低温熱傷(やけど)他 | 旭川皮フ形成外科クリニック旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2009年1月号

低温熱傷(やけど)他

image817たかがやけど、されどやけど。 湯たんぽによる低温やけど、ヘアアイロンによるうっかりやけど、日焼け、凍傷等々と色んな種類のやけどがありますが、侮ると意外に、酷い目に合っちゃうのがやけどです。やけどの傷跡を残さない為に、早期の適切な治療が大切です。

 新春を迎え皆々様のご多幸を お祈り申し上げます。本年もよろしくお願い致します。

 さて、新年のHISAKOのお約束行事・三が日は首都圏の七福神めぐり♪ 何処に行こうかなと、ネットで只今検討中。23区だけでも、隅田川、深川、日本橋、港(麻布)、東海、池上、元祖山手、新宿山手、谷中、下谷、浅草名所、亀戸、柴又、江戸川、板橋、荏原、銀座、小石川、千寿(千住)、伊興‥と、仰山あるんですよねぇ。可愛いグッツ(←何て正式には言うのかしら?)を7個揃えて上がりって、正にコレクター心をそそりまくり♪ 日本のお正月って、最高です(笑)。

 唯、笑って済まされないのが、冬の定番災害、”火傷(ヤケド)”。今月は、後で痛い目を見ない為のノウハウも一緒にお届けします。

応急処置

火傷(ヤケド)は、医学的な言い回しをすると、”熱傷”。でも、熱湯なり、シチューなり、炊飯器の湯気なり、まあ何でも良いんですが、火傷したら、言い回しがどうこうと悩む前に、応急処置を先ず行ないましょう。

雨水とか、水溜りのお水とかではない、水道水etc.の綺麗な!流水で冷やしましょう。

image829 時間は長ければ良いってもんではなくて、10~15分程度で十分です。目的は、冷やす事によって、火傷が深くに進行するのを防ぎ、痛みを緩和する事にあります。

 服の上から、熱いピザやグラタンをべっとりと載せてしまっても、慌てて洋服を無理矢理剥ぎ取る!なんて追剥ぎみたいな行動は慎みましょう。

 上から水をドバドバ注いで十分冷やした上で、ゆっくり、舌なめずりしながら、洋服を脱がせて下さい。それが難しい様なら、例え、その洋服がどんなお高いブランド物であろうとも、どんなにお気に入りのドレスであろうとも、有無を言わさず、ハサミで切ってしまいましょう。‥昔、石油ストーブに火を点けたまま給油して、火が洋服に燃え移ったオバ様が救急車で運ばれて来ました。ナイロン系のお洋服がベロベロに溶けてって状態で、上手に洋服を脱がせそうにも無かった為、外来の看護婦がハサミで切ろうとしました。ところが、ストレッチャーの上でうんうん唸っていたそのオバ様、急にムンズと起き上がって、”あんた、ワコールのガードルって幾らするか知ってるの? ハサミで切ろうとしてたじゃない! ‥水ぶくれが破れるって? もう、破れてるよ、そんなもの!! そっと脱がせたら、ちゃんと返してよね、ガードル!”と叫んだのです。‥恐るべし、ワコール!?

泥や油塗れの傷、酸やアルカリ、化学薬品による火傷(化学熱傷)の場合も、摂り合えず、水道水で洗い流しちゃえ!

広過ぎる火傷やガキんちょの火傷、頑張って冷やし過ぎると、却って低体温になってしまうので、何事も中庸を心掛けておくんなまし。

冷やした後は、余計なモノは塗ったくらず、ガーゼや綺麗なタオルで軽く被うだけにして、即行、病院へGO!

 ‥時々、いるんですよねぇ。余計なモノ塗ったくって、自分の首を自分で絞めちゃう人って‥。大根おろし・アロエの汁・味噌・ジャガイモのすり下ろしたもの・馬刺、牛刺し、馬油、機械油、オロナイン軟膏・タイガーバーム・ガマの脂・練り辛子・板粕の表面を良く焙って殺菌し、それをご丁寧にも冷やしたって代物etc.。良く、まあ、こんな‥と呆れる民間療法があるわあるわ(笑)。

 あの、医者側からの立場で言わせて頂きますと、変なモノ塗られちゃうと、それ、落とすのがとっても手間! それに、効くんならまだしも、そんなモノ塗って治る様な火傷のレベルなら、塗らんくたって十分治るし、塗った挙句に傷が不潔(!)になって、バイ菌の餌食のがオチ。傷の治りは悪くなるし、傷跡だって残り易くなっちゃうんですよ。本当に、勘弁して下さいませ。

