天然ホルモン療法(後編) | 旭川皮フ形成外科クリニック旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2010年9月号

天然ホルモン療法(後編)~総合ホルモン検査と治療

image1013老化したからホルモン分泌が下がったのか? 
ホルモンの分泌が歳と共に下がったので老化したのか? 
鶏と卵的に極めて悩ましい命題ではありますが、何時までも若々しく(勿論、見た目だけじゃなく、頭の回転や記憶力、やる気とかも含めてですよ!)、健康で生きて行きたい全ての人々にとって、実際問題として、ホルモン補充は効果的です。

 突然ですが、”ムキムキマンのエンゼル体操”(歌:かたせ梨乃&カツヤクキン 作詞:景山民夫 作曲・編曲:小坂忠)って覚えていますか? 1978年。江川問題でドラフト論争が沸き起こり、イギリスで試験管ベビーが誕生し、当時生意気盛りのHISAKOは中学生で、授業中にガルブレイスの「不確定性の時代」を教科書代わりに机の上に広げ、休み時間には、本物のグッチのベルトなんて持っていなかった(今でも持ってないが‥)ので、お手製グッチベルトに身を固め、エンゼル体操に興じていた‥。

 男なら目立たなくちゃ 体だけは鍛えなくちゃ 
 顔なんて悪くたって 三角筋!
 女なら出っ張らなくちゃ ムキムキッとさせなくっちゃ
 鍛え上げて ご一緒に括約筋!
 産前産後の虚脱感、
 一時の過ち、気の迷い
 のぼせ、肩こり、夜尿症
 み~んな、まとめて骨格筋!
 ポパイだってゴジラだって 
 内緒だけどやってるんだ! 
 明日からは家中で大胸筋!

 ‥少女だって鍛え上げりゃ、モスラぐらいなれる。この歌詞には、随分励まされたよなぁ(笑)。でも、今になって考えると、これって、ホルモンのバランスを整えれば、エンゼル体操しなくてもイケるんじゃない!? って不純な動機ではありませんが、今月号は先月に引き続き、<総合ホルモン検査と治療について~天然ホルモン補充療法[後編]>です。

ホルモンと老化

 何故、老化が起こるのか? 活性酸素説、ホルモン低下説、有害重金属説、遺伝子決定説、テロメア説、慢性炎症説等々、様々な説があり、未だ解明はされていません。
 下の図は、アメリカ抗加齢医学委員会初代会長のVincent C. Giampapa博士の論文をちょっと手直しした図です。

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 ホルモンは、細胞から細胞へ、臓器から臓器への伝達手段として生成された、つまり、携帯と同じ、一種のコミュニケーション・ツールなんです。ところが、何故か、爺婆になると、殆どのホルモンが激減するんです。ホルモンの分泌が減少した為に、これらの伝達が上手く行かなくなって老化したのか、老化したからホルモンの分泌が減少し、伝達業務が滞り、挙句の果てに老化したのか‥。鶏と卵みたいなもので、どっちが先かは未だ解明はされていませんが、兎に角、不惑の四十路!?を迎える頃から激減し、所謂”アラ還”と呼ばれる頃には‥殆ど腹スリ・ギリギリの超低空飛行で、二度と浮上は叶いません(笑)。

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 爺婆化すると低下するホルモンとしては、下記の様なものが知られています。

  • 脳下垂体ホルモン
    • 成長ホルモン
    • IGF-1
    • TSH
  • 甲状腺ホルモン
    • FT3
    • FT4
  • 松果体ホルモン
    • メラトニン
  • 副腎皮質ホルモン
    • DHEA
  • 性ホルモン
    • テストステロン
    • エストロゲン
    • プロゲステロン

 ホルモン療法は、年齢と共に低下するホルモンを補って、30代半ばの頃の、あの、”老い”って言葉を肉体ではなく概念でしか理解が出来なかった頃(笑)の、細胞間、臓器間のコミュニケーション力を維持しようってものですね、端的に言うと。ですから、一種類だけぽ~んと投与する一点豪華手技ではなくて、少量でも良いから数種類を組み合わせて良いバランスを整える方が、より望ましいんです。

成長ホルモンは、史上最強の最終兵器!

