ビタミンD欠乏と花粉症、そして風邪、インフルエンザ…。

201303image2 ビタミンDは長らく、”カルシウムのホメオスターシ”スや”骨量の維持”に必要なビタミンとしか考えられていませんでした。
 ところが最近になって、ステロイドホルモン様の鋭い切れ味が自慢の免疫調整ホルモンである事が判明し、花粉症や蕁麻疹、アトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患の治療、風邪やインフルエンザの予防、癌の治療及び再発予防等に効果がある事が分って来ました
 しかしながら、ビタミンDの100~90%は紫外線照射によって体内で合成される為、殆どの現代人ではビタミンD不足の状態に陥っているとされています。

ビタミンDについて特集を組もう組もうと思いつつ、漸く、花粉症(美容通信2005年3月号)のピーク前に掲載が間に合いました。
 花粉症、ホント、辛いですよね。保険の診療では、精々、抗アレルギー薬とかステロイドと言った、対症療法しか処方出来ません。まあ、たまには、漢方薬(美容通信2006年7月号)を出す事もありますが、これでは症状はある程度は抑えられても、完全にブロックは出来ませんし、当然根本的には治りません。
 HISAKOのクリニックでは、花粉症に対し、ボトックスの滴下(点鼻)療法(美容通信2011年5月号)や栄養療法(美容通信2007年3月号)(美容通信2011年4月号)(美容通信2010年6月号)、高濃度ビタミンC点滴療法(美容通信2008年11月号)、プラセンタ注射(つぼ注射を含む)(美容通信2009年2月号)(美容通信2009年4月号)、オゾン療法(美容通信2011年8月号)、スーパーライザー(美代ぷ通信2007年12月号)、腸内細菌叢の改善(美容通信2012年8月号)、遅延性食物アレルギー(美容通信2012年9月号)、キレーション(美容通信2006年11月号)の治療等の自費診療も行っています。今回、新たな花粉症状改善法の1つとして提案したいのが、ビタミンDのサプリメントの服用です。ビタミンDは、ビタミンって接頭語が付いていますが、実は、ステロイドホルモン様の鋭い切れ味が自慢の、免疫調整ホルモンが、”ビタミンD”なのです。

 以前の美容通信美容通信2010年12月号でも触れましたが、HISAKOのビタミンDの値は最悪でした。2010年11月の時点で、Vit.D3が15(32~100‥健康の為って意味では50~80が推奨される)ng/mlと、無茶苦茶、アホみたいに低かった。繰り返しますが、確かに一日中陽の当らないクリニックに棲息しているし、飲む(美容通信2012年10月号)し、塗る(美容通信2004年11月号)しと日焼けをしない様にがっちりガードはしているのは事実だけど、流石にこれは光老化(美容通信2003年7月号)(美容通信2003年8月号)が怖くて止められない(笑)。実際、先進国人口の約4割の人が、自覚のないまま、ビタミンD欠乏症に掛かっていると言われています。そんな訳で、HISAKOも極力、ビタミンD3(美容通信2009年12月号)たっぷりの鮭201303image3.jpg(でも、マスは…そう言えば食べてない。最後に食べたの、思い出せない位前だ…)を食べて、飲む日焼け止めにも、1カプセル当り5μg(=200IU)と微々たるものとは言え含有しているタイプの商品の服用を心掛けてたんですけどぉ、先日、採血してみたら…、28.3ng/mlでした、ははは。まあ、前よりマシだけど、こんな程度の心掛けじゃあ、こんな程度の濃度が関の山なのでしょう。
今年は花粉(スギ)がぎょうさん飛ぶって予報が出ているし、ヤバいって、マジで焦ってます。アレルギー性疾患の蔓延にビタミンD欠乏症が大いに関与しているって話は、クリントン元大統領の強力な後押しもあり、今アメリカで一番ノリに乗ってる機能性医学って分野では、当たり前田のクラッカーなのですから。

