばせる。現代医学はそうした視点が欠けている」と。
つまり、日本のみならず多くの国では、ビタミン類の一日所要量(RAD)が定められてはおりますが、これは単に”欠乏を防ぐ”量でしかありません。例えば、ビタミンCが欠乏すると壊血病になって挙句死んじゃうから、病気にならない為には最低これ位の量のビタミンCは摂らにゃ~あかん!ってラインです。”分子整合栄養医学”的観点からすると、それは貴女を構成する分子達に”生活保護”レベルの環境しか与えていない=崖っぷち極貧レベルを強いていると解釈せざる得ないんです。‥分子達がこれでは可哀想だと思いません?.gifセレブとまでは行かずとも、ラグジュアリーで上質な分子環境を提供し、貴女の長寿と健康の為に、目一杯馬車馬の様に働いてもらうべきでしょう(笑)。平たく言うと”分子整合栄養医学”とはこの様な学問です。拍子抜けしました?
じゃあ、ラグジュアリーで上質な分子環境を提供するその”分子矯正物質”ってのは、一体何物だい? あたしゃ、訳の分んない薬をもうぎょうさん飲むなんて事は嫌なこった。第一、副作用だってあるんだろう? 真っ平御免だね。‥いえいえ、御心配なく。”分子矯正物質”と偉そうに名乗ってはおりますが、ビタミンやミネラル、アミノ酸と言った私達が日常食事として摂取している栄養素達です。
ですから、保険診療内でビタミン類を処方してもらったり、ドラッグストアーで栄養補助食品(所謂ところのサプリメント)を購入するのも、悪くはないでしょう。最低限必要な基準量を僅かとは言え上回っていますから。でも、それだけでは、貴女を構成している分子にとって最適な環境かと問われると‥、不適切と言わざる得ません。個人によって、食生活は異なります。栄養素の代謝だって異なります。糖尿病等の遺伝的な背景も異なります。更には、ビタミンやミネラルの消耗要因(ストレスetc.)も異なります。横並びの成分、横並びの量のサプリメントでは、どう贔屓目に見たって、”分子矯正”には役不足と言わざる得ません。3ヶ月に一度、血液検査(初回のみ47項目、2回目以降45項目)と尿検査(9項目)を行って、貴女の栄養状態を詳細に分析し、最適な栄養素の種類と量を補充するのが、クリニックによる”栄養療法”です。(採血20項目のみのライト・プランもございます。ご予算によってどうぞ♪) この為には、冒頭でも述べましたが、検査値を裏(うら)読みせねばなりません。だって、表向きには肝臓や腎臓etc.の個別の機能に問題がなくても、実は幾つかの項目を横並びに見ていくと、分子の悲痛な叫び声が漏れ聞こえて来るものなのですから。
え? 腹黒くないから、裏(うら)読み出来ない? 大丈夫です。コツをお教え致しましょう。
検査値の裏(うら)読み
このデータはHISAKOの検査結果の一部です。(因みに、異常値には*印が付いてます。つまり、*は、ない=異常値はない。)
GOT19、GPT11、γ-GTP10、TP6.0、BUN14.5
データ的には、健康診断でいつも問題なし!の一言で終わってしまうのですが、”分子整合栄養医学”的観点から、どんな問題が炙り出されてくるのでしょうか? ちょっと、HISAKOのデータに裏読みを加えてみましょう。
総蛋白(TP)・γ-GTP・BUN
血漿中で最も多い化合物で、100種類以上蛋白成分が含まれています。これらはお互いに関係しながら、色んな機能を営んでおります。例えばどんなお仕事を任されているかを、ちょっと列挙してみましょう。
- 細胞etc.の生体を構成する:コラーゲン(骨)・核蛋白(ヒストン)・細胞構成蛋白質
- 酵素として生体内の全ての代謝に関与:消化酵素・種々の代謝を行う酵素類
- 筋肉を構成し、筋収縮etc.の運動を行う:アクチン・ミオチン
- 生体の防御作用:抗体・補体・フィブリノーゲン(血液凝固)
- ホルモンとして代謝を調節:インスリン(血糖制御)・成長ホルモン
- アミノ酸を栄養素として貯蔵:アルブミン(細胞)・カゼイン(乳汁)
- 栄養素や酸素etc.を運搬:アルブミン(血清)・ヘモグロビン・ミオグロビン・リポ蛋白
- エネルギー源:蛋白質1g=4Kcal
- 受容体を構成し、生体情報を伝達:LDL受容体・インスリン受容体
超売れっ子のアイドル並みのお仕事ですが、皆さんも良く耳にする様に、アイドルは結構薄給な職業らしい。蛋白質もどうやら同じみたい。一日に必要な蛋白質量は、体重当たり1g~1.5g。例えば、体重50kgの標準的おば様が、元気にオバタリアン生活をエンジョイする為には、50~75gの蛋白質が必要。ふ~んと聞き流さないで下さいよ。これ、結構、苦行に近いんですよ。ちょっと計算してみましょうか。
牛肉100g=蛋白質重量20g×プロテインスコア0.8=16g 生肉で喰わない人は調理損失分の÷2で、8g
黄な粉(大豆)230g=蛋白質重量10g×プロテインスコア0.56=5.6g
生卵1個=蛋白質重量6.5g×プロテインスコア1.00=6.5g
プロテイン20g=20g
朝飯に森光子の様に卵6個生飲みして39g、昼飯と晩飯に夫々100gのステーキを頂いて16gだから、合計55g。食事だけで必要な蛋白質量を摂取するって、結構ボディービルダー級にヘビーな食生活だよなぁ‥。HISAKOは絶対、蛋白質不足はデータを見ない前から明白。落第が既に分かっている試験の結果を見に行く様な、憂鬱な気分でデータを見てみましょう。
HISAKO値
TP:6.0g/dl(参考基準値:6.7~8.3g/dl)
γ-GTP:10U/l(参考基準値:0~60IU/l)
BUN:14.5mg/dl(参考基準値:8.0~23.0mg/dl)
基本的には、総蛋白は最低でも7.5g/dlはないと、パワーパフガールにはなれません。だから、HISAKOはちょっとどころかかなり、蛋白質摂取不足。それに、HISAKOは右足のリンパ浮腫が酷いので、ここでの蛋白質の漏出と言うロス分がかなり予想されます。これはヤバイ‥。
もし、これが6台の値だったとすると、γGTPとBUNの値をチェックします。HISAKOのγ-GTPの値は、10U/l。10台以下なら、もう完全な蛋白質の摂取不足です。ところが、このγGTPが所謂ところの検査値で異常値とみなされるのは、60IU/lを超えた時のみ(参考基準値:0~60IU/l)なんです。目指せ、20台!
BUNも、腎臓の病気の指標ではなくて、蛋白質をちゃんと取れているかって観点からTPやγGTPと併せて考えると、一般的な正常値の範囲8.0~23.0mg/dlは少し広過ぎとなってしまいます。20mg/dlがちょうど良い位の値になるので、それに照準を合わせた食事やサプリメントを調整する必要があります。因みにHISAKOは、BUN14.5mg/dlでした‥。
HISAKOの様にTP、γGTP、BUN全てが低値って人は、北朝鮮の人民レベル。かなり本腰入れて蛋白質の摂取を考えないと、細胞環境がいずれ完全に破綻する‥。アーメン。
GOT&GPT
表読みの章でも述べましたが、GOT、GPT共にアミノ酸を作る酵素で、肝臓の機能を示す指標。だから、両者が正常値なら、肝機能に異常なし♪ でも分子整合栄養医学的には、これはビタミンB群の代謝の状態を示す値になります。GOTもGPTも体内で活性を維持するには、補酵素であるビタミンB6が絶対不可欠! だから、ビタミンB6が不足すると、当然の事ながら両者の値はぐんぐん下降線を描きます。でもこの両者、壊れる速度が違うんです。つまり、GPTはGOTよりとっとと壊れてしまうから、値の差を見ればビタミンB6の不足が分かるって寸法。GOTとGPTの値は、精々2以内の差に留めて置くのがベストです。
HISAKO値
GOT19IU/l(参考基準値:10~40Iu/l)
GPT11IU/l(参考基準値:5~45IU/l)
HISAKOは、今は(笑)、特に脂肪肝や肝炎etc.の肝細胞障害のない健康体なので、GOT、GPTが両者共に乖離なく20~30IU/lに収まっているのが望ましい値と考えられます。つまり、もっと活動性を上げると言う観点からすると、明らかにビタミンB6の不足って事になりますね。GOT、GPTの乖離も、2以内であるべきなのに8もあるし‥。しかし、ビタミンB群は吸収の過程を考えると単独で不足するって事はあり得ないので、他のビタミンB群も不足しているはず。‥HISAKOは食べるのが趣味なので、結構ご飯には自身があったんですけど‥、未だ不足かぁ‥。
この様にちまちまデータから解析し、他に若干の貧血傾向と、ストレス増大(交感神経緊張型)、亜鉛不足が認められた為、下記の様なサプリメントを処方しました。
ビタミンB1(154.5mg)、ビタミンB6(154.5mg)、亜鉛(91.5mg)、d-αトコフェロール(300IU)、総トコフェロール(405mg)、レチノール(6.75mg)、β-カロチン(27mg)、ヘム鉄(24mg)、ビタミンC(3000mg)、フラボノイド(3.6mg)、必須アミノ酸(3747mg)、ペプタイド(9.5mg)
HISAKOは実は、この採血とおしっこの検査をするずっと以前からは、保険の上限量で、ビタミンB6を600mgとビタミンCを1800mg(じゃあ、ホントは、ビタミンCは4800mgは必要だったって事!?)、ビタミンEを600mgは飲んでたんですけどね‥。それでも、足りない!!って事なんです。
HISAKOは、取り敢えずは今、気になる病気っちゅう病気の自覚はないので、解析はこれで終了♪ でも、アトピー性皮膚炎とか、ニキビとか、その他諸々の分子病!に悩む紳士淑女には、更にその病態に合わせたプラスαの処方が必要になってきます。詳しくは次の章を読んでもらう事に致しましょう。
状況は次第に改善するので、3ヶ月毎に採血&採尿して、解析、サプリメントの処方を行います。
身近な病気の治療にも、勿論使えます。
検査の裏読みは、単に健康な人がより健康になる為だけに使うものではありません。アトピー性皮膚炎や花粉症、ニキビ、水虫、更年期障害etc.の治療としても、栄養療法からのアプローチは非常に有用です。だって、”分子整合栄養医学”的観点からすると、分子病なんですもの。従来の治療を決して否定するつもりは毛頭ありやせんが、併用して、美味しいとこ取りしちゃえば良いんじゃないですかねぇ。
アトピー性皮膚炎
”分子整合栄養医学”では、アトピー性皮膚炎は<皮膚を中心に起こる炎症性疾患>と考えます。つまり、ライナス・ポーリング(Linus Pauling)博士の頭を拝借したつもりになって考えると、こんな具合になります。
上記の図でも明らかな様に、局所的な炎症を抑える為には、アラキドン酸の生成を如何に抑えるかが鍵になって来ます。ですから、必須脂肪酸であるω-3系脂肪酸とω-6系脂肪酸のバランスが大事なんです。イギリスを中心としたヨーロッパでは、既にγ-リノレン酸を使うのは当たり前とはされています。必須脂肪酸の代謝をスムーズに行う為に必要不可欠な栄養素である亜鉛やビオチンを処方するのは、当然の事と考えられています。特に元々日本人は、σ-6不飽和化酵素の活性が落ちている人種の上に、更にアトピーっ子は活性が低い訳ですから、尚更必要度が高いんです。
‥ですが日本では、アトピー性皮膚炎の治療としては、保険は通らないんです。亜鉛もγ-リノレン酸もマグネシウムも、そもそも保険のお薬としては存在しないんです。例え、無理矢理病名をこじつけて処方出来るものがあったとしても、治療に必要な十分量には達しない‥。個人の栄養状態だって違うのに、それを加味して処方量を増やすなんて事も保険の範囲外となってしまいます。出てしまった結果を抑えるのは勿論大事だけど、出ない様にする為の物にお金を投資すべきって予防的な視点が、絶対、厚生労働省には欠けている。本末転倒! まあ、HISAKO風情が幾ら騒いだとしても、お役人様は聞いてなんてくれないんだけどね。
角化異常もありますから、ビタミンAの摂取も大事ですよね。
治療に利用する主な栄養素
亜鉛、ビタミンB群(ビタミンB6、ビオチンetc.)、ビタミンC、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンE、γ-リノレン酸、EPA、DHA
ニキビ
ニキビ美容通信2003年11月号でお悩みの患者さんの血液を分析してみると、白血球のバランスが崩れている人が意外に多いものです。白血球には、交感神経支配の好中球と、副交感神経支配のリンパ球がありますが、自律神経が乱れ手来ると、両者の比率や絶対数に影響が出て来ます。例えば、仕事が煮詰まってイライラ極限状態だと、交感神経は興奮しっぱなしになってしまいます。昔の人は巧い事を言うもので、<親が親なら、子も子>です。当然、子分の好中球もトゲトゲしまくって、八つ当たりをし始めます。バイ菌がうにゃうにゃいる時には心強い兵士も、鬱憤晴らしで自虐的行為に走られた日には、堪ったものじゃありません。標的が皮膚ならニキビや吹き出物になるし、粘膜なら口内炎です。ですから、ニキビの治療には、自律神経を整え、攻撃性を増した好中球を沈静化させるのがポイントです。
勿論、アトピー性皮膚炎と同様、局所の炎症と角化異常がありますから、治療は重複する所が出て来ます。
もし、赤ニキビが花盛りなら、同時にビタミンCは特効薬。免疫増強作用がピカ一です。え? 良く町の皮膚科でニキビって言うとお約束の様にビタミン剤出されるけど、効かないよ~っ! あ、そうです。それっぽっちの量で効く訳なんてありません。免疫増強作用が認められるには、1日5~10gと言った桁違いの、とても保険では通るはずもない様な膨大な量の摂取が基本です。人間は、進化の過程で、他の哺乳類の仲間と違ってグルコースからビタミンCを合成する能力を放棄しました。だから、経口摂取するしかないんです。一説には、おならしまくって、腹が緩くなるくらいまで量を増やせ!って、過激な発言もある位。精々そんな副作用くらいしか出せないビタミンCで、抗生剤の代わりを果たしてくれるんなら、良いんじゃないですかねぇ。
ケミカルピーリング(美容通信2005年4月号)や脱毛(美容通信2006年2月号)、イオン導入(美容通信2006年11月号)等の皮膚の外からの治療と併せて、体の中からのアプローチも大事です。
治療に利用する主な栄養素
ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB群、ビタミンC、ヘム鉄、亜鉛
*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。
※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。
関連ページ
関連するHISAKOの美容通信をピックアップしました。
来月号の予告
良く耳にする病気ですが‥。
”アトピー性皮膚炎”です。