バイオイルで跡ケア保湿を始めましょう | 旭川皮フ形成外科クリニック旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2012年1月号

バイオイルで「跡ケア保湿』を始めましょう。

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完治した傷あと、ニキビ跡、虫刺され跡、ひび割れの様なストレッチマーク。
気になる跡に、うるおいケアをしてみませんか?
世界17か国で愛されるバイオイル。
クリニックでは、更に羊水(美容通信2013年6月号)成分を添加し、乾燥と色素沈着の改善にパワーアップした「バイオイル with ひつじ★みず」も販売しております。


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 とっても画期的で素晴らしい商品とまでは言えないけど、兎に角コストパフォーマンスに優れるのがこの「バイオイル」です。幾ら寒かろうが、関東平野の空っ風に苛められようが、お散歩を止められないHISAKOの、真冬御用達の乾燥対策化粧品なのです。えっ? 勿論、傷跡にだって効きます(…化粧品レベルですけど)。

バイオイルは、”乳癌術後のお肌のケア”製品として、医療現場に上陸した。

 ”乳癌の治療によるトラブル”には、以下の様なものが挙げられます。

  • 乳房切除手術によって生じる問題
  •  
    • 補正用下着が必要。
    • 手術跡だけでなく、広範囲に知覚障害(違和感)。
    • 創部の引きつれ、凸凹感が発生。
    • 皮膚癒着による患肢運動障害の発生。
    • 皮膚の乾燥、汗の分泌の変化。
    • リンパ浮腫。
    •  
  • 放射線による皮膚障害
  •  
    • 広汎:真皮の毛細血管の拡張。
    • 乾性落屑:真皮の毛細血管の拡張、浮腫、血管の障害による出血。表皮にも影響が及び、一部が脱落。
    • 湿性落屑:表皮が完全に脱落し、浸出・出血。
    • 終了後1週間程度:掻痒感、疼痛改善
    • 2~4ヶ月後には色素沈着も改善。
    • リンパ浮腫。
    •  
  • 抗癌剤治療による副作用
  •  
    • 皮向け、皮膚の亀裂。
    • 色素沈着。
    • 爪剥離、爪の変色。
    •  
     これらの悩みを持つ患者さん達に、3か月間バイオイルを使用してもらった時の評価は、下記の
    通り。

  • 縫合創(傷跡)の変化

  •   改善84%
      「ケロイドが薄く目立たなくなった」 「赤みが取れた」 「皮膚の柔軟性が改善」 「引きつれ」 「治癒が軽快」 「知覚の回復も早まった」
  • 創部皮膚(傷跡)の乾燥

  •    改善94%
       「落屑がなくなった」 「毛穴が目立たなくなった」 「乾燥の改善は殆ど全例で見られ、時期も何時からでも有効と思われた」

  • 色素沈着の変化

  •    改善68%
       「色素沈着、乾燥が顕著に改善」

  • 創部(傷跡)の引きつれの変化

  •    改善81%
       「皮膚の引きつれが顕著に改善」 「皮膚の違和感も顕著に改善していた」 「塗布する際のマッサージ効果が相乗効果的に有効性を上げたと思われる」

 バイオイルって、どんな製品か興味が湧きました? 以下、少し詳しく製品を解説しますが、まあ、内容的にはそんなに目新しい物でも何でもないんですが、ユーザーにとって兎に角使い易い製品(コスト面も含めて!)なので、使い続ける事が出来る=効果はやっぱこの手の商品については持続が一番のカギですからね(!)、これが世界でバカ受けした秘訣なんでしょうねぇ、ホント。あ、因みに、バイオイルは現在日本を含む世界17か国で販売されているんですが、その内、本国・南アフリカを始め、イギリス、オーストラリア等10か国で、ファーマシースキンケア部門で売上No.1の快挙を達成してるんだそうです。

バイオイルの仕組み

 バイオイルは、抗酸化ビタミンの主要メンバーであるビタミンAとEの2種類のビタミンと、4種類の植物由来成分を、ピュアセリンオイルに配合した製品です(まあ、内容的には、ホント、以前紹介したエンビロン(美容通信2004年11月号)には全然劣りますが、コスパは優秀なのです、はい)。

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 何度も抗酸化ビタミン(美容通信2007年4月号)(美容通信2007年3月号)(美容通信2009年12月号)としてA(美容通信2011年4月号)(美容通信2005年2月号)(美容通信2004年12月号)とEについては繰り返し述べているので、今更の感もありますが、一応軽くご紹介。

ビタミンA(パルミチン酸レチノール)

 皮膚の表皮組織の代謝に必要な役割を持ち、皮膚細胞や皮膚膜の生成に欠く事のできない必須成分。皮膚内のコラーゲン生成に深く関わっており、角化を正常化する。

ビタミンE(酢酸トコフェロール)

 抗酸化効果に優れている事から、化粧品、医薬品、食品の酸化防止剤として、結構多用される成分の一つ。紫外線による皮膚の老化促進を予防し、血行を促進する作用がある。

 まあ、この2種類しか入っていないので、エンビロンに代表される抗酸化ビタミン系化粧品の愛好家の皆様には、極めて物足りなく思うかも知れません。が、傷の修復過程を考えると、ないよりず~っとマシの最低限ラインナップです。


 序に4種類の植物由来成分についても、解説しておきましょう。

カレンデュラ(トウキンセンカ花エキス)

 マリーゴールドから抽出されるエキス。カロチノイド、サポニン、トリテルペノイド、フラボノイド等を含み、消炎、鎮痛、清浄作用がある事から外傷や湿疹の治療を促進する。古くなった皮膚細胞の再生や日焼けでダメージを受けた肌のトリートメントに有効。

ラベンダー(ラベンダー油)

 古来より天然の消毒剤として殺菌、抗炎の為に使われており、又、リラックス効果も高いので「万能オイル」と呼ばれている。その為、観光立国・北海道にとって、外貨(?)獲得に有用な観光資源ではあるが、実は道民からはシーズンになると臭いので、窓が開けられないと苦情の原因にもなっている(笑)。皮脂バランスの正常化に効果があり、乾燥や痒みから皮膚を守る。

ローズマリー(ローズマリー油)

 血行促進、皮膚活性や殺菌効果の高いフラボノイド、シネオール、ボルネオール等を多く含む。ニキビ、湿疹等の皮膚炎や浮腫みにも効果がある。

カモミール(ローマカミツレ花エキス油)

 フランスで最も良く使われる薬用植物の一つ。消毒剤、抗神経痛剤、解熱剤として活用。皮膚代謝促進、抗炎症、抗菌の作用がある事から、過敏乾燥肌に効果的。ニキビ、日焼け、虫刺され等にも使用される。


 バイオイルの神髄は、実は、上記の含有成分じゃなくて、寧ろ基材。ピュアセリンオイルって言うんですが、こいつが思いも掛けずに意外に優秀だから、高が知れた有用成分(笑)であっても十分肌の深部に届ける事が出来るって所でしょうか。そして、極めつけは、一般的にオイルと言うと結構なベト付き感を想像しがちですが、このバイオイル、実にさら~っとした付け心地にも関わらず、と~っても延びが宜しいんです。後で又使い方については解説しますが、顔全体だと大体1~2滴で事が済んでしまうので、とっても経済的♪なんです。「高い保湿力」と「さらりとした感触」は、相反する概念と一般的には考えられていますが、バイオイルではこの両者が両立しちゃってるんです、はい。
 本来はベタ付く使用感がある有用成分201201image14を、デリバリー成分であるピュアセリンオイルが包み込み201201image15、角質層深部201201image16まで素早く浸透保湿。
 まあ、因みに、この使用感のヒントとなったのは、”水鳥の尾腺油”だったんだそうです。水や汚れを弾きながらも、羽根を守り尚且つベタ付かない。この相反する特性を有してないと、水鳥は自由に水中と大空を行き来なんて出来ませんからねぇ。開発者の着眼点は、凄い!

バイオイルの使い方

こんな肌にバイオイル

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 取り敢えず、生傷が癒えたら、バイオイルって考えてもらってOK。まあ、時間が幾ら経ってても始めるに遅過ぎるって事はなくて、肌に跡が残ってしまったと思ったら、始め時です。傷跡の種類も、怪我や手術後の傷跡、火傷(美容通信2009年1月号)の跡は勿論、虫刺され(美容通信2007年1月号)の跡やニキビ跡etc.と、守備範囲はと~っても広い。傷跡が凸ってようが凹んでようが、硬かろうが柔らかろうが、黒かろうか赤かろうが、はたまた白かろうが、なんでもあり(笑)。ケロイドや肥厚性瘢痕(美容通信2004年5月号)で、ステロイドの注射やシール、圧迫療法、フォトフェイシャル(美容通信2003年5月号)やボトックス局所注射(美容通信2010年11月号)等の従来の治療を行いながらでもOK。色素脱失部分にDua Light(美容通信2006年3月号)を照射しながら、色素沈着部に、ASVC(美容通信2009年10月号)やハイドロキノン(美容通信2003年7月号)(美容通信2004年12月号)等の美白系の塗り物を使いながらでも、トラネキサム酸やヘム鉄(美容通信2009年12月号)の様な内服系を飲みながらでも、乳酸の様なケミカルピーリング剤(美容通信2005年4月号)やトラネキサム酸、抗酸化ビタミン等のイオン導入(美容通信2006年1月号)を病院で行いながらでも大丈夫。勿論、消炎効果のある羊水(美容通信2013年6月号)を併用するのも良し。又、傷の成熟を進める為に、高濃度のビタミンC点滴(美容通信2008年11月号)やオゾン療法(美容通信2011年8月号)、スーパーライザー(美容通信2007年12月号)等を受けながらでも、勿論OK。つまり、他の治療との併用がバリバリOKなのです。
 前述の通り、しっかり保湿が保たれて、傷の修復を進めてくれる成分が含まれていて、更に血流がマッサージで改善すれば、そりゃあ、どんなモノだって、否、持続が出来ればそんじょ其処らのレーザーを凌駕する結果が出て当たり前。持続こそ、最大の治療ですから、短気は損気と言い聞かせて、バイオイルで保湿ケアして下さい。
 傷跡以外にも、毎日のスキンケアとして化粧品代わりに使っても良し、日焼け後のダメージ肌の回復に、乾燥肌、爺婆肌、はたまたハンドクリームの代わりとして、キューティクルケアとしても使えます。冬場のHISAKOの一押しとしては、浴槽に数滴たらしてバスオイルとして使うなんて方法もありますが、難点は床や浴槽自体にオイルが付くと超滑り易くなるので、転倒注意!

具体的な使い方

 入浴後などの清潔にした傷跡に、円を描くように軽くマッサージしながら塗って下さい。優しく優しく撫でる様に…GETしたての若いBFを愛撫する様に塗り込むのがポイント。激しくして、それで基底膜に穴が開いて、真皮にメラニンが零れ落ち(滴下)しちゃったら、愈々色の改善に手間取っちゃうじゃないですか。そんな乱暴な事は元も子もなくなっちゃう訳ではないけど、しないに越した事はないですよね。

手のマッサージや足のマッサージ

201201image42012013image2 左図の様に、円を描くように軽くマッサージします。

 清潔な肌に、つまり入浴後の使用がベストなんだけど、1日1回ではちょっと物足りない。基本、朝・夜の1日2回の使用で、乾燥感が強ければ塗る回数をUPって感じかな。少量でと~っても良く伸びるので、膝下でも、精々3~4滴程度で十分。ハンドクリーム代わりなら、1~2滴ですかね。足りなければ、足せば良いだけの話だしね。

 イメージとしては、化粧水的な使い方をするモノと解釈すると、良いかも知れない。漂白剤とかビタミンAクリーム(レノバ等)、更なる保湿が必要な場合は上からAKクリームやエンビロン等の保湿剤、日焼け止め等は、しっかりバイオイルが浸透してから塗り重ねておくんなまし。逆だと、 浸透しきれずに肌表面に残った保湿製品が、バイオイルの浸透を妨げてしまう事があるからです。え? ど~しても化粧水が使いたい? 別に使う必要はないと思うけど、使わずに腐らすのはもったいないから、じゃあ、先に化粧水で整えてからバイオイルを塗ってね。
 参考までに、1本(60ml)を使い切る目安は、こんな感じかな。部分使用だと、使う量により個人差はあるけど、大体半年位。顔のみだと、2ヶ月から3ヶ月。体のみだと、1ヶ月半から2ヶ月位で、顔+体なら1ヶ月から1ヶ月半って所ですかねぇ。

肌にたっぷり保湿(フェイスケアに)

 朝晩のスキンケアのタイミングで塗ります。使用方法は、基本顔も体も同じ肌なので、差別はしてはいけません。同じです。化粧水を使用する場合は使用後、1~2滴を掌に取り、優しく優しく、諄いようですが本当に優しく、マッサージしながら塗ります。気になる部分には重ねて念入りに馴染ませるのもOKですが、力(願い?)を込めて一生懸命はNG。例え、煮え滾る様な熱情を抱いていたとしても、熟女の深情けそのままにゴリ押したら、今時の草食系の可愛い男の子はドン引きしちゃいますからね。それと同じです(笑)。必要があれば、更にその上から乳液等で仕上げをします。

  • 目元、おでこを円を描きながら、内側から外側に向かってマッサージ2012014image2
  • 口元は下から上へむかって、マッサージface-025B15D
  • あごは内側から外側に向かって、円を描きながらマッサージface-035B15D

ストレッチマーク(妊娠線・肉割れ等)

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 ストレッチマーク(妊娠線・肉割れ等)とは、お腹や乳房、太もも、お尻等に出来る、乾いた大地にひび割れが走る的な外観の、あの妙ににテカった無数の線の事。妊娠してお腹が大きくなるとか、急激にデブ化が進行したとか、まあ、体の巨大化に表面を覆う皮膚の伸びが付いていけず、でも本当に裂け目を作ってしまう訳にはいかない(←そんなことが起こったら、生命の危機だもんねぇ)ので、取り敢えず瘢痕組織で急ごしらえしちゃいました♪って奴です。ここら辺の話は、以前に詳しく特集(
美容通信2004年5月号)しているので、読んでみてね。出来た当初は赤みを帯びている事が多いんですが、時が経つにつれ白色に落ち着いて行きます。
 本体が瘢痕組織ですから、一度出来ると消失する事なんてありえません(だって、私達、イモリじゃなくて人間なんだもん)。要は作らない事なんですが、単に大飯し喰らいのデブなら、「喰うな!」と一喝すれば済む話(済まなかった人は「デブを科学する。」(美容通信2010年3月号)(美容通信2010年4月号)を読んでね)ですが、妊婦はそう言う訳にはいかないので、せめてストレッチマークが出来易い部分の保湿をして皮膚を柔らかく保つしか足掻きようがありません。出来ちゃったら、まあ、消すんじゃなくて、目立たなくする為に、成熟を早く進めようなんですけど。欧米では、この出来てしまったストレッチマークの積極的なケアの意識が高く、バイオイルは世界各国の妊婦の方にも支持されています。

  • お腹201201image7

  •  2~3滴を掌に取り、お臍を中心に円を描く様に軽く塗ります。お腹の下の方まで念入りに塗ります。

  • 大腿~ヒップ

  • 201201image10  2~3滴を掌に取り、下から上に向かって小さな円を描きながら塗ります。大腿の両サイドやお尻から太腿に掛けて、脂肪の多い場所は丁寧に塗ります。

  • 乳房~脇の下


  • 201201image11  2~3滴を掌に取り、乳房に小さな円を描きながら塗ります。脇の下まで塗ります。
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*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。


※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。

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