 註:当たり前田のクラッカー([前田製菓])(Wikipediaより一部抜粋)

前田製菓は、1962年(昭和37年)から1968年(昭和43年)までテレビ放映され、人気を博したコメディ時代劇『てなもんや三度笠』(朝日放送/ABCテレビ制作・TBS系列放送)のスポンサーとしても知られる。主力商品の「ランチクラッカー」は、『てなもんや…』主演の故・藤田まことが番組のオープニングで“俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー!”というフレーズを発しながらカメラに差し出すコマーシャルで人気商品となった。同番組のエンディングでは、子供役の白木みのると父親役の原哲男が商品を紹介するコントもあった。現在は、テレビ・ラジオでの宣伝活動はおこなっていない(ただし「あたり前田のクラッカー」というフレーズは、現在も商品のパッケージや会社のウェブサイトなどで使用されている)。…それ故に、こち亀の「当たり前田の缶コーヒー」も、缶コーヒーワンダの國村隼部長の「 あたり 前田 敦子ちゃん 」も、HISAKOの様な団塊世代の大人女子にとっては、超懐かしフレーズなのです、はい。

次世代医療と注目の”機能性医学”って、何?

 1990年にJeffrey Bland博士が提唱した概念で、今時の主流の医療では治らずに慢性化してしまう疾患を、ITの情報統合力で再構築し、これを臨床応用する事で、根治的に治療するものです。
例えば、バイ菌に感染しても、化膿止めの薬を飲めばとっとと治りますよね。ところが、花粉症の様な慢性疾患は違います。抗アレルギー薬を飲めば、取敢えずは鼻水は治まりますが、薬が切れれば、再び鼻水が垂れ流し状態に戻ります。抗アレルギー薬は、抗生物質の様にバイ菌を殺してしまうお薬ではない、つまり根本的な原因を治すものではなく、単に症状を抑えるモノでしかないから、薬が切れれば、原因が取り除かれていないので、再燃して当然です。これを対症療法と言うんですが、根本的な治療にはなり得ません。
 花粉症の様な慢性疾患を根本的に治す為にどうしたら良いのか…。これを片田舎の医者が一人でシコシコ研究したところで、問題が解決する事は「殆ど」、「全く」と言って良い程、不可能です。ですが、ITの情報統合力を使えば、膨大な片田舎に散在する勝手気儘な研究を容易に統合出来るので、科学研究の効率が劇的にUP。これが、”機能性医学”です。

201303image7 もっと平たく言うと、はじめ人間ギャートルズは園山俊二原作のギャグ漫画で、”神様が酔っぱらいながら作ったのが人間であり、原始時代に戦争・略奪・強姦が繰り返されているという描写であり、結果、神様が目を離している隙に文明を発達させた人類は滅びてしまった”ってお話で、恐らく実際の原始人の社会も似たり寄ったりで、ユートピアだったかと問われると、絶対そんな訳はないと思うし、あんな生活を強要されるのは、真っ平御免です。ですが、私達人間が悠久の歴史の中で、環境に合わせてどんな進化の経過を辿って来たのか、その過程で確立した代謝経路とはどの様なものなのか、つまり私達人間の体の設計を理解した上で、ブレを修正していく方が、現代医療の主流である”目の前の症状を取り敢えず薬で抑え込む”、所謂”対症療法”より、ず~っと自然で、確実な治療法ですよね。
 今から約600万年前の、ゴンの更に祖先である猿人の頃から、サバンナで灼熱の太陽の下で暮らす=紫外線に当たる事でビタミンDを合成する代謝経路が確立され、元々は肉食獣のお余りを食していた程度だったのが、遂に約250万年前から”輪切りの肉!?”を本格的に食する肉食系のギャートルズ時代に突入します。農耕の痕跡が発見される1万年前から、漸く穀物を食するようになりました。つまり、肉食生活は250万年なのに対し、穀物食の歴史は1万年しかないんです。ビタミンDの代謝に関しては、充分な日光浴と、不足分を肉食で補う様に体の設計がされちゃってるんです。ところが知恵が付いた分、現代人は、「日焼けは真っ平御免」。主食は肉じゃなくて、米とか小麦とかで穀物で、環境に合わせて悠長に確立した代謝経路と、始めっから前提が違いところで生きています。ビタミンDのみならず、ビタミンAや蛋白質欠乏、糖質・炭水化物の過剰摂取と、ゴンやドテチン達の頃と生活環境が激変しているのに、代謝はこの変化に付いて来ていないのが現状です。この解離こそが、現代病の大きな原因の一つと考えられています。”機能性医学”とはこの解離を改善する為に、ITの力を借りて、世界の英知を再結集!再構築!し、最新の研究に基づいて病気を根本から理解し、治療する方法です。
201303image8 クリントン元大統領の”機能性医学”に対する肩入れはアメリカではかなり有名な話だそうで、心臓病に、パーキンソン病と、満身創痍の状態で余命半年と宣告されながらも、孫の顔見たさで、藁をも掴んでいるんじゃないかってちょっと意地の悪い見方もあるみたいですが、まあ、”機能性医学”って言葉を世に知らしめた功績は大ってところでしょうか(笑)。病気の診断に重きを置き、対症療法に終始しがちな従来の”古典的な医療に見切りをつけざる得なかった彼の心情は、そのまま世の中の”機能性医学”への流れでもあるのです。

