HISAKOの美容通信2015年4月号
副腎疲労症候群
副腎疲労症候群とは、ストレスが過剰に続き、副腎からのストレスホルモンであるコーチゾールが分泌し続ける事により、副腎のホルモン分泌機能が極端に低下し、様々な症状が引き起こされる状態を言います。
症状としては、原因不明の倦怠感、睡眠障害、エネルギー不足、甘い物の過食、肥満、性欲低下、風邪や感染症の治りが悪い、起立性低血圧、重症のPMS(月経前症候群)、鬱症状、記憶力・集中力の低下、そして、アトピー性皮膚炎やニキビ、肌荒れ、花粉症等の皮膚科的な疾患等と、実に多彩です。
従来の対症療法から一歩踏み込んで、根本からこうした症状を改善しませんか?
■アドレナル・ファティーグ(副腎疲労症候群)
副腎(アドレナル)疲労(ファティーグ)の事です。
ストレスが過剰に続き、副腎からのストレスホルモンであるコーチゾールが分泌し続けた事で、副腎のホルモン分泌機能が極端に低下する事で起こります。
主な症状は、原因不明の倦怠感、睡眠障害、エネルギー不足、甘い物の過食、肥満、性欲低下、風邪や感染症の治りが悪い、起立性低血圧、重症のPMS(月経前症候群)、鬱症状、記憶力・集中力の低下、そして、アトピー性皮膚炎やニキビ、肌荒れ、花粉症等の皮膚科的な疾患等と、実に多岐に亘ります。
病気の診断に重きを置き、対症療法に終始しがちな従来の医療に対する新しい概念として、昨今、米国で注目されている機能性医学の考え方が生み出した、最たる(新しい)病気が副腎疲労なんじゃないかと思います。だから、大学の医学部の授業では決して触れられないし、従って多くの平均的な医師は、その存在すら知らない(笑)。
でも、権威ある教科書には記載が未だ成されていないかも知れませんが、副腎だって疲労します。確かに、壊れてしまえば、アジソン病とかクッシング症候群って病名が付き、病気としての治療(と言ってもあくまでも対症療法ですが)は可能です。しかし、副腎疲労と称される程度の無症状の機能低下状態は、実は多くの病気の、特にHISAKOのクリニックで扱っている様な多くの皮膚科的な疾患、例えばアトピー性皮膚炎やニキビ、肌荒れ等については、原因と言わないまでも、著しく治療の妨げとなっています。副腎疲労を改善する事は、全てではないけれど、根治的な治療の一翼を確実に担うものであり、ステロイドの外用薬や抗アレルギー薬の内服等に終始しがちな従来の、先ずは薬剤ありきの対症療的治療を最小限に留め、更には予防的に働きます。
今月号は、<副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)>の特集です。
機能性医学についての、HISAKOの勝手なエトセトラ?
…副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)の講義を始めて受けた時、良い意味でも悪い意味でも、「極めてアメリカ的だなぁ。」と感想を抱いた事を覚えています。正しくは、機能性医学って考え方自体が、極めてアメリカ的とでも申しますか(笑)。「次世代を担う機能性医学って概念は、…」なんて偉そうに言いますが、端的に言えば機能性医学なんて、「サルに戻れ!」「原始人に戻れ!」じゃないですか。私達人間が悠久の歴史の中で、環境に合わせてどんな進化の経過を辿って来たのか、その過程で確立した代謝経路とはどの様なものなのか、つまり私達人間の体の設計を理解した上で、ブレを修正していく方が、現代医療の主流である”目の前の症状を取り敢えず薬で抑え込む”、所謂”対症療法”より、ず~っと自然で、確実な治療法だって概念ですからね。
HISAKOのクリニックでは「皮膚のトラブルを、体の内側と外側からダブルでアプローチ!」をモットーに治療を行っていますが、体の内側からのアプローチの根幹をなすのが、この機能性医学って考え方です。例えば、花粉症(美容通信2005年3月号)の治療。従来の内服や点鼻、点眼に主眼を置く対症療法と異なり、栄養療法(美容通信2007年3月号)(美容通信2011年4月号)(美容通信2010年6月号)、ビタミンD(美容通信2015年1月号)、高濃度ビタミンC点滴療法(美容通信2008年11月号)、プラセンタ注射(美容通信2009年2月号)(美容通信2009年4月号)、細胞再生注射(美容通信2015年1月号)、オゾン療法(血液クレンジング)(美容通信2011年8月号)、スーパーライザー(美容通信2007年12月号)、生活習慣の改善で自律神経の乱れを正す(冷え症の改善他)(美容通信2014年10月号)(美容通信2015年2月号)、腸管免疫(腸内細菌叢の改善)(美容通信2014年1月号)(美容通信2013年8月号)(美容通信2012年8月号)、遅延性食物アレルギー(美容通信2012年9月号)、キレーション(美容通信2006年11月号)等は、総て機能性医学の考え方に基づく治療法でもあります。
機能性医学のリーダー的存在でもあるアメリカは、しかしながら、ピューリサーチセンターの調査(ピュー研究所が2013年3月21日から2013年4月8日の期間中に成人1983人の代表標本を対象に執り行った世論調査。許容誤差は3パーセンテージ・ポイント)によると、 米国人の3人に1人は進化論を信じておらず、進化論を支持すると答えた人々も、その4分の1が「全てを超越した存在が人間と生物を現在の姿にするために進化路程を導いた」と回答したんだそうです。少なくても神の導きにより進化した(自然選択ではなく!)と考えてるんだそうな。…って事は、アメリカ人の半数近くが人間としての今の存在?在り方?に神の何らかの関与を信じてるって事で、それは即ち、神の何らかの導きによりブレた挙句、副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)だとか、花粉症だとか、デブ(ブタ?)になった。それこそが神の意志と考えないもんなんでしょうか(笑)。「サルに戻れ!」「原始人に戻れ!」って機能性医学って概念は、熱心なキリスト教徒、特に白人の福音主義プロテスタントにとっては、ダーウィンの進化論同様、唯物論・無神論に与することであり、神への挑戦にはならないんですかねぇ。…まあ、毛唐の感性は、八百万の神を信仰する典型的日本人のHISAKOには、理解出来ませ~ん(笑)。
