ミトコンドリアで始める、若返り! | 旭川皮フ形成外科クリニック旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2017年7月号

アンチエイジング、慢性疾患に対するミトコンドリアサポート

201707image16アンチエイジング、慢性疾患に対する、ミトコンドリアサポートは、非常に重要です。
老化や全ての慢性疾患、例えば、例えば、冠動脈疾患及び心血管疾患、壊疽、黄斑変性症、慢性疲労、癌、急性及び慢性感染症、皮膚真菌症、間質性膀胱炎、歯髄炎、副鼻腔感染症、アレルギー/皮膚炎、肥満(メタボリック症候群)、糖尿病、自己免疫疾患、潰瘍性大腸炎等々は、ミトコンドリア機能の障害によって起こってくるからです。
ミトコンドリアの機能低下が、そもそもの諸悪の根源とも言えます。

 テレビの健康番組にチャンネルを合わせれば、必ず耳にする、ミトコンドリア。生命の鍵とは言われるけれど、遥か彼方の中学?高校?の生物の時間にその名を聞いた事がある様な…って人が意外に多いんじゃないかしら。ミトコンドリアが分からないと、癌に対するオゾン療法でも、美肌の為の高濃度ビタミンC点滴療法でも、ダイエットでも、副腎疲労の治療でも、今ひとつ理解が出来ないなんて羽目に…。ちょっと可愛い私達の共生体・ミトコンドリアについての解説です。

ミトコンドリアとは

ミトコンドリアは、生命の鍵である。

nhkdvd_oshin_img1 最近の、老化や癌、冠動脈疾患及び心血管疾患、壊疽、黄斑変性症、慢性疲労、急性及び慢性感染症、皮膚真菌症、間質性膀胱炎、歯髄炎、副鼻腔感染症、アトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患、肥満(メタボリック症候群)、糖尿病、自己免疫疾患、潰瘍性大腸炎等々の慢性疾患等をターゲットとするセミナーは、その主催研究会に関わらず、ミトコンドリア関連の内容が花盛り。

 ミトコンドリアは、細胞のエネルギーを生成する事を主な生業としている、細胞小器官です。後述しますが、電子伝達系による酸化的リン酸化によるATPの産生(ADPのリン酸化)を行っており、細胞の様々な活動に必要なエネルギーの殆どを、ミトコンドリアが直接、或いは間接的に賄っています。しかしミトコンドリアには、それ以外にも多様な機能があり、ステロイドやヘムの合成等を含む様々な代謝、カルシウムや鉄の細胞内濃度の調節、細胞周期やアポトーシスの調節等にも大きく関わっているとされています。

 ミトコンドリアは、体重の約10%、細胞質の約40%を占める一大勢力です。エネルギーの需要度により、その細胞内のミトコンドリアの数は異なり、多い細胞では3000個もミトコンドリアが棲息(共生)しているんだそうな。肝細胞や心筋細胞、脚等の骨格筋細胞、神経細胞等のエネルギー需要の高い細胞では、当然、ミトコンドリアも沢山生存しています。

 

■ミトコンドリアの構造

201707image1 ミトコンドリアは、右図の様に、二重の生体膜からなり、独自のDNA(ミトコンドリアDNA=mtDNA)を持ち、分裂、増殖するのが特徴です。元々、ミトコンドリアは、好気性細菌でリケッチアに近いαプロテオバクテリアが、真核細胞共生する事によって獲得されたと考えられています。つまりは、太古の昔に、全くの異種生物に過ぎないミトコンドリアが、私達の強力な運命共同体に進化しただけの事。しかし、ミトコンドリアと共存共栄関係になかった原核生物時代は、2ATPしかエネルギーを産生出来なかったのに対し、ミトコンドリアを得た真核生物になると、28~38ATPのエネルギーを産生出来るようになりました。これにより、個体はますます大型化の道を歩むようになったのです。

 

■ミトコンドリアの機能

  • ATPの産生

   ミ201707image2トコンドリアの主な機能は、電子伝達系による酸化的リン酸化によるATPの産生です。細胞の様々な活動に必要なエネルギーの殆どは、直接、或いは間接的にミトコンドリアからATPの形で供給されています。

   ミトコンドリアには、ATP産生に関わる多くの蛋白質が、内膜やマトリックスに存在しています。細胞質には解糖系があり、グルコースを代謝する事で、ピルビン酸とNADHを産生します。

   もし酸素が十分に存在しない場合には、解糖系の産物は、嫌気呼吸により代謝されます。

   [解糖系]グルコース1分子→ピルビン酸2分子:ATPが2分子

     2NAD+から2NADH

   原核生物時代は、この嫌気性の代謝経路でエネルギーをゲットしていました。有核生物と進化した今も、有酸素運動ではなく無酸素運動を行った時は勿論、老化や、癌、アトピー性皮膚炎等の慢性疾患により、酸素利用率が低下してしまっている状況では、嫌気性の代謝経路にシフトします。因みに、この酸素利用率が低下した挙句に、嫌気性の代謝を余儀なくされてしまったミトコンドリア達に、酸素を与え、好気性の代謝に導くのが、オゾン療法(美容通信2017年4月号)です。