 この”機能性医学”の分野で最近盛んに取り沙汰されているのが、ビタミンDです。

ビタミンDの代謝

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 ビタミンDは食事からも摂取されますが、実はこの経路は少数派で、主には、皮膚に紫外線B波(UVB)が当たる事によって、コレステロールを原材料として生合成されています。
 右の図を見て下さい。
 合成されたビタミンDは血中に移動し、肝臓で主流派の25(OH)ビタミンDとなり、肝臓や脂肪細胞に備蓄され、血中濃度に応じて放出し、安定的な供給をサポートします(←まるで、黒部ダムみたいだぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)。
 更に25(OH)ビタミンDは、必要に応じて、腎臓で生理活性の強い活性型1.25(OH)ビタミンDに変換されます。この1.25(OH)ビタミンDなるものは、微々たる量しか存在してなくて、25(OH)ビタミンDの1/1000位。血液中のカルシウム濃度を調整する事がお仕事なので、体の恒常性維持のメカニズムにより厳密に管理されていますから、体内のビタミンDの過不足を判定するツールとしては不適切。25(OH)ビタミンD濃度で測定します。
 因みに、腎機能低下時に測定する1.25(OH)ビタミンDの検査は、健康保険の適応がありますが、25(OH)ビタミンDにはありません。それ故に、一般的にビタミンDの血中濃度って言うと、「ああ、あれ(1.25(OH)ビタミンD)ね」となっちゃうんですが、1.25(OH)ビタミンDの値では、全くもって体のビタミンDの過不足を示す値とはならないので、悪しからず。

