HISAKOの美容通信2013年12月号
シミの治療(Qスイッチルビーレーザー)
Qスイッチレーザーは、皮膚の深い所、つまり太田母斑や怪我や事故後の外傷性刺青(タトゥー)、ADM等の真皮色素性病変には唯一無二の方法です。
クリニックでは、所謂老人性のシミやそばかす、唇のシミ(口唇色素斑)等の表在性の色素性病変については、光治療IPL(フォトフェイシャル)やレーザートーニング等で対処出来ないものに対しての、伝家の宝刀的な使い方をする事が多いです。
Qスイッチルビーレーザー照射後による副作用と言うか…後遺症の殆どが、色素沈着。
唯、被害を最小限にする事は可能です。
その大きな鍵を握っているのが、術後のケアです。
Qスイッチルビーレーザーって、何んだぁ?
美容外科や美容皮膚科、若しくは単に保険診療しかやっていない皮膚科・形成外科でも、標準装備的に置いてあるレーザーと言えば、炭酸ガスレーザーに次いで、このQルビーじゃないかと思います。あまりにも当たり前の、病院に於けるカーゼとかテープとかに類する存在で、今更何の目新しさもないんですが、それ故に、ネタ切れ?感が否めないHISAKOの美容通信には最適なお題目(笑)。つまり、温故知新って奴ですかねぇ、ははは。
レーザーについては、以前にて非なるもの光治療IPL(美容通信2003年5月号)やシミとレーザー(美容通信2003年6月号)で詳しく載せてあるので、簡単に解説します。レーザーってモノは、光治療IPLと違い単一の波長で、発振媒体により、○○レーザーとその発振媒体の名前を冠して呼ばれています。
発振媒体がルビーならルビーレーザー(波長694nm)(右図は、HISAKOのクリニックにいるニーク社のQスイッチルビーレーザー)だし、アレキサンドライトならアレキサンドライトレーザー(波長755nm)、Nd:YAGならNd:YAGレーザー(波長1064nm)って具合です。
ちょいっと補足しておくと、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium Aluminum Gamet)、略称YAG(ヤグ)は、イットリウムとアルミニウムの複合酸化物からなるガーネット構造の結晶で、宝石にはホント疎いと言うか…、唯一持ってる指輪は、昔伊豆のバナナワニ園で一緒に行った年下の男の子にプレゼントされた350円いや、360円?のゴジラの指輪のみって為体ですからぁ、わ・た・し! そんな宝石音痴のHISAKOだからこそ、天然では存在しえない石=YAGを悪徳宝石商に騙されて買っちゃうんでしょうねぇ、多分。まあ、先日買ってしまった脱毛レーザー(YAG)人造宝石、ダイヤモンド類似石とも言います。これに、ネオジウムを添加したのが、工業分野や医療分野のレーザーで多用されるNd:YAGなんですよ~ん。
右図の吸収曲線を見て下さい。ルビーレーザーの波長は694nmですから、メラニン撃退、つまりシミやアザと言った黒い色物系に特化したレーザーなんだって事が分ります。
次に、ルビーの前に冠してあるQスイッチについての説明。
レーザー波の種類としては、だぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!って連続波レーザーcontinuous wave laserと、尺取り虫と言うか…逆U字とでも言いますか…ぱぁ~ん!ってパルスレーザーpulsed laserがあります。パルスレーザーは通常はms(ミリセカンド、つまり10の‐3乗)程度のパルス幅なんですが、これにレーザーの発振器に電気シャッターを付ける事で、数十ns(ナノセカンド、つまり10の‐9乗)にまで短縮したのがQスイッチレーザー。
パルスレーザーのパルス時間幅を、極限とまでは言えないにしろ、非常に短くする事で、生体組織の奥深くまで到達が可能(深達性が良好)となり、又、照射時間幅が非常に小さいので、ターゲットの周囲までじんわり・こんがり熱が伝導出来ず、結果的に周囲の熱損傷が少なくて済む(標的選択性が高い)って代物です。まあ、光治療IPL(美容通信2003年5月号)の対極に君臨するのがQスイッチレーザーって概念です。
それ故にHISAKOのクリニックでは、Qスイッチレーザーは、皮膚の深い所、つまり真皮色素性病変には唯一無二の方法となりますし、表在性の色素性病変については、光治療IPLやレーザートーニング(美容通信2013年9月号)等で対処出来ないものに対しての、伝家の宝刀的な使い方をする事が多いです。
後の祭りってかぁ?
後の祭り。正しくは、術後のケアと経過のお話です。綺麗な傷の治し方(美容通信2013年4月号)を参考にして下さいね。
Qスイッチルビーレーザー照射後による副作用と言うか…後遺症の殆どが、色素沈着。まあ、稀に色素脱失もありますが、断トツに色素沈着が多い。まあ、必発って言っても過言ではありません。唯、被害を最小限にする事は可能です。その大きな鍵を握っているのが、術後のケアなんです。
まあ、ぶっちゃけて言っちゃうと、我が国で入手可能なQスイッチルビーレーザーで、厚生労働省の薬事承認が取れている、つまり健康保険の適応で治療が出来るのは、HISAKOのところにあるニーク社と、JMEC社の2社くらいしかない。レーザー照射には多少のテクニックはあるっちゃあるけど、レーザーを照射した所が、均一にムラなくホワイトニングが出る様にオーバーラップさせながら打つって言うのが、大昔からの鉄則で、これも大差なし。つまり、照射する器械も、施術をする医師も、若干の当たりはずれ的なものはあるにしろ、致命的な差にはなり得ない。そうすると、別に責任転嫁するつもりはないけど、残るは、レーザーを照射される患者さん側の栄養状態とお手入れが、鍵になる。栄養状態については、も~っ、繰り返し繰り返しお話し(美容通信2007年3月号)(美容通信2010年10月号)(美容通信2011年4月号)(美容通信2010年6月号)(美容通信2009年11月号)(美容通信2009年12月号)(美容通信2010年1月号)(美容通信2012年8月号)(美容通信2013年8月号)(美容通信2013年11月号)ているので、省略! まあ、ポジティブ思考だと、ちゅあ~んとケアすればそれなりの被害(色素沈着)で済むって事です、はい。
術後のケアのポイントは、創傷治癒(美容通信2013年4月号)(美容通信2004年5月号)を如何に恙無く執り行えるか、これが全てです。兎に角、傷を湿潤環境に保つ事。そして、傷は石鹸で洗っても良いけど…、絶対に擦らないと言うか、触らないのが洗顔の条件(笑)ですかねぇ。そして、昔は、「薄皮が剥けても剥けなくても、10日間はテープを貼っておくんなましぃ」と言ってましたが、最近はエアウォールUVって名前の、日焼け止め兼傷の保護テープに出会ってからは、薄皮が剥けても剥けなくても14日間は軟膏左図は参考までに、HISAKOの大好きなbFGF+軟膏のパタ~ン♪)を塗ってその上から、それ以降は数か月間、色素沈着が残っている間は、少なくても直に貼り続けて貰ってま~す。上からファンデーションも塗れますしねぇ。これ、超良い子さんです。何たって、テカらないサランラップに糊が付いている様な透明のルックスして、97%の紫外線をカット出来ちゃうんですからねぇ。凄いです。施術後の炎症性色素沈着には、日焼けはこれまた論外なので、塗る日焼け止め(美容通信2003年8月号)(美容通信2009年7月号)(美容通信2004年11月号)や、飲む日焼け止め(美容通信2012年10月号)を駆使します。症例によっては、前処置として飲んだり(例・トラネキサム酸)塗ったり(例・ハイドロキノン・トレチノインetc.)していたモノ(美容通信2013年6月号)(美容通信2009年10月号)(美容通信2004年11月号)(美容通信2005年2月号)を、そのまま継続する事が多いです。
老人性色素斑
医者から老人性と言われると、分ってはいてもド~ンと落ち込むNo.1の病気が、老人性色素斑。医者によっては、平坦かちょい窪んでる気がしないでもない、所謂由緒正しい老人性色素斑だけじゃなく、ちょっと盛り上がった脂漏性角化症まで十把一絡げしちゃう先生もいるけど、治療方法が違う。つまり、後者はQスイッチルビーより炭酸ガスレーザーの方が適応になるので、ここでは脂漏性角化症は除外してます。まあ、最強最悪の原因は紫外線による表皮の障害って奴で、単にその表現型が凹んでるか、平らか、凸ってるかだけの違いなので、本質的には同じなんだけど。
見た目的には、兎に角、婆(爺)むさい。顏に1個、2個、3個、10個、一杯!と出来る色素斑です。大きさは様々。形も色々。時には外的な諸事情により炎症を来して、赤く腫れたり、痒くなったりする事もありますが、全て境界明瞭! ぱきっと他と一線を画すのが特徴です。
光治療IPL(美容通信2003年5月号)やレーザートーニング(美容通信2013年9月号)等でも、結構それなりに、それもテープを貼るなんてダウンタイムなしに目立たなくなります。でも、Qスイッチルビーレーザーみたいに、止めを刺すには至らないんです。医者によって考え方もあるでしょうが、HISAKOは、シミのところだけ老化をしている訳ではないので、光治療IPLやレーザートーニング等で全体の色味を整えた上で、少なくともトラネキサム酸の内服は最低限の下拵えを行った上で、ど~しても頑固に居座る老人性色素斑だけに照射したいのが本音。前述の通り、絶対消えるとは分っていても、炎症性の色素沈着はなるたけ避けたいですから。
いきなり来て、直ぐ照射は勘弁!
いきなり来て、鬼の様に散在する老人性色素斑全てに、レーザーを照射しろ!って要求するのは、マジ勘弁して下さい。炎症起こして赤くなってたり、痒くなってる老人性色素斑もです。肝斑の上の奴も、嫌です。
HISAKOもそうですが、人間はタコやイカの様に沢山の手を保有している訳ではないので、一度に複数個のシミに照射しても、後のケアが兎角疎かになりがち。余程の上級者か、恐ろしく細かい事が大好きなマニアックな山下清の再来か!?って人でもない限り、精々1~2か所に留めておく方が無難です。
炎症を起こして赤く腫れていれば、2週間程度のステロイド外用で、炎症が収まってからがお約束。炎症が既に起こっている部位に、レーザー照射により更に炎症が加われば、相乗効果的に色素沈着が増悪して当たり前。自分で自分の首を絞めるようなモノです。
肝斑(美容通信2003年7月号)も然り。肝斑も御存知の通り、一種の炎症性色素沈着ですから、肝斑の上に乗っかっているシミをしっかり取ろうとしてレーザーを照射すると、肝斑パワー炸裂! ひえ~っ!!と呻き声を上げたくなる位増悪したりして…。下拵えが、兎に角肝心なんです。
レーザー照射
多くは、麻酔のテープかクリーム、お注射、はたまた単に氷で冷やしただけで、レーザー照射を行います。
照射後の後始末とその顛末
前述の通り、兎に角、擦らないのが照射後の後始末(ケア)の鉄則。薄皮が剥けても剥けなくても、2週間はテープを貼り続けるのが大事なんです。ホント、エアウォールUVがなかった頃は、茶色のマイクロポアがスタンダード。あれ、マジに、お肌に馴染が良い茶色なんて謳ってますが、如何にも!って感じで目立っちゃうんですよねぇ。それ故に、早くテープを止めて化粧をしたり、又、それを擦り落としちゃう患者さんの乙女心も分らぬでもないけど、だからって…しちゃいけないけとはいけないです!と心鬼にしていましたが、今はエアウォールUVの上から、軽くファンデーションどうぞと笑顔で言えるんですから、まあ良い時代です。
あらま、話が脱線しちゃいましたが、通常は、レーザー照射後、数日掛けて少し色が濃くなったかの様な薄皮(痂皮)が出現します。10日~14日位ではら~っと薄皮が剥がれ落ち、フレッシュなピンク色の、敏感な上皮化したばかりの肌が現れます。この時に茶色く色が残っていれば、取り残しと考え、もう一度、と言っても少し時間を置いてから、まあ、具体的には半年以上経ってからですが、Qルビーレーザーを追加照射します。綺麗なピンク色だけなら…、日焼けをしないように注意しながら、そのまま放置プレイ。レーザー後の色素沈着は、薄皮が剥けて数週間以内に現れる事が殆どですが、気にして擦ったり擦ったりしなければ、顏なら半年以内、手足でも数年以内に、勝手に消えちゃうものなんです。
トラネキサム酸の内服と併せて、ハイドロキノンやトレチノインは、HISAKOのクリニックではお約束的に処方する事が多いですが、処方しない先生もいます。何故かって? 炎症性の色素にこれらの薬剤が効果があるって事は、周知の事実です。しかし、炎症性の色素沈着を気にするあまり、全身全霊を傾けて、一生懸命に塗る。その行為が、新たな炎症を引き起こし、更なる色素沈着が発生し…、正に負のスパイラルって奴です。これが怖いんですね。…ですから、使えるモノは親でも使えを信条としているHISAKOと致しましては、一生懸命が仇になるから、兎に角、好い加減に、ちゃら~んと塗ってねと患者さんに念押しした上で、処方しています。
勿論、予防的観点から、抗酸化力を上げてくれるオゾン療法(美容通信2011年8月号)や、高濃度ビタミンC点滴療法(美容通信2008年11月号)、プラセンタ注射(美容通信2009年2月号)はオススメ。HISAKOは、長時間のお散歩で、紫外線浴び過ぎてマジヤバ!って心が後悔で震えた日は、直帰せず、クリニックに立ち寄って高濃度ビタミンC点滴しちゃってます。紫外線で損なわれてしまったお肌を速やかに修復してくれるだけでなく、色白美人の強力なサポーターですから。勿論、帰宅後は、ASVC(美容通信2009年10月号)で、駄目押しです。又、紫外線防止にばかりに目が眩むと、大事な免疫調整ホルモンであるビタミンD(美容通信2003年3月号)が不足するので要注意です。
そばかす
もしも赤毛のアンに、”ウズラの卵”か?”百一匹わんちゃん”か?的な派手なそばかす(雀卵斑)がなかったら、児童文学界の不朽の名作にはなり得なかったかも知れない。彼女の空想通りの、カラスの羽の様に見事な真っ黒な髪に、菫色の瞳。顔色は薔薇の花弁の如く、そして肌は透き通る様な象牙色で、目はキラ星のように輝いており、名前はレディー・コーデリア・フィッツジェラルドなら…、精々安っぽいハーレクインロマンスのヒロイン止まり。実世界なら、良くて使い捨てのグラドルなんてね(笑)。まあ、無責任な想像は置いといて、そばかすは、世の東西を問わず、持ち主に容姿的な劣等感を抱かせるものらしい。
しかしながら、そばかすは、生まれつき、皮膚の色調を均一にする機能がイカレちゃっている事に起因するので、もう一度生まれ直して来ない限りは絶対治んない。けど、取り敢えず、まあ、数年程度って期間限定だけど、目立たない、若しくは気付かれない、治ったと錯覚出来る程度には消せるのも、そばかすです。つまり、絶対、Qスイッチルビーレーザーでも、トーニングでも、光治療IPLでも、まあ、何で治療しても絶対再発する。なら、他の追随は許さない、ぶっちぎりの高い除去性を誇るけど、ダウンタイムや炎症性の色素沈着も高い、Qスイッチルビーレーザーを選ぶか、今一つの結果だけど、ダウンタイムも色素沈着も心配する必要のないトーニングや光治療IPLを選ぶか…、どちらを選ぶかは、まあ、患者さんの趣味の問題って奴です。
そばかすは、赤毛のアンちゃんの顔を思い浮かべて頂ければ明らかな様に、頬っぺたから鼻の付け根を中心に、1~3mm程度の茶色のシミが散在して、一見遠くから見ると、ぼんやりとした茶色のパンダ仮面って感じ。時には、上眼瞼を超えて額まで、上唇どころか下唇までと広範囲に広がりを見せる事もありますが、髪の毛の中までは流石に浸食は出来ない。殆どが学童期と呼ばれる、大人が思わず「クソガキどもめ!」と悪態を付きたくなっちゃう時期、つまりお日様の下で散々遊びまくる≒そばかすの最大の増悪因子である紫外線に一番暴露されるが故に、この時期に発症すると考えられています。20歳を過ぎて、身だしなみとしての化粧を余儀なくされる、若しくはすっぴんを人様に晒せない年代になると、化粧により物理的に太陽から遠ざかる為か、症状が勝手に軽減しちゃう人が多くなります。
肝斑持ちや日焼け、色素沈着の著しい人は、ほとぼりが冷めてから。
肝斑持ちや日焼け、色素沈着の著しい人は、ほとぼりが冷めてから照射しましょう。レーザー照射後の色素沈着や脱失等のトラブルが起こり易くなるので、下拵えして、症状が軽減してからのQスイッチルビーレーザーの登場です。
レーザー照射
兎に角、虱潰し。一気に全部を照射すると、照射している時は医者が単にヘロヘロに疲弊するだけですが、照射後は、日々の処置で患者がヘロヘロに疲弊し、おなざりになってしまいがち。こうなると、どうしてもトラブル起こり勝ちに。手におえる位の小範囲(数cm大)づつ小分けして、潰して行くローラー作戦が一般的です。
照射後の後始末とその顛末
レーザー照射後の脆弱な皮膚には、前述の通りの愛護的な扱いは欠かせませんが、薄皮が剥け落ちれば、基本的にそれでお終い。唯、紫外線を浴びれば浴びただけ再発が早まるので、それが嫌なら、老人性のシミ以上に紫外線に留意しなければなりやせん。
唇のシミ(口唇色素斑)
真っ赤な唇に黒斑点。下手な小学生の書道の時間を思い起こさせる、墨汁をぽたぽたと垂らした様な多発する色素斑(≒単純黒子or境界型の色素性母斑)です。表皮直下(粘膜直下)の、まあ、ごく浅い所で鎮座ましますので、Qスイッチルビーレーザーじゃなくても何でも良いっちゃ良いんだけど、ね。
口唇色素斑のある人って、複数の病変を生じる可能性が高い人々でもあるので、又再発したら取りゃいいよね的な覚悟はしてもらう必要はあります。
レーザー照射
強めの出力でバ~ンっと色素を弾き飛ばしちゃいます。無慈悲に無麻酔で行っちゃう事もあるけど、1ショットで必ずしも全部弾き飛んでなくなっちゃうかと言うと、必ずしもそうとは言えず、色素の残存がなくなるまで、焼けた組織の残骸をこそげ落としては照射し、こそげ落としては照射しの繰り返しになるので、麻酔に効きの良い部位でもあるので、麻酔はしておいた方がましではないかと思うんですが。
照射後の後始末とその顛末
唇はレーザー照射後の色素沈着や瘢痕化が極めて起きにくい場所なので、上皮化が完了するまでの約1週間は、口紅を我慢してもらう位の緩い術後ケアでOKです。
唯、幾ら緩いケアと言っても、唇に多発する色素斑を一気に治療しようとするのは、止めといた方が無難かな。上皮化するまでの1週間は、患部は糜爛状態なのですから! 1個や2個ならまだしも、多数散在する糜爛は、日に三度三度飯を食っている、時にはお八つとかコーヒータイムとか色々ありますからね、どう考えても、結構キツイと思いますよ。
扁平母斑
扁平母斑のレーザー治療は、超難しい。兎に角、信じられない位に、叩いても叩いても再発する。五七五調で詠むと、しぶとさを病気で言うと、扁平母斑(笑)。
扁平母斑は、境界鮮明な褐色斑で、表皮メラニン色素の増加が本態の先天性の病気です。それ故に、Qスイッチルビーレーザーの良い適応とされますが、この扁平母斑の細胞は、前述の如く、恐ろしくしぶとい。一旦は、結構綺麗に消失してしまうんですがぁ、始末が悪い事に80%以上の症例が数ヶ月以内に再発するんです。つまり超ラッキーな一握りの人々だけが、噂では、穢れを知らぬ子供で、ちょっと色が濃い目の、キザキザした不正形の扁平母斑の持ち主が、神の祝福を享受出来るのであって、決して万人が救われる訳ではないのです。ですから、先ずはテスト照射をして、半年から1年後に治療方針を決めるのが一般的です。
扁平母斑の兄貴分にベッカー母斑がいます。通常の扁平母斑が皮膚の性状は健常な皮膚と同じだけど、色だけ茶色なのに対し、ベッカー母斑はつるつるじゃなくてザラザラな質感。症例によっては産毛がゴワゴワの強い毛に進化したりします。HISAKOは、小学校の高学年から中学生頃突然発症するから、きっと声変わりと同じで男っぽいルックスなんだぁと、根拠のない納得をしています(笑)。
ベッカー母斑は、普通の扁平母斑より再発傾向が若干少ないとはされていますが、それでも50%以上は再発します。
レーザー照射
先ずはテスト照射です。
ベッカー母斑は、色が救えなくても、毛は確実救えます。それ故、レーザー脱毛(美容通信2003年9月号)を優先して、色味を目立たなくさせるなんて言う、論点のすり替えって姑息な方法を取らざる得ない事も多いです。
照射後の後始末とその顛末
2週間ほどで、薄皮は脱落します。
テスト照射して再発したら、レーザーは効かないタイプだねぇと、さらっと言い切って撤退しましょう。それが、お互いの身の為ってもんです。悪女の深情けで再照射を強行しても、色素脱失や色素沈着と言った、いらないオマケ系が必ず付いて来るだけで、良い事は何もありません(キッパリ)。
扁平母斑のQスイッチルビーレーザー照射後の色素沈着は、まず百発百中。必発と考えて間違いありません。治療部位を取り囲むかのように周辺部に色素沈着が出たり、毛穴に一致してとか、もう勝手気ままとしか言いようがない、様々な出現パターンを取ります。そして始末が悪い事に、結構消褪するのに時間が掛かります。場合によっては、1年以上続きます。
太田母斑
太田母斑は、左図の様に、三叉神経第1枝、第2枝領域に分布する、通常は顔面片側性、稀に両側性に発生する青褐色斑です。日本人の名前が冠しておりますが、太田姓を名乗る人に特異的に発症するアザなんかでははなく、太田先生が発見したから太田母斑って名前が付いただけです。黄色人に多く、白人に稀なので、西洋医学分野では出遅れた感のある日本人でも、付け入る隙間があったって話でしょうか。病気の頻度としましては、日本では0.1~0.2%位です。全く何の心当たりもなく、生後1年以内、若しくは変に色気付き始める思春期頃(多くが15歳未満)に発生する症例が殆どです。一旦発症してしまうと、勝手に消えちゃうなんて事はあり得ないので、経過観察なんてあり得ない。パンダ柄と開き直って一生共に生きて行くか、レーザー治療を行うか、そのどちらかを自ら(若しくは、親の?)の意志で選びとる必要があります。因みに、太田母斑は、東京帝国大学皮膚科学講座の太田正雄教授の名前を取って、太田母斑と名付けられました。私達日本人の名前が国際的な正式病名になっている疾患なんて殆ど見当たんないので、太田母斑nevus of Otaは、奇跡の例外(笑)。正に民族の誇り的な疾患です。しかしながら太田正雄先生は、この太田って本名よりも、世間的にはそのペンネームである木下杢太郎の方が通りが良いかも知れません。南蛮情緒的、切支丹趣味、耽美享楽的等と称される煌びやかな詩や戯曲を残した詩人です。実家が珈琲屋だからって訳ではないんですが、HISAKOが好きな詩を一篇載せときましょう。 『珈琲』([食後の唄]より)
今しがた
啜って置いた
MOKKA(モカ)のにほひがまだ何処やらに
残りゐるゆゑうら悲し。
曇つた空に
時時は雨さえけぶる五月の夜の冷さに
黄いろくにじむ華電気(はなでんき)、
酒宴のあとの雑談の
やや狂ほしき情操の、
さりとて別に是といふ故もなけれど
うら懐しく、
何となく古き恋など語らまほしく、
凝として居るけだるさに、
当もなく見入れば白き食卓の
磁(じ)の花瓶(はながめ)にほのぼのと薄紅(うすくれなゐ)の牡丹の花
珈琲(かふえ)、珈琲、苦い珈琲。
前の章までの老人性色素斑や扁平母斑等の疾患は、全て表皮色素性の病気でしたが、太田母斑や後述する後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)等は、真皮の病変です。それ故に、真皮のメラニン色素に届くQスイッチ系のレーザーなら、ルビーでもアレキサンドライトでも、Nd:YAGでも、真皮メラノサイトへの深達性は十分。メラノサイト及びメラノファージを破壊さえ出来れば、母斑を完全に消失させる事は可能です。唯、健康保険で安く上げたいのなら、ニーク社かJMEC社のQスイッチルビーレーザーって選択になりますがぁ(笑)。
1回の照射で全ての真皮メラノサイトを破壊し尽くすぞ~っ!なんて、威勢の良い事を考えてはいけません。繰り返し繰り返し、真皮メラノサイトが完全に破壊されるまで、ねちねちと地道な破壊行為を続けるストーカー的情熱(粘り強さ?)が、医者側にも患者側にも要求されます。まあ、色調の濃さにもよりますが、一般的には2~8回程度の照射が必要になります。
こう書いちゃうと、Qスイッチルビーレーザーの健康保険の規定上は3ヶ月以上開ければOKになっているので、最短で勝負掛けるなら3ヶ月毎の照射がベスト。つまり、1年は3ヶ月×4回なので、半年、どんなに長くても2年で決着が付くわい♪と捕らぬ狸の皮算用する患者さんが多いんですが、これは、実は×。これこそが、ドツボパターン。
どういう事かと言いますと、1回レーザー照射を行うと、これにより破壊された真皮のメラノサイトを、マクロファージちゃん(食細胞)が処理するのに数ヶ月を要します。処理が恙無く行われて漸く色が薄くなる訳ですから、どう考えたって、これには少なくても3~4か月は掛かります。それに加えて、レーザー照射による炎症性色素沈着は必発ですから、一旦は濃くなった色調が消褪するのに最低でも3~4ヶ月、やれ鉄が少ないとか、太陽をこよなく愛しているとか、気にして四六時中触っていると言うか…触っていないと落ち着かない性格とか、兎に角色素沈着傾向の強い人だと、半年以上は次のレーザー照射までの間隔を開けた方が○。色素沈着が十分消褪していない状態でレーザーを照射すると、光は当然表皮のメラニンに吸収されてしまい、肝心の真皮まで到達出来なくなっちゃいます。そうすると、治療効果は勿論出なくて当たり前、それどころか、炎症性の色素沈着に更なる炎症性色素沈着が重なってダブルパンチを喰らったり、表皮の損傷が大きくなって、皮膚本来のメラノサイトまでとばっちりが及び、色が抜けちゃう(色素脱失)なんて惨事も。まあ、色素沈着も脱失も、時間と共に改善傾向を示すものなので、そんな目くじら立てて如何こう騒ぐものじゃありませんが、嬉しくないのは事実です。その為、HISAKOのクリニックでは、広範囲だと、後の処置がお座なりになる事もあって、順繰り順繰り、小範囲でローテーションしながらなら、同じ部位は半年以上開けながら照射する事が多いです、はい。
日焼けはして来ないでくれ! アートメイクも門前払いだ~ぁ!!
日焼けは、前述の炎症性色素沈着に、炎症性の色素沈着を更に重ねるのと同じで、レーザー光の真皮メラノサイトへの深達を妨げ、更にレーザー照射後の色素沈着や色素脱失を長引かせる可能性があります。それ故に、日焼けは厳禁! 日焼けしてたら、幾ら、「仕事の調整を付けて来たのでこの日じゃなきゃ困る!」と泣き付かれても、HISAKOは元々ドSなので、自業自得とさら~んと突き放しちゃいます(笑)。
他にも、アトピー性皮膚炎や何らかの慢性の炎症性のトラブルを抱えているような肌の時は、先ずこれが治まってからが、レーザー照射のお約束!
後、偶に太田母斑を隠そうとして、白や肌色のアートメイクって名前の入れ墨を入れている人がいるんだけど…、ごめんなさい。非情なHISAKOは、門前払いしちゃいます。どうしてかと申しますと、肌色インクにQスイッチルビーレーザーの相性は最悪で、アマガエルか宇宙人かみたいな無様な緑色に変色しちゃうからです。自己申告して下さいませ。
レーザー照射
麻酔は必須。皮膚を引っ張りながら、それでも真皮相手なので20~40%はオーバーラップさせながら、照射をします。
照射後の後始末とその顛末
レーザー照射直後より、モ~レツに腫れるし、兎にも角にも痛い。しっかり湿潤環境を保つ(美容通信2013年4月号)様に処置を行い、7~10日での上皮化を目指します。傷がバイ菌にやられちゃうなんて事は全くないとは言いませんが、可能性は低く、フツ~に洗顔して頂いてOKです。唯、ホント、目の周りは、お岩さんも真っ青級に腫れます。1週間程度は目が開かなくて当たり前と、腹括ってからの照射をくれぐれもお願いします。
傷が癒えたら、太田母斑だから特にしなければならないなんて事はないんですが、しなくても良い事はあります。”刺激”です。太田母斑の御婦人方は、兎角このアザを隠そうとするあまりに、濃い化粧をし、そしてそれを落とす為に、渾身の力を込めているつもりはないのでしょうが、側から見ると、「そ、そんなに、擦るんですかぁ~!? 」とドン引き状態(笑)なんて事はザラにあるお話。元々レーザー照射後の皮膚は、表皮が剥離した状態の為、赤く、そして摩擦の刺激にとっても弱いんです。そこに、これでもかぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!的な刺激を慢性的に加え続ける事は、レーザー後の炎症性色素沈着に更に輪を掛けて酷くする様なものです。繰り返しますが、悪循環!
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)、又の名を遅発性両側性太田母斑様色素沈着とも言う
太田母斑の一派と考える人も、考えない人もいるのが、この後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)、又の名を遅発性両側性太田母斑様色素沈着とも言う疾患。ホンマモンの太田母斑と違って、このもどきは、大人(13歳以上、多くは20歳以上)になってからと発症が遅く、両額部・両鼻翼部・両頬部が好発部位とされていますが、これらはあくまでも左右対称が基本。部分的に片側だけの所があっても、まあ、良しとしようって位のアバウトさではありますが(笑)。そして色素斑の出方が、び漫性ではなくて、ボタボタと斑状です。太田母斑と違い、家族性に出現する事も。
色調は、灰色~灰褐色~褐色~濃褐色。病状の経時的な変動が少ないのも、特徴とされています。
ADMは、Qスイッチルビーレーザーの独擅場。1回の治療でも70%以上の色素が除去出来ます。唯、真皮内で破壊された色素が吸収されてなくなって、初めて実感が湧くものなので、マクロファージちゃんがちゃんと食い尽くしてくれるまで、つまり6ヶ月はその有難味を享受出来ない事になってます。それどころか、照射後数ヶ月は、炎症性の色素沈着が加わって、寧ろ色が濃くなってしまい、幾ら事前に説明していても、「なんて事をしてしまったんだぁ~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」的な不安と後悔と失望とに苛まれ、心が折れてしまう人が続出します。
必発の炎症性色素沈着を最低限にする為に
内服やら外用やら、必須ではないですが、あの手この手を予め使う事はあります。唯、一番大事なのは、日焼けや肝斑等の表皮メラノサイトーシスがあると、炎症性の色素沈着はぐぐぐ~んと凶悪系になるので、ちゃんと片を付けてからがお約束。勿論、湿疹・皮膚炎の類も同じです。レーザー照射も、実社会と同じで、根回しはと~っても大事なのです。
レーザー照射
真皮相手なので、局所麻酔のお注射は必須。皮膚を引っ張りながら、それでも真皮相手なので20~40%はオーバーラップさせながら、照射をします。表皮メラノサイトーシスの有無がホワイトニング(IWP)を左右するものなので、ADMの様な真皮メラノサイトーシス相手の照射は、問答無用。IWPの顔色を窺う事なく、やや強めの一本調子で、薄いものから小さいものまで、色素斑を全て確実に焼き尽くす非情さが要求されます。巨悪を倒す!と意気込んで大物狙いで濃い色素斑だけを狙い撃ちすると、後々、目こぼしした小悪党が鼻に付く事になります。
照射後の後始末とその顛末
太田母斑と同様のガッツリ系の閉鎖療法を、泣こうが喚めこうが、ルーチンに2週間してもらってます。
Qスイッチルビーレーザー照射後、1日位で薄皮が出来ます。まあ、これは10日前後で脱落しちゃうものなんですが、老人性の色素斑の様な表皮性の病気と違って、ADMでは、薄皮が剥けた後の皮膚の色は、レーザー照射前と殆ど変らぬレベルで黒い。この残存色素は、放っておきさえすれば、1~2ヶ月をピークにして徐々に吸収・排出され、3ヶ月を過ぎた辺りより急激に加速が付き、6~9ヶ月も経てば、70%以上の色素が除去されます。
唯、変に気にして、擦ったり、叩いたり、殴ったりすると…、治療後の敏感な皮膚は、窮鼠猫を咬む?百姓一揆?いや、フランス革命?的な反乱を起こし、激しく色素沈着を来します。肝斑がベースにあると、ADMと好発部位が一致しているだけに、よりその傾向は強くなります。
どの程度が反逆を誘発するかと申しますと、HISAKOのクリニックでは、レーザー照射後は飲んだり塗ったりと煽てて賺してが基本ですが、クリニックによっては、これらを全く使わない、それどころか、化粧水や美容液、日焼け止めすら患部を避けて塗れ!と指導をする所がある位。「美白の化粧品でも何でも、患者に渡した限りは死にもの狂いで塗るからねぇ」と、嘯く医者共がいるって事実を、患者サイドも素直に受け止めるべきでしょう。折角炎症性色素沈着に効果があるのに、不適切な使い方で効果を相殺したり、場合によっては寧ろ悪化を齎すからって理由で、医者から使用の差し止めを喰うなんて、ちょっとつまんないと思うでしょ?
7割位の人は、1回の照射でほぼ全部の色素斑が除去されます。貴女が残念な3割の人だったとしても、目こぼしした小悪党以外の、つまりちゃんと照射した部分については、治療前の70%以上の色素は減量されているはずです。残は、炎症性の色素沈着がしっかり落ち着いてから、追加照射を加えて成敗を繰り返すですかね。どれ位の冷却期間かと言いますと、最低でも6か月以上、色素沈着を引き摺り易いタイプなら、色素沈着が9ヶ月~1年間残るなんてザラですから、1年以上間隔を開けての再挑戦となります。
蒙古斑
HISAKOも未だに、「ケツの青い若造が!」と年金世代の御老人からお叱りを受けますが、黄色人種、特に日本人は、実にその90%以上の赤ん坊のケツは青いんです。これが蒙古斑です。成長に伴い、徐々に色調は改善し、多くは小学校の入学前に跡形もなく消失してしまいますが、偶に、大人になってもケツが青いまんまの、残存性蒙古斑の人もいます。
おケツ以外に出現したものを異所性蒙古斑と言います。本家同様、自然消褪傾向を示しますが、分家だからって訳でもないでしょうが、自由奔放?と言うか…、消えずに残る可能性が異所性は高いみたいです。因みに、勢力の強い分家としては、伊藤母斑(後頸部~肩)、桜根母斑(下顎)が有名です。
太田母斑と同じく真皮メラノサイトーシスですが、自然消褪傾向があるので、まあ、何処まで攻めていくかは患者さんとのお話次第でしょうか。
照射後の後始末とその顛末
照射6か月経って、色が可也薄くなっていれば、経過観察のみ。未だ、ケツが青いとガキ扱いされそうなら、再度照射します。
故意か否かは問わないけれど、入れ墨(刺青)
Qスイッチルビーレーザーで、全ての入れ墨(タトゥー)が取れるかって言うと、それは無理。基本、黒と緑の入れ墨達が対象です。
黒い色だけの入れ墨(タトゥー)なら、Qスイッチなら、ルビーであろうと、アレキサンドライトであろうと、Nd:YAGであろうと、どれでもOK。緑色の入れ墨(タトゥー)なら、緑色と補色関係にある赤色のレーザー光を照射しなければならないので、QスイッチルビーレーザーかQスイッチアレキサンドライトレーザー。赤い入れ墨(タトゥー)なら、緑のレーザー光が必要で、QスイッチNd:YAG。そう、相場が決まっております。
埋入されている色素の量によって治療回数が左右されますが、色素がたっぷり入り込んでしまっている場合は、当然ながら治療の回数が嵩み、傷(瘢痕)は避けて通れない運命に。
外傷性刺青
外傷性刺青とは、怪我や事故、喧嘩の挙句に、傷に砂やら泥やら、鉛筆(←HISAKOです)なんかが埋め込まれたまま傷が塞がってしまった状態です。入れ墨ですから、放っておいても、絶対治りません。Qスイッチレーザーなら何でもありです。
先にも述べましたが、肌色のアートメイク、例えばシミ隠しとかアートメイクの修正に使われている白色色素にQスイッチルビーレーザーが当たると、緑色に変色しちゃいます。緑だからQスイッチルビーは効くだろうと言われると、まあ、そう言われるとそうだけど、途中から緑に変色した白は、果てしなく治療を繰り返す必要が出て、それでもパ~フェクトには中々長い道のりで…、お互いの為にも手を付けない方が無難って代物です。事前に申告して下さい。そして、お互いの徒労を避けましょう。
眉毛(アイブロウ)
黒だけなら良いんだけど、黒以外の様々な色を混ぜてアートを変に追及されちゃうと、吉と出るか凶と出るか…兎に角、何が起こるか分んない。下手したら、緑のカエルみたいな眉毛に変身しちゃうかも。まあ、その腹積もりでクリニックに来て下さいね(笑)。 あ、後、眉毛は暫く抜け落ちちゃいます。再び生えてくるまでの約1ヶ月は、眉毛ハゲです。まあ、描いて誤魔化して貰えればそれで良いんだけど。
アイライン
殆どが黒だけって事が多いので、開けてビックリ玉手箱的なワクワク感はありません。唯、デカ目信仰的に、しっかりくっきりど~んと濃く入れられていると、1回で決着が付かないのはザラ。下手したら5、6回かかっちゃう事もある。こうなると問題なのは、睫毛ハゲ。眉毛は描けばまあごまかしが効くけど、睫毛はねぇ。炎症が治まったら、付けまつ毛って手はあるけど、繰り返し繰り返し照射すると、永久脱毛は理論的には起こりえないけど、真皮の軽い瘢痕化により、毛が薄くなってしまう可能性は無きにしも非ず。
赤い刺青(タトゥー)は無理! 基本、黒と緑の入れ墨達が、Qスイッチルビーレーザーの対象です。
*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。
※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。
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来月号の予告
アトピー性皮膚炎や蕁麻疹、花粉症、ニキビ、脂漏性湿疹等の慢性疾患の、対症療法じゃなくて、根治的な治療につながるだろうってお話です。 <腸管免疫>です。