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 先ずは、成長ホルモンの作用を理解する事で、その偉大さを理解して頂きましょう。

    • 若々しく、弾力のある肌
    • 骨粗鬆症になって、転んで大腿骨の頚部骨折起こして、寝たきりになったのを切欠にボケて死んじゃった‥なんて言う、典型的な”あっという間の棺桶人生”とおさらば。丈夫なを通り越して硬固な骨をGET
    • 色気が無くなったら、人生真っ暗! 性的にときめいてますか? まだまだ、H現役!?
    • 免疫力の強化
    • 視力の改善
    • 脂肪分解・蛋白質合成。つまり脂肪の塊からの脱却って事です。

    ・蛋白質の合成
       成長ホルモンは、筋肉へのアミノ酸の輸送を増加させ、蛋白質の合成を盛んにしてくれます。その結果、マッチョな肉体を好む一種のナルシストや運動選手や、水を飲んでも太るんじゃないか!?って位に代謝が落ちて太り易く(≒筋肉量の低下)なった老若男女のデブ改善にも役立ちます。(美容通信2010年4年
    ・糖質代謝
       血糖値を上げ、組織でのエネルギー消費を高めます。
    ・脂質代謝
       脂肪細胞中に蓄えれていた中性脂肪を分解し、血液中に遊離脂肪酸を放出させます。後は、肝臓で分解され、体脂肪は燃焼するのみ!(美容通信2010年3月号

  • 記憶力・記銘力が改善

 特に20歳以降では、細胞再生、組織修復を主な守備範囲としています。
 それ故にホルモンの分泌が低下すると、つくづく年を取ったな~ぁとしみじみ侘しく思えちゃう、アンチエイジング治療の要とも言うべきホルモンの一つ。無情にも、18歳をピークに、10年で14%づつも減少し続け、”アラ還”の頃には‥無きにしも非ずレベル(!?)に。更に、運動不足やストレス、睡眠不足、過労、炭水化物ばっか喰ってる、合成(!)エストロゲン製剤(美容通信2010年8月号)の内服等で、成長ホルモンの低下に拍車が掛かるとされています。

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 このホルモンを少しでも分泌させて、これからの長い長い老後を少しでも若々しく華やいだものにしたいのなら、多少ですが、足掻きようもあります。ホルモンって代物は、一日中同じ調子で垂れ流ししている訳ではなくて、午前0時から5時までの時間帯に、1日の約70%が分泌されるのです。そして、寝入りばなの90分が最大の分泌時間帯。

 ‥って事は、元々成長ホルモンは、ウェイトトレーニングで壊して、初めて出るもんですから、夜の9時から10時位の時間帯に運動負荷を掛けて、寝る。これが、自分で出来るベストの足掻きかな。加圧トレーニング? 悪くないですよ。でも、精々やって週一回。それも、基本2Kgの軽い負荷に留めるのが大事。だって、ネガティブフードバックが掛かって、体が反対に成長ホルモンの分泌を控える様になりますからね。何でも程々、中庸が大事なんです。

 勿論、上記の運動療法(負荷トレーニング)と併せて、精神療法(ストレス回避、高い質の睡眠→プラセンタのツボ注射(美容通信2009年2月号)やスーパーライザー(美容通信2007年12月号)、点滴療法(美容通信2008年11月号)等)、食事療法(高蛋白質・高アミノ酸)(美容通信2010年1月号)を併用する事で、更なるパワーアップが見込まれます。

 まあ、成長ホルモンは結構値段も高いし、も~どうしようもない時の最終手段とされています。他のホルモンのバランスを整えるだけでも結構いけるものだし、それでも「もう一声!」って思う時は、先ずは安価な成長ホルモンの放出を促すお薬(成長ホルモン放出ホルモンGRH)からトライがお約束。

メラトニンは、眠れぬ老羊達への神様からの贈り物!?

 睡眠の質を決めるとされるのが、松果体から分泌されるメラトニン。それ故に、不眠に効果絶大と言われていますが、実は恩恵を享受出来るのは、60歳以上の”老人”限定(笑)。この世代の「眠れない!! 睡眠薬を幾ら処方してもらっても、全然眠れな~い!!!!!!!!!!!」には、特効薬と申しても過言ではありません。あ、あと時差ぼけの時にも効果あります。唯、あんま使い過ぎると、悪夢に苦しめられ、目覚めが超悪くなっちゃうかも。
 他にも、免疫力を高めたり、強い抗酸化作用があり、又、睡眠の質が向上する事で、前述の成長ホルモンの分泌も多少改善するんだとか。

 飲む量は0.5mg~10mg/日と極めて個人差が大きく、その分量の設定自体極めて好い加減(笑)で、次の日お昼間まで眠気が残ったら1錠減らすとか、0.5錠追加するとか、自分にあった量を試行錯誤が基本。寝る30分前に飲んでね。