a009icnコレステロールは、アンチエイジングの母だ!「郡山スタディ」とは、2004年に東海大学の大櫛陽一教授らによってなされた研究発表。”健常な日本人は、血中のコレステロールが高くても、5年死亡率は増加しない。寧ろ、総コレステロールが180mg/dlを下回って来ると、5年死亡率が有意に上昇していく”って内容で、世界中の医者連中が驚愕、正にこれまでのコレステロール悪玉説を覆すものでした。
 大櫛教授によると、「薬でコレステロールを下げても、心臓血管病での死亡率は下がらない。心筋梗塞後の再発予防を目的とした薬の投与も有効ではない。LDLコレステロールも同様に、健常人の心筋梗塞のリスクマーカーとしては有効ではない」のだそうです。
 HISAKOも知らなかったんですが、そもそも、コレステロール=悪玉説は、LDLコレステロールの血中濃度の調節が出来ない代謝異常の病気”家族性高コレステロール血症”の患者さんを、コレステロールと心筋梗塞の統計を取る際に対象集団に入れてしまった、つまり母集団の選定ミスにより生じた説なんだそうです。”家族性高コレステロール血症”とは、500人に1人と、罹患者が多い遺伝性の病気で、LDLコレステロールの血中濃度が高く、血管にLDLコレステロールが溜まって、心筋梗塞を非常に効率で発症します。コレステロール値は健常人の2倍ほどあり、患者さんの約60%が心筋梗塞で亡くなります。これは一般人の10倍の発症率に相当します。大櫛教授は、この統計上の問題を正し、事実からの乖離を証明しました。
 大櫛教授の論文が発表された翌年のアメリカのアンチエイジング学会では、講演の医者達は、こぞって手のひらを返したように、”コレステロールはアンチエイジングの母だ!”と連呼していたんだとか(笑)。コレステロールは細胞の構成成分と言うだけでなく、細胞がエネルギーを作る為に必須なCoQ10、ビタミンD、性ホルモン、抗ストレスホルモン(コルチゾール)の原料でもあるんです。寧ろ、低過ぎる事が問題なのです。
 因みに、コレステロールは、80%が肝臓で合成され、20%が食事由来のもので、その血中濃度は食事の内容で殆ど左右されないんです。卵を1個食べても、6個食べても殆どコレステロールの値に差はありません。

ビタミンD欠乏で、クララは”くる病”になった。旭山動物園の象の花子も、”くる病”になった。

image536 ”アルプスの少女ハイジ”のクララがビタミンD欠乏症だった事は、今では広く知られていますが、19世紀末、クララの住む大都会フランクフルトは工業化が著しく、工場から絶え間なく排出される煤煙が厚く垂れ込めて、日光が遮られた状態でした。その為、ビタミンDの生成に必要なUVBが到達出来ず、クララは単に色白の女の子ってだけではなく、ビタミンD欠乏による”くる病”を併発し、車椅子の世話にならざる得ない羽目に陥っていたんです。先にビタミンDの代謝でも触れましたが、ビタミンDが欠乏すると、カルシウムとマグネシウムの欠乏が起こります。下腿の変形とそれに伴う筋力低下は、必然の結果なのです。そして、あのクララのつんけんした性格…、あれも、ビタミンD欠乏によりカルシウムとマグネシウムの慢性欠乏が続いていた為に、神経興奮が安定せず、性悪な小娘になっていただけで、彼女の本質的な性格じゃなかったみたいですね。それが証拠に、日光、つまりビタミンD合成に必要なUVBが照射されるアルプスのハイジ山小屋で生活するうちに、心身共に可愛い本来のクララに戻れた訳ですから。
 クララはハイジとの山小屋生活で計らずともハッピーな結末を得ましたが、多くの工場労働者の子供たちは長らく”くる病”で苦しみ続けました。漸く1921年になり、「くる病は、日照不足で起こり、治療にも日光浴が有効である」と証明され、1930年代からはビタミンDを牛乳等の食品に補強する事と、日光浴が推奨されるようになり、その結果、”くる病”は激減しました。
 しかしながら、過ぎたるは猶及ばざるが如し。1950年代に入り、イギリスでは、小麦等に対するビタミンDの添加が過剰に行われていた時期があり、高カルシウム血症等のビタミンD中毒が報告され、一転、添加に規制が掛かる様になりました。ビタミンD過剰症の症状は、嘔気(吐き気)、嘔吐、食欲不振、便秘、頻尿、口渇(喉の渇き)、失見当識、体重減少etc.で、カルシウムやリンの血中濃度の増加、血管や腎臓、関節の石灰化、腎不全です。しかしながら、実際問題として、ビタミンDの過剰症が起こってしまった症例は、製造ミスで数100倍の濃度のビタミンDを加えてしまった製品(2万5000IU/日等)を連用した事故の報告のみで、通常のサプリメントの摂取量(2000~4000IU/日)で中毒が起こった報告はなく、成人で1万IU/日の摂取で有害事例を報告する論文もありません。ところが、日本の厚生労働省の発表しているビタミンDの推奨摂取量は、未だに”くる病にならない為のカルシウム出納に基づいた摂取量”なので、成人で220IU/日のままです。実は、後でも詳しく述べますが、この値はビタミンD研究の専門家が推奨する量の1/10以下に過ぎないのですが…。

ビタミンDは、実は免疫調整ホルモンだった!