   有核生物では、勿論、十分な酸素が確保出来ればの話ではありますが、解糖系で得られた物質(ピルビン酸とNADH)を、TCA回路(クエン酸回路Krebs Cycle)や電子伝達系の反応が起こるミトコンドリアに輸送し、好気呼吸を行います。下の図を見て下さい。

image1145
   [TCA回路]

     ピルビン酸1分子→ミトコンドリア内へ

     アセチルCoA→TCA回路に入る時:NAD+からNADH

     TCA回路:3NAD+から3NADH/GTP1分子/FADH2が各1分子

     解糖系で生じたピルビン酸は、内膜を能動輸送によって透過します。TCA回路に入ると、アセチルCoAはマトリックスで酸化され、二酸化炭素を生じますが、その過程で3分子のNADHと1分子FADH2、1分子のGTPを生成します。二酸化炭素は、ミトコンドリア外に排出されます。

   尤も、ピルビン酸だけでなく、脂肪酸も利用してATPは産生されますから、酸素利用率が低下すると肥満になる(美容通信2010年3月号)のも頷けます。

   [電子伝達系ETC]34分子のATP

     酸素O2は、電子伝達系で電子を供与され、H+と反応してH2O     

     ミトコンドリアは、ピルビン酸と脂肪酸、酸素、ADP、Pi(リン酸)を周囲の細胞質から取り込み、ピルビン酸と脂肪酸は、マトリックス内でアセチルCoAに変えられ、クエン酸回路を経由する事により、NADHと二酸化炭素に分解されます。二酸化炭素は、ミトコンドリア外に排出されます。これは、前述の通りです。201611image11261ミトコンドリア内膜では、このNADHとコハク酸由来の電子が、電子伝達系を通って酸素に渡され、酸素が水に還元されます。

     ミトコンドリアの電子伝達鎖には、左図の如くに、4つの膜結合複合体(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ)が同定されていますが、これらは非常に複雑な膜貫通構造によって、内膜に埋め込まれています。

201707image5      ①複合体Ⅰ⇒NADH:ユビキノン還元酵素 (水素イオン輸送型)

      ②複合体Ⅱ⇒コハク酸デヒドロゲナーゼ (ユビキノン)

      ③複合体Ⅲ⇒補酵素Q-シトクロムcレダクターゼ

      ④複合体Ⅳ⇒シトクロムcオキシダーゼ

     各々の電子供与体は、電気陰性度がより低い電子受容体に電子を渡し、この電子は次の電子受容体に与えられる…。この一連のドミノ倒しの様なプロセスは、この鎖で最も電気陰性度が低い酸素に電子が届くまで続きます。電子供与体から電子受容体に電子が渡されると、エネルギーが放出され、このエネルギーによりプロトンポンプが動き、この結果、ミトコンドリア膜の内外にプロトン勾配が形成されます。

     具体的には、複合体I、III、IVを電子1個が通過すると、約5個のプロトンが膜外に放出される計算になります。つまり、クエン酸回路で得られたNADHやFADH2の総数を合わせると、グルコース1分子あたり計100個以上のプロトンが膜外に放出されます。膜の内側のpHがおよそ8.0、膜の外側はpH7.0ですから、両者間に10倍のプロトン濃度勾配が形成される事になります。

201707image6     ATP合成酵素(ミトコンドリアor細胞膜、F0F1)は、このプロトン濃度勾配を利用して、酸化的リン酸化によってATP)の合成を行います。余談ですが、このATP合成酵素を、呼吸鎖複合体Vと記載している教科書もあるくらいです。

   嫌気性の代謝では、1分子のグルコースから2分子のATPしか得られなかったのが、ミトコンドリアの好気性分解のお陰で、こうして、38分子もの大量のATPを合成出来るようになったのです。ミトコンドリア様様。実に、共存共栄万々歳!なのです。

  • アポトーシス

   アポトーシスとは、端的に言いますと、「細胞の積極的な自滅」。またの名を、「調節・管理された細胞死のプロセス」とも言います。細胞自体が老化したり、DNAの修復が捗らなくなったり、はたまたウィルスに感染したりと、危機的な状況に見舞われると、後世に悪影響を及ぼすくらいならと、細胞自らが命を絶つ事を選択する現象で、「小義を捨てて大義を得る」とか「国家は、最高の価値あるものであり、人間社会の最高の組織で、個人よりも国家に絶対的な優位性がある(ナショナリズム)」の類型と、HISAKOは勝手に解釈しています(笑)。

201707image7

 

201707image17   上図は、前述の引用図達と同様に、これまた、WikipediaからHISAKOが引用してきたもので、アポトーシスのメカニズムを示したものです。

   DNA損傷等のストレスは、アポトーシス誘導分子p53やアポトーシスを調節するBcl-2ファミリータンパク質を介して、ミトコンドリアの膜電位を変化させ、その結果、ミトコンドリアからシトクロムcが流れ出し、アポトーシスへと繋がるんだそうです。

   単なる同居人かと思いきや、ミトコンドリア様は、こんなことまで口出ししちゃうのか!?と呆れてしまう位の…強力過ぎるパートナー、運命共同体なんですね…。

   因みに、アポトーシスには、ミトコンドリア膜の崩壊を介して死に至るミトコンドリアに依存した経路と、ミトコンドリアに依存しない経路とがあります。FKBP38やBcl-2とは、ミトコンドリアに依存したアポトーシスを抑制してくれる、抗アポトーシス蛋白質です。これらは、ミトコンドリア膜上に存在しています。何故こんなものが存在しているのかと言いますと、アポトーシスの乱発は、それこそ生物にとって超危険な行動ですから、調子に乗って断捨離?暴走?し過ぎないようにと、神様が歯止めとして用意してくれたストッパーなんですね。

  • カルシウムの貯蔵

201707image8   カルシウムは、細胞中の情報伝達に関わる重要なミネラルなので、その細胞中の濃度は、様々な機構によって厳格に制御されています。

   ミトコンドリアには一過的なカルシウム貯蔵能があり、濃度調節の為の緩衝地帯としての側面も有しています。つまり、本来は細胞質の中には、殆どカルシウム(Ca2+)ってものは存在していないんです。ところが、何らかの事情により、カルシウムポンプがきちんと働かないとか、本来のカルシウム貯蔵庫である小胞体が機能不全に陥る等の事態が発生すると、細胞内のカルシウム濃度が上昇し、それこそ生命維持に重大な支障が出てしまいます。そんな危機的な状況に際し、ミトコンドリアは、PTP(ミトコンドリア膜透過性遷移孔)って名の大口をがばっと開け、迅速にカルシウムを取り込み、そしてそれを後々放出する事で、カルシウム濃度の緩衝作用を果たしてくれます。

image1197   因みに、このPTPの開口の制御に関与しているのが、ストレス下で急激に擦り減ってしまうとされるマグネシウム。アンチエイジングや、副腎疲労(美容通信2015年4月号)(美容通信2017年5月号)や癌等の慢性疾患の治療の際に、殆ど必ずと言っても良い程マグネシウムが処方されるのも、ミトコンドリアの機能不全を防いで、エネルギーを産生させる為だったんですね。納得! あっ、マグネシウムは、経口では吸収が悪いので、経皮吸収としての入浴剤がオススメですよ。これ、復習ね♪

  • 熱産生

   通常は、膜間腔のプロトンは、前述の様にATP合成に関与するもんなんですが、ある条件下では、促進拡散によってマトリックスに戻ります。これは「プロトンのリーク」とか「ミトコンドリアの脱共役」と呼ばれ、蓄積されていた電気化学ポテンシャルは熱として解放されます。これが、非ふるえ熱産生と呼ばれるものです。thermogeninをはじめとする一群のプロトンチャネル(脱共役タンパク質)が媒介しており、若齢や冬眠中の哺乳類に見られる褐色脂肪組織(美容通信2010年3月号)のミトコンドリアに存在しているんだそうです。

  • ROS(reactive oxygen species)の発生と調整

   ミトコンドリアは、酸素を利用してATPを産生する際に、活性酸素も同時に発生させます。

   活性酸素は世間では極悪人扱いされてはおりますが、神様がそもそも完全に不必要な物を作る訳もなく、適量の(!)活性酸素は、私達が生きていく上で必須なものです。例えば、私達の身体にバクテリアが侵入した場合、生体防御の第一線で働く白血球は、活性酸素を産生・放出して、侵入者を根こそぎ殺し、感染症から私達の命を救います。リンパ球の一種ナチュラルキラー(NK)細胞が、癌細胞を殺すのに動員する兵士も、活性酸素です。他にも、情報伝達、遺伝子発現の調節やプロスタグランジンの合成等の、様々な重要な生体反応にも関わっています。

   つまり、適量な活性酸素は極めて私達の生命維持には必要ですが、過ぎたるは猶及ばざるが如し。過剰な活性酸素は、細胞の中の蛋白質を傷付け、細胞膜のリン脂質を過酸化脂質へと変性させ、DNAを損ないます。老化、そして癌、糖尿病、アトピー性皮膚炎等の様々な慢性疾患のリスクが増大します。

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   ミトコンドリアも若くて元気なうちは、燃費の良いエコライクな自動車と同じで、利用した酸素のうちの精々1%程度しか活性酸素にならず、ホント、微々たる量ですから、全然許容範囲と言うか…活性酸素の超有効利用範疇に収まっています。ところが、ミトコンドリアも老朽化すると、ATPを作る能力が衰え、取り込んだ酸素の5%くらいは活性酸素になります。産生された過剰な活性酸素は、ミトコンドリア自身も傷害します。損傷ミトコンドリアからは一層多くの活性酸素が産生され、それがさらに傷害を増幅するという悪循環が形成されると考えられています。…まあ、バランスの問題で、良い奴か悪い奴かの評価が変わるだけなんですけどね。

 

代謝とミトコンドリア

■尿素回路

 各組織で生成されたアンモニアの窒素は、グルタミンまたはアラニンとして、血流に乗って肝臓に運ばれます。肝臓(門脈周囲の肝細胞)で、これらのアミノ酸は、アミノ基転移によりグルタミン酸に変換後、酸化的脱アミノ反応によりアンモニアが遊離されます。アンモニアは生体にとって有毒な物質なので、とっとと尿素に変えて無毒化してしまう必要があります。この無毒化を担う経路を、尿素回路(オルニチン回路)といいます。

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 アンモニアから尿素への変換には3 ATPを要し、実に、ミトコンドリアで作られるATPの10数%は、尿素回路で消費されるとされています。

■解毒経路

■脂肪酸β酸化経路

 β酸化とは、脂肪酸の代謝に於いて、脂肪酸を酸化して脂肪酸アシルCoAを生成し、そこからアセチルCoAを取り出す代謝経路の事(美容通信2010年3月号)。β酸化は、脂肪酸の代謝の3つのステージ(β酸化、クエン酸回路、電子伝達系)の最初1つであり、生成されたアセチルCoAはクエン酸回路に送られ、CO2へと酸化されます。脂肪酸からエネルギーを取り出す為の重要な代謝経路です。

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ミトコンドリア・イブ

201707image11 ミトコンドリアのDNAは、母親のmtDNAを引き継ぐ事を根拠に、現生人類の起源の地が探られました。俗に言う、ルーツ探しって奴です。世界中に分布するヒトからmtDNAを調べて、現在の分布地図から現生人類の起源とその移動について推察する作業を行い、大昔のアフリカのある女性が今の人類の全てのミトコンドリアについての「母親」であるとの仮説が発表されました(美容通信2008年2月号)。この女性はキリスト教徒の宗教的説話から「ミトコンドリア・イブ」と呼ばれています。約16±4万年前にアフリカに生存していたと推定され、アフリカ単一起源説を支持する有力な証拠の一つとされています。

ミトコンドリア機能障害とは

ミトコンドリア病とは

sadosainokawara071 ミトコンドリアの変異が原因で、十分な好気的エネルギー産生が行えなくなる事によって起こる病気。その為、エネルギー需要の多い脳、骨格筋、心筋が異常を起こす事が多いのが特徴です。また、体内全てのミトコンドリアが一様に異常を来たす訳ではないので、多彩な病態を示します。嫌気的エネルギー産生に著しく傾く為、代謝産物の乳酸やピルビン酸の蓄積を伴う場合もあります。糖尿病様の病態を示す事も多く、実際、糖尿病の1%はミトコンドリア病であるさえ言われています。

 頻度は、15~19人/10万人(軽微な症状の患者さんまで含めると、更に増加が予想されます)。

 ミトコンドリアDNA遺伝子の変異だけでなく、核遺伝子の変異によるものもあります。

 

ミトコンドリア機能障害の原因

 二次的なミトコンドリア機能障害の原因としては、薬剤、環境毒素、炎症等が挙げられます。

■薬剤

 Curr Treat Options Neurol. 2009 Nov; 11(6): 414-430より抜粋しました。

MEDICATION SYMPTOMS MECHANISM
バルプロ酸 肝障害/まれに直接脳症 脂肪酸酸化、クエン酸回路、および酸化的リン酸化の阻害/ カルニチンの欠乏/複合体Ⅳ阻害
抗レトロウイルス薬 末梢神経障害/肝機能障害/ミオパシー mtDNA複製が損なわれる事による、mtDNAの減少/カルニチン欠乏症/脂肪栄養障害
スタチン ミオパシー CoQ10欠乏を含む様々な要因
アスピリン ライ症候群 酸化的リン酸化の阻害及び脱共役
アミノグリコシド系抗生物質 難聴、心毒性、腎毒性 mtDNA翻訳ミス
 アミノグリコシド及び白金化学療法剤 難聴、心毒性、腎毒性 mtDNA翻訳ミス 
アセトアミノフェン  肝障害  酸化ストレス 
メトホルミン  乳酸アシドーシス  酸化的リン酸化や解糖系経路の阻害
βブロッカー 運動耐容能の減少 酸化ストレス 
ステロイド カーンズ・セイヤー症候群の悪化の報告 不明

■環境毒

 

ミトコンドリア機能障害のメカニズム

 ミトコンドリアの機能障害のメカニズムとしては、酸化ストレスや、酸化的リン酸化の障害、プリン受容体の異常、マイトファジーのトラブル等が考えられます。

■酸化ストレス

 酸化ストレスとは、生体の酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、酸化反応に傾き、生体にとって好ましくない状態にある事を言います。呼吸(ミトコンドリアの呼吸鎖)で発生する活性酸素は、酸化ストレスを増加させる代表格と考えられています。酸化ストレスは、細胞のDNA、細胞膜上のリン酸脂質、蛋白、糖質を傷害し、血管傷害を進行させます。

  • 活性酸素種(Reactive Oxygen Species: ROS)

   スーパーオキサイド/スーパーオキサイドアニオン(O2)、ヒドロキシラジカル(HO・)、過酸化水素水(H2O2)、一重項酸素(1O2

  • 抗酸化

   ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンC、カロチン、SOD(superoxide dismutase)、グルタチオン、フラボノイド

■酸化的リン酸化の障害

■プリン受容体の異常

■マイトファジーのトラブル

 ミトコンドリアがエネルギーを作り出す際、活性酸素と言うオマケが生成されます。このオマケはミトコンドリアを傷害するので、徐々にその機能が低下します。壊れたミトコンドリアがどんどん溜まってしまう事は、宿主の細胞にとっては極めて有り難くない現象でしかありませんから、機能低下したミトコンドリアは、当然廃棄処分されます。これが、マイトファジー(自食作用)です。端的に言うと、細胞の品質管理システムの一つですね。因みに、ミトコンドリアのオートファジー(自食作用)の事を、マイトファジーと呼びます。

 下の図を見て下さい。オートファジーが誘導されると、隔離膜と呼ばれる脂質二重膜が細胞質内に現れ、伸長し、細胞質にある蛋白質やオルガネラ等の細胞質成分を包み込みます。完全に包み込んだ状態を、オートファゴソームと呼びます。次に、このオートファゴソームがリソソームと融合します。リソソーム内は酸性で、加水分解酵素で満たされており、これらの酵素により、取り込まれた細胞質成分が分解されます。

201707image12 パーキンソン病発症の一因(ミトコンドリア機能障害仮説)として、このマイトファジーの異常が考えられています。

 

ミトコンドリア機能障害の症状及び疑いに足る症状達

■ミトコンドリア機能不全の症状

  • 脳:認知機能の低下、偏頭痛、脳卒中、精神神経障害、痙攣、発達遅延、精神遅延
  • 神経:神経因性疼痛、反射欠如、消化器系の問題(逆流性食道炎、蠕動運動の低下、下痢、IBS、便秘)、体温調節のトラブル(過剰な汗/汗を搔かない)
  • 201212image8筋肉:筋力の低下、筋緊張の低下、筋肉のこむら返り、筋肉痛
  • 腎臓:尿細管性アシドーシス、蛋白・マグネシウム・カルシウム・リン等の排泄・再吸収のトラブル
  • 心臓:心筋症、心刺激伝達障害
  • 肝臓:低血糖、肝機能低下
  • 眼:視機能障害
  • 耳:聴覚障害
  • 脾臓及び内分泌臓器:糖尿病、膵臓の外分泌障害(消化酵素産生の障害)、副甲状腺機能の低下(低カルシウム)
  • 全身:低身長、低体重、嘔吐

■ミトコンドリア機能不全を疑う症状

  1. 原因不明の疲労感、身体を動かすとすぐに疲れてしまう
  2. ウィルス感染症、発熱、ワクチン接種後の発育遅延や停滞
  3. 外科手術や麻酔後の発達遅延
  4. 筋緊張低下や筋力低下、協調運動障害
  5. 突然の運動失調のエピソード
  6. 体温調整機能の不全
  7. 原因不明の消化器系のトラブル(アレルギーは除く)

検査:ミトコンドリア機能不全

代表的な検査

 ミトコンドリア機能不全の際に、以下の検査所見認められます。

  • アンモニア↑(>40μg/dl)
  • クレアチニンキナーゼ(>150U/L:小児)
  • 有機酸検査(尿):TCA回路代謝産物↑
  • 乳酸↑

 

ミトコンドリアを評価する為の検査

 ミトコンドリアを評価する検査には、以下のものがあります。

 

有機酸検査

200911image525 以前さら~んと触れた事がある有機酸検査(美容通信2016年9月号)ですが、ここでは少し細かく解説します。

 有機酸検査は、少量のおしっこから検出される代謝副産物から、健康状態をチェック出来る画期的な検査です。腸内環境を悪化させる酵母菌や悪玉クロストリジア菌の異常増殖や、消化吸収障害等の胃腸機能の評価、細胞やミトコンドリアのエネルギー産生の評価、メンタルや認知機能に及ぼす神経伝達物質の評価、細胞やミトコンドリアのエネルギー産生の評価、メンタルや認知機能に影響を及ぼす神経伝達物質の評価、アミノ酸やビタミン、ミネラル補因子等の各栄養素の代謝評価等、一般的な検査では調べる事が出来ない様々な情報を得る事が可能です。痛みを伴わない、ストレスフリーな検査です。

■解糖回路の代謝

 解糖系では、注目すべきは、乳酸luctuteとピルビン酸pyruvateです。ETC(electron transport chain)、つまり、電子伝達系とか呼吸鎖と言われるエネルギー産生装置にトラブルがあると、乳酸値は上昇します。

201707image14

  • 乳酸↑&ピルビン酸↑

  乳酸もピルビン酸も、不特定の影響、例えば、激しい運動、消化器系バクテリア増殖、ショック、潅流遅延、ビタミンB群(特に、B1、B2、B3、B5)やCoQ10の欠乏、ミトコンドリア不機能/ダメージ、貧血等によって値が上昇します。

  • 乳酸のみ↑

   酸素、CoQ10の欠乏等が考えられます。

■解糖回路の代謝

201412image9  コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、2‐オキソグルタル酸、アコニット酸、クエン酸についてチェックします。上図を参照して下さい。回路の何処が障害されているのかが分かると、対処の仕様も見えて来ますね。クエン酸→アコニット酸の代謝を阻むモノとしては、有害重金属美容通信2016年4月号)、例えば、テフロン加工のフライパンとか、マグロ祭りとか、歯科のアマルガムの詰め物とか…悪いです。コハク酸→フマル酸の経路を阻むモノとしては、ビタミンB2が不足している輩が結構多いかな。

  • コハク酸

   コハク酸↑:リボフラボン若しくは補酵素CoQ10の欠乏を意味しています。リボフラボン20mgか補酵素CoQ10の50mgのサプリメントが、ファーストチョイスです。コハク酸は、吸収されなかったグルタミン(サプリメント)が、バクテリアに分解されて作られます。

   コハク酸↓:ルイシン、イソルイシンのサプリメントの補充の必要があります。

  • フマル酸

   フマル酸↑:クエン酸回路の機能不良、フマラーゼ酵素の欠損、若しくはミトコンドリア機能の欠陥の時に、尿中フマル酸の値は上昇します。ミトコンドリアの機能をサポートする目的で、補酵素CoQ10のサプリメント(300~600mg)、補酵素NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)(25~50mg)、L-カルニチンとアセチル-L-カルニチン(1000~2000mg)、リボフラボン(40~80mg)、ニコチンアミド(40~80mg)、ビオチン(4~8mg)やビタミンE(200~400IU’s)の服用が推奨されます。

  • リンゴ酸

   リンゴ酸(僅かに)↑:ナイアシンや補酵素CoQ10の様な、栄養素の必要性を示唆しています。

   リンゴ酸↑&クエン酸↑&フマル酸↑&2‐ケトグルタル酸↑:ミトコンドリアエネルギー経路の不良。

  • 2-オキソグルタル酸

   2-オキソグルタル酸↑:食事によるビタミン不足か、2-ケトグルタル酸のサプリメントを飲んだからか…そんなところでしょう。2-オキソグルタル酸のサクシニールCoA転化には、補酵素CoA(パントテン酸由来)、リポ酸、リボフラビン酸とチアミン由来のFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)が必須です。

  • アコニット酸

   アコニット酸↑:アコニターゼは、クエン酸とアコニット酸を代謝する酵素で、グルタチオンに依存しています。ミトコンドリア障害(複合Ⅰやピアーソン症候群)では、高く検出されます。アコニット酸の上昇の際は、還元グルタチオンの摂取が推奨されます。

  • クエン酸

   クエン酸↑:クエン酸を含む食物を食べたり、消化器系で蔓延るイースト菌(美容通信2016年9月号)がクエン酸を生成しているか、体内のクエン酸回路が抑制されているか…そんなところでしょう。クエン酸値が上がると、グルタチオンの消耗を意味し、これはアコニット酸とクエン酸を代謝するアコニターゼ酵素に必須です。ピログルタミン酸値が低い場合、グルタチオン、N-アセチルシステインやリポ酸のサプリメントが効果的です。

■ミトコンドリアマーカー:アミノ酸代謝

201508image35ミトコンドリアマーカー(アミノ酸代謝)としては、3-メチルグルタル酸、3-ヒドロキシグルタル酸、3-メチルグルタコン酸の値をチェックします。数値が上昇している場合は、補酵素CoQ10、カルニチン、リボフラビン、ニコチンアミド、ビオチン、ビタミンE等のサプリメント補充が有効です。

  • ミトコンドリアマーカー↑↑(≧10):完全に、ミトコンドリア病を疑う必要があります。ComplexⅠやⅣ、チトクロームcの遺伝的問題です。
  • ミトコンドリアマーカー↑(<10):ミトコンドリアがダメージを受けている状態です。ETC(electron transport chain)、つまり、電子伝達系とか呼吸鎖と言われるエネルギー産生装置のトラブルが考えられます。

■ケトン&脂肪酸酸化

 3-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、4-ヒドロキシ酪酸、エチルマロン酸、メチルコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸等をチェックしますが、何と言っても、注目株は、アジピン酸とスベリン酸で、脂肪酸代謝に問題があると、これらの値が上昇します。

  • アジピン酸↑&スベリン酸↑:カルニチン欠乏やビタミンB2欠乏により、値が上昇します。ミトコンドリアによるエネルギー産生が低下をしている状態です。原因としては、環境毒素の被爆、アスピリンの過剰服用等が挙げられます。

201707image15

 アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸は、ケトン体で、脂肪酸ならびにアミノ酸の不完全代謝産物です。フツーは、解糖系やβ酸化で生産されたアセチルCoAは、速やかにクエン酸回路により消費されます。しかし、肝臓に於いて過剰のアセチルCoAが産生されると、肝臓のミトコンドリア中でアセチルCoAは、3-ヒドロキシ酪酸あるいはアセト酢酸に変換されてしまいます。ですから、アジピン酸やスベリン酸、セバシン酸だけでなく、アセト酢酸と3-ヒドロキシ酪酸も値が上がっている場合、①脱水の可能性、②低炭水化物の食事療法中、③ミトコンドリア機能不全、④カルニチン不足が考えられます。

 

アミノ酸検査

■体内のアミノ酸の役割り

 ご存知の通り、アミノ酸は生命に必要な蛋白質の構造(美容通信2010年1月号)です。アミノ酸は、神経伝達物質機能やコレステロール、糖質代謝、炎症や解毒プロセスに非常に重要な役割を果たしています。又、解毒と体内のフリーラジカルを中和する=抗酸化作用の中心的存在といえるグルタチオンの生成を助けてくれます。

■アミノ酸検査

  朝一番のおしっこ5mlが、検査の為には必要です。血液? アメリカ国内での採血が出来るのなら…そりゃあ良いですが、日本からの輸送ではちゃんと結果が出ないんで、おしっこで検査します。アミノ酸レベルチェックは、代謝と栄養の評価に有用です。他の検査と併用する事で診断を明確にし、食事指導に役立ちます。

ミトコンドリアサポート

食事編

 image530基本は、検査データに基づいてケースバイケースですが、やはり原則なる物はあります。

  • 砂糖・小麦・加工食品等は避けましょう。
  • 肉は、取り敢えず挽き肉に。…そりゃあ、しっかり噛んで口の中で挽き肉にしていただくのが一番ですが、積極的にミトコンドリアサポートを必要とする人々は、咀嚼筋の筋力も低下。蛋白質摂取の為には、時にはこんな配慮も必要です。
  • 抗酸化力の高い食品を、積極的に食べる。
  • 中鎖脂肪酸を含む食品、例えば、ココナッツオイル、MCTオイル、母乳(←…と言われましても…ねぇ)を、積極的に食べる。

サプリメント編

■ミトコンドリアサポート

   電子受容体、プロトンドナーとしてミトコンドリア膜で機能し、エネルギー生産過程で働きます。エネルギー需要の高い心臓、肺、精巣、肝臓、腎臓、免疫細胞に多く含まれますが、40歳以上や病気を患っている人では、CoQ10の体内合成が低下します。筋力、運動機能力を高め、副腎疲労(美容通信2017年5月号)(美容通信2015年4月号)や自閉症の患者さんの治療に有用です。又、脂質代謝(美容通信2010年3月号)、糖代謝を促進してくれるので、体重減少と若々しい容姿を保ちます。

   上記の有機酸検査でコハク酸値↑を呈する場合は、補給は必須。

  • L-カルニチン

   アセチル-L-カルニチンは、L-カルニチンのアセチル基(CH3CO-)が結合した、体内成分です。L-カルニチンよりもアセチル-L-カルニチンの方が効果が高いとは言われていますが…、海外から輸入しないと手に入らないのが、最大の欠点。

   L-カルニチン(美容通信2010年3月号)は、生体の脂質代謝に関与していて、脂肪燃焼効果があります。脂肪酸と結合し、脂肪酸をミトコンドリア内部に運搬する役目を担っています。また、アセチル-L-カルニチンは、血液脳関門を通過して脳内に到達し、副交感神経や運動神経の末端から放出される神経伝達物質である、アセチルコリンの量を増やし、神経細胞のダメージの軽減や、ダメージを受けた神経細胞の修復・再生を促す効果もあります。

   ミトコンドリアサポートにより、腸管の蠕動運動を促進し、SIBOの治療にも効果があります。

  • ビタミンB群(complex)

   ビタミンB群(美容通信2009年11月号)は、副腎疲労に限らず、アンチエイジングを含む全ての疾患に関与すると言っても過言でない、必須の栄養素です。

   副腎疲労では、副腎がストレスや炎症に対抗する「コルチゾール」を産生する過程で、ビタミンB群を大量に消費してしまいます。ですから、副腎疲労があると、あっという間に枯渇する栄養素とも言えます。ビタミンB群が不足すると、代謝が低下し、身体の浮腫み、冷え、免疫力の低下、髪の毛が細くなる、白髪が増える、肌の艶がなくなり、乾燥する等々と、ロクでもない事が起こります。空腹時にビタミンB群のサプリメントを飲むと、流石に胃がムカムカする人も出て来るので、空腹時の服用は避けた方が無難です。

   特に、ビタミンB6(Pyridoxal-5-phosphate)は、補酵素作用、ホルモン作用があり、神経伝達物質カテコラミンの合成に重要です。Pyridoxal-5-phosphateが不足すると、蛋白質利用が低下し、筋肉が弱り、成長が遅くなるだけでなく、免疫や神経伝達物質も低下します。慢性的な疲労を感じるようにもなります。また、シュウ酸代謝にもPyridoxal-5-phosphategは必要ですから、前述の有機酸検査でシュウ酸の値が高い場合は、補給が望まれます。月経前症候群の緩和目的で、処方をする事もある万能薬です。

   原材料がお魚さんだけに、重金属が含まれていない安全で含有量有効性が高い製品を選ぶのがポイント。体内の炎症を抑え、血糖をコントロールする作用があるので、副腎疲労の患者さんでは、低血糖予防目的での小まめな摂取が推奨されます。

   腸粘膜に作用し、SIBOの治療にも。

   又、脳の機能、神経、幼児の視力の発達も促します。胎児や新生児の発育には必須です。

image644   細胞の正常な成長と分化を促し、免疫のバランスを維持する働きがあります。筋肉の機能を向上させ、腎機能、心機能、神経の働き、血中のCaバランスを保ちます。アレルギー、感染症の治療の他、癌予防や痛みに効果的。

   80以上の酵素を構成し、200以上の酵素がその活性に亜鉛が必要だとされています。消化、代謝の多数の酵素に働いています。30~60mg/dayが摂取の目安とされていますが、アレルギー性疾患の治療の際には必須の栄養素(サプリメント)です。感染症や傷の修復作用があります。特に皮膚の病気には、欠く事の出来ない栄養素です。

   その他、味蕾細胞の再生を促し、味覚、臭覚、聴覚、そして食欲を正常に保ち、中枢神経の形成と機能維持、脳の活性化、記憶力や思考力を高める作用もあります。カドミウム、鉛、水銀の毒性を弱める働きもあります。

■キレート剤(重金属排出薬)

 キレーション(美容通信2006年11月号)(美容通信2016年4月号)は、解毒の道筋が整わないまま、つまり準備不足の状態で決行すると、兎に角、酷い目に会います。解毒については、近々特集は組みたいなと思っています。乞う、ご期待。

 キレート剤には、DMSA(経口薬)EDTA(座薬)等があります。

■メチレーションサポート

image639   ビタミンB12(メチルコバラミン)酵素は、葉酸(Folate)とタグを組んでメチル基転移に働き、水素転移反応、水素運搬体として働きます。

   メチルコバラミンは、メチオンニンシンターゼとして、メチオニンの合成に関与しています。代謝の早い血球細胞、消化管上皮細胞、神経系に特に重要な栄養素です。遺伝情報を伝えるDNA、RNAを合成したり、神経鞘のミエリン脂質を形成してくれるので、不足すると、神経障害になっちゃいます。

   葉酸は、メチル基の転移に働きます。DNA、RNAのメチル化反応に働くアデノシルメチオンの合成に必要です。DNA複製、分化と修復、細胞分裂中のDNA損傷と染色体異常を防いでくれます。また、神経細胞の代謝と成長を促進し、脳の神経伝達物質の産生を促します。妊娠中の胎児の正常な発育には、特に必要です。消化器系健康維持、肝臓の働きや皮膚の健康を保ち、血中のホモシステインレベルを下げてくれます。

■解毒/肝臓サポート

  • グルタチオン

   有機酸検査で、解毒の指標物質ピログルタミン酸の低下は、体内の毒素に対するグルタチオンが低下している状態を意味します。肝臓で解毒機能が十分働かないと、体内での炎症に繋がります。

   グルタチオンは、体内のあらゆる細胞に存在する、強力な抗酸化物質です。ビタミンC、E、セレン等の他の全ての抗酸化物質は、グルタチオンがあるだけで、正常に機能します。つまり、どんな病気であっても、病気である以上!は、グルタチオンの細胞内濃度が低下していると断言しても間違いないって事です。

   グルタチオンの経口投与は、これまで生物学的有効性が疑問視されていました。最近は、経口用のS-アセチルグルタチオンの製品も販売されています。通常のグルタチオンよりも脂溶性が高く、損傷を受けずに十分吸収されるので、細胞内のグルタチオン濃度をupするのに有効とされています。細胞内に直接運ばれて脱アセチル化される為、有効に作用し、腸や血漿内で安定性を保つ事が出来ます。

  • バイタルデトックス

item-vitaldetox-l   解毒や肝臓のサポートに効果がある、定番中の定番のサプリメント。金属除去等の歯科治療中のサポートとしても、役に立ちます。

■解毒/腎臓サポート

■解毒/皮膚排出サポート

■腸管サポート/酵素・カンジダコントロール

 


 

*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。


※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。

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来月号の予告

<解毒(デトックス)を極める>です。