侮る無かれ! 温故知新の甲状腺ホルモン

 甲状腺ホルモンは、端的に言うと、HISAKOの様な中高年のオバサンに正に欠けているモノを補ってくれる素敵なホルモン。代謝を高め、体温を上げてくれるので、着膨れしてお洒落に見えないどころか、「蓑虫おばさん」とスタッフに陰口を叩かれる重ね着ファッションを脱却し、女子力を上げる為に貢献してくれるし、何と言っても、光熱費(ホッカイロ代を含む)が節約出来るので、生活に(金銭的)余裕が生まれます。更に、中年太りを言い訳にしていた体重増加(美容通信2010年3月号)に少しでもブレーキを掛けてくれるだけでなく、女性ホルモンの低下を受けて上昇志向に転じていたコレステロール値も下げてくれます。心臓病の予防、細胞代謝、認識力を高めます。低甲状腺ホルモンは、薄毛(美容通信2008年5月号)や肌老化、爪割れ、欝や疲れの原因になります。
 薄毛に関する補足ですが、職場のハゲのオヤジを嘲笑っていた嘗ての小娘連中も、50にもなれば、どんなオバサンだって髪が乏しくなり、一気に老けたイメージになります。甲状腺ホルモンが婆化に伴い低下すると、代謝機能が衰えます。そうすると、限られたエネルギーを、大して重要性が無い髪の毛に割いている余裕なんてありませんから、当然痩せ衰えて、抜け落ちてしまいます。例え、所謂”正常値”であったとしても、ボリュームが乏しくなり、髪型が決まらない更年期以降のオバチャンには、勿論、ファーストチョイスの選択肢にはなりえませんが、甲状腺ホルモンを投与します。甲状腺ホルモンの過多と言うより、実態は、婆化してプロゲステロンって名の女性ホルモンが低下する事で、T3がT4に変換が難しくなり、T3不足に陥った挙句の結果が、中高年の目印でもあるオバチャンの薄毛の大いなる原因の一つです。

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 あれ? そうなんです。先月号(美容通信2010年8月号)で登場したプロゲステロンです。オバチャンの更年期障害の時に、治療と称して単にエストロゲンだけの補充を行って、プロゲステロンが枯渇したままの状態だと、当然、甲状腺ホルモンの働きも低下するんですよ。つまり、同じ年を取っても、爺は、加齢による①T4産生の低下、②T4からT3への変換量の低下、③受容体機能の低下だけの被害で済むのに、婆の場合は、それに輪を掛けて、片手落ちの女性ホルモンの補充療法のツケまで払わされるって事。つまり、子宮癌で子宮を摘出してから20年経ちますが、その間、婦人科の医者から合成エストロゲンだけを処方され続けていたHISAKOや、更年期真っ只中の50歳のオバチャン連中は、通常の15%の量までfreeのT3値は低下してるんだそうです。お、恐ろしい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 確かに、今でも、甲状腺ホルモンに対し、「病気は発生するまで治療しない!」なんてバリバリの保守的な考え方をするDr.も実際多いです。ですが、最近は、症状が現れる前の潜在的な段階での補充、つまり予防医学的治療が拡がって来ています。一般的には、例え検査値が正常範囲内であっても、低下傾向が認められる場合には勿論、そうでなくても、どうしても爺婆化するのに伴い、嫌でも受容体の能力が低下する為、正常範囲のやや高めを目標に、0.5grain/dayを投与する事が多いです。

 *註:1grain(60mg)=T3(9mcg)+T4(38mcg)

 あ、勿論、HISAKOのクリニックでは、人間様のホルモンと同じ化学構造をし、人様と同じT3とT4のバランスが保たれた天然ホルモンでしか補充は行ってません。現在、医療現場で、つまり健康保険の適応(!)って意味ですが、最も一般的に処方されている合成甲状腺ホルモン剤は、シンスロイドとかレボキシル、L-チロキシン(レボチロキシン)です。ですが、これらのお薬はどれも、全て不活化ホルモンであるT4しか含まれてないんです。先月号でも特集した通り、工場で大量生産した合成物は、所詮”もどき”でしかありませんから、体の中で、不活化したT4の全部が全部、活性化したT3に変換してくれる訳ではないんです。寧ろ、変換率は僅かながらって表現が適切な位(笑)。‥より良い中高年ライフを求めて甲状腺ホルモンを補充する以上、T4とT3のバランスがきちんと保たれていなければ、意味が全く無いとまでは言わないけれど、余りにも片手落ちな感がするんですよねぇ。

 勿論、効果を上げる為には、ホルモンの補充の有無に関わらず、ミネラルとビタミンの補充も併せて行って下さいね。

”マザー・ホルモン”と称されるDHEAとは?

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 約50種類のホルモンに進化する為、”ホルモンの母(マザー・ホルモン)”と称され、近年、補充療法の中心的存在として脚光を浴びまくっているホルモンです。下図の様に腎臓の上にちょこんと乗っかってる、3g程度の小さな三角帽子が副腎で、ここから分泌されています。

 昔は、”怠け者のホルモン”と陰口を叩かれていて、単に女性ホルモンや男性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン)に変化する前の蛹(前躯体)としてしか認識されていませんでした。ところが、悲しい事に、25歳頃を境に分泌量は坂を転げ落ちる様に低下。85歳になると‥、な、なんと最盛期の5%に激減する事が判明。これにより、どうやらDHEAが爺婆化に関与しているらしいぞって事になり、盛んに研究されるようになったんです。

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 今では、寧ろ蛹以外の直接的な作用面も、可なり大きい事が知られる様になり、ホルモン補充療法の中核を担っています。免疫機能を高め、身も心も、ついでに心臓にも襲い掛かるストレスの嵐から守ってくれる、謂わば”抗ストレスホルモン”として癒し分野を担当しています。そして、高齢化と共に表れる、様々な綻び(病気)に効果的に働きます。免疫力賦活作用、抗ストレス作用、細胞再生能活性化、筋肉増強、記憶力・記銘力改善、性機能改善、抗欝・抗精神作用があるとされています。

 下の図を見て下さい。先月号でも多分お目に掛かったと思いますが、戦いのホルモン(ストレスホルモン)であるCortisolも、癒しのホルモン(抗ストレスホルモン)であるDHEAも、元を辿れば出所は同じコレステロール♪ そして恐ろしい事に、抗ストレスホルモンの下流にあるのは男性ホルモンで、更にその下流になるのが女性ホルモン。それ故に、ストレスが溜まりに溜まると、「いざっ!!」って時に役立たずと言うか‥、話にならないインポ野郎になったり、「出来ちゃった」訳でもないのに、生理まで止まっちゃうのも、当然と言えば当然の結末。
 それなのに、何度も繰り返しますが、抗ストレスホルモンであるDHEAの分泌は、爺婆化と共に低下します。敵対するCortisolは、殆ど変わんないか増えるんですよ。敵と戦った分だけ酸化は進みますから、それを是正する為にDHEAを頑張って分泌しますが、頑張りにも限度はあるよね。やっぱ、40過ぎたら、外からのDHEAの援助(天然ホルモン製剤の服用)も考慮した方が無難と、素直に白旗揚げちゃいましょう。

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 一般的にホルモンってもんは、体内の濃度が高過ぎると、Negative Feedbackなる自浄作用が働いて、ステロイドの生成が抑制されるもんなんです。ところが、摩訶不思議な事なんですが、DHEAに関して言えば、この是正すると言うか、自重するって言うか‥、そんな慎ましやかな素質が欠けた稀有なホルモン♪ だから、一瓶一気飲みの様な余程の大量服用でもしない限り、体内の自然分泌は抑制されないんです。つまり、不可欠性、依存性が無いから、消費者サイドとしては安心して使えるホルモン剤って事になるんです、ハイ。

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 特に、DHEA-sの濃度が低い場合は、先月号(美容通信2010年8月号)でお話した女性ホルモンの補充療法を行なう際、単独で女性ホルモンを補うよりも、DHEAを併せて使用する方が、婆への急激な移行(加齢)による諸症状の緩和により効果的である事が分っています。勿論、オバサマだけじゃなくて、これはロマンスグレー(←古いなぁ~!! HISAKOの年がばれる!?)のオジサマにも言える事ですがね。

男性ホルモンを男だけに独占させるなんて‥もったいない!

 男性ホルモンは、女性ホルモンと異なり、緩やかに低下するとは言うけれど‥、体型の崩れは一目瞭然(笑)。
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 男性ホルモンの効果は、心臓病や骨粗鬆症(ナ、ナント、エストロゲンの3倍、骨密度を高める効果がある!)の予防と全般的な健康を回復です。前立腺癌についても、テストステロン自体が前立腺癌の原因になる事はないので、心配無用どころか、予防になるので寧ろ◎なんですが、既に前立腺癌になってしまっていたら、癌に餌やりは禁物。癌の治療後PSAがほぼ0になるまでは、テストステロンの補充は一旦中断します。その他にも、心身共に萎びる一方だったHも、若い頃みたいにガンガン楽しめる様になるし、弛んだ皮膚、痩せた筋肉にも拘らず、太鼓腹なんて言う、超爺むさい見た目ともバイバイ。コレステロール値も下がるし、アルツハイマー病の原因となる蛋白質を取り除いて、認識力だってUPと、まあ、テストステロンの補充の所為で、世の中が肉食系オヤジばっかになったら、若い草食系男子は駆逐されちゃうんじゃないかと、ニノ好きののHISAKOには一抹の不安も無い訳ではありませんが‥(笑)。

 男性ホルモンは、他のホルモン同様、蛋白質と結合していて、銀行の定期預金みたいに直ぐには使えないホルモンと、お財布の中の現金と同じで、思い立った時にパッパと使える、まあ医学的にそれを表現すると”活性化”って言うんですが、蛋白質と結合していな身軽な独身貴族(非結合型、若しくは遊離男性ホルモンとも言う)の2種類があります。独身貴族は男性ホルモンの2~4%程度を占めるとされていますが‥、image1011右の図を見て下さい。唯でさえジリ貧の総合男性ホルモン量に輪を掛けて、遊離男性ホルモン量はメキメキ減少。それに対し、ある意味使い物にならない財産分である結合型が、アルコールや肥満、運動不足、医薬品等々の影響で、どんどん増加する一方に(笑)。これじゃあ、太鼓腹になったり心筋梗塞になったりするのは当たり前だよなぁ‥と、妙に納得させられちゃうグラフです。

 それ故に、男性の更年期の症状に対し、男性ホルモンの補充は、総テストステロンの量ではなくて、遊離テストステロンの値で評価します。ホルモン補充療法では、例え70歳の爺だとしても、30代半ば頃のエネルギッシュな時代のホルモン(遊離テストステロン)レベルを”適正”と考えるので、所謂70歳の爺の総テストステロン量の正常値よりも当然ながら遥かに高くなります。

 ここまで読み進めていて、隣のベットで寝ているトドみたいな体型に成り果てた御主人に、つい溜息を吐きながらも、結局は男性ホルモンなんて他人事だと思っている御婦人の貴女、それはとっても勿体無い誤解です! 女性でも、男性ホルモンを補充する事で、結構”恩恵”って得られるもんなんですよ。
 先月号(美容通信2010年8月号)でもDHEAの章でもホルモンの生成経路を取り上げていますが、女性の体内にも、男性の10%位ですが、テストステロンがあります。そして、このテストステロンレベルが減少するに従い、メタボ体型(内臓脂肪の増加!)になり、お洒落どころか、何もかにも行動を起こす事自体が億劫になる。勿論、Hも面倒の一言でお終い(笑)。骨だって脆くなる。あんま知られてないけど、テストステロンには、実は柔らかで滑らかなお肌を保つ働きだってあるんです。過剰な投与でもしない限り、<テストステロン≒筋肉ムキムキで、髭も生え、低い声で、性格もオス化する>なんてありえませんから、ご安心を!


 ホルモンは、細胞間、臓器間のコミュニケーション力です。ですから、爺婆化に伴い減少した複数のホルモンの中から一種類だけ選び出して、ぽ~んと投与する方法は、決して望ましいホルモン補充療法とは言えません。少量でも良いから数種類を組み合わせて、良いバランスを整えてあげる方が、より望ましいんです。
 ですが、金銭的に全く制限が無く、アンチエイジングの為に無限大にお金を注ぎ込む情熱があれば別ですが、殆どの人は中々そうは行きません。更年期以降の女性に対し、HISAKOのクリニックでは基本的に、先月号で特集したストロゲンとプロゲステロンの天然ホルモン剤をベースに、DHEAの補充を行っています。これに、甲状腺ホルモンの低下若しくは相対的不足があった場合に甲状腺ホルモンを、意欲低下や欝状態、骨粗鬆症に対し低用量のテストステロンの補充をします。先月号(美容通信2010年8月号)でも煩い位に書きましたが、勿論、これらに使用するのは、合成ホルモンではなくてヒト固有ホルモン。つまり、天然(ナチュラル)ホルモンでなければなりません

201009image581*2010.11月中旬より、唾液によるホルモン総合検査も開始予定。
44,100円(本体価格42,000円)とぐ~んとお手軽価格に!

*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。


※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。

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より効率の良い選択を、遺伝子の側面から考えてみましょう。
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