 世の中のビタミンDに対する興味関心は、くる病の減少と共に急激に褪せ、殆ど話題に上がる事も長らくありませんでした。ところが、1980年頃から、ビタミンDの作用は、カルシウムのホメオスターシスや骨量の維持と言った古典的な生理機能にのみ留まるものではない事が分って来ました。潮目が変わったんです。もう一度、ビタミンDの代謝の図を見て下さい。殆どの体中の細胞には1α水酸化酵素が存在していて、細胞内でビタミンDを活性化します。核内受容体に結合したビタミンDは、細胞の正常な分化、異常細胞の細胞死誘導等の、色んな遺伝子の発現に関与している事が分って来たのです。実に、ヒト遺伝子の3%は、ビタミンDの制御下にあるんだそうです。今では、ビタミンって接頭語(笑)が付いていますが、実態はビタミンDの作用の多くが遺伝子を介した反応である為、栄養素と言うよりはホルモン様物質として考えられています。

ビタミンDの古典的な生理機能

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  • 腸管でのカルシウムマグネシウム、リン吸収の促進。
  • 腎臓からのカルシウム喪失抑制と、副甲状腺を介した、血中カルシウム濃度の維持。
  • 骨形成や骨のカルシウム、マグネシウムの吸収の円滑化。

近頃注目されているビタミンDの新機能とは

 最近になって、「ビタミンDは、体中の細胞が正常な分化と機能維持に必要なホルモン様物質である」って事が、広く知られる様になって来ました。これは、腎臓によるカルシウム調節に関わるビタミンD活性化と異なる系なので、そんなに大事じゃないって言ったら語弊はあるかも知れません(笑)が、実際、血中の25(OH)ビタミンD濃度が低いと、腎臓以外の優先順位の低い組織・細胞達、つまり前立腺や乳腺、大腸、肺、β細胞、免疫細胞にはお余りが回って来ず、細胞内での様々な活躍に支障が出しまいます。それ故に、近頃になって漸く、厚生労働省が推奨する”くる病にならない為のカルシウム出納に基づいた摂取量”レベルでは、全然お話にもならない!って事で、25(OH)ビタミンDの血中濃度維持の重要性、至適値の考え方が見直されつつあります。

①細胞分化誘導

正常な細胞への分化を誘導する。つまり、発癌の抑制って事ですなぁ。

②免疫担当細胞の調整

リンパ球等の免疫担当細胞にもビタミDの受容体があるので、当然ながら、ビタミンDの欠乏により、免疫のバランスが崩れてしまうと、異常な免疫反応が起こってしまいます。花粉症がその最たるものですが、他にもリウマチや多発性硬化症、Ⅰ型糖尿病等の自己免疫疾患、アトピー性皮膚炎、喘息等のアレルギー疾患の発症や増悪にも関与しています。

③血圧上昇ホルモン分泌の調整

血圧上昇の原因となる腎臓で作られるホルモン”レニン”の分泌上昇を、ビタミンDが抑制します。

ビタミンDと関連する病気には、こんなものがある。

 ビタミンDの臨床効果は、骨折予防や骨粗鬆症改善を始めとして多岐に亘っていますが、最近では抗癌作用、自己免疫疾患の緩和や動脈硬化性血管疾患、糖尿病等の所謂生活習慣病の予防効果も期待されており、抗加齢医学の分野に於いても、極めて重要なビタミンの1つとして注目されています。HISAKOのクリニックでも、下記の1つでも思い当ったら、ビタミンD濃度測定を薦めています。

