HISAKOの美容通信2014年12月号
皮膚科で、シミ消しで行う治療とは
日本人のシミは、大きく分けると5種類。肝斑、SK(老人性色素斑・脂漏性角化症含む)、ソバカス(雀卵斑)、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、炎症後色素沈着(PIH)。
これらは当たり前ですが、全く違う病気なので、治療方法も違います。
しかしながら、一種類のシミしかないなんて人は殆ど皆無で、多かれ少なかれ、複数の種類のシミを顔の上に乗っけています。
そして更に始末が悪い事に、同じ場所に複数の種類のシミが重なっているなんて事は、良くあるどころか、殆ど当たり前に近いんです(笑)。
だから、シミの治療=レーザーで跡形なく瞬時に綺麗になんて事は、あり得ません。
それは…、希望的観測とか、勝手な想像、思い込みでしかありません。
パズルと一緒で、根気良く、このピースを、順を追って1つづつ片付けて行くのが、シミの治療のお約束。
短気は損気。気長に、堅実路線で、七難を隠してしまいましょう。
…草間彌生って、誰が何と言おうと、日本が誇る偉大な芸術家だと思う。個人的に好きかどうかと問われると…、実の所、分んない。作品が如何こう言う前に、激しい船酔いとでも言うのか…、気持ち悪くなって正視不能の状態に陥っちゃうから(笑)。草間彌生が凄いと思うのは、これが本物ならまだしも、ヒルズで売ってる安物のレプリカであろうと、文庫本レベルの挿入写真であろうと、吐き気がする。本物が凄いのは、草間彌生に限らず、まあ、当たり前っちゃあ、当たり前ですよね。でも、売店で売ってるビニルのカボチャで眩暈がするんですよ。他にこんな芸術家って、私、知りません。20年以上前ですが、相模原の西門商店街に辺りに棲息していた事があります。この商店街のど真ん中には、デカい赤い手と青い手の像があるんですが、まさか岡本太郎の作品とは思わず、粗悪なもどきがあると勝手に信じておりました。後日、青山であの商店街の「呼ぶ 赤い手、青い手」の原版なのかな?を見掛け、その迫力の違いに驚いた記憶があります。…そう思うと、草間彌生の作品は、その芸術性がうんぬんなんてほざく、くだらな~い周囲の雑音を遥かに超越した、やっぱ凄い存在なんだなぁ。
シミについて大らかに語ろう(←これが今月号の全てだけど(笑))
シミって言うか…柄があって可愛いのは、犬とか猫とか毛モノ系で、毛が無い(厳密には無毛じゃないけど)人間は、シミがあると、男でも女でも可愛くない。色白は七難隠すって言葉通り、そりゃあ、白い方が色黒よりもイメージが良いです。「法華経」では、火難・水難・羅刹(らせつ)難・刀杖難・鬼難・枷鎖(かさ)難・怨賊(おんぞく)難を指します。まあ、平たく言えば、①一難(顔立ちの不味さ;顔自体の細かな造りよりも、白さに先ず目が行く!)、②二難(性格のキツさ;腹黒さと対極にあるのが、白の純真無垢なイメージ。白雪姫は白いですが、魔女とカラスは黒いですよね?)、③三難(生活の乱れ;ズバリ、清潔感です。ホームレスには、この清潔感=白ってモノが、根本的に欠けています)、④四難(老いの恐怖;老化は慢性の炎症ですから、くすみます)、⑤五難(運の悪さ;紅白歌合戦は、何だかんだ言われても、未だに日本国民の年中行事。相撲だって、勝てば白星、負ければ黒星)、⑥六難(色気のなさ;古来、繊細で女らしいイメージと言えば、白。それを敢えて破る行動に意義を見出したのが、ガングロなんです。団塊の世代のロックと考えれば、大人世代にも納得出来る(笑)))、⑦七難(みすぼらしさ;日本には神様が白い動物に変身するという話が多い。巫女も神様の衣装もたいてい白。白という色は、それだけで神々しく見えちゃう高貴な色なので、肌も品良く見えるお得な色♪)。でも、色黒よりも一段と忌み嫌われるのが、シミ。ところが、色黒は顔全体に色素が増量しているのに対し、シミは局所のみの増量にしか過ぎない。つまり、問題は、単なる色素の総量じゃないんですよね。濃淡の異なる柄が幾つも重なり合った、色調のムラが問題なんです。だから、シミの治療の最終ゴールは、如何に顔の肌色を均一にするかなんです、はい。
あ、後、シミに関する大事な事が一点。シミも、シミの無い正常な皮膚同様に、実は季節によって色が結構変動しているんです。秋口の正常部分の皮膚の色は、同じ人の春先のシミの部分の色より濃いなんて、ザラな話なんです。
これに関係する面白い小噺が美容医療業界には昔からあって、題して「高級化粧品~[夏の紫外線によるダメージを集中的に補修!]の効果(笑)の謎」。