 あ、そうそう、火傷した後って、時間が経つにつれ、火傷した所だけじゃなくて、周りの組織も浮腫んで来るものなんです。だから、指輪、ブレスレット、ピアス、時計etc.と言った、ペンチで無理矢理切られてしまうのが惜しいモノは、とっとと外しておくのがお約束です。切られそうになったら、ワコールのガードル オバさんみたいに拒否権を発動するって? 無理ですよ。だって、抹消の組織が首絞め状態になって、死んじゃったら、元も子もないじゃないですか。

 火傷の経過や治療方法は、深さ(熱傷深度)や広さ(熱傷面積)によっても異なります。

火傷の深さはⅠ~Ⅲ度

image826 火傷は、必ずしも、触れてしまった物の温度が高いから起こるってもんではありません。カップラーメンの熱湯がばしゃっと掛かるより、食べ掛けのグラタンがべた~っと乗っかる方が、例え温度は低くても、肌に貼り付いている時間が長い分、火傷の程度は酷くなります。接していた時間と温度が、火傷の深さ(熱傷深度)を決めるんです。

 火傷の深さは、基本的にはⅠ~Ⅲ度の3段階に分けられます。大雑把に分けると、こんな感じ。

 唯、広範囲の熱傷になると、均一に同じ深さで火傷するなんて事はあり得ません。色んな深さの火傷が混在するのが当たり前。それに、年齢だけでなく、部位によっても皮膚の厚みや性状が異なるので、火傷した直度に深さを聞かれても‥、分かんない事もしばしば。取り敢えずは、経過観察!?

Ⅰ度

 火傷の原因としては、日焼けや、お茶を引っ繰り返しちゃったとかの、所謂、中~高温のお湯なんかが挙げられます。ちょっとすっころんで膝を擦り剥いちゃったのと同じレベル、つまり表皮だけの部分的な損傷ですから、軽いヒリヒリ感はあっても、数日以内で傷も残らずに治ってしまいます。水泡も出来ません。薄ら赤くなるだけです。

Ⅱ度

 火傷の被害が、表皮のレベルに止まらず、真皮の深みまで達してしまったもの。大きく分けると、深いもの(深在性deep dermal burn ; DDB)と浅いもの(浅在性superficial dermal burn ; SDB)に分けられますが、どちらにしろ、真皮の一部が生き残っているのが絶対条件! 水ぶくれになります。

  • 浅いⅡ度(SDB)

image831 表皮は残念な事に破壊はされています。が、救いは、毛包や皮脂腺、汗腺etc.の上皮成分が残っている事。つまり、変に拗らせなければ、普通はケロイドの様な、所謂、傷跡にはなりません。傷の周囲からだけでなく、同時に傷の下からも細胞さんが湧いて来て、1~2週間程の短い期間で、傷をとっとと治してくれるからです。つまり、傷跡になってる暇がないって事なんです。唯、注意して頂きたいのは、医者の言う医学的な意味での傷跡には、色素沈着は含まれません。色は、多かれ少なかれ、残ります(正確には、何れ色素沈着は消えるんですけど、取り敢えずはって意味で残ると表現しました。悪しからず)。一般ピープルの想像する傷跡と、ちょっと違うんですよね。悪しからず。

 この火傷の深達度は、ちょうど神経の末端を逆撫でするレベルでもあるので、超痛い! でも、これこそが、毛包や皮脂腺、汗腺etc.の上皮成分が残っている事の証明でもあります。後で述べるDDBやⅢ度の火傷になると、もっと深い所まで焦げちゃってるから痛くないんだよね。痛い内が、華なんだよね。

 話は少し前後しますが、拗らせると、容易に深いⅡ度(DDB)に進化するのも、この浅いⅡ度の特徴。例えば、傷を乾燥させたり、バイ菌の餌食になると、あっと言う間に、トホホのDDBに進化しちゃいます。

 原因としては、酷い日焼けとか、カップラーメンの熱湯とかが挙げられます。

  • 深いⅡ度(DDB)

image832 可哀想にも、毛包と皮脂腺の殆どが壊滅状態。極く一部のラッキーにも生き延びれた毛包と、もっと深い層にまで根を張っていた汗腺だけが、頼みの綱(上皮成分)。しかし、ココからの上皮化を目一杯期待しちゃうと、期待しただけ失望を招くので、オマケが付いてただけ幸せ♪と発想の転換を余儀なくされます。つまり、上皮化する=傷が塞がるのには、傷の周囲からしか殆ど期待出来ないので、と~っても長い日数が掛かるし、その上ケロイドっぽい傷跡も必発。3~4週間から数ヶ月掛けて、ゆっくり火傷の自然治癒を待って、それから傷跡の治療に本腰を入れる‥。それが嫌なら、植皮(手術)するしかない。

 深いだけに、神経も焼け焦げちゃってるから、あんま痛くない。これが、DDBかぁ‥と腹を括らざるえない触覚的覚悟のサイン。視覚的には、水ぶくれの底の部分が、赤じゃなくて白く見えても覚悟を決めてね♪

 深いⅡ度は、浅いⅡ度から容易に移行しますが、同時にⅢ度(全層熱傷)にも容易に移行します。バイ菌、機械的な刺激、乾燥etc.‥。一難去って、又、一難なんて事にならぬよう、お気を付け下さいませ。

 原因としては、火炎放射器で焼かれたとか、天ぷら油が跳ねたとか、熱々のドリアがひっくり返って腕にへばり付いた他、ガス爆発、化学熱傷なんて物もあります。

Ⅲ度

 皮膚が全層に亘って破壊! 時には、皮膚の下の脂肪組織や筋肉、腱や骨までと、深く深く焦げてしまう場合もあります。

 火傷を負った直後だと、火傷の仕方によって、見た目的には白かったり茶色かったりと様々。でも、時間の経過と共に、干物と化した痛くも痒くもない灰色~茶褐色の分厚い瘡蓋(焼痂)に進化します。この鎧もどきの硬い蓋に守られて、中ではバイ菌パラダイス。ドロドロに溶けて、ある日、不良肉芽組織がひょっこり傷口から姿を現します。皮膚が完全に壊滅状態なので、当然上皮成分は一欠けらも残ってません。つまり、傷は気が遠くなる様な長い年月を経て、物凄いヒキツレを残し治ります。正確に言えば、傷が治る前にバイ菌で死ななかったラッキーな人だけが、物凄いヒキツレを命の代償として得たって感じかな。手ならぐ~しか出来ないドラえもんの手、下まぶたなら四六時中かっかんべ~っ。顔全部なら‥犬神佐清(いぬがみすけきよ)。だから、手術(植皮)を選択せざる得ないのです。

 原因としては、スタントマンもどきに着衣の炎上。雷が落ちた。そして、暖かポカポカの便器の上で熟睡した挙句のベンザエース(低温熱傷)。

名前の付いてる火傷達もいる。親戚もいる。

 何で火傷と一括りにせずに、態々名前なんかを付けているかと申しますと、火傷の原因によって、夫々が特異的な臨床上の特徴を有するから。列挙しまくっちゃいましょう。

湯傷

 風呂場の熱湯や味噌汁etc.の煮え滾る程ではないにしろ結構熱い液体が、直に又は洋服の上から、ばちゃん若しくはぼちゃんと掛かったもの。追剥ぎと化して、とっとと身包み剥いでしまわないと、傷が深くなってしまうのが難点。所謂火傷って言うと、誰もが最初に頭に浮かぶ、超ポピュラーな火傷です。

火炎熱傷

 ガスコンロの炎が燃え移ってとか、火事場で炎に炙られてとか、魔女狩りで火祭りに挙げられてとか、兎に角、炎に直接焼かれたのが原因。強火でソテー状態ですから、深い熱傷になり易いんです。

爆発熱傷

 火炎熱傷の特殊型。喉まで焼けている気道熱傷を伴うことが多く、又、爆風で吹き飛ばされる為に、骨折とかの熱とは関係ない怪我を負う事も多し。

接触熱傷

 アイロンやストーブetc.の熱々の金属に、ぺたんと触れてしまった事が運の尽き。ガキんちょに多い火傷の原因。

輻射熱傷

image833 海水浴場の燦々と降り注ぐ真夏の太陽、人工光線、灼熱固体からの輻射熱。

a010icnひだこ ストーブやアンカ、炬燵etc.の温熱源に、長時間繰り返し晒された部分(例えば、足の脛や腹)に出来ちゃった赤紫色の網タイツ(発疹)の事。皮膚の血流が悪くなったのが原因です。

a010icn日焼け 日焼けは、立派な軽症~中等度の火傷です。範囲が広ければ、例え日焼けと言えども、所謂一般の火傷同様、ショックを起こす事だってあります。おしっこがあんまり出ないなんて時には、お水をガンガン飲んでもらうとか、場合によっては点滴で強制的に水分補給を行なっちゃう事だってあります。痛みには冷却が一番とは言え、熱りや痛みを取る薬が必要な事もあります。侮ってはいけません。

摩擦熱傷

 交通事故で、タイヤに手足を轢かれた状態を想像しておくんなまし。体と接触物体との摩擦により生じた熱で火傷をする。摩擦熱傷とは、こんな状況下に於いて発生します。皮膚は完全に叩きのめされて、お陀仏です。

電撃傷

image483 絶体絶命のピンチに追い込まれたジェリー、ふと目に入った電線、固まったままで火花を散らしながら倒れるトム‥。トムとジェリーの追いかけっこに、電撃傷はなくてはならない定番中の定番小道具。実際私達人間が遭遇するのは、落雷でとか、電気工事中に誤ってなんてシチュエーションが多いかしら。

 体の中を電流が突き抜けて行く際に、組織の電気抵抗によって発生する熱で、体の深い部分の組織が芯からコンガリ焼けちゃうのが電撃症。電解質に富む神経や血管、筋肉は電流による障害を受け易いので、体の表面上の、所謂見掛けの皮膚の被害が大した事ない様に見えても、実は深い所では被害甚大! ですから、受傷時に心停止、心室細動を生じて御臨終なんて事もある怖い火傷の代表格です。一般的には、直流よりも交流の方が危険度がUPします。

化学損傷(熱傷)

 強酸、強アルカリetc.の化学物質に接触する事で、皮膚が腐食されちゃった状態。理科の時間に習った様に、化学反応を起こし、深い火傷になり易い。兎に角、流水で皮膚に付いた薬品を薄めて洗い流すのが最優先事項になります。

気道熱傷

 熱気を肌で感じるんじゃなくて、喉越しあちち!!と、呼吸器系全体で体感してしまった状態。唯、始末に悪い事に、単なる熱気だけじゃなくて、燃焼物質やその煙なんかも一緒に吸い込んで、呼吸器系に化学的な悪さを仕掛けて来るんです。鼻毛が焦げてたり、ハスキーボイスに変身していたら、先ずは気管支鏡で白黒付ける必要があります。密室爆破事件に遭遇したり、火事の時に逃げ遅れて室内に取り残されて、起こります。

低温熱傷

 通常ではあり得ない程度の低い温度にも係らず、べた~っと長時間皮膚に密着していた為に、中までしっかり熱が通りました(笑)。弱火でトロトロ煮込んだシチューの具になったつもりで、想像して下さい。深い傷になってしまうのも頷けます。貼る使い捨てカイロ、湯たんぽ、電気アンカ、電気カーペット、ポカポカ暖か便座etc.と、寒がり人の周囲には危険が散在。熟睡、泥酔時は、特に注意が必要です。

凍傷

 低温によって皮膚の血流が停滞。これに皮膚の体液や細胞自体の凍結が加わって、皮膚が死んでしまう状態が凍傷。火傷の様に重傷度に応じて、Ⅰ~Ⅲ度に分類します。

 気温が-20℃以下になると危険性が高くなるとされる凍傷ですが、HISAKOが子供の頃は、そもそも温暖化なんて言葉すらない時代。-20℃はざらとは言いませんが、極寒の1月、2月ともなると、月の3分の1は、学校が1時間遅れ(-19.8℃以下)か臨時休校(-26.5℃以下)でした。従って、帽子、股引は小・中学生の定番通学服。お決まりの服装チェックも、内地とは違って、防寒対策って観点で行なわれます。男子なんてズボン捲られて、股引かタイツ履いてないと、先生に説教喰らった挙句、速攻家に連絡が入る(笑)。髪の毛が長かろうが染めていようが、学校に毛皮のコート着て来ようが、他所の学校の制服を着て来ようが、自由を尊重するド田舎の進学校では、そんな枝葉の事で先生に怒られるなんてありません。防寒対策が全てなんです、はい。

火傷の重傷度を決めるのは、面積と深さ

 火傷の重傷度を決めるのは、面積と深さ。つまり、幾ら浅い火傷でも、全身の様な広範囲にわたる場合は、重症と判定が下されるって事です。反対に、お顔や手、足、外陰部etc.の深い火傷は、例えその面積が狭くても重症になります。又、火傷と同時に骨折を起こしたり、気道熱傷、高圧電流や雷による火傷、糖尿病や腎不全と言った持病持ちが火傷を負ったりした場合は、重症として取扱いをされます。

 火傷の面積を簡単に算出方法は、以下の通り。ご参考にして下さいまし。

  • 範囲が狭い時

image827手掌法が一番簡便な方法です。火傷した張本人の手の掌分の面積を、1%と換算する方法です。付き添って来たお母さんの手の掌の面積ではありません! 手掌1枚分の面積なら1%。2枚分なら2%。3枚分なら3%。至って簡単な方法です。

  • 大人相手の”9の法則”

 大人相手の時は、9の法則を適応します。下の図を見てみましょう。例えば、右腕全部(上肢)が丸焼けなら、9%。両足全部(下肢)が丸焼けなら、18+18=36%。

  • ガキんちょ相手の”5の法則”

 ガキんちょ相手なら、5の法則。大人と違って、比率的に頭がデカく、反対に足が短いのがガキんちょの特徴。これを考慮した算定方法です。

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傷の手当て~局所、それも保存的治療編

 火傷の薬に万能薬はありません。刻々と変わる火傷の状態に対し、リアルタイムに最適な薬を選択するの一言に尽きます。つまり、病院にマメに通うのが、被害を最小限に留めるコツ。

 そして、同時に大事なのが栄養(美容通信2007年3月号)。傷を早く治し、且つバイ菌を撃退するだけの免疫力を付ける為には、何時もよりもカロリーは多めに摂取が基本。蛋白質、ビタミン類、ミネラル類は重要です。バランスの良いご飯を食べる事は勿論ですが、中々旨く行かない時には、サプリメントや点滴(美容通信2008年11月号)を併用したり、コラーゲンを作るのに必須のビタミンCを高濃度で点滴で補うのも手です。

降って湧いた災難(火傷)に動揺しまくりの、受傷後1週間まで

 火傷した皮膚を保護する事を最優先にして、消毒液や軟膏etc.を選びます。

冷静に火傷した自分を見つめられる、1週間後頃から

 浅い火傷なら、日に日に傷も癒え、1~2週間で卒業の運びとなります。

image830 が、次第に被害の全貌が明らかになる深い火傷では、そろそろ死んだ皮膚組織が腐り始め、ドロドロに溶けたり、又バイ菌の格好の餌食と化して来ます。抗菌薬系の軟膏の出番です。

 2週間以上経っても治る見込みのない不幸な人は、そろそろ手術しようかねぇと、非道にも医者からこう引導を渡されます。”あのね、貴女の火傷はとっても深いので、皮膚が張って閉じるまでに、と~っても長い月日を要すると思うのね。つまり、それって、部屋の中に金塊を山積みにしたまま、窓やドアに鍵も掛けないで、長い事開けっ放しにしているのと同じ状況なの。泥棒ならぬ、バイ菌に餌食にして下さ~いって、犯罪を誘発している様なもんだよね。ケロイドの様な後遺症を含む、所謂、被害って奴を最小限にするには、やっぱ、早くドアを閉め、鍵を掛けるべきだと思うのよ。手術しましょう。腐った組織を全て一掃出来れば、腐敗による熱だって下がります。壊れちゃって、閉めるドアがない? 大丈夫。新しいドアを新調すれば良いんです。火傷をしていない場所から新しい皮膚を採って、植皮します。” ‥該当しそうな傷の持ち主は、こんな宣告を受ける前に、心の準備をしておいた方が良いかも知れません。

火傷は治ったが‥、傷は残った(後の祭り編)。

 深い火傷では、所謂火傷は治ったが‥、傷は残ります。

 色素沈着なら、最低日焼け止めやテープetc.による紫外線防御(美容通信2003年8月号)が必要ですし、保湿も大事です。積極的に治療を希望する場合は、内服と併せて、ビタミンC(ASVC)やハイドロキノン、ビタミンA(美容通信2005年2月号)の塗り薬は必須。出来れば、ケミカルピーリング(美容通信2005年4月号)やトラネキサム酸やビタミン剤のイオン導入(美容通信2006年1月号)を併用したいのが本音。

    ケロイドや肥厚性瘢痕には、圧迫療法や内服・外用療法、注射、フォトフェイシャル(美容通信2003年5月号)etc.の治療が必要になります。しかしながら、手ならぐ~しか出来ないドラえもんの手、下まぶたなら四六時中かっかんべ~っ。顔全部なら‥犬神佐清(いぬがみすけきよ)。こんな引き攣れ(瘢痕拘縮)が残ってしまった場合は、瘢痕を綺麗にする手術(Z形成術etc.)や植皮を行ないます。

    傷の治り方について詳しく知りたい人は、美容通信2004年5月号を読んでね。


*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。


※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。

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来月号の予告

やっぱり凄いです。

<プラセンタ療法>です。