  • インフルエンザを予防したい。
  • 花粉症が気になる。
  • 癌の予防や治療。
  • 血糖コントロールが不良。
  • 骨粗鬆症を予防したい。
  • 鬱病、統合失調症である。
  • 自閉症、発達障害である。
  • アルツハイマー、パーキンソンが気になる。

 ”機能性医学”は、ITの力を借りて、世界の英知を再結集!再構築!が大前提なので、論文は絶対大事ですよね。欠伸が出ちゃうかもしれないけど、エッセンスだけは載せときます(笑)。

各種アレルギー疾患の治療として

 花粉症美容通信2005年3月号や慢性蕁麻疹美容通信2006年4月号、アトピー性皮膚炎美容通信2007年4月号、脂漏性皮膚炎(フケ症・頭皮湿疹)美容通信2004年9月号等のアレルギー性疾患に対し、そんじょそこらのステロイドホルモンも顔負けの、超鋭い切れ味が売り。唯、大量に飲まないと駄目なんですけどねぇ。

風邪やインフルエンザの予防(美容通信2008年11月号

 image631ビタミンDには、耐糖能を改善する働きがある事が分って来ています。
 ビタミンDは、ヒト単球に於いて抗菌作用に関与するんです。つまり、抗感染作用があるんです。何でかと申しますと、ヒトの単球にTLR2/1Lを添加すると、抗菌ペプチドであるカテリジンが増加します。カテリジンには、最近・ウィルス等の感染を抑制する作用があるんですが、ビタミンDは、このTLRを活性化し、細胞内カテリジンの産生を亢進する等の作用があるんだそうです。(lir PT 2006)

 日本で6~15歳の子供334人に対し、半数にビタミンD(30μg=1200IU)のカプセルを投与。残りの半数に偽薬を投与した。その結果、ビタミンD入りのカプセルを摂取したグループのインフルエンザ発症率は10.8%と、ビタミンD投与無の18.6%の約半分まで減少した。又、同時に、喘息の発症率も有意に低下させた。)(Urashima2010)

癌の治療、再発予防として

 高濃度のビタミンC点滴療法(美容通信2008年11月号)、BAK療法(美容通信2012年2月号)、オゾン療法(美容通信2011年8月号)等の定番の癌の補完療法を含む、癌の治療、再発予防の他、化学療法と併用として。ビタミンDは、癌のリスクを軽減させる事が出来ると言う事が、色んな研究で分って来ました。ビタミンDの体内での状態を表す指標である25(OH)ビタミンDの濃度が高い方が、癌のリスクが低いと言う結果が出ています。
 因みに、ビタミンDと関係する癌と言われているものは、下記の通り。
 大腸癌・乳癌・前立腺癌・膀胱癌・食道癌・胃癌・卵巣癌・直腸癌・腎臓癌・子宮体癌・子宮頸癌・胆嚢癌・咽頭癌・口腔癌・膵臓癌・非ホジキンリンパ腫・ホジキンリンパ腫

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  • 25(OH)ビタミンDの濃度が20ng/ml以上ある人は、20ng/ml未満の人に比べ、大腸癌や乳癌、その他の癌全般の発症率が30~50%少ない。(この数値は、毎日1000IUのビタミンD摂取を行っている時の濃度に相当する。(Garland 1989,2005/Holick 2005)
  • 25(OH)ビタミンD濃度と大腸癌リスクの関係(Gorham ED 2007)
  • 25(OH)ビタミンD濃度と大腸癌のリスクを分析すると、25(OH)ビタミンD濃度レベルが最高のグループは、最低のグループに比べて大腸癌のリスクは約50%低い事が明らかになった。
  • 25(OH)ビタミンD濃度と乳癌リスクの関係(Gorham ED 2007)