副腎は、肉体的及び精神的な幸福を司る臓器。
副腎の解剖学
”あなたの「副腎」疲れてない?”って日本経済新聞(2014年2月9日)なんかで特集組まれても、「…ふ、副腎が、疲れる?」って反応を示す人が殆どじゃないのか知らん。先ずは、副腎を知ろうって事で、解剖学のお話から。
副腎は直径5センチメートル前後の大きさで、重さは5グラム程度。副腎は、左右の腎臓の上にちょこんと帽子みたいに乗っかった小さな臓器ですが、別に、腎臓の機能を助ける為に存在している訳ではありません。主に5種類のホルモンを製造、分泌しています。体内では下垂体や甲状腺、肝臓等もホルモンを分泌していますが、重要度って事では、副腎はその比ではなく、生命維持に不可欠な役割を担っています。肝臓や心臓など他の臓器に比べると目立ちませんが、実は、その働きは極めて重要なんです。
副腎は、皮質(外側)と髄質(内側)の2部構成になっています。皮質は3つの帯から成り、髄質と皮質の各々の帯が、夫々に体内で多様な機能を果たす異なるホルモンを産生します。下の図を参照して下さい。
- 副腎髄質
副腎髄質では、エピネフリン(アドレナリン)とノルエピネフリン(ノルアドレナリン)が産生されます。これは、生きるか死ぬかって危機的な局面に於いて、真価を発揮するホルモンです。この辺りの自律神経の話は、以前冷え症の特集(美容通信2014年10月号)を読んでね。
- 副腎皮質
副腎皮質は3つの帯に分類され、夫々が異なるホルモンを分泌します。その数、合計50以上! 唯、これ等の殆どは、他の副腎ホルモンを形成する為の懸け橋と言うか、…触媒?に使われるだけのホルモン途中君(中間体)です。約12のホルモンが、実際に血液に乗って標的臓器に流れ着き、作用します。
- 球状帯
最も外側の帯で、アルドステロンを分泌します。アルドステロンは、血液中や間質液、そして細胞内に於いて、水分の維持と、特定のミネラル(Na、K、Mg、塩化物)の濃度に関与するホルモンです。
副腎疲労状態では十分な量のアルドステロン濃度を保てない為に、Naのおしっこへの排出が進み、脱水が加速します。更に、細胞内のNaとKの比率を一定に保つ為に、Kも細胞外へと排出が進みます。ですから、水、塩、カリウムの3つを、正しい比率で補給しないと、却って気分が悪くなるなんて事態に陥っちゃいます。市販の電解質補給飲料なんて代物は、運動によりコルチゾールがガッツリ生産される人が飲む飲み物であって、コルチゾールとアルドステロンの少ない人向けではないんです。水はがぶ飲みせずにちょっとづづ繰り返し飲み、昆布の粉末を振り掛けた小さなオヤツを一緒に食べるって言うのが、副腎疲労を患って完全に撚れちゃった時の正しい水分補給方法。多くの場合はこれで緊急回避が可能で、24~48時間以内に水分補給と電解質のバランスがそこそこ安定します。
落ち着いてしまえば、後は後述の副腎を労わる食生活を只管遂行してもらえばいいんですがぁ、1日に2~4回は、塩を入れた(味覚に従っての調整は必要)水を飲んで、軽度の脱水とNaの枯渇対策を続けなきゃ駄目ですけどね。
次の帯は束状帯で、副腎皮質の大部分を占め、コルチゾールを分泌しています。コルチゾールは実に様々な重要な機能を有したホルモンで、血糖値の調節、抗炎症作用、免疫反応の調整、心臓と血管を強化、中枢神経を刺激、ストレス反応の正常化等々が、その作用等して挙げられます。
最も内側にある帯で、性ホルモン及びその前駆物質を産生します。性ホルモンは主に性腺(卵巣と精巣)で作られるんですが、この副腎皮質網状帯はその補助的な存在(美容通信2012年4月号)です。なので、DHEA(美容通信2010年9月号)(美容通信2011年10月号)と、その比較的不活性な前駆物質であるDHTAsが、網状で製造される2大主要ホルモンって事になります。
体を循環しているDHEAsのほぼ総てを副腎が産生しているようなものですから、血液中や唾液中のDHEAsの濃度を測定(美容通信2010年12月号)すれば、副腎の状態が一発で分ります。まあ、良い指標なんです。
コルチゾールの作用
副腎疲労の症状の多くは、血液中のコルチゾール濃度が低下してしまったり、ストレスが溜まって需要が高まっている肝心要な時に、十分な量を調達出来ない為に起こります。
副腎疲労よるコーチゾールの低値状態になると、正常の組織が壊滅的に破壊され、筋肉がげそっと落ち、骨もスカスカになり、お肌だってハリのないペラペラの薄い皮膚になっちゃいます。見た目もそうですが、免疫力が低下して病気の餌食になり易くなってしまいます。こうなると、最早、生きる屍。頭上をハゲタカが旋回している様なものです。怖いですね~ぇ。
以下にコルチゾールの作用を列挙します。
- 血糖値を正常化する
コルチゾールは、血糖濃度を適切な平衡状態に保つのがお仕事。具体的には、脂肪と蛋白質をエネルギーに変換する事でグルコースを新生し、血糖値を上げます。それ故に、血糖値が下がった事を感知すると、「副腎が頑張らなきゃ、誰がする!」とばかりにハッスルし、もっと多くのコルチゾールを産生するようになります。
ところが皮肉な話ですが、私達の体に何らかのストレスが雪崩の様に襲い掛かって来るなんて事態に遭遇すると、そのストレスが何かって事に関係なく、様々な組織や器官でエネルギーの需要が増大します。エネルギーの源は、グルコースです。頑張って、副腎はコルチゾールを作んなきゃいけなくなります。副腎が疲れ果てて職務放棄状態でなければ、こんなもの屁の河童。難なく局面を打開します。
ですが、副腎が既に疲労の極限状態にあったらどうでしょう? 当然職務怠慢(笑)により血中のコルチゾール濃度は下がったままの状態ですから、例え需要が増大した状況であっても、グルコースに変換出来ない。つまり低血糖状態になるって事です。ストレスへの反応時間が遅くなり、思考が簡単に混乱する、まあ、パニくるって状況になる。筋力が低下し、効果的に身を守ったり、逃げたりするのが難しくなります。
こうなると、逃げ場は”お砂糖”しかなくなってしまいます(笑)(美容通信2011年4月号)。ところがこれが超が付く程の曲者なんです。甘い物、例えば、チョコレート、アイスクリーム、ドーナツ、菓子パン、パイ、ケーキ、クッキー等を、「体が欲するんだ!」なんて訳の分からん事をほざいて、コーヒーとかコーラとかと一緒に摂る。これは一時的に血糖値を上げ、ほぼ即時的に効果を齎す短時間作用型の応急救済策です。血糖値は一気に上昇し、低血糖症状は45~90分程度(!)ですが、緩和はされます。しかしながら、そのツケではありませんが、引き続き起こるのは血糖値の急降下です。再び、「体が欲するんだ!」と言い訳をしつつ、人は又甘い物に手を伸ばす…。この様な血糖値がジェットコースターの様に乱高下する状態は、血糖値を正常化する事を使命とする副腎にとって、著しいストレスとなります。
例・典型的な低血糖症のパターンは、朝食の約2時間後(10:00AM)に、最初のコーヒーブレイク❤ コーヒーのお供は、大概は、ドーナツとか、クッキーとか、チョコレートとか、精白粉と砂糖で出来た甘いお菓子と相場が決まっています。これでど~んと下降していた血糖値が急上昇し、インスリンの分泌がこれに続きます。ところが人生上手く行かないもので、インスリンの過剰分泌により、今度は血糖値が急激に下がります。副腎がしっかりしていれば、前述の様に、循環コルチゾールの働らきで血糖値の低下を補完します。ところが疲労してヘロヘロな状態だと、コルチゾール濃度は低いままで、新しくグルコースを産生する事が出来ませんから、血糖値の下落に歯止めが掛かりません。底値まっしぐら!状態にあるのが、ちょうど11:30AM~12:00AMの時間帯です。正に、昼食を食べて、崖っぷちからの回避がなされます。
お昼ご飯にはコーヒーや炭酸飲料、ちょっとしたデザートが付き物(セットメニュー?)で、それらを一緒にさくっと短時間で胃袋に掻き込むのが、多くのOLさんやサラリーマンの昼食の定番です。血糖値はぐ~んと上昇します。しかし、精製した炭水化物ばっかり食べる生活を続けていると、恐ろしい事に、消化液がちゃんと分泌されなくなり、食べた物を十分に消化吸収出来なくなります。更に追い打ちを掛ける様に、3:00PMには、副腎機能低下症のお約束の倦怠感が起こります。昼食後の昼下がり、つまり2:00PM頃に激しい睡魔に襲われて、仕事が捗らなくなるのを避ける為に、多くの人々は2:00PMにコーヒーブレイクを取り、血糖値を上昇させ、それを維持する為に、さらに多くの精製した炭水化物に手を伸ばす羽目に陥ります。若しくは…、昼過ぎからのべつ幕なしにコーヒーや清涼飲料水を飲み続けるかです。これじゃあ、副腎が撚れて当然です。
昔アメリカでは、ドクター・ペッパー(←砂糖・カフェイン含有量の多い炭酸飲料!)のコマーシャルに、「毎日10時、2時、4時に(ドクター・ペッパーを飲もう!)」ってキャッチコピーがありました。これは正に、上記の低血糖パターンを踏まえた、素晴らしい企業戦略です。
しかしながら…、低血糖に対し「お砂糖による解決策」を安易に選んだ人は、血糖の不規則な乱高下を繰り返し、コルチゾールやインスリンの濃度だけでなく、神経系や全身の恒常性をも混乱させ、一日の終わりには燃え尽き状態に陥ります。更に、肥満の原因(美容通信番外編・ダイエットの極意)にもなります。血糖値が急激に下落すると、と~っても空腹感を覚えてバクバク食うだけでなく、体がエネルギーを脂肪として貯蓄しとかなきゃ!って餓死の危険回避を図るからです(美容通信2010年4月号)。アメリカの糖尿病と肥満と、生産性を著しく損なうであろう副腎疲労は、アメリカの国家戦略を損なうものでもあります。
チョコレート、アイスクリーム、ドーナツ、菓子パン、パイ、ケーキ、クッキー、清涼飲料等々の、砂糖や精白粉をたっぷり使用した食べ物や飲み物、そしてカフェインは人生を損なうものでしかないって事です、はい。
- 抗炎症作用
コルチゾールは強力な抗炎症物質です。素早く作用し、炎症を起こした組織の赤味と腫れを除去したり、防止します。だから、ちゃんとコルチゾールが働いてくれないと、蚊に刺された跡が巨大に腫れ上がったり、花粉症の時、花粉で喉や目が腫れ上がって閉塞して、超困った目に遭っちゃいます。つまり、過剰に赤いだの腫れてるだの言う時は、循環しているコルチゾールが少な過ぎて話にもならん!って意味です。
- 白血球への効果
免疫反応や炎症反応の一方又は両方に関与する細胞、特に白血球って奴ですね、こいつに多大なる影響を及ぼします。具体的には、これ等の白血球は、体を防御する為に、怪我をしたりバイ菌等の敵が侵入した場所に怒涛の如く押し寄せます。一部の過激派は、非常に強力な化学物質を放出して侵入者を攻撃するんですが、ちょっと限度ってもんを知らない血気盛んなレイシストをしばき隊(笑)なので、周囲の組織まで巻き添え被害が及び、赤味や腫れが生じます。コルチゾールは、この様な行き過ぎた行為に歯止めを掛けるのがお仕事。免疫系の過剰反応を防止し、目に余る白血球共による集団暴行(炎症と組織破壊)を抑制します。
- 循環器系への効果
コルチゾールが不足してる人々は大抵が低血圧で、血管収縮を起こす他の体内物質に対する反応性が低いんです。
- 中枢神経系への効果
睡眠障害や、感情の起伏、忍耐力の低下、思考の明瞭さの低下、記憶力の低下等々は、コルチゾールが過剰でも不足していても、どっちでも起こる現象です。ストレスが多い時にこそ、適正量が求められる…。
- ストレスの生理機能に対する効果
コルチゾールは、ストレスを受けると、血糖の供給を増やしたり、グルコースの予備軍として脂肪と蛋白質を動員、免疫系の反応、心拍、血圧、脳の覚醒、神経系の反応性の調整等々と八面六臂の活躍をし、ストレスを柔軟に受け止まます。ところが、同時に、コルチゾールは全くその反対の反応、つまりストレスに対して殆ど自意識過剰?状態に陥って、却って自分を壊してしまわないようにと、ブレーキを掛ける事もします。例えば、先に述べた免疫系の過剰反応を防止し、目に余る白血球共による集団暴行(炎症と組織破壊)を抑制するのも又、コルチゾールの仕事でもあります。
肉体的、精神的、環境的にストレスに日々晒され、その度、副腎に対しては難題が付きつけられ、果敢に挑み善処するも、やがて燃え尽きる…。大昔のはじめ人間ギャートルズは、こんな現代人が毎日の様に遭遇する過酷な環境に晒される事自体、一生に一度あるかないかって書いてある(笑)。教科書を読む度に、それって単に「(副腎疲労)先進国」を標榜するアメリカ人の驕りじゃね~のって、HISAKOなんぞは思ってしまいますけどね、ははは。
コルチゾールの概日(サーカディアン)リズム
コルチゾールは副腎の束状帯で分泌されますが、指令を出すのは脳みそです。下図の如く、総合的な興奮性、身体エネルギーの必要量、聴覚、視覚、臭覚、触覚、味覚についての脳中枢の感覚データなどに関する脳中枢からの情報に基づいて、指令を出しています。唯、これは視床下部→脳下垂体→副腎って一方通行ではなく、指令を受けて副腎から分泌されるコルチゾールは、同時に、負のフィードバック系を介して視床下部にも届き、この情報を基に更にコルチゾールの濃度を決定する指令が視床下部から出され…と、生体のホメオスタシスを保つ為に分刻みで厳格に調整されています。
コルチゾール、ACTH、アルドステロンは、一日中一定の血中濃度を保つように分泌されているので、日内変動があります。午前8時に分泌量が最も高く、真夜中から午前4時に掛けて最も低くなるってパターンです。
左図を見て下さい。朝、コルチゾールの濃度が上がらないと、快適な目覚めには至らない。午前8時頃にピークを迎えた後、その後は下降線を辿ります。午後3時から5時位の間に一気に下がり、後はず~っとたらたら下がり続け、真夜中から午前4時に掛けて底値に達します。このコルチゾール分泌曲線は、滑らかな曲線ではなく、スパイク状の急上昇が何度も起こっているのが分りますか? 何か食べれば、それがちょっとした豆腐やナッツ、煮干しレベルでも、コルチゾールの分泌がバ~ンと増えます。つまり一番大事な話になるんですが、規則正しく食事の合間に間食(軽食)をちょこっと食べてる人は、単に規則正しい食事を摂ってるだけの人よりも、より長い時間、コルチゾール濃度を高く保てるって事です。それ故に、副腎が既に疲労してしまってたら、少しでもコルチゾールの血中濃度を上げる為に、規則正しい食事+間食(軽食)は必須です。これに運動を加えると、鬼に金棒?級かな(笑)。
副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)の一般的なお話
副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)の症状は、上記の副腎の機能が損なわれた事により惹起されたと考えると、非常に理解がし易いかなと思います。つまり、原因不明の倦怠感、睡眠障害、エネルギー不足、甘い物の過食、肥満、性欲低下、風邪や感染症の治りが悪い、起立性低血圧、重症のPMS(月経前症候群)、鬱症状、記憶力・集中力の低下、そして、アトピー性皮膚炎やニキビ、肌荒れ、花粉症等の皮膚科的な疾患等が、挙げられます。
原因は、ストレスです。ストレスって言うと、単に精神的なものと捉えられがちで、根性の座ってないへタレの怠け病と結論付ける向きがありますが、ストレスには程度(軽症から重症まで)もありますが、種類も実に様々(美容通信2014年10月号)です。身体的なもの、情緒的なもの、心理的なもの、環境に由来するもの、感染性のもの(特に、気管支炎や肺炎、喘息、副鼻腔炎等の呼吸器感染症!)、或いはこれらの組み合わせが考えられます。最愛の人の死、交通事故、深刻な病気等のウルトラ級の奴から、日常生活に潜む級、例えば、激しい運動、愛する人との口論、職場でのプレッシャー、人間関係の不満、歯痛、インフルエンザ、環境有害物質、栄養不足まであります。唯、小さなストレスも侮るなかれ。積み重なり、慢性化する事で、副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)の発症の引き金となったりします。身体的なストレス(感染症、怪我、栄養不足、脱水症、手術、体力を消耗する運動、極度の暑さ寒さ、有害化学物質への暴露、アレルギー、喘息、睡眠不足etc.)は、情緒的ストレス(離婚、転居、争い事、失業、財政困難、家族や友人の病気や死、酷い嘲りや屈辱etc.)とお互い相乗効果的に増悪に働くものなのです。しかも始末に悪い事に、栄養不足はストレスに対する副腎の対処能力を低下させてしまいます。主に調理済みの食品や加工食品を食べ、野菜や生の果物を食べなければ、副腎環境としては最悪って考えた方が無難です。まあ、ストレス源が何であれ、副腎は全ての種類のストレスに反応して、挙句勝手に(←失礼!)疲労してしまいます。
これらのストレスのレベルを客観的に評価するものとしては、副腎ストレスホルモンである、前述のコルチゾールの唾液検査が有用です。
副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)を診断する
胸に手を当てて、質問に答えよ!
副腎がお疲れ様状態かどうか、そしてその重症度がどれ位なのかを見極めるのに一番有用なツールでもあるのが、この質問表です。正直に申告しましょ(笑)。
今日の日付:
回答の仕方:数値を[ ]に記入。
0⇒一度もない、或いは稀に
1⇒時々、又は僅かに
2⇒中等度の頻度や強度
3⇒強い、重症、頻繁にある
最後に体調が良かったのは、[ ](日付)で、その時起こった事は、[ ]。
- 素因
過去 現在
1 [ ][ ]長期のストレスを経験し、健康・幸福な状態に影響が出た事がある。
2 [ ][ ]非常にストレスの強い出来事を一度又は複数回経験し、健康・幸福な状態に影響が出た事がある。
3 [ ][ ]自分を極度の疲労に追い込んだ事がある。
4 [ ][ ]休養や気晴らしをあまりせずに、長期間働き続ける。
5 [ ][ ]長引く、又は重症の、又は再発性の呼吸器感染症を患った事がある。
6 [ ][ ]長期間、又は強度のステロイド療法(コルチコステロイド)を受けた事がある。
7 [ ][ ]太り易い。特に胴回りに贅肉が付き易い。
8 [ ][ ]アルコール依存症や薬物乱用の既往歴がある。
9 [ ][ ]環境変化に過敏である。
10 [ ][ ]糖尿病(タイプⅡ、インスリン非依存性糖尿病)を患っている。
11 [ ][ ]心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩まされている。
12 [ ][ ]摂食障害で苦しんでいる(過食/拒食)。
13 [ ][ ]一つ又は複数の慢性疾患に掛かっている。
[ ][ ]合計
- 主要な徴候と症状
過去 現在
1 [ ][ ]ストレスやプレッシャーへの対処能力が低下した。
2 [ ][ ]仕事での生産性が以前より低い。
3 [ ][ ]認知能力が低下したように思う。
4 [ ][ ]急かされたり、プレッシャーを掛けられると、思考が混乱する。
5 [ ][ ]感情的な状況を避けがちである。
6 [ ][ ]プレッシャーを掛けられると、神経質になり易い。
7 [ ][ ]緊張すると、胃もたれ、胃痛を起こし易い。
8 [ ][ ]原因不明の恐怖や不安を多く抱えている。
9 [ ][ ]性欲が以前より著しく低下している。
10 [ ][ ]座った状態や横になった姿勢から急に立ち上がると、立ちくらみや眩暈がする。
11 [ ][ ]貧血の様な眩暈や失神を起こす。
12 [ ][ ]慢性的に疲れている。たいていの場合、眠っても疲労が解消されない。
13 [ ][ ]大抵、何時も体調が優れない。
14 [ ][ ]くるぶしが時々浮腫んでいる。浮腫みは夕方の方が酷い。
15 [ ][ ]心理的な情緒的なプレッシャーやストレスを受けた後には、大抵横になったり休養したりする必要がある。
16 [ ][ ]筋力が低下しているように感じる。
17 [ ][ ]手足がムズムズする。
18 [ ][ ]アレルギーを起こすようになった。又は、アレルギー反応の頻度や重症度が増加した。
19 [ ][ ]皮膚を引っ掻くと、白線が1分間又はそれ以上残る。
20 [ ][ ]顔、首、腕にシミが増えた
21 [ ][ ]全身がだるく感じられる。
22 [ ][ ]原因不明の頭痛がしばしば起こる。
23 [ ][ ]冷え症である。
24 [ ][ ]風邪を引き易い。
25 [ ][ ]血圧が低い。
26 [ ][ ]ストレスを受けるとお腹が空いた理、混乱したり、ふらふらしたりする。
27 [ ][ ]非常に疲れて怠い時期に、理由なく体重が減った事がある。
28 [ ][ ]無気力や絶望感がある。
29 [ ][ ]忍耐力が減った。他人に対して以前よりもイライラする。
30 [ ][ ]頚部リンパ節が腫れている事が多い。
31 [ ][ ]理由もなく、吐き気がしたり、嘔吐したりする事がある。
[ ][ ]合計
- エネルギーのパターン
過去 現在
1 [ ][ ]進み続ける為に、無理をする事が多く、全ての事が億劫に感じる。
2 [ ][ ]疲れ易い。
3 [ ][ ]朝起きるのに苦労する。午前十時頃までスッキリ目覚めない。
4 [ ][ ]突然、エネルギー(活力)がなくなる。
5 [ ][ ]昼食後は大抵気分が良くなり、完全に目が覚める。
6 [ ][ ]午後三時から五時の間は、元気の出ない事が多い。
7 [ ][ ]規則正しい食事をしないと、エネルギーが低下したり、気分が変わり易くなったり、ぼんやりしたりする。
8 [ ][ ]午後六時以降が、体調が一番良い。
9 [ ][ ]午後九時から十時に疲れている事が多いが、寝られない。
10 [ ][ ]朝遅くまでゆっくり寝たい。
11 [ ][ ]午前七時から九時の間の睡眠が、最も疲労が回復する。
12 [ ][ ]深夜に、一番良い仕事が出来る事が多い。
13 [ ][ ]午後十一時頃に活力が湧き、午前一時か二時まで仕事が捗る事が多い。
[ ][ ]合計
- 頻繁に観察される現象
過去 現在
1 [ ][ ]咳や風邪が数週間長引く。
2 [ ][ ]頻発性又は再発性の気管支炎や肺炎、他の呼吸器感染症に罹る。
3 [ ][ ]一年に数回、喘息や風邪、その他の呼吸器障害が起こる。
4 [ ][ ]発疹や皮膚炎、他の皮膚疾患が頻繁に起こる。
5 [ ][ ]関節リュウマチを患っている。
6 [ ][ ]環境(ハウスダスト、花粉、ダニ等)にアレルギーがある。
7 [ ][ ]化学物質過敏症である。
8 [ ][ ]慢性疲労症候群に罹っている。
9 [ ][ ]明白な理由なしに、肩や背中の筋肉が痛む。
10 [ ][ ]首の両側の筋肉が痛む。
11 [ ][ ]不眠症又は睡眠困難がある。
12 [ ][ ]線維筋痛に罹っている。
13 [ ][ ]喘息に悩まされている。
14 [ ][ ]花粉症に悩まされている。
15 [ ][ ]神経衰弱に悩まされている。
16 [ ][ ]アレルギーが悪化している(重症度が悪化した、より頻繁に起こるようになった、より多様化した)。
17 [ ][ ]掌や指先の赤味が強い。
18 [ ][ ]以前よりアザが出来易い。
19 [ ][ ]背中を押すと圧痛がある。
20 [ ][ ]起床時に目の下が腫れており、起きてから2時間程するとなくなる。
≪以下女性のみ≫
21 [ ][ ]月経前に、下腹部痛、浮腫み、不機嫌、怒りっぽさ、情緒不安定、頭痛、疲労感、過敏症等の月経前症候群(PMS)の症状が悪化している。
22 [ ][ ]月経が重い。時に4日目に突然止まり、5日目か6日目に再び多量の出血が再開する事がある。
[ ][ ]合計
- 食べ物のパターン
過去 現在
1 [ ][ ]午前中に活動する為、コーヒーや何らかの刺激剤が必要である。
2 [ ][ ]脂肪分の多い食べ物が無性に欲しくなり、食べると気分が良くなる。
3 [ ][ ]脂肪分の多い食品を摂って、自分を駆り立てる。
4 [ ][ ]脂肪分の多い食品とカフェインを含む飲み物(コーヒー、コーラ、ココア)を利用して、自分を駆り立てる事が多い。
5 [ ][ ]塩や塩分の多い食品が無性に欲しくなる。塩味の食べ物が好きである。
6 [ ][ ]カリウム分の高い食品(バナナ、イチジク、プルーン等)を食べると具合が悪くなる。特に午前中食べると体調が良くない。
7 [ ][ ]蛋白質の多い食品(肉、チーズ)が無性に欲しくなる。
8 [ ][ ]甘い食べ物(パイ、ケーキ、ペストリー、ドーナツ、ドライフルーツ、お菓子、デザート)が無性に欲しくなる。
9 [ ][ ]食事を食べ損なったり、抜いたりすると気分が悪くなる。
[ ][ ]合計
- 悪化要因
過去 現在
1 [ ][ ]生活や仕事に恒常的なストレスがある。
2 [ ][ ]食事の間隔が長く、食習慣が不規則、無計画になりがちである。
3 [ ][ ]職場や家での人間関係に不満がある。
4 [ ][ ]定期的に運動をしていない。
5 [ ][ ]果物を沢山食べる。
6 [ ][ ]生活の中に楽しい活動が不足している。
7 [ ][ ]自分の時間の使い方が殆ど自由にならない。
8 [ ][ ]塩分の摂取を抑制している。
9 [ ][ ]歯茎・歯の感染症や膿瘍がある。
10 [ ][ ]不規則な時間に食事をする。
[ ][ ]合計
- 緩和因子
過去 現在
1 [ ][ ]ストレスの強い状況が解消されれば、ほぼ直ぐに調子が良くなる。
2 [ ][ ]規則正しい食事をすれば、症状の重症度が和らぐ。
3 [ ][ ]友達と夜に出掛けて過ごした後は、調子が良い事が多い。
4 [ ][ ]横になれば、気分が良くなる事が多い。
[ ][ ]合計
判定:
「貴女は、副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)?」
回答した質問の数が多ければ多い程、副腎疲労度は高くなります。
回答数が、男性は26個以上、女性は32個以上あれば、その質問に対して記入した重症度に関わりなく、貴女の副腎はある程度のお疲れ様状態にあると考えるべきです。因みに、HISAKOは9個でした。
「重症度はどれ位?」
合計点が40点未満なら、副腎は元気モリモリか、万が一疲れてたとしても気のせいじゃない?って無視出来る程度のお話。因みに、HISAKOは25点で、副腎は幸いにも元気モリモリみたいです。
合計点が、男性44~87点、女性45~88点なら、副腎が軽度のお疲れ様状態。
男性88~130点、女性89~132点なら、中等度の疲労。
男性130点越え、女性132点越えなら、重症な疲労持ちです。
「徴候や症状の重症度の指標」
合計点を、回答した質問の総数で単純に割って下さい。
1.0~1.6なら軽症、1.7~2.3なら中度、2.4以上は重度です。
「良い方向に向かいつつある? それとも奈落の底に一直線?」
過去と現在の合計点を比べてみましょう。現在の合計点が過去のよりも高ければ、それは奈落の底に一直線? 手を早急に打つ必要があります。
臨床検査
唾液ホルモン検査
最も優れた臨床検査として挙げられるのが、この唾液ホルモン検査(美容通信2010年12月号)です。
特に、唾液による副腎ホルモン(コルチゾール)濃度の日内変動の測定は、副腎疲労の兆候や症状を裏付ける為に極めて有用で、殆どスクリーニング的に行われる検査です。測定するのは1日に4回。①(目覚めてから1時間以内の)コルチゾール濃度が最も高い午前6~8時の間、②午前11~12の間、③午後4~6時の間、そして、④午後10~12時の間の4回です。
一般的には、折角唾液を採取するので、一緒にDHEAsの濃度も一緒に測定しちゃいます。副腎は、前述の通りDHEAsの主要な供給源です。なので、副腎疲労ではコルチゾールだけが下がるなんて事は殆どあり得なくて、多くはDHEAsの低下を伴います。DHEAs濃度は、副腎内の性ホルモンを産生する領域(網状帯)の機能を直接示す指標になります。
因みに、テストステロンとDHEAsの濃度は、生物学的連例を示す最も信頼性のある指標とされています。もし貴女のテストステロンとDHEAsの濃度が、一般的なその年齢の基準範囲を下回っていれば、老化が年齢以上に進んでしまった婆って事です。これにコルチゾール濃度の低下も加われば、完璧に副腎機能の慢性的な低下の烙印を押されます、ね(笑)。
HISAKOが以前受けたホルモンの唾液検査のデータです。覚えていますか? ははは、副腎疲労はないですが、完全に生物学的には年齢以上に婆化が進んでいますね。
その他のあんまり有用性が高い訳じゃないけど的な検査
- 24時間尿中コルチゾール検査
ホルモン産出量が所謂正常範囲の下1/3なら…、まあ、機能低下を疑うのもありかな。唯、一番大事な日内変動が分んないので、ねぇ。
- 血液検査
日内変動は当然の事ながら不明。血液検査では血液中を循環しているホルモン濃度のみで、組織内のホルモン濃度や組織が潜在的に利用出来る量は分んないのも欠点。
- ACTH負荷検査
副腎の予備能力を測る検査で、ストレスに即連動するものではありません。
副腎疲労からの脱却
生活習慣
一番問題と成り得る生活習慣は、睡眠。最低限のお約束は夜の十時半までには、何としてもベットに入って寝ろ!なんですが(笑)。追加のアドバイスとしては、昼間でも、頭がぼんやりしたり、疲れた感じがあれば、素直に15~30分横になってシェスタを貪りましょう。
副腎疲労を来してる人の不眠には、幾つかの理由があります。
1:00AM~4:00AMの間に、目が覚めたり、悪夢に魘されたり、睡眠が断続的なんて症状に悩まされる場合は、一種の低血糖発作を起こしている可能性が高いとされています。予防方法は、就寝前の軽食です。量はいりません。蛋白質や未精製の炭水化物、良質の脂肪を含む軽食を、ほんの一口二口食べるだけで十分です。例えば、ピーナッツバターを塗った全粒パンのトースト半分とか、チーズ一切れを載せた全粒クラッカーとかですかね。
夜間のコルチゾール濃度は高過ぎても、低過ぎても、睡眠障害が起こります。唾液検査を就寝前と、夜中に目覚めた時と、朝目覚めた時の3回採取して、正常値と比較します。低過ぎる人は、就寝前の運動で、濃度を上げる作戦を! 高過ぎる人は、就寝前にリラクゼーションや瞑想ですかね。
サプリメントとしてのメラトニン
メラトニン(美容通信2010年9月号)を就寝30分前に飲む事で、正常な睡眠パターンを確立し易くなります。是非お試しを!
食べ物
副腎がストレスに反応する際には、細胞の新陳代謝が促進され、十分な栄養素がないととてもこれに対応が出来ない。つまり、しっかり栄養を取らないと治んないぞ!って、当たり前の事なんだけど、この当たり前が出来てない人が兎に角多いんだよね。基本的考え方は、栄養療法そのまんま(美容通信2007年3月号)。腸内細菌を労われ(美容通信2014年1月号)、遅延性の食物フードアレルギー(美容通信2012年9月号)を起こさないように色んなものを喰えなんですが(笑)。
そして、忘れがちなんだけど、食べる以上、どう食べるかも大事な話。
起きてからご飯を食べるまでの時間が、開き過ぎるのも問題になります。栄養のある朝御飯を食べるのは当たり前として、少なくとも朝食は午前10時以前には食べる事が鉄則。食欲が如何こうの次元の話ではありません。
昼飯は、正午の時報の前に食べる。遅めの昼食なんて論外とは言いませんが、早ければ早い方が○。だって、朝食の栄養は体がすぐに使い切っちゃうので、次の補給が必要だから。11時~11時半が、本当はゴールデン昼食タイムなんです。
オヤツ(軽食)は午後2~3時に。
夕食は午後5~6時。
最後の〆は寝る前に、質の良い軽食を二口。
お腹が空き過ぎたり、低血糖の症状が少しでもあれば、それは即ち、食事の間隔が開き過ぎ!って、体からの督促状なんです。即行、甘い物は避けて栄養のあるものを食べるのは緊急回避行動としては評価出来るけど、本当はそうならない様に、前倒しでお八つタイムを確保して下さい。
これ、食べてはいけない!
不適切な食品は、ほんの少しであっても食べるべきではありません。代償があまりにも大きいから、ホント。
- お砂糖と精白粉製品(美容通信2011年4月号)
詳しくは、前述のドクター・ペッパーの戦略を読んでね。
- チョコレート
他でもない、チョコの奴隷に成り下がるのは、何故か? 実はこれは、単に体がMgを欲しているからなんです。特に生理前にチョコが無性に食べたくなったり、月経前症候群を患っている女子は、Mgがプロゲステロン(美容通信2010年8月号)の産生に密接に関連しているので、兎に角欲しくなるんです。謂わば、体の知恵みたいなもん。でも、チョコにはカフェインやカフェインに似た物質であるテオブロミンも沢山含まれているので、弱ってる副腎を、マジ、甚振っちゃうんです。性ホルモンの微調整は副腎のお仕事ですから、副腎が疲労すると、幾らチョコにMgが含まれていたって、月経前症候群は酷くなります。
解決策としては、排卵時期(月経周期の初日から数えて12~14日後)から次の生理が始まるまで、Mgのサプリを飲むなんていうのもありです。多くの場合、Mgのサプリを飲み始めて1~2週でチョコへの欲求が減り始め、十分な摂取量が確保されるようになると症状はかなり軽減されるんだそうです。試しておくんなまし。昆布やアーモンド、カシュ―やその他のナッツ類、ゴマ、全粒小麦、豆etc.のMgの多い食い物も良いですよ~ん。
- 硬化油(水素添加された油脂、トランス脂肪酸等)と半硬化油
硬化油とかぁ半硬化油って言われてもピンと来ないかも知れませんが、使い勝手の良さを追求するあまりに、化学変化を強要されちゃった(笑)油の事。植物性ショートニングとかマーガリン、市販のピーナッツバターなんかに含まれてます。これ等の水素添加をした脂肪は、スーパーやデパ地下、コンビニ等のお惣菜を含む食品のほぼ全て!、そして居酒屋やレストラン、定食屋等々で提供される料理にも多く含まれています。これでもか!これでもか!って感じで、世の中に溢れています。ところが、こ奴らは、体の正常な脂肪酸の代謝を妨げるので、こんなもん食べてると、当たり前だけど脆弱な細胞膜や神経鞘にしかなれません。
- 揚げ物は喰うな!
”硬化油(水素添加された油脂、トランス脂肪酸等)と半硬化油”の章と重複すると思われがちだけど、実はオマケが凄いんです(笑)。天ぷら屋だって、五反田の東急のお総菜売り場の揚げ物コーナーだって、硬化油や半硬化油を使っています。ここまでは周知の事実。ところが、これらの油は、おうちでちょろんと二人分のコロッケを揚げるのと違って、常時高熱に保たれ、再利用されます。つまり、硬化油や半硬化油だけでも×印なのに、有害なフリーラジカルによるオマケまで漏れなく付いてま~す。
- ファーストフードとジャンクフードは大敵盛り沢山
正に盛りだくさん。これ等の食品は、精白粉、砂糖、硬化油のどれかならまだしも、全部が満載しているなんてザラ。原料は殆ど栄養価を持たず、その代わりと言ってはなんですが、人工着色料や香料、保存料たっぷり入っています。例え栄養素が入っていたとしても、長時間の保存の間に抜け落ちてしまっているのがオチ。ジャンクフードに至っては、果たして食べ物と分類しても良いのか…、良心的に大いに悩まざる得ないなんて代物もあります。体の生化学反応に混乱を来し、デブ化するは、血糖値の乱高下に振り回され、インスリンの噴出!後の暗澹たる気分に陥るは、もう踏んだり蹴ったり状態になるのが目に見えてるんですけどぉ。
- アレルギーと過敏症のある食べ物は…、当たり前だけど食べちゃいけない。
即時型は誰だって避けると思うけど、遅延型の食物アレルギー(美容通信2012年9月号)はその存在にすら気付いてない人が多いだけに、結構、悪なんだよ~ん。
- 無性に食べたくなる物、それは止めておけ!
無性に食べたくなる物。それは食い物であれ、男であれ、それは危険信号と思いましょう。少なくとも食べ物に関して言うと、食物の遅延性のアレルギーか低血糖症、又はその両方が拘わってるから欲しいんです。そんな物喰えば、当然副腎には多くのストレスが掛かってしまいますよ~ん。
これ、飲んではいけない!
副腎がちょっといかれちゃってる人は、何度も繰り返しになっちゃうけど、カフェインを含む飲料やコーラが無性に欲しくなるもんです。カフェインは副腎を過剰に刺激するので一瞬は元気モリモリになった気がするけど、カフェインが切れると、元の木阿弥どころか、頑張っちゃった分だけ疲労感が更に酷くなるって、正に自分の首を絞める典型的な飲み物。だから、人は、憑物に付かれたかの様に、コーヒーをがぶ飲みし、ついでにチョコだとかお煎餅だとアイスだとか、ロクでもない物をついでにオヤツと称して食し、一日をなんとかやり過ごしてる…。
- カフェイン
コーヒー、紅茶、チョコレートには、カフェインだけでなく、テオブロミンって名前のカフェインもどきが入っていて、これもまた、カフェイン同様に副腎の敵! ノンカフェインと称している物も避けておくんなまし。そして、コーヒー豆を焙煎して挽いたら、もうその瞬間からコーヒーに含まれる油の酸化が始まっているのです。この酸化した油は、細胞内の酸化を著しく促進する。つまり、老化が飛躍的に進行するって意味です、はい。
- アルコール
アルコールは、白砂糖よりも遥かに精製度の高い、何の栄養素も期待出来ない炭水化物です。血糖値の乱高下振りは、他の追随を許さない(笑)。
- ソフトドリンク
コーラや他の炭酸飲料も十把一絡げ的に排除して下さい。全てに砂糖、人工甘味料が漏れなく入っているし、大抵はカフェインだって入っている。
- 牛乳
悩ましい面もあるのは確かだけど、何だかんだでマイナス面の方が多いとされるのが牛乳。
マイナス面①:牛乳には大量のラクトース(乳糖が含まれているんですが、白人の約50%、黒人の90%、東洋人のほぼ全員!が、乳糖不耐症なんだとか。
マイナス面②:牛乳には結構な量の糖分が含まれているので、牛乳をコップ一杯飲むって行為は、砂糖菓子を幾つも食べるのと同じ位に、血糖値を乱高下させちゃうんだよ~ん。
マイナス面③:牛乳の蛋白質(カゼイン)に対するアレルギー持ちは意外に多い(美容通信2012年9月号)んです。
- ジュース
果汁や果実飲料は分量に拘わらず、性悪。そりゃあ、たまには、カフェで出されたら誰だってクレーマーに豹変するであろう位に凄く薄めたジュースとか、雀の涙程の少量を飲む分には、まあ良しとはしますけどね(笑)。それでも、早朝や副腎疲労の症状が出ている時は、ジュース厳禁ですけど。特にオレンジジュースは副腎に意地悪って話は有名で、恐らく濃縮された果糖や外皮に付着した大量の殺虫剤が原因じゃないかなんて言われています。
あっ、野菜ジュース! フレッシュな野菜ジュースは、体にとって優れた栄養素がたっぷり入っているので○なんですが、缶や紙パックの市販の野菜ジュースは、殆ど野菜としての栄養素が既に失われていて、単に野菜風味の砂糖水に堕しているので×。
食物アレルギーと過敏症(美容通信2012年9月号)(美容通信2014年1月号)
サプリメント
基本的考え方は、栄養療法そのまんま(美容通信2007年3月号)で~す。足りない栄養素は、食事じゃ無理なら、サプリメントで補充せよですよねぇ。
アドレナルガード90
効率良く副腎疲労をサポートしてくれるサプリメントが、アドレナルガード90。後述の抗ストレスホルモンであるDHEAと併せて、飲んで下さい。①副腎機能をサポート、②ストレスマネジメント、③コルチゾールサポート、④エネルギーサポートの4つのサポートをしてくれる超便利物です。お仕着せだろうなんて意地の悪い事は、言いっこなしですよ(笑)。
フィロルガ4 in 1
細胞再生注射(美容通信2015年1月号)は、特効薬だと思います。撚れてる副腎をダイレクトに補修してくれる訳ですから、一番理に叶ってるから。でも、副腎を虐める行動を続けながらでは、話にもならないけど。勿論、DHEAはご一緒にがお約束ですが。
ホルモン補充(美容通信2010年9月号)
- DHEA
- 米国では栄養サプリメントだし、日本ではホルモン剤として扱われるグレーゾーンがこのDHEAです。採血や唾液検査の上処方しますが、ニキビが出来易くなる女の子もいるので、嫌われる事も多いですが、何と言っても由緒正しい抗ストレスホルモン有用性は高いのは事実かな。
- プロゲステロンとプレグネノロン
- プロゲステロンとプレグネノロンは、卵巣や精巣だけでなく、副腎カスケード(代謝経路)に於いても製造されるホルモンで、その後DHEAに変換されます。両者は、DHEA以外にも、性ホルモン、アルドステロン、コルチゾールを含む幾つかの他の副腎ホルモンに変換されるので、体の節理(神のか?)が要求するままにって丸投げも意外に良い選択肢です。特に、副腎疲労の場合、性ホルモンの濃度を十分に保つ事が難しいので、その作用の一つとされる抗酸化作用が発揮出来ず、みすみす組織が酸化的損傷を受けるのを放置する羽目に。つまり、げっそりと老ける…。
- 甲状腺ホルモン
- 副腎疲労の約80%の人が、甲状腺機能低下の症状を併せ持ってるのは有名なお話。足りなきゃ、補いのが一番さ。
*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。
※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。
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