マックスファクター(SK-Ⅱ)だとか、資生堂(クレ・ド・ポーボーテ)、ゲラン等々の錚々たる高級化粧品が、裕福な中高年の駆け込み寺として有名ですが、所謂大人女子の患者さん達にこれらの製品は「効きますか?」と良く尋ねられます。答えは、「YES」。化粧品としての性能が、これ等の高級化粧品が優れているからなんて事は全くなくて、クリニックで売っているAKシリーズやエンビロン(美容通信2004年11月号)と比較して、(絶対肌には浸透し得ないレベルの…化粧品売り場の姉ちゃんが熱く語る様に、本当に浸透すれば素晴らしい効果が期待出来るかもしれないけどって)余計な成分が仰山入っているだけ、始末に悪いと本気で思っています。そもそも、世の中の機能性化粧品なんて、「気のせい」以上の代物でもないなんて事は、百も承知。そんな立場のHISAKOを始めとする医者連中が、そして実際に化粧品を使って効果を実感した世の御婦人達が、こぞって高級化粧品に肯定的に評価を下す(≒敢えて否定しない)理由は、実際、シミが薄くなるから。唯、これはド高い化粧自体品の効果ではなくて、季節の移ろいに伴って、シミ自体が薄くなっただけなんですけどね。
例えばですよ、年齢と共に、老人性の色素斑だとか脂漏性角化症といったシミが徐々に増えて来た大人女子がいるとします。2013年は消費税が8%に上がる前の最後の夏でした。消費税が安いうちに遊んどこうと考えたかどうかは分りませんが、少しばかり日焼けをしてしまったとします。それに伴ってシミも単に濃くなっただけの話なんですが、ある日、突然、一段と目立つようになったシミに気付き、愕然とするんですよね。こうなると、おばさんは大人ですから、つまり化粧品だって大人買い出来る経済的余裕はあるって意味で(笑)、最寄りの三越でも高島屋でも駆け込んで、”中高年の為の痛んだ肌を癒してくれる”を謳い文句にした高級化粧品をシリーズ買いしちゃいます。毎日せっせと塗りながら、勿論、日焼けに端を発した事は十分過ぎる位に自覚をしているので、日焼け対策に抜かりはありません。そんな日々を2~3ヶ月を送れば、誰だって、つまり超ド高い化粧品を使わなくたって、日焼けは色褪せ、シミも薄くなります。これを「化粧品のお蔭♪」と折角喜んでいるものを、敢えて水を差す必要もないので、医者は、内心は「別に髙い化粧品のお蔭でもないんだけど…、日本の、否、世界経済の活性化に繋がるから、まあ、良いかぁ。金は天下の周りもんだしぃ」と思いつつも、笑顔で「良かったですねぇ」と肯定的な返事をしてしまいますです、はい(笑)。
シミには5種類ある
私達日本人のシミは、大きく分けると5種類。所謂、太田母斑や扁平母斑の様なアザ(美容通信2013年12月号)は数えないで、って意味ですが。肝斑、老人性色素斑・脂漏性角化症(美容通信2014年9月号)を十把一絡げにしたSK、ソバカス(雀卵斑)(美容通信2013年12月号)(美容通信2003年5月号)、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)(美容通信2013年12月号)、炎症後色素沈着の5つで、これらが混在し、その多くがオーバーラップして、シミとしての認識がなされます。詳しくは後述しますが、中でも肝斑は、軽度なものまで含めれば、シミを訴える患者さんの、実に半数以上に認められる非常にメジャーなシミなんですが、白人にはまずもって認められない。毛唐の連中のシミは、老人性色素斑・脂漏性角化症を十把一絡げにしたSKとソバカス(雀卵斑)が、殆どなんです。日本人にありがちな、肝斑とかADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は無いと断言しても良いくらい(笑)。一筋縄でOKって、誠に羨ましい人種です。 シミの治療は、顔に散在する複数の種類の、場合によっては同じ部位にオーバーラップして存在するシミを同定し、治療方針を組み立てて行く、ホント、地道な作業なんです。一般論としてですが、シミの種類とその適齢期?なる相関関係はあって、20歳頃までのシミ界のエリカ様的存在は、ソバカス。他の追随は許しません。絶対的な存在なのです。20代になって学生気分が抜ける頃になると、肝斑とADM(後天性真皮メラノサイトーシス)が徐々に勢いを増し始め、それに押される様に、ソバカスから存在感が消えて行きます。30歳代の主役は、何と言っても肝斑です。しかしながら、更年期を過ぎる頃と言うか…、女を捨てて、化粧にも無頓着な達観の域になると、肝斑は下火に。年金世代になると、シミの大半は、最早、老人性色素斑・脂漏性角化症を十把一絡げにしたSK(笑)。あ、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、意外にしぶとく、30歳代から死ぬまで、独立独歩の手堅いポジションを守り通します。
シミは刻々と変わる!