201303image425(OH)ビタミンD濃度と乳癌のリスクを分析すると、25(OH)ビタミンD濃度レベルが最高のグループは、最低のグループに比べて大腸癌のリスクは約50%低い事が明らかになった。

  • 閉経後の女性に、カルシウムを1400~1500mg/日とビタミンDを1100IU/日を、4年間摂取させたところ、偽薬投与群に比べ、全癌発生率が60%減少した。(Lappe 2007)。
  • 前立腺癌患者に対して、2000IU/日のビタミンDを21か月摂取させたところ、腫瘍マーカーのPSAが50%減少した。(woo 2005)

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  • 癌による死亡者数と血中ビタミンD濃度の関連研究では、ビタミンD濃度が高い方が死亡者数が少ないと言う結果が出ている。(D. Michal Freedman 2007)

精神疾患領域の治療

 特に季節性の鬱とか、発達障害に良いみたい。

糖尿病…そして、勿論、ダイエット(美容通信番外編~肥満治療)にも!

インスリン抵抗性(美容通信2011年4月号)(美容通信2010年3月号)(美容通信2010年4月号)の改善。

  • 血中ビタミンD濃度が高い群は、低値群と比較して、Ⅱ型糖尿病のリスクが64%低い。(Pittas AG 2007)
  • ビタミンD2000IU摂取により、Ⅰ型糖尿病発症リスクを88%抑制出来た。(Hypponen E 2001)
    • フィンランドの子供は、ベネズエラの子供の400倍Ⅰ型糖尿病になり易い。
    • フィンランドの乳幼児10,000人を対象の研究。

高血圧症の治療

  • 高血圧患者の約9割を占める本態性高血圧(原因がはっきりわからない高血圧患者)に、紫外線ランプでUVBを、6週間に亘って週3回照射した。血中の25(OH)ビタミンDの値が162%上昇し、収縮期・拡張期血圧が共に6mmHg低下した。(Krause 1998)

長寿になるかも

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  • 肥満のアフリカ系黒人にビタミンDを2000IU/日摂取させたところ、摂取していない群と比べて、テロメアーゼ(=細胞分裂の回数券と言われるテロメアを伸ばす酵素)の活性が上がった。つまり、長生きしちゃうかも!?(Zhu H 2011)
  • 欧米人で、25(OH)ビタミンDを21ng/mlから44ng/mlに上昇させると、ビタミンD欠乏関連疾患での死亡率が20%減少し、全体として2年は長生きするだろう。(Grant WB 2011)
  • 血中ビタミンD濃度が低い群では、死亡率が1.26倍上昇する。(Arch Intern Med,11 168,1629-1637,2008)
    • 13,331名、8.7年の追跡調査。
    • 死亡率に影響する19因子を調整した後の値。
  • ビタミンD投与により、全死亡率の7%低下する。(Arch Intern Med,2007)
    • 18のRCTのメタ解析。
    • 癌、血管障害、代謝障害等への作用による。

透析患者の生命予後も改善します!

  • 透析患者の生命予後を改善する。日本透析医学会からの報告によると、77,486名の透析患者で、活性型ビタミンD投与によって、死亡リスクが24%低下した。
  • ビタミンD投与は透析患者の心血管死亡リスクを下げるが、これは、年齢や性別、DM有無、透析歴、投薬、血清Ca濃度、血清P濃度、PHTと関連が認められない独立因としてである。つまり、良く分んないけど、直接作用しているらしい。

ビタミンDの至適量

採血で、血中の25(OH)ビタミンD濃度を測定し、過不足を判定します。序でに、関連する病気付き♪

    • ~20ng/ml 重症な欠乏症!

