待望の日本人向け生物学的年齢検査誕生!エピクロック®テストで老化をモニタリングしながら、健康資本を高められる社会に旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2025年12月号

待望の日本人向け生物学的年齢検査誕生!エピクロック®テストで老化をモニタリングしながら、健康資本を高められる社会に

これまで、老化は、加齢に伴って生じる不可逆的な現象であると考えられ来ました。しかし生物学的年齢を高精度に評価する技術の登場で、老化の捉え方は大きく変わりました。それは、老化には個人差があり、そして老化はコントロール出来ると言う点です。
既に欧米ではエピジェネティック・クロックによる生物学的年齢検査が盛んですが、この度、待望の日本人向け生物学的年齢検査エピクロック®テストが販売開始されました。抗老化に向けた取り組みは、始めるのが早ければ早いほど、歳をとった時に違いとして現れます。エピクロック®テストで、生物学的年齢の変化を定期的にモニタリングしながら、適切な対策を講じ、自らの「健康資本」を当たり前の様に高められる社会の幕開けです。

 今まで、欧米人向けの生物学的年齢検査(美容通信2024年1月号は山の様には語弊がありますが、HISAKOが以前お試し感覚で受けたThe TruAgeTM Testを始め、玉石混交。ホント、仰山以上に沢山(笑)あります。しかし、これ等の従来のアルゴリズムは、日本人の遺伝的特性が十分に考慮されていなかった為、最適な評価が困難とされ、クリニックでは受注をしていませんでした。しかし、この度、漸く日本人向けの生物学的年齢検査エピクロック®テストの販売が開始され、グローバルスタンダードとなりつつある生物学的年齢検査が日本でも受けられるようになりました。

 抗老化に向けた取り組みは、始めるのが早ければ早いほど、歳をとった時に違いとして現れます。エピクロック®テストで、生物学的年齢の変化を定期的にモニタリングしながら、適切な対策を講じ、自らの「健康資本」を当たり前のように高められる社会の到来です。

生物学的年齢

 FDAは、老化を病気とみなす事を、今盛んに検討中なようです。また、世界保健機構(WHO)が、30年ぶりに、国際疾病分類(ICD)を改定し、加齢関連の(aging-relared)と言う新たな疾病分類コード(ICD-11)が追加されました。「老化は不可逆的な自然現象」と言う従来の通念から、「老化は病であり、治療や予防をすべき対象である」と、老化の捉え方に大きな転換が起こっています。この背景には、生物学的年齢と言う概念が大きく関与しています。

 生物学的年齢とは、身体の細胞や組織の状態に基づく年齢であり、暦年齢(お誕生の日からの経過年数)とは異なる概念です。身体の健康状態や老化の進行具合に加え、心筋梗塞、癌、アルツハイマー病等に代表される加齢関連疾患リスクを反映する指標と考えられています。

老化は、多くの病気の元凶!

 アメリカ国立老化研究所(NIA)は、加齢そのものが、認知症、虚血性心疾患、脳卒中、癌、糖尿病、高血圧等、多くの慢性疾患や症状に於いて、最も重要な危険因子と結論付けています。

 

エピジェネティック・クロック

■エピゲノム

 生物の設計図である遺伝子は、DNAに含まれる塩基と言う物質の並び順で規定されています。この塩基配列の情報はゲノムと呼ばれ、先天的に決まっています。一方、遺伝子そのものは変化が無くても、遺伝子の使われ方は細胞の種類や環境に応じて、後天的に変化(美容通信2022年7月号)します。DNAメチル化(美容通信2024年1月号)やヒストン修飾(美容通信2022年6月号)等の、遺伝子の使われ方を調節する仕組みやそれらの制御に関わる分子の相互作用の総称を、エピゲノムと言います。

 下図を見て下さい。使う遺伝子は開いておき、使わない遺伝子は閉じておく。エピゲノムとは遺伝子の働き方を制御して、遺伝子の開閉を仕切っているんです。

■DNAメチル化

 DNAメチル化とは、エピゲノムの一つで、DNA分子のシトシン塩基にメチル基が付加される化学的な修飾の事です。この修飾は、特にCpGサイトと呼ばれる特定の配列で頻繁に認められます。DNAメチル化は遺伝子の発現を調節する効果があるとされ、特定の遺伝子の発現をon/offする役割があり、DNAスイッチとも呼ばれています。DNAに於けるメチル化パターンは、体の老化と密接な関係がある事が分かっています。

  DNAメチル化の臨床応用としては、下記が考えられています。

  • 生物学年齢を評価

   DNAメチル化パターンから、生物学的年齢や老化のスピードを評価出来ます。

  • 疾患リスクを評価

   DNAメチル化パターンから、癌、心血管疾患、認知症、糖尿病等の慢性疾患の発症リスクを評価出来ます。

  • 生活習慣の影響を可視化

   DNAメチル化パターンから、生活習慣が与える身体への影響を数値化出来ます。

  • 病気の進行をモニター
  •  

   DNAメチル化パターンから、様々な病気の進行・回復度合いを評価出来ます。

■エピジェネティック・クロック

 数ある生物学的年齢測定方法の中でも、このDNAメチル化と言うエピゲノム情報に基づき、年齢を計算するエピジェネティック・クロックは、その精度と頑健性(ロバストネス:ある系が応力や環境の変化といった外乱の影響によって変化する事を、阻止する内的な仕組み、又は性質の事で、蛋白質や腸内細菌叢マーカー、遺伝子発現マーカー等と比較して、異常値や外れ値に強く、一貫性のある結果が得られます)の高さから、他の測定方法を凌駕するアルゴリズムであり、最新の研究でも、生物学的年齢を測定する上で、最も有望且つ妥当な方法であると考えられています。欧米では、エピジェネティックスによる遺伝子の制御の状態を調べる事により、実際の年齢よりも身体の細胞や組織がどれだけ老化しているか、若しくは若い状態を保っているかを提示出来る為、既に一般向けに検査(TruAgeTM Test等)が提供されています。

 エピジェネティック・クロックにより計算された生物学的年齢は、エピゲノム年齢とも呼ばれ、食事やストレス、運動習慣等の様々な要因によって影響を受けます。つまり、所謂世の中的に健康維持に良いとされる行動を取った事で、真にどれだけの健康効果があったのか、行動前後の変化を可視化する事が出来ます。更に、生活習慣の改善は、生物学的な老化を減速させるだけでなく、生物学的年齢を巻き戻す事が、多くの研究成果で示されています。

 下記に、報告事例を列挙します。

  • 生物学的年齢が上昇すると、罹患リスクが上昇します。(PhenoAge:2018年発表のエピジェネティック・クロック)
    •  癌、アルツハイマー病を始め、様々な疾患について、老化加速度との関連性が報告されています。
      • 癌:老化速度が+5年で、発症リスクが15%上昇(Lijun et al., 2024)
      • 冠動脈疾患:老化加速度の増加は、高い罹患リスクを示す(Qiong Ma., 2022)
      • アルツハイマー病:老化加速度と病理学的指標との間には、有意な相関がある。アミロイド蓄積p=0.012 神経原線維変化p=0.0073(Morgan E et al., 2018)
      • 慢性閉塞性肺疾患:老化加速度の増加は、高い罹患リスクを示す(Zhishen et al., 2023)
      • 心不全:老化加速度の増加は、高い罹患リスクを示す(Xuhong et al., 2022)
    • 老化加速度(AgeAccel)の増加に伴い、慢性疾患の発症数が増加します(Qiong Ma et al., 2022)。
  • 食事、サプリメント、睡眠、呼吸法等の8週間のライフスタイル介入により、生物学的年齢が平均4.6歳、最大で11.0歳低下しました(Fitzerald et al., 2023)。
  • 強いストレスで、生物学的な老化が加速します。

   ヒト・マウスに於いて、強いストレスに曝されると、生物学的年齢や老化ペースが加速する事が確認されました。ストレスイベントが終了すると、生物学的年齢や老化ペースはリカバリーはしても、元のベースラインまでは戻らないケースもありました。

 しかし、既存のアルゴリズムは、学習データとして日本人の情報が殆ど含まれていない為、日本人に適応した場合、遺伝的背景の違いから予測精度が著しく落ちる事が課題でした。この度漸く販売が開始されたエピクロック®テストは、この欠点を補う為に、日本人のDNAメチル化情報を学習し、日本人の遺伝的背景に最適化した検査です。

エピクロック®テストとは

 今、HISAKOと同世代の人達の10人に1人が100歳まで生き、その子供世代は5人に1人が100歳を迎えると考えられています。HISAKO個人だけの問題!ではなく、超高齢社会の最先端を突っ走る日本於いては、老化に対処する事は、最大の優先事項の一つです。老化の概念が大きく変化したのは、老化の情報理論の確立です。様々な研究によって老化のメカニズムが分かり始め、老化や寿命を客観的な情報として理解出来る時代となりました。これには「DNAのメチル化」というキーワードが深く関係しています。DNAのメチル化から計算される生物学的年齢は、エピジェネティック・クロックと呼ばれ、これを用いた老化の逆転(若返り(リジュビネーション))研究は、既に有望な成果を示しています。欧米の抗老化クリニックでは、DNAのメチル化情報から老化を評価する時期に来ており、老化速度を調節する治療も可能と考えられています。

 ピンピンコロリとは、寿命と健康寿命の差の無さ(不健康期間の短さ)を言い表した表現で、「亡くなる直前まで病気に苦しむ事なく、元気に長生きし、最後は寝込まずにコロリと死ぬ事」と言う、健康的な死に方を意味

する言葉です。略してPPK。大往生とも言います。生殖可能期間以降の寿命が長く、老後を過ごす率が高い私達人間以外の生物では、すべからくピンピンコロリが基本です。この生物学的に非常に珍しい現象は、医療発達の賜物であり、それ以前は、人間も同じ様に人生50年。ピンピンコロリが基本でした。最近は、織田信長に仕えた黒人の「弥助」を侍に仕立てた人気アクションゲームのシリーズ最新作、「アサシン クリード シャドウズ」の炎上ばかりが注目されていますが、下記は、織田信長が好んで演じたとされる敦盛です。

思へばこの世は常の住み家にあらず
草葉に置く白露、水に宿る月よりなほあやし
金谷に花を詠じ、榮花は先立つて無常の風に誘はるる
南楼の月を弄ぶ輩も 月に先立つて有為の雲にかくれり人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか
これを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ

 私達人間の主要な死因でもある癌は、長年蓄積された遺伝子の異常でDNA破壊される事で発生し、人間以外の生物の死因としては非常にレアとされています。その癌にも侵され、その(放射線治療の後遺症で骨髄抑制が生じ、腰の骨が自壊した)挙句に、自立歩行が出来ない≒ピンピンではないHISAKOが、ネンネンコロリ(NNK)に腰から下がどっぷり漬かりながらも、今現在も生き延びて、「ピンピンコロリを理想」とほざくのは、ある意味、不謹慎の誹りを免れませんが(笑)。人間とは欲深いものです。

 現在臨床で行われている、細胞の老化を遅延又は逆転させる、或いは老化細胞の除去(排出)する事を目的とした抗加齢療法(美容通信2022年6月号)(美容通信2022年7月号)としては、栄養(美容通信2023年7月号)や生活習慣等のライフスタイルの改善、老化細胞除去薬、老化細胞阻害薬、DNAメチル化阻害剤、再生医療(美容通信2023年3月号)(美容通信2015年1月号)、遺伝子治療等が挙げられます。将来的には、1つの薬剤で複数の主要な疾患や死因に対して予防・対処が可能な抗老化治療薬である、ブロックバスターの誕生も期待されています。

 しかし、まだまだ、現在進行形です。X-Prize財団は1995年に設立された非営利組織で、人類の為の根本的なブレークスルーを齎す事で、新たな産業の創出と市場の再活性化を刺激する事を使命として、様々な分野でのコンペを開催しています。イーロン・マスクがスポンサーとなり、開催年度の2021年時点で過去最高額となる賞金額1億ドルで話題となったXPRIZE Carbon Removalは、大気中や海中等から二酸化炭素を回収する技術を競うコンテストです。因みに、左図のポール・アレンについてはご存じの方も多いとは思いますが、Wikipediaによれば、マイクロソフト社をビル・ゲイツと共に創業し、大資産家として知られており、2017年時点の資産205億ドル(2兆2500億円)、6つの財団を傘下に率いるポール・G・アレン財団を運営しています。また、アレン脳科学研究所や音楽史美術館 Experience Music Project等の、様々な事業に出資や寄付をしています。また、Healthspan Competitionは、高齢者の認知・免疫・運動機能を最も(少なくとも10年以上!)若返らせた治療介入に対して、総額1億ドルの賞金が供与されるそうです。つまり世界中の超大金持ち達は、日本の厚生労働省とは段違いの規模で、老化を疾患とみなし、その根本的な治療に向けた試みに莫大な投資しているって事実です。後塵を拝すな、日本!

 

エピクロック®テスト

 同じ年齢でも、細胞の老化度に個人差があり、世の中には実年齢よりも若く見える人と、老けて見える人がいます。久し振りのクラス会や同期会でぎょっとした経験は、誰しもがあると思います。HISAKOも先日開かれた大学の同期会で、入学式の時に来ていた紺ブレを着て来た! と自慢げにひけらかす輩に、別の意味でぎょっとしましたが(笑)。…最新の研究では、老化プロセスに於ける遺伝子の影響は、10%未満なんだそうです。つまり、健康的な生活を送り、若々しくいられるかどうかは、日々の過ごし方で変わって来ます。老いを正しく知り、ライフスタイルを整える事で、老化を巻き戻す(若返りrejuvenatopn)事も可能です。老化は、最早「逆らえない運命を受け入れる」ものではないのです。

 エピクロック®テストのアルゴリズム(EpiclickAgeTMアルゴリズム)は、最新の第二世代エピジェネティック・クロックです。身体機能、認知機能、疾患リスク、死亡リスクを反映した生物学的年齢を目的変数としたアルゴリズムであり、学習データには国内最大級の日本人DNAメチル化情報に加え、様々な臨床情報が含まれている為、同じ暦年齢の個体が持つ健康リスクや生理的状態の違いを説明するメチル化パターンも、説明変数として組み込まれています。生物学的年齢を予測する指標として、第一世代エピジェネティック・クロックを大きく上回る性能を有し、個体の健康状態を強く反映します(Levine et al.,Aging. 2018)。しかしながら、遺伝子発現や蛋白質の修飾等、DNAメチル化パターン以外の要因も老化指標に関与している可能性はありますが、DNAメチル化情報のみを分析するエピクロック®テストでは、これ等を捕捉出来ません。今後、もっともっと進化した検査が多分出て来ると思いますが、今現在の時点ではこれが最強かな。

 エピクロック®テストは、老化の進行度合いを評価するだけでなく、老化を本質的に予防する為に、先ずは何をすべきかのその優先順位が分かります。最新の長寿科学に基づく、「若返りに効果的なアクションプラン」の提示であり、更に、定期的に検査を受ける事で、本当に頑張ってプランの実行を行っているのか、単に頑張ったつもりだけだったのかも分かります。つまり、実践した習慣による若返る効果を”見える化”した検査とも換言出来ます。

 因みに、エピクロック®テストは、小児~24歳までのデータを検証していないので、25歳以上を対象としています。上限はありません。また、日本人向けなので、クオーターやハーフ等の所謂ミックス(←人でも言うのかな?)だと、適切な結果が得られない可能があります。

■エピクロック®テストの流れ

  1. Step1. 先ずは病院で検査を申し込まないと、そもそもが始まらない!
  2. Step2. 問診と採血!で、下記が分かります。 
    1. 生物学的年齢、暦年齢との差、現在の老化スピード
    2. テロメア長(美容通信2024年9月号)等の、DNAメチル化情報から計算される様々な健康指標の値
    3. パーソナライズドされた、生活習慣改善プラン
  3. Step3. 検査結果・アクションプランをお渡しします。
  4. Step4. アクションプランの実践あるのみ!
  5. Step5.  半年経ったら、実践の再評価しましょう。出来たら、少なくとも4回以上は検査を受けて、一貫して生活習慣の改善を続けながら、中長期的にエイジディビエーションや老化のスピードの傾向を追跡する事が推奨されています。

■アクションプラン

 観察研究や介入研究に於いて、DNAメチル化パターンに基づく精度の高い生物学的年齢評価法を適応する事で、老化を加速させる/減速させる因子とその影響度が、徐々に明らかになりつつあります。同時に、何をすれば効率良く良く抗老化や若返りを実現出来るのか、エビデンスに基づいた知見が蓄積されつつあります。これらの知見の下に、25個以上の個別の推奨アクションプランを影響度予測別に提案します(2024年10月1日時点で、全26項目)

[アクションプランの例] 

  1. 有酸素運動を習慣化する
  2. ストレッチで体をほぐす
  3. 筋力トレーニングで代謝を上げる
  4. 最大酸素摂取量を高める
  5. 座る時間を減らす
  6. 野菜・果物を積極的に摂取する
  7. 全粒穀物を積極的に摂取する
  8. 良質な油/脂質(美容通信2010年6月号)の摂取を増やす
  9. 蛋白質(美容通信2010年1月号)の摂取量を増やす
  10. 清涼飲料水を飲む事を控える
  11. 1日に7~9時間の睡眠(美容通信2020年4月号)を取る
  12. 睡眠の質を向上させる(美容通信2015年8月号
  13. 睡眠スケジュールを整える(美容通信2019年10月号
  14. 就寝前にリラックス出来る環境を整える(美容通信2020年3月号
  15. 瞑想によって集中力を高める
  16. 人生の目標を増やす
  17. 社会的満足度を高める
  18. ストレスコーピングを実践する
  19. 十分な休息とリラクゼーションの時間を確保する
  20. アーシングする
  21. 食事記録を付けて、カロリー摂取量を把握する
  22. ファスティング(美容通信2016年3月号)に挑戦する
  23. 定期的に体重を測り、目標体重を維持する
  24. サウナ浴をする
  25. サプリメントで栄養素を補強する(美容通信2020年10月号
  26. ブルーライト(美容通信2023年2月号)の影響を抑える事を意識する(美容通信2022年8月号)(美容通信2022年2月号

HISAKOの検査結果を大公開!

 先ずは注目すべき点は、暦年齢と生物学的年齢との差(エイジディビエーション)と老化速度です。エイジディビエーションからは、身体の細胞老化が総合的にどれ位進んでいるか、或いは抑制されているかを把握する事が出来ます。そして、老化速度を併せてみる事で、今現在のエイジディビエーションが悪化する状態にあるのか、若しくは快方に向かっているのかを知る事が出来ます。又、エイジディビエーションと老化速度は、健康に資する生活習慣によって、数値を改善する事が出来ます。食生活や運動習慣、睡眠の質を変える事で、老化速度は遅らせる事が出来ます。

 生物学的年齢や老化スピード、及びその他健康指標については、全てDNAメチル化情報のみから評価される為、生活習慣アンケートの内容によって変化する事はありません。しかし、生活習慣改善のアクションプランは、検査報告書受取後にマイページ上でご覧いただける各アクションプランの「影響度」が、マイページ上で回答いただけるアンケートの結果に応じて変化します。検査報告書内では、アクションプランの詳細までご覧いただけない仕様となっていますので、マイページにサインインして、生活習慣アンケートに回答して、(受検者)ご自身に合ったアクションプランをご覧下さいね。

生物学的年齢

  • 暦年齢と生物学的年齢

   生物学的年齢は、見た目や健康寿命、加齢性疾患のリスクを反映する年齢です。

  • エイジギャップ

   生物学的年齢が暦年齢に対して、どの程度進行しているか(または進行が抑えられているか)を示します。正の値はより老化が進行している事を、負の値は若い状態を維持している事を意味します。

  • エイジギャップのパーセンタイル順位

   受検者全体を100人と換算した時に、エイジギャップの最上位の人(エイジギャップが最もマイナスに振れている人)から、受検者が何人目に位置しているかを示します。

  • エイジギャップの相対的位置

   老化進行度を受検者の集団と比較した場合、受検者が何処に位置するのかを示します。

 

老化スピード

  • 老化スピード速度

   受検者が1年間に何年分の年を取っているかを示します。老化スピードが「1」未満であれば、生物学的な老化速度が遅い状態であり、老化スピードが「1」を超えていれば、生物学的老化速度が速い状態である事を意味します。例えば、「1.13」と言う値は、1年の間に1.13歳年を取っている事を示しています。

  • 老化スピードのパーセンタイル順位

   受検者全体を100人と換算した時に、老化スピードが最上位の人(老化スピードが最も遅い人)から受検者が何番目に位置しているかを示します。

  • 老化スピードの相対的位置

   受検者の老化スピードを受検者の集団と比較した場合、何処に位置するかを示します。

 

老化と関連する15項目以上に及ぶ健康指標の評価

 DNAメチル化パターンから、一部の身体機能や、特定の生活習慣の身体への影響を評価する他、生活習慣病や加齢性疾患との関連性が報告されている、一般的な血液検査では測定されない血中蛋白指標の評価結果です。

■運動機能

 HISAKOは、子宮癌の放射線療法の後遺症が30年経った今頃になって、出現。腰椎の骨髄抑制で骨が崩れ、腰から上は元気ですが、下はダメ。毎週リハビリには通っていますが、2本杖を使っても、クリニックから3-6街までに無事辿り着けるかどうか…(笑)。DNAメチル化パターンによる推定は可能ですが、実運動機能はほぼゼロです(笑)。

  • 運動機能年齢(#運動機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、運動機能年齢です。実測値と相関するDNAメチル化パターンから推定された4つのパラメーター(平均歩行速度、最大握力、最大酸素摂取量、1秒間の呼気肺活量)が学習データとして組み込まれた、生物学的年齢指標です。体力や運動能力が衰えるスピードには個人差があり、年齢を重ねても体力や運動能力を維持している人は、様々な病気のリスクが低く、長生きする傾向がある事が多くの研究で報告されています。

  • 平均歩行速度(#運動機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、平均歩行速度(m/秒)です。歩行速度は、運動機能を測る為の世界的な指標であり、加齢や特定の疾患と相関する指標としても知られています。歩行速度の遅さは、加齢、身体的不活動、精神状態、心血管疾患等と関連している事が知られています。

  • 最大握力(#運動機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、最大握力(Kg)です。握力は全身の総合的な筋力との関連性が、多くの研究で明らかになっています。また、異常な低握力は、骨密度、栄養不良、神経疾患、睡眠障害、多疾患合併等と関連する事が明らかになっています。

  • 最大酸素摂取量(#運動機能)(#肺機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、最大酸素摂取量(ml/Kg/分)です。1分間に体重1Kgあたり何mlの酸素が消費されるかを示しています。総合的な持久力を示す指標として用いられ、疲れずに走れる距離が長い程、最大酸素摂取量も高いと推測されます。また、アスリートの持久力を示す最良の指標とみなされており、国際的な基準です。

  • 肺活量(#運動機能)(#肺機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、1秒間の呼気肺活量です。1秒間に肺から押し出される空気の量を、L単位で測定します(L/秒)。肺の機能に異常がないか、また、肺が年齢相応の働きをしているかどうかを調べる為に用いられます。

■生体分子情報

  • テロメア長(#老化)

   DNAメチル化パターンから推定された、白血球中のテロメアの長さ(美容通信2024年9月号)です。テロメア(美容通信2022年7月号)とは、細胞核中にある染色体の末端に存在する様々な蛋白質からなる構造物です。テロメアは、染色体を保護するキャップの様な役割を担っており、細胞が分裂する度に長さが削れて短くなります。テロメアが短くなると、細胞分裂の回数が減り、細胞の老化が進んで行く為、この長さを測定する事で、寿命や疾病リスクが推定関ると考えられています。

■疾患バイオマーカー

  • 血中アドレノメデュリンADM(#血管機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、血液中のアドレノメデュリン(ADM)の相対値の評価結果です。臨床研究では、ADMレベルが高い事が、心血管イベントの予測因子となる事が示されており、高いADMレベルは、心血管、特に、動脈硬化症や高血圧のリスク増加との関連が示唆されています。ADMは血管拡張作用を持ち、血管の健康を維持する役割を持ちますが、慢性的な高値は心血管系のストレスや損傷を示す可能性があります。

  • 血中β2マイクログロブリン(#免疫機能)(#慢性炎症)(#腎機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、血液中のβ2マイクログロブリン(B2M)の相対値の評価結果です。B2Mは細胞膜の一部として存在し、免疫系の機能(美容通信2024年3月号)に重要な役割を持ちます。特に、主要組織適合複合体(MHC)クラスⅠ分子の一部として、抗原提示や細胞免疫反応に関与(美容通信2021年1月号)します。臨床研究では、B2Mレベルの上昇は、慢性炎症、腎機能障害、免疫系の異常との関連が示唆されており、高いB2Mレベルは、腎不全や慢性腎臓病患者に於いて、予後不良の指標として用いられます。

  • 血中シスタチンC(#腎機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、血液中のシスタチンCの相対値の評価結果です。シスタチンCは、システインプロテアーゼ阻害剤の一種であり、腎機能の評価に於いて重要な役割を持つ事が報告されています。具体的には、腎臓の糸球体ろ過率(GFR)の指標として広く利用されており、シスタチンCの血中濃度が上昇する事は、腎機能の低下を示し、慢性腎臓病や腎不全の指標として用いられます。

  • 血中GDP15(#血管機能)(#腎機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、血液中の成長分化因子15(GDF15)の相対値の評価結果です。GDP15は、様々な生理的及び病理的プロセスに関与しています。特に、炎症、細胞成長の抑制、アポトーシス(細胞死)に関与しており、炎症、代謝疾患、老化関連疾患、癌のリスク評価等に用いられます。高いGDP15レベルは、心血管疾患、肥満、Ⅱ型糖尿病、慢性腎臓病、様々な種類の癌との関連が示唆されています。

  • 血中レプチン(#代謝機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、血液中のレプチン(美容通信2018年9月号)の相対値の評価結果です。レプチンは主に脂肪細胞から分泌されるホルモンで、エネルギーの調節、食欲抑制、体重管理に於いて、重要な役割を有しています。レプチンは、主に肥満、代謝疾患、心血管のリスク評価に用いられ、異常な高レプチンレベルは、肥満、Ⅱ型糖尿病、高血圧、心血管疾患のリスク増加と関連しています。

  • 血中PAI-1(#血管機能)(#代謝機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、血液中のプラスミノーゲン活性化抑制因子-1(PAI-1)の相対値の評価結果です。PAI-1は、血液凝固と線溶(血栓の溶解)の調節に重要な役割を果たす蛋白質で、主に心血管疾患、代謝障害、そして血栓症のリスク評価に用いられます。異常なPAI-1は、心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化症等、様々な心血管イベントとの関連が示される他、肥満やインスリン抵抗性とも関連しており、Ⅱ型糖尿病のリスクマーカーとしても用いられます。

  • 血中TIMP1(#慢性炎症)(#組織再生)

   DNAメチル化パターンから推定された、血液中の組織阻害因子メタロプロテイナーゼⅠ(TIMP1)の相対値の評価結果です。TIMP1は、組織の再構築、創傷治癒、腫瘍進行等、多くの生理的及び病理的プロセスに於いて重要な役割を果たし、主に心血管疾患、慢性炎症性疾患、組織再生のリスク評価に用いられます。異常なTIMP1レベルは、心血管疾患や腫瘍の進行に関連しており、心不全や動脈硬化の指標として重要とされる他、慢性肝疾患や肺線維症等の慢性炎症性疾患のリスク評価にも用いられます。

  • 血中CRP(#慢性炎症)

   DNAメチル化パターンから推定された、血液中のC反応性蛋白質(CRP)の相対値の評価結果です。CRPは、炎症の指標として広く利用される蛋白質で、慢性炎症性疾患、及び全身性の炎症反応のリスク評価に用いられます。異常なCRPレベルは慢性炎症状態を反映し、心血管疾患、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患等の疾患の進行や重症度の指標として重要です。

  • 血中HGF(#肝機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、血液中の肝細胞増殖因子(HGF)の相対値の評価結果です。HGFは肝細胞の増殖や移動を誘導する蛋白質であり、腎臓、肺、心臓、神経系等の再生や修復にも関与し、血管新生や細胞の移動、増殖を促進します。高いHbA1Cレベルは、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌等の肝疾患との関連が示唆される他、血管新生に関与し、心筋梗塞や心不全との関連も報告されています。

  • 血中IL-6(#慢性炎症)(#認知機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、血液中のインターロイキン-6(IL-6)の相対値の評価結果です。IL-6は主に炎症反応の調節に関与する蛋白質であり、高いIL-6レベルは、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、クローン病等の慢性炎症性疾患との関連が報告されている他、心血管疾患、糖尿病、肥満、癌等の生活習慣病や加齢性疾患のリスクを評価する上でも用いられます。又、慢性的なIL-6の上昇は、認知機能の低下やアルツハイマー病のリスクとの関連も報告されており、炎症が脳の健康に悪影響を与え、認知機能の低下を引き起こす可能性が示唆されています。

■鉛暴露量

  • 脛骨鉛暴露(#血管機能)(#腎機能)(#認知機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、脛骨中の累積鉛暴露量(μg/g)です。鉛暴露は、心血管疾患、神経認知機能障害、腎機能障害等、様々な健康問題との関連が報告されています。骨鉛測定の値には、脛骨と膝蓋骨の2種類がありますが、夫々の特性や鉛の蓄積・放出のメカニズムが異なる為、異なる検査意義を有しています。脛骨の鉛レベルは、長期間の鉛暴露を示す為、慢性的な低レベルの鉛暴露の影響を特定するのに用いられます。

  • 膝蓋骨鉛暴露(#血管機能)(#腎機能)(#認知機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、膝蓋骨の累積鉛暴露量(μg/g)です。鉛暴露は前述の通り、様々な健康問題との関連が知られています。膝蓋骨の鉛レベルは、比較的短期間の鉛暴露を示す為、近年の鉛暴露の影響を特定するのに有用と考えられています。

■生活習慣

  • 喫煙暴露レベル(#肺機能)(#肝機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、累積的な喫煙暴露レベルの評価結果です。喫煙は老化を加速させる強い因子である事が、多くの研究で報告されています。異常な喫煙暴露レベルは、喫煙や副流煙吸入の影響により老化が加速している可能性が示唆されます。

  • アルコール暴露レベル(#肝機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、アルコール摂取レベルの評価結果です。DNAメチル化パターンから推定されたアルコール消費レベルは、自己申告に基づく消費量の測定よりも信頼性が高い事が知られています。過度な飲酒が老化を加速させる事は様々な研究で示唆されており、異常なアルコール摂取レベルは、飲酒の影響により老化が加速している事を示します。

  • フレイル・ロコモリスク(#運動機能)(#認知機能)

   DNAメチル化パターンから推定された、フレイル(美容通信2019年2月号)又はロコモティブシンドロームになるリスク評価の結果です。フレイルは、加齢と共に心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下した状態であり、入院する等、ストレスに弱い状態になったりする症状を示します。ロコモティブシンドロームは、関節・筋肉・神経等の障害によって立ったり歩いたりする為の身体能力(移動能力)が低下した状態です。正に、HSAKOの様な状態!です。

 

オマケ・その他の生物学的老化への影響が報告されているシグナル

 エピクロック®テストの検査結果に於いて言及はされてはいませんが、生物学的老化には、両親や祖父母から受け継いだ遺伝子的素因やエピジェネティックな記憶、受け入れざる得ない生活環境等、受検者自身でコントロール出来ない要因も存在します。これまでの様々な研究により、生物学的老化に影響すると報告されているシグナルを列挙します。

生物学的な性別 男性は女性よりも生物学的な老化が早い
親族内の百寿者の存在 親族内に100歳以上の百寿者がいる場合、生物学的な老化が遅い
誕生時の父親の年齢 父親の年齢が高い程、生物学的な老化が早くなる
誕生時の母親の年齢 父親の年齢が高い程、生物学的な老化が早くなる
誕生時の両親の社会経済状況 両親の社会経済的地位が高い程、生物学的な老化が遅くなる
教育機会・教育レベル 多くの教育機会を受け、教育レベルが高い程、生物学的な老化が遅くなる
小児期の強いストレス経験 経験者は、未経験者よりも生物学的な老化が早くなる
小児期のアレルギーや喘息 有病者は、生物学的な老化が早くなる

 

抗老化を目的としたアクションプラン

 


*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

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来月号の予告

多目的フィブロブラスト プラズマペンの登場です。

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