シミは刻々と変わります。不動のシミなんてものはなく、経年的変動、季節的な変動、そして心理的な変動!と、常に変容する存在なのです。経時的変動
何年も掛けて、手間暇(?)掛けて漸く認識に至る(笑)のが、老人性色素斑・脂漏性角化症を十把一絡げにしたSKと、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)。5年前には無かった!と主張するおばさんが多いですが、実際は…”あったけど、気づく程には濃くなかった”だけの話なんだけどね。季節的変動
繰り返しになりますが、「この夏日焼けをしてしまって、(秋に)シミが出来た」なんて、そ、そんな事はどう考えたって、あり得ません。老人性色素斑・脂漏性角化症を十把一絡げにしたSKが、ひと夏の日焼けで新規発生する事は考え難く(発症自体には、十年以上の月日が必要と言われています。そして次の日光角化症(美容通信2013年10月号)、更には有棘細胞癌と、確実に悪性化のステップを進む為には、もう少々時間が必要ですが)、恐らくは既に発生していたSKの色が、単に日焼けで濃くなったので、「シミに気付いた」。これが常識的な、真相でしょう。因みに、紫外線によるシミの症状増強は、ほぼ即時的、遅くても数日以内に現れます。日焼けは、老人性色素斑・脂漏性角化症を十把一絡げにしたSK、肝斑、ソバカス、炎症後色素沈着等々の、全ての表皮性色素沈着症の”症状増悪”因子です。ADMはどうですか、って? …日焼けが真皮メラノサイトーシスの症状を増悪させるかどうかについては…不明です。唯、日焼けで濃くなったシミは、どう考えたって、放置プレイしても、日焼けが褪せれば、長期的光老化を加味した上での元のレベルって意味ですが、それ位には戻るでしょ。
あ~、紫外線は駄目ですよ。飲む日焼け止め(美容通信2012年10月号)とか、塗る日焼け止め(美容通信2003年8月号)は必須。日焼けの危険度は、紫外線の強さ×暴露時間に比例します。例えばですよ、普段は1日に30分間だけ、通勤の時に外に出て日に当たるなんて、極々一般的なOLがいたとします。今度の年始年末のお休みに、ハワイなんて行ちゃおうかなぁ♪なんて5日間の弾丸ツアーを画策したとしましょう。ワイキキビーチの紫外線は、品川よりも5倍強く、観光で5時間太陽の下に晒されていたら…、5倍×5日間×5時間/0.5時間=250。つまり、5日間のハワイ旅行で、何時もの品川通勤生活の、250日分の紫外線を浴びるって事なんです。故に、何時もの退屈なOL生活の日々よりも50倍重要な儀式と認識した上で、厳格すぎる程の厳格さで日焼け止めを飲み、そして塗るって行為を遂行しなきゃいけないって事なんです、はい。
心理的変動
「あんた、シミが増えたんじゃない?」って、ズケズケ指摘してくれるお友達や親兄弟は、思ったままを率直に指摘しただけです。ところが、この思ったままって言うのが曲者で、別に貴女のシミを経時的にUVカメラで撮影して、経過を追った上での指摘ではありません。何となく、そう感じただけなんです。髪型や洋服や、光の当たり具合等々で、印象は変わります。つまり感情性信頼性は極めて高いのに、医学的信頼性は極めて低いんです。貴女だって、友達や親兄弟のシミなんて、何処にどんなシミがあるなんて、実際問題として答えられないでしょう? …唯、本人にとっては、UVカメラより、親しい人からの指摘の方が、グサッと来るもんなんですけどね、ははは。シミの出来易い肌、出来難い肌。
親を恨むのなら、恨むしかありません。ある特定の種類のシミに限られますが、確かに出来易い肌質なるモノはあります。ソバカスは、色白のドライスキンタイプに多く、この人々は、何故だかは全く分んないんですが、ホクロ(黒子)(美容通信2014年8月号)とは縁遠い。老人性色素斑だとか脂漏性角化症の類(SK)は、やっぱ色白のドライスキンタイプに多いんですが、どうも髪の毛も乏しいタイプが犠牲になり易いと、昔から形成外科医の間では根拠がないけど、実は皆が思っている事として有名です。ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、反対に肌もしっかりしているし、髪の毛も豊かで、ホクロ(黒子)にも恵まれた人に多い。シミと化粧品
化粧品?否定的な先生も結構いますが、HISAKO的には悪くないと思っています。ちゃんと、緩~く好い加減な使い方に徹する事が出来れば、素晴らしいサポーターになると思うし、栄養状態(美容通信2007年3月号)を始めとする体の中の環境、例えばホルモン(美容通信 2010年9月号)や冷え(美容通信2014年10月号)、ストレス(美容通信2007年12月号)、免疫(美容通信2015年1月号)(美容通信2011年8月号)、代謝(美容通信2006年11月号)、腸内環境(美容通信2014年1月号)等々が整っていれば、化粧品は勿論、ケミカルピーリング(美容通信2005年4月号)であろうと、イオン導入(美容通信2006年1月号)であろうと、フォトフェイシャル(IPL)(美容通信2003年5月号)であろうと、レーザー(美容通信2013年12月号)であろうと、単に外側から何かを加えるだけより、確実に良い結果を齎してくれます。唯、それだけでピンを張れる代物化と問われれば、きっぱりNOだし、最初の前提の”好い加減に、適当に”が守れず、生真面目に塗り込んじゃうと、もう完全にOUT!ですが(笑)。化粧品が治療の妨げとなる可能性があるのは、レーザー治療後を含む炎症後の色素沈着や、肝斑の時でしょうかねぇ。化粧品自体が問題と言う訳ではなく、正しくは問題になる程の能力があるとは思ってはいないなんだけど、不適切な使い方をすると、大きな災いが降って来るって感じでしょうか。 詳しくは、肝斑の章で触れますが、そりゃあ、昔は白粉なんて、命懸けでしたよ。ウィキペディアからの抜粋になりますが、白粉に鉛白が使用されていた時代、鉛中毒により、胃腸病、脳病、神経麻痺を引き起こし死に至る事例が多く、又日常的に多量の鉛白粉を使用する舞台俳優は、特にその症状が顕著であったそうです。又、使用した母親によって胎児が死亡する場合もありました。胸元や背中に至るまで、幅広く白粉を付けるのが昔の化粧法として主流だったからです。1934年(昭和9年)には、鉛を使用した白粉の製造が禁止されたが、鉛白入りのものの方が美しく見えるとされ、依然かなりの需要があったそうです。しかし、今時は、そもそも完全に落とさなくては肌が痛む様な粗悪な代物は、流石に駆逐されました。ですから、そんなに親の仇的に、化粧は完璧に落とす必要なんてないんです。油性のマッキーで手に落書きしたって、2,3日もすれば、特別な事しなくったって、肌のターンオーバーに伴って、消えちゃうじゃないですか。肌のバリアを破壊してまで、除去する価値のある(≒有害な)化粧品なんてないんです。
シミ番号1.ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)自体は、太田母斑と同じ原因不明の真皮メラノサイトーシスなので、治療は、Qスイッチレーザー系、中でもQスイッチルビーレーザーがベストの選択です。ですが、恐ろしい事に、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)が単独で存在しているなんて事は、水母の骨、盲亀の浮木、優曇華の花級とまでは言いませんが、そこそこには珍しいお話で、高率に肝斑を合併しています。恐らくは、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)を隠す為に、コンシーラーだとか、壁塗り?塗り壁?だとかの厚化粧の技を駆使し、更に御丁寧にもそれを毎日クレンジングで擦り落とし続けた挙句の、当然の付録としての表皮色素沈着(肝斑)なのでしょうが、肝斑を伴う以上、おいそれとADMにQルビーレーザーを照射する訳には行きません。そんな暴挙の後には、漏れなく、強烈な色素沈着が付いて来ますから(笑)。先ずは、肝斑の治療を行って、表皮色素を軽減してから、真皮病変であるADMに対しQスイッチルビーレーザーを照射するのが、現在の所、ゴールデンスタンダードと考えられています。
詳しくは、以前特集したQスイッチルビーレーザー(美容通信2013年12月号)を参照下さい。 補足としては、レーザー照射により真皮のメラノサイトが破壊されても、直ぐにADM(後天性真皮メラノサイトーシス)が消失する訳ではありません。数ヶ月~約半年位かけて、徐々に色が褪せて行きます。これは、レーザー照射によりメラノサイトが破壊され、メラノサイトに含まれていたメラノソームが、マクロファージちゃんに貪食され、消化排泄されるまでには、そこそこの時間てモノが必要だからです。だから、Qスイッチルビーレーザー照射後に、肝斑の治療の際に行う、Nd:YAGレーザーのレーザートーニングやシワ―(美容通信2013年9月号)等でお尻を押してあげるのは、ありなんですよね。唯、レーザー照射して、2週間経って、「漸く瘡蓋が取れた!」と思ったら、瘡蓋の下にしっかり色が残っている現実を目の当たりにして、医者やスタッフから散々聞かされて、脳みそでは十分理解しているはずなのに、ど~んと凹んでしまう患者さんは多し…。更に、一過性の炎症性色素沈着も加わるので、「気分は、下げ下げ」なのは十分理解は出来るんですがぁ、ねぇ。
後、もう一点。如何に他の追随を許さぬQスイッチルビーレーザーによる治療と言えども、流石に1回で終了なんて虫の良い事を考えてはいけません。再照射必要な症例も、そこそこあります。日焼けなんてしていれば、肝心の真皮内にレーザー光が到達する前に、基底層の色素に喰われちゃいますしね。2回目の照射は、少なくとも6か月以上開けて、HISAKOのクリニックでは基本1年後に必要があれば追加照射って言ってます。つまり、前回の照射による炎症後の色素沈着が残っていれば、日焼け同様、レーザー光が表皮内の色素に吸収され、肝心の標的である真皮メラノサイトまで届かなくなって、結果、治療効果が損なわれるからです。そして、同時にこの様な行為は、表皮の損傷を酷くし、更なる炎症性色素沈着を惹起する可能性が、極めて高くなります。自分の首を自分で絞めるとでも言いましょうか、兎に角、「短気は、損気」なんです。
シミ番号2.老人性色素斑・脂漏性角化症を十把一絡げにしたSK
顔のシミで、一番ありふれた存在と言えば、間違いなく、老人性色素斑・脂漏性角化症を十把一絡げにしたSKでしょう。時々、ちょっとした刺激で炎症症状を呈する事もありますが、それもご愛嬌。気が付くと、炎症が消褪しているなんて事が殆どです。SKは出世魚みたいなもので、平坦な老人性色素斑は、軈て厚みを増し、隆起傾向を示し、脂漏性角化症へと進化を遂げるものですが、HISAKOみたいに大人になる事を拒絶したSKの中には、一生平坦なまま過ごす輩もいます(笑)。一度発生した病変が自然に治るなんて事は、奇跡でも起こらない限り、あり得ませんが、盛り上がった状態のモノは、偶に炎症や外傷の挙句に…毟り取られるとでも言いましょうか、勝手に脱落して、良くなった様な外観を呈する事はあります。
長年の紫外線暴露が主な原因ですが、別に紫外線でなくても、熱傷やニキビ跡等の激しい炎症後に起こる事もあります。まあ、ちょっと壊れたらシミ(SK)、大きく壊れたら有棘細胞癌。正しくは間に日光角化症(美容通信2013年10月号)を挿みますが、程度問題ってだけの話です。だから、基本的に短期間での症状の変動はあり得ませんが、前述の通り、老人性色素斑、脂漏性角化症だって日焼けをするので、季節的な変動を認める事もあります。
治療については、平坦な老人性色素斑については、以前特集したQスイッチルビーレーザー(美容通信2013年12月号)、フォトフェイシャル(IPL)(美容通信2003年5月号)を、盛り上がった脂漏性角化症については、炭酸ガスレーザー(美容通信2014年9月号)を参照下さい。
補足としては、元々、女子供と一緒で、老人性色素斑とか脂漏性角化症なんてものは、すぐ拗ねると言うか…些細な事で炎症を起こして赤くなります。それに加えて、肝斑って名の”顔面皮膚のバリア破壊に起因する慢性過刺激性炎症性色素沈着症”であるオマケまで顔に乗っけている症例だと、レーザ照射後の色素沈着は、気が遠くなる程に長引きます。一過性の炎症については、ステロイドの外用薬で消褪させてから、肝斑については、先ず肝斑の治療を行ってから、レーザー照射が定番です。唯、正統派の治療の段取りをちゃんと行えるか言うと…、全員が全員、行える訳ではないのが現状です。そんな時は、肝斑からより離れた部位から治療を開始して、時間を稼ぐ、セコイ戦略を取らざる得ませんが(笑)。
レーザーは、欲張らずに、ちゃんとお世話が出来る個数に、1回の治療を留めておくのがポイントですかね。お釈迦様か聖徳太子でもない限り、凡人は精々1、2個が無難です。
フォトフェイシャル(IPL)は、完璧にシミ(老人性色素斑)を除去よりも、何となく顔全体が色的にも、質的にも良くなれば的な、つまり平均80点を目指す人には、レーザーに付き物の絆創膏もなく、最適な方法です。
シミ番号3.ソバカス(雀卵斑)
長持ちのするけど、照射後の煩わしいお世話が必要なQスイッチルビーレーザー(美容通信2013年12月号)を選ぶか、直ぐ再発するけど、ダウンタイムの無いフォトフェイシャル(IPL)(美容通信2003年5月号)を選ぶか、それは患者さんの趣味の一言に尽きます。ソバカス(雀卵斑)は、元々が体質性の色素失調状態。つまり、レーザーを選ぼうとフォトフェイシャルを選ぼうと、どちらを選んだところで、その場しのぎの治療には変わりません。シミ番号4.肝斑
肝斑の原因
昔から、現役の大人女子に多発し、妊娠やピルの服用、女性ホルモンのサイクルが乱れる更年期に増悪し、更年期を過ぎた頃には激減する事から、肝斑の主要な原因として、長らく女性ホルモンが挙げられて来ました。しかしながら、最近は、日焼け(美容通信2012年10月号)(美容通信2003年8月号)と同じで、女性ホルモンは、特別ななんか(!)、つまり肝斑特有の増悪因子ではなくて、単に症状増悪因子(美容通信2003年7月号)に過ぎないんじゃないかと考えられる様になって来ました。実は、玉有りのなんちゃって(ウィークエンド?)女装子にも立派に存在します。あ、なんちゃってですから、当然女性ホルモンの補充なんてしていない、趣味の延長線上みたいなオッサン達の話で、ガチなニューハーフでないって意味なんですが、彼女達にも立派に肝斑があります。そして、興味深い事に、子宮癌なんかの病気で、子宮・両側の卵巣を摘出後、ホルモン補充療法を受けなかった御婦人達にも、肝斑は出現します。
つまり、どうも女性ホルモンが肝斑に特有の増悪因子ではなく、化粧と言う、女、若しくは女装趣味のオッサンに於ける象徴的な行為、端的に言うと擦り過ぎ(慢性過刺激)ですよね、これにより皮膚のバリア機能が崩壊し、その挙句に炎症性の色素沈着(=肝斑)が発生した…。だから、女をアピールする必要のないガキ(←JSは除く!?)と更年期過ぎの退役・大人女子には、化粧の必然性は無く、当然、肝斑も生じ得ないって事でしょうか(笑)。現に、現役・大人女子も、「化粧なんて多少残っていたって、無理矢理クレンジングで剥ぎ取るよりもマシ」ってHISAKOのお仲間的好い加減さだけでも実践!?出来れば、それに、亜鉛の吸収を損なう糖分の制限(美容通信2011年4月号)と鉄の補充(美容通信2007年3月号)、残業放棄(!)によるストレスの軽減(美容通信2014年10月号)と睡眠時間の確保が加わるだけでも、肝斑はぐ~っと改善傾向を示すもんです。
肝斑の治療
肝斑に於けるメラニン顆粒の増加が、皮膚のどのレベルで起こっているかによって、肝斑は、表皮性、真皮性、更にその混合性の3種類に分けられます。誰も、表皮内にあったメラニン顆粒が、まるで蓋が開いたままのマンホールの穴にずぽっと落ちるが如くに、奈落の底(真皮)に滴落(滴下)して行く様を目撃した訳ではないので、ツッコミどころ満載ではありますが、表皮と表皮直下の炎症がそこそこ激しく、しかも長期に亙った場合は、十分あり得る現象です。 ですから、治療は、表皮性の肝斑については表皮性なりの、真皮性の肝斑については真皮性なりの、別個のアプローチってもんが必要です。混在性の肝斑に対し、ピーリングの様な表皮性のアプローチのみを行ったところで、表皮性の肝斑については確かに効果は出ます。が、真皮性の肝斑については放置プレイ以外のアプローチがなされていない訳で、当然、肝斑全体としては多少は薄くはなるかも知れませんが、患者さんからすると、奥歯に物が挟まった的な、何となく不満が残る治療で終わってしまいます。唯、下記に列挙するどんな治療を行っても、擦り過ぎ(ケアし過ぎ?)と言う本質(化粧習慣)が変わらなければ、元の木阿弥です。つまり、仮に、表皮及び真皮に過剰に存在するメラニン顆粒を全て除染!出来たとしても、慢性的過刺激の状態を是正し、メラニンの過剰産生を阻止出来なければ、新たなメラニンの産生は続く事になるので、何れ再びメラニン過剰状態に戻ってしまいます。>
唯一無二の根本的な治療は、放置プレイ
唯一無二の肝斑の根本的な治療方法は、その本質が、慢性刺激(擦り過ぎ)によるバリア破壊で、それによって惹起された炎症性の色素沈着である以上、放置プレです。それしかありません。特に、バリア機能に生まれつき弱点があるかどうかは、アトピー性皮膚炎の際に良く行う、フィラグリン遺伝子とSPINK5遺伝子検査で一発で分ります(美容通信2014年1月号)が、有れば尚更の事、放置プレイの醍醐味も増すってもんです。具体的には、一番の生活指導の対象となるのが、化粧です。基本的には、HISAKOはクリニックで扱っている様な、チーピーなAKシリーズ(固形石鹸/セラミド配合クリーム/日焼け止め)レベルで十分と思っています。精々プラスして、羊水(美容通信2013年6月号)とかASVC(美容通信2009年10月号)かな。化粧水だとか、美容液だとか、乳液だとか、クリームだとか、化粧下地とか、日焼け止めだとか、コンシーラーだとか、リキッドファンデーションとか、パウダーだとか、更に御丁寧にアイシャドウだとか、チークだとか、ハイライトだとか、何だかんだと塗るって行為が良くないんです。そして、それ以上に暴力的な破壊行動が、クレンジングです。塗った限りは?いや、塗った以上に情熱を傾けて擦り落とす行為こそが、自殺行為なのです。繰り返しになりますが、今時の化粧品はそんな諸悪の根源って程の性悪な代物はありません。ですから、化粧したまま一晩や二晩過ごしたところで、重大事件に発展しません。昼間に、寝化粧をしたんだと思えば良いじゃありませんか(笑)。やんちゃなDQNなクソガキ共同様、もっと温かい目で見守って下さい。お願いします(笑)。 慢性の刺激としては、他に紫外線が代表的な増悪因子として挙げられます。避けるに越した事はありません。肝斑だって、日焼けして濃くなりますから(笑)。飲む日焼け止め(美容通信2012年10月号)や塗る日焼け止め(美容通信2003年8月号)をお使い下さい。
以上のような努力を尽くしても、不幸にして刺激(炎症)が肌に加わってしまった(←過去形)場合、それが色素沈着として認知される前に、如何に有耶無耶に握り潰すかが次なる課題となります。下図を見て下さい。 栄養療法(美容通信2007年3月号)は基本中の基本ですが、各栄養素が働き易い環境(美容通信2014年10月号)を整えてあげる事も大事です。トータルで見れば、「細胞再生注射(フィロルガBRM 4 in 1)」(美容通信2015年1月号)が、ちょっとお高いですけど、最高です。副腎をサポートする「アドレナルガード90」は、自前のステロイドホルモンの産生を助け、炎症を収束させる方向に働いてくれるので、ストレスで燃え尽きそうな肝斑族には、意外に最適な選択かも。唯、ピンで肝斑の治療薬として名乗るには、ビタミンCやEの配合薬、漢方薬(美容通信2006年7月号)同様、ちょっとおこがましい感じですけどね。
- トラネキサム酸
投与量は、1日1500mg~750mgが一般的です。通常は1ヶ月位で、遅くても3ヶ月位で、効果が現れます。投与期間については、色んな意見があり、未だ統一されていません。唯、投与中止後に再燃するケースが数十%に上る事から、元々副作用が殆どなく、長く飲み続けたからと言って効きが悪くなるお薬ではないので、長期間の継続投与処方派が、途中でお休み派を上回るみたいですね。因みにHISAKOも、もう十数年以上飲み続けています。
勿論、局所的にアプローチするなら、トラネキサム酸の超音波イオン導入(美容通信2006年1月号)も効果的です。一緒に抗酸化ビタミンの導入も効果的です。
- ハイドロキノン
敵は、表皮にあり!
未だ、ターゲットが表皮にのみに留まっているのなら、表皮の過剰なメラニンが表面から脱落すれば良いだけの話なので、何もしなくても(正確には、何もしなければ!)、表皮が28日のターンオーバーきっちり回っている人なら、28日後に、それなりに遅れていれば(笑)、それなりに遅れて、必ず改善が認められます。唯、本当に無策の策を極める事は現実問題として難しく、多くの場合、何らかの治療(サポート)を加える必要があります。ケミカルピーリングやイオン導入、各種内服薬・外用治療等がこれに相当しますが、表在性の肝斑は、基本的には、まあそれなりに御し易い病態なんです。- ケミカルピーリングとかぁ。
- <トレチノイン
粘膜も皮膚も、細胞がきちんと分化・分裂する為には、ビタミンAだけじゃ駄目なんです。亜鉛(美容通信2011年4月号)も必要なんです。両者がきちんとタグ組んで、初めて角化のサイクルが正常化します。つまり、亜鉛の吸収を阻害するお煎餅やパスタをバクバク喰いながら、「肝斑の塗り薬♪」なんて(自分に)都合の良い事をほざいて、 トレチノイン(ビタミンA)を塗れば、そりゃあ、当然、ビタミンAに力任せに表皮を引っ剥がさせる様なもんですから、ポロポロ皮が剥けたり、痒み等の過刺激症状が出ます。真面な角化サイクルなんて、望めるはずもありません。糖質(炭水化物)の制限を行うのが常識的な選択ですが、無理なら(笑)、亜鉛のサプリメントで供給を増やすか、せめて炭水化物たっぷりのお八つの前に、炭水化物の吸収抑制と体重管理をサポートしてくれる医療用サプリメントである「カーボハイドレート90」を飲んで、亜鉛の吸収をUPさせるかでしょうね。
あ、補足(正しくは、宣伝?)ですが、「カーボハイドレート90」は、Phase2TM(炭水化物中和剤)、Gymnema Sylvestre 、Chromemate (クロミウム)を独自に組み合わせたサプリメントです。炭水化物は、消化されてエネルギー源であるグルコースに変換されるので、生命維持の為には欠く事の出来ない大事な栄養素。でも、多過ぎた分は単に余分なお肉(脂肪)として蓄積されるだけ。まあ、デブの素みたいなもんです。Phase2TMは、デンプンを分解する際に働く酵素(α- アミラーゼ)の働きを阻害する事で、過剰な炭水化物の吸収を抑制してくれます。
- フォトフェイシャル(IPL)(美容通信2003年5月号)
註:『穿った(うがった)』とは?
「うがつ」は穴を開けるというのが本来の意味で、それが転じて、人情の機微に巧みに触れる、物事の本質を上手く的確に言い表すという言葉になりました。ですから、「うがった見方」はプラス評価として使われる語であり、相手の意見をプラスに評価して、「うがった見方だね」と言うのが正しい使用法です。自分の意見を述べたり、相手の意見を批判したりする時に使うのは、正しい日本語ではありません。
ところが、文化庁が発表した2011(平成23)年度の「国語に関する世論調査」では、本来の意味できちんと使えている人が26.4%。「疑って掛かるような見方をする」と、間違った使い方をしている人が48.2%と、全くもって本末転倒な結果が出てしまいました。誤用が多数派を占めている状況を踏まえ、未だ少数派ではありますが、新しい使い方としてこの誤用を記載している辞典も出始めています。中でも保守派と目されている『岩波国語辞典』が、時代の趨勢を反映して、「うがちすぎの見方」という言い方を認めているのは、実に興味深い事例とも言えます。
ところが、文化庁が発表した2011(平成23)年度の「国語に関する世論調査」では、本来の意味できちんと使えている人が26.4%。「疑って掛かるような見方をする」と、間違った使い方をしている人が48.2%と、全くもって本末転倒な結果が出てしまいました。誤用が多数派を占めている状況を踏まえ、未だ少数派ではありますが、新しい使い方としてこの誤用を記載している辞典も出始めています。中でも保守派と目されている『岩波国語辞典』が、時代の趨勢を反映して、「うがちすぎの見方」という言い方を認めているのは、実に興味深い事例とも言えます。
真皮に潜む。それは、極めて難題だ。
真皮のメラニン過剰は、放置プレイをしても、ある程度はメラノファージやリンパ系を介して排出されます。が、それは半年から1年掛けてなんて、ドストエフスキーも真っ青的な、全くもって気の遠くなる様な連綿たるお話なので、何らかのケツ押しをしないと、埒が明きません。唯、何らかの治療を加えたとしても、真皮性の肝斑の治療は難題である事実は変わりません。 局所的には、今時の流行の、QスイッチNd:YAGレーザー(1064nm)を使うレーザートーニングとか、ロングパルスNd:YAGレーザー(1064nm)を使うレーザーシャワー(美容通信20130年月号)等の中空照射は、結構良い方法だと思います。数あるレーザーの中でも、最も表皮の色素を刺激し難いとされるNd:YAGレーザー(1064nm)を使用するので、表在性の肝斑を増悪させる事なく、難治性の真皮に落ち込んだメラニンを破壊(←そう推論を述べている論文は多数あるけど…、「接触させて打つ直接照射ならいざ知らず、多寡が中空照射で…、そりゃあ無理ってもんだろう」とHISAKOは、何の根拠も無いけど、勝手にそう思ってます)、若しくは破壊出来ないとしても、真皮内の温度が高まり、酵素活性をより促す事により、少しでも代謝-排泄を早めるとされています。全身的には、正に冷え症の治療(美容通信2014年10月号)と同じです。日々の生活としては、朝ご飯は必ず喰えとか、腹巻はしろとか、エレベーターやエスカレーターは使うな、階段があるだろう、階段が!等々(笑)。 クリニックとしては、施術の際に、交感神経をブロックして副交感神経優位の状態に保つスーパーライザー(美容通信2007年12月号)やプラセンタのツボ注射(美容通信2009年4月号)を併用したり、他の症状との兼ね合いではありますが、オゾン療法(血液クレンジング)(美容通信2011年8月号)やキレーション(美容通信2006年11月号)で血流改善したり、体質改善として漢方薬(美容通信2005年6月号)を処方したりする事もあります。その他、代謝のホルモンである甲状腺ホルモン補充(美容通信2011年10月号)や、熱産生の場としての筋肉を鍛える為に、AC BODY(美容通信2012年7月号)を行ったり、エクササイズ(美容通信2014年6月号)を指導する事もあります。
シミ番号5.炎症性色素沈着
怪我とか手術、熱傷等の傷が漸く治ったのに、要らないオマケ的に付いて来るのが、炎症性の色素沈着。怪我が酷ければ酷いだけ、治るのに時間が掛かれば掛かっただけ、結果として高度な炎症性色素沈着となります。アトピー性皮膚炎や肝斑の様な、慢性炎症に伴う色素沈着は、現在進行形の炎症を伴うので、一筋縄では行きませんが、炎症により惹起された色素沈着って事では、同じ穴の貉です。炎症性の色素沈着は、肝斑の章でも述べましたが、原因となった怪我や熱傷等が収束していれば、原則的に放置プレイだけで自然治癒します。一般的には、傷が治って1~2ヶ月位が色素沈着のピークで、その後、顔なら半年、体とか、腕とかなら1~2年、足なら3~4年掛けて、徐々に消えて行くって感じでしょうか、ねぇ。唯、現在炎症進行形だと、そもそもの原因を取り除かない限り、中々治療は難しい物がありますが…。
*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。
※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。