~10ng/ml お話にもならない。
~15ng/ml くる病のリスク増加。
~20ng/ml 大腸がんの発病リスクが75%増加。

    • 20~30ng/ml 所謂、欠乏症って奴だね。

骨破壊が進行、骨粗鬆症進行。
傷の治りが悪くなる。
筋痛の発症率が増える。
関節痛、腰痛の発症率が増える。
鬱、統合失調症の発症率が増える。
糖尿病の発症率が増える。
偏頭痛の発症率が増える。
自己免疫疾患、アレルギーの発症率が増える。
子癇の発症率が増える。

    • 30~50ng/ml 取り敢えずは、欠乏症とは言わないってだけの値。正常値とも言う。

~34ng/ml 心筋梗塞の発症率が2倍に増加。
~36ng/ml 高血圧の発症率が上がる。
~40ng/ml 多発性硬化症の発症率が3倍に増加。

    • 50~80ng/ml 健康の為にって意味で推奨される、理想的な値。至適値。疾患のリスクが最小限になるのが、この範囲内とされています。

50ng/ml~ 乳癌の発生率が1/2に減少。固形癌の発症率が低下。

  • 80~100ng/ml 癌患者の、癌の成長速度が遅くなる。
  • 100ng.ml~ ビタミンD中毒症状の発生率が増える。つまり過剰って事です。
  • 150ng/ml~ 毒性あり!

 成人の場合、1日1万IU以下の摂取では、副作用の報告はありません日本の厚生労働省が発表している、ビタミンDの推奨耐用摂取上限(不確定要素が重なっても、有害事象がなく安全であるとされる量)は、15歳以下で1日2000IU(0~2歳は1000IU)です。
因みに、大人男子の場合、1日3000~5000IUのビタミンDが体内で消費されるそうです。

200505image374臨床的には、スギ花粉症や通年性の慢性鼻炎を患っている鼻水族に、ビタミンDを2000~4000IUを内服してもらうと、30分~1時間で鼻通りが改善します。唯、飲み始めの頃は、大してその効果が持続する訳ではなく、精々4~6時間程度。それでもストーカーも真っ青のしつこさで朝晩2000IUづつ飲み続けると、まあ、3ヶ月位は掛かるんですが、肝臓や脂肪に徐々に貯蔵される事で血中濃度が安定し、それと共に症状の波も消えて行きます。症状が改善してしまえば、1日2000IUで維持するのが、一般的かな。何時飲むのかって? 別に食事の影響を受ける代物ではないので、何時でも好きな時にどうぞ服用下さい。

ビタミンDの生成には紫外線は必要だが…、光老化は嫌だ!

 紫外線は、悪です。光老化の原因です。シミやシワの最大の原因になります。単なる見た目での問題だけではなく、皮膚癌の原因にもなるのです。…これ、現代社会の常識です。1980年代以降、皮膚科学会組織やWHO(世界保健機構)は、直接日光に当たらない事を推奨し続けた結果、”紫外線は、悪”と言う概念が完全に定着しました。HISAKOも完全な刷り込み(洗脳!?)をされた形成外科医ですから、今更、「ビタミンDの為に日焼けをしろ!」と言われても、殆ど拷問としか思えない(笑)。とても恐ろしくて、絶対、すっぴんで屋外になんか出られません。
 そんな世の中ですがら、世界中の、例えそれが赤道直下のお国であったとしても、国民の30~80%はビタミンD欠乏に陥っていると言われています。ビタミンD研究のパイオニアであるマイケル・ホリック博士は、その著書の中で、オーストラリアの皮膚科医のビタミンD血中濃度を測定したところ、全員がビタミンD欠乏だったと述べています。

そうなると、「日焼けは死んでも嫌だ」けど、「免疫力の低下も、癌も、花粉症も、糖尿病も、動脈硬化も、鬱も…、皆、嫌だ!」なんてHISAKOの様な欲張りは、どうすれば良いのでしょう? 確かに、飲む日焼け止め(美容通信2012年10月号)には、1カプセル当り5μg(=200IU)のビタミンDが含有されています。因みに、日本の厚生労働省の発表しているビタミンDの推奨摂取量は、未だに”くる病にならない為のカルシウム出納に基づいