病気に備えるこれからの検査|テロメアテスト・テロメア疲労度テスト旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2024年9月号

病気に備えるこれからの検査|テロメアテスト・テロメア疲労度テスト

健康寿命を伸ばしましょう! テロメアテストは、ミルテルが提供する血液検査で、自分がこれまでの生活習慣や病気によるストレスの蓄積を反映する「テロメアの強度」と、現在のストレスによる「テロメアの疲労度」を測定出来ます。検査により、自分が病気に罹りやすいのか、現在の健康状態がどうなのかと言う未病状態を把握出来ます。その結果を基に、生活習慣や食事の改善をフォローする事で、老化や加齢に伴って起こる病気の予防に役立ちます。

 以前特集した生物学的年齢(美容通信2024年1月号)の測定検査は、人種や民族によって左右されるとされるにも関わらず、今現在販売されているものは、残念ながら白人向けのみのもので、HISAKOの様な黄色人種に何処まで当てはまるのかは、未だ不明な点が多くあります。そかしながら、このミルテルのテロメアテストは、日本(広島市)の会社で、日本人を対象にしたデータが蓄積されています。つまり、日本人向けなんです。確かに、キリンの便検査の様な具体的な介入の方法の提案(美容通信2024年8月号)や、NAD+テスト(美容通信2024年5月号)によるNAD+やNMNの点滴(美容通信2022年6月号)、サプリメントや点鼻薬(美容通信2022年7月号等の様な直接的な介入は出来ません。生活改善ってやっぱ大事!って言う、ぼやっとした活用?介入?方法しかありませんが、現状の把握は出来ますし、推移を追う事で、総合評価は可能です。

 因みに、現段階(美容通信の発行日)の時点では、テロメアの強度と疲労度が測定出来るのは、世界で、ミルテル(広島市)の検査だけです! 日本万歳!!

テロメアについての復習

テロメア

 テロメア(美容通信2022年7月号については、以前特集をしましたが、細胞の核にある染色体の末端に位置し、染色体がすり減るのを防ぐ役割を担っています。右の図を見て下さい。紐をぶちんと切ったままにしたら、解れてしまいますよね? 解れないようにしてくれる金具のようなものが、テロメアなんです。テロメアが短くなると、染色体が不安定になり、病気に罹りやすくなります。

 テロメアは、通常、細胞が分裂する度に短くなりますが、これは、DNA複製のプロセスに於いて、テロメアの末端が不完全に複製される為に起こります。テロメアは加齢により徐々に短くなりますが、加齢以外の様々な環境要因によっても短縮の度合いが左右されます。短縮の主要因は、酸化ストレスとされており、来月号で特集予定のHISAKOのお気に入りオキシカットが、効果があるかも? これまでの生活習慣や病気によるストレスの蓄積を反映するのが、テロメア強度の測定です。テロメアの長さを測定します。

 因みに、基本的には、テロメアは一度短くなると戻らない一方通行とされて来ましたが、最近の報告では、テロメアは実は、ダイナミックに変化をするもので、数ヶ月間の清く正しい生活(笑)をするだけでも伸びるんだとか。このテロメアの伸長に関連するのは、主にGテールの一部であり、テロメラーゼと呼ばれる特別な酵素に関係しています。ですから、テロメアの劣化を回避するのに、遅過ぎるなんて事はありません。テロメア検査は、アンチエイジングから一歩以上踏み込んだ、若返りrejuvenationの為の一助になります。

■テロメア長の短縮と病気との関連を報告している代表的な論文達

  • 白血球のテロメア長は、肥大型心筋症の重症度と相関する(Chatterjee S, et al. Sci. Rep., 2018)
  • 白血球中のテロメア長は、冠動脈性心疾患の予測因子となりうる(Brouilette SW, et al. Lancet, 2007)
  • 慢性閉塞性肺疾患患者では、末梢血白血球のテロメアが短縮している(Lee J, et al. PLoS One, 2012)
  • 2型糖尿病患者ではテロメアが短縮し、そのうちプラークが認められる患者では更にテロメアが短い(Adaikalakoteawari A, et al. Atherosclerosis, 2007)
  • 心的外傷後ストレス障害患者の、白血球のテロメア長は短縮している(Ladwig KH, et al. PLoS One, 2013)

 

Gテール

 テロメアのGテール(G-tail)は、テロメアと呼ばれるDNAの末端部分に存在する特殊な構造です。Gテールは、テロメアの末端にある一部のDNA配列からなり、主にゲルマニウム(G)とシトシン(C)から構成されています。テロメアのGテールは染色体の末端を保護し、ゲノムの安定性と細胞の健康に重要な役割を果たしており、テロメアの長さや状態は、生物学的プロセスや健康状態に対する影響を研究する際に重要な指標とされており、環境により短縮速度が変わりますが、短縮の主要因は酸化ストレスとされています。生活習慣や環境改善により長さは変化する為、Gテールの長さを測定する事で、現在のストレスを反映するテロメアの疲労度の測定に利用されます。

  • 開放的末端構造

   テロメアのGテールは、染色体の末端を保護し、DNAを保持する役割を果たしています。これにより、染色体が誤って切断されたり、不適切に認識されたりするのを防ぎ、ゲノムの安定性を維持します。

  • Tループ形成

   テロメアのGテールは、しばしば「Tループ」と呼ばれる特殊な構造を形成します。Tループは、Gテールが自身のDNA二本鎖の一部をループ状に結びつけることによって形成され、テロメアを保護するのに役立ちます。Gテールが短くなると、tループ構造を維持出来ず、染色体が不安定になります。

   ゲノムDNAは、二本鎖からなる二重らせん構造をしていますが、テロメアの最末端部位ではDNAの3’末端が突出(オーバーハング)して一本鎖になっています。オーバーハングした配列の長さは種によって異なり、私達人間では50-100塩基です。哺乳類のテロメアDNAは折れ曲がってがってT-ループと呼ばれる構造を取っていますが、突出した部分は二本鎖DNAの間に潜り込み、D-ループと呼ばれる三重鎖構造を形成している(右図の赤い線)。この構造はエキソヌクレアーゼ等によるDNA分解を回避し、末端の安定性を維持していると考えられています。T-ループを形成出来なくなり、DNA末端が露出していまうと、DNA修復機構がこれらを切断されたDNAと認識し、細胞周期を停止させるだけでなく、染色体末端同士を結合させて染色体融合を起こすとされています。

  • テロメラーゼの活性と関連

   テロメアは通常、細胞が分裂する毎に短くなります。この短縮は、テロメラーゼと呼ばれる酵素によって逆転出来る事が知られています。つまり、テロメラーゼは、テロメアのGテールに特異的に作用し、新しいGテール配列を合成してテロメアの長さを維持又は延長します。

   参考までに、テロメラーゼについての詳細を説明しておきますね。

   [テロメラーゼの構造]テロメラーゼは、タンパク質とRNA(リボ核酸)からなる複合体です。このRNA成分はテンプレートとして機能し、新しいDNA鎖を合成する際に使用されます。テロメラーゼは通常、特定の細胞で限られた量で存在し、成熟した体細胞では殆ど活性がないとされています。しかし、胎児の発育、幹細胞、癌細胞等の一部の細胞では、テロメラーゼが活発に働いています。

   [テロメラーゼの機能]テロメアの末端に新しいDNA鎖を合成する事で、テロメアの長さを維持または延長します。これにより、細胞が分裂するたびにテロメアが短くなるのを防ぎ、細胞の老化を遅らせる効果があります。 つまり、テロメラーゼ活性の減少は、細胞の老化と寿命に関与すると考えられており、一部の研究では、テロメラーゼを活性化させる事が寿命を延ばす効果があるかも知れないと推測されていますが…まだ推測の危機を出ていません。

  • 寿命と関連

   テロメアの短縮は、細胞老化と関連しており、細胞が一定の回数分裂する能力を失ったり、機能を低下させたりする事が示唆されています。従って、テロメアの長さは寿命と健康に影響を与える可能性があります。

■Gテール長と病気との関連を報告している代表的な論文達

  • 透析患者では、対照と比較して白血球のテロメア、Gテール長は共に短かった。更にフォローアップ中の80件の心血管イベントに関して、Gテール長が予測因子となる可能性が示唆された(Hirashio S, et al. CAJSN, 2014)
  • 脳血管系疾患及び合併症の既往のある患者群と対照群で、白血球のテロメア及びGテール長を比較したところ、患者群では各テロメア長、年齢ごとに一様にGテール長が短かった。また、血管内皮機能及び老人性白質変化は、Gテール長とより強い相関を示した(Nrzu T, et al. EBioMedicine, 2015)
  • 乳癌の患者で白血球中のテロメア、Gテール長を測定したところ、テロメア長に関わらず、Gテール長は短かった。これは非浸潤性乳管癌の段階から確認された(Koi Y, et al. Cancer Science, 2020)

ミルテルのテロメアテストの概要

テロメア強度と疲労度が、病気のリスクの手掛かりになる

 テロメア長は、基本的に加齢に伴う細胞分裂の度に短くなり、生活習慣の乱れや罹患に伴う酸化ストレスによっても、短縮が早まります。そして、ある一定の長さにまで擦り減ってしまうと…、もうそれ以上の分裂が出来なくなってしまいます。テロメアが短くなると、染色体が不安定になり、病気に罹りやすくなります。テロメアとの関りが指摘されている疾患としては、肥大型心筋症や慢性閉塞性肺疾患、2型糖尿病、心的外傷後ストレス等が挙げられます。また、Gテールは染色体の安定化やテロメアの短縮を防ぐ大切な役割を担っており、その長さは生活習慣により変化します。Gテールの短縮は、慢性腎不全、脳血管系疾患、乳癌等で認められるとの報告があります。

 その為、テロメアやGテールを調べる事は、様々な生活習慣病や疾患のリスク評価に繋がります。ミルテルのテロメアテストは、テロメアの長さに注目したテロメアの強度と、Gテールの長さに注目したテロメアの疲労度の2本立て。この2つの検査が出来るのは、現時点では世界でミルテルだけ!です。

 

テロメアテストは、未病状態の通信簿

 ミルテルのテロメアテストでは、テロメアの強度を表すテロメア長と、テロメアの疲労度を表すGテール長を測定する事で、遺伝子レベルの健康状態を把握します。

■テロメア強度

 現在のテロメアの長さ=これまでの自分自身の生活習慣や、病歴によるストレスの積み重ねの度合いを知る指標。

■テロメア疲労度

 現在のGテールの長さ=今現在!のストレスによる染色体の不安定さや、テロメアの短くなりやすさの度合いを知る指標。

 

良好なテロメア疲労度の維持が大切

 テロメア長が短くなれば、身体の防衛力が下がって、様々な病気に罹りやすくなっていまします。テロメア長は、加齢、ストレスの他に、Gテール長からも影響を受ける為、Gテールを長く保つ=テロメアの疲労度を良好に保つ事が、結果的にテロメアを安定させ、病気を防ぐ事に繋がります。実際に、良好なテロメア疲労度を維持(Gテールの短縮を防ぐ)すると、悪いテロメア疲労度を続けた場合に比べて、病気の罹りやすさに差が出ると考えられています。

 報告によれば、循環器系疾患の既往があるクループでは、Gテール長が約半分に短縮していたんだそうです。

 

テロメア強度と疲労度の算出方法

 テロメアの長さを測定する方法は、一つではありません。幾つかありますが、テロメア自体の長さに加え、その先端部に伸びているGテールの長さは、現時点では、ミルテルのオンリーワン技術であるG-tail telomere HPA法で測定します。

 テロメアの強度と疲労度を指標に、定期的に検査する事で、生活習慣の改善の見える化が叶います。通常、介入によるテロメア・Gテールの変化は1か月から3か月程度かかるとされています。

テロメア強度の算出

 テロメア年齢とは、測定したテロメア長を、ミルテルのデータベース(標準的なテロメア年齢)に当て嵌めて計算した独自の指標です。独自指標って事は、換言すれば、テロメア年齢は寿命を表すものではないって事。貴方のテロメアの状態が、標準的な何歳ぐらいの人のテロメアの状態に相当するかを表した指標です。テロメア強度は、実年齢からこのテロメア年齢を差し引いた値で算出されます。テロメア強度は、今のテロメアの長さから、これまでの自分自身の生活習慣や病歴によるストレスの積み重ねを知る為の指標です。

テロメア強度=実年齢ーテロメア年齢

 例えば、テロメア年齢が実年齢よりも15歳高いとします。現時点のテロメア長は、実年齢平均よりも短いと考えられ、テロメア強度は、-15と言う計算になり、テロメア強度は弱い=病気に罹りやすい状態と考えます。反対に、テロメア年齢が実年齢よりも15歳若いとします。その場合は、現時点でのテロメア長は実年齢平均より長いと考えられ、テロメア強度は、15となり、テロメア強度は強い=病気に罹りにくい状態と考えます。

 

テロメア疲労度の算出

 テロメア疲労度は、平均的なテロメア長に占める、現時点のGテール長の割合から計算します。Gテールの長さから今現在のストレスを調べ、染色体の不安定さやテロメアの縮みやすさを知る為の指標で、これにより、今のテロメアが健康な状態なのか病気の発症に近い状態なのかが分かります。

 疲労度の結果が今回良好でも、悪い生活習慣が今後続くと、Gテールが短い状態になり、染色体が不安定になり、テロメアの短縮速度が早まり、病気のリスクが高まります。反対に、今回疲労度の結果が悪くても、人生を悲観する必要なんてありません。テロメアは伸びるんですから! 少なくともこれ以上短縮する事が無いように、清く正しく暮らしましょう。そうすれば、病気のリスクは低減します。

HISAKOの結果

 HISAKOは元々、栄養療法(オキシカット(美容通信2024年10月号)含む)(美容通信2015年11月号)と併せて、甲状腺ホルモン(美容通信2015年3月号)、DHEA(美容通信2010年9月号)、女性ホルモン(美容通信2010年8月号)、男性ホルモン(美容通信2015年6月号)、メラトニン(美容通信2023年2月号)のホルモン補充療法、NMN内服(美容通信2022年7月号に時々NMN点滴(美容通信2022年6月号、CBDオイル(美容通信2021年5月号)を使用しております。これに今回、腸内細菌叢(便)検査(美容通信2024年1月号)の結果を踏まえて、KIRIN Fiber 02を半年間飲むと言う腸内細菌叢への介入(美容通信2024年8月号)を加えて、どれくらいテロメアが変わるのか?を調べてみました。つまり、腸内環境への6ヶ月間の介入で、どれくらいテロメアは変わるのか? …ミルテルによれば、介入によるテロメア・Gテールの変化は1か月から3か月程度かかるんだそうな。特に、Gテール長は反応が早く、2週間くらいで変化するんだそうです。

 因みに、HISAKOは、アンチエイジング、アンチエイジングから一歩以上踏み込んだ若返りrejuvenationは私自身のライフワーク!と、勝手には自認しておりますが、有力な介入方法とされるカロリー制限(美容通信2023年7月号)と運動(美容通信2020年8月号)はしていません…。毎朝散歩くらいが精々で、運動はリハビリに通うので精一杯なんだもん(笑)。

 因みに、テロメア強度も疲労度の、値が高い方が良く、低くなると望ましくない状況です。

腸内細菌叢への介入前の結果

 疾患リスクは、「中程度」でした。詳細は、下記を参照下さいね。

 28歳で癌になって、両側のリンパ浮腫を患い、その後、急性リンパ管炎を繰り返し、時には敗血症になって死にかけたり、終いには放射線照射の後遺症で骨が崩れ、歩けなくなって、障碍者手帳を交付されたりと、結構、健康って事に関しては、酸化ストレスの塊、慢性炎症漬けの30年間でしたが、生物学的年齢の結果(美容通信2024年1月号)もそうでしたが、人間、それぐらいの負荷では、意外に、頑丈に生きてるもののようです。もしも、その様な負荷がない人生だったら、初音ミクやハマーン・カーンと同じく、永遠の16歳(←氣志團の綾小路翔ではありません、悪しからず)だったはず…(笑)。

  • テロメア強度:19【強い】

   これまでの生活習慣による影響です。実年齢と現時点でのテロメア長から算出される、テロメア年齢との差を示しています。テロメアの長さから推測する、HISAKOのテロメア年齢は41歳です。値が高い程、良好と判断します。

  • テロメア疲労度:4.8【注意】

   現在の生活習慣の影響を示しています。値が高い程、良好と判断します。

 

腸内細菌叢への介入6ヶ月後の結果

 KIRIN腸内細菌叢の便検査の結果を踏まえた食物繊維を半年間、偶にサボりながら、それも既定の半量(1日2回なのに、1回しか飲んでいなかった…)を服用した結果が下記です。ちょっとですが、若返って30歳代! やったー!!

  • テロメア強度:25【強い】

   HISAKOのテロメア年齢は、35歳に若返りました。

  • テロメア疲労度:7.2【注意】

   特に着目していただきたいところは、強度よりも、テロメア疲労度です。前回は5を切るデータだったのが今回7.2まで回復しており、まだ短い状態(注意)ではあるものの、微々の生活習慣や酸化ストレス軽減に繋がっていると考えられます。継続的な測定を見る場合は、テロメア疲労度の動きを見ると改善効果が一番反映されます。5以下であれば特に注意が必要、5~10は注意が必要、10以上は良好となります。

   つまり、前回5以下だった結果が今回7.2ですので、非常に改善されたって判断になります。


*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

*治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。

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来月号の予告

HISAKOの実はお気に入りの、ボケ防止対策です。

コロナではなかったのですが、急性リンパ管炎から敗血症で死にかかって…その後、なんとなくブレインフォグっぽい症状だったのを改善してくれたのが、これ。霧が晴れました。

単なる抗酸化ストレスの撃退!と片付けるには惜し過ぎる存在なんです。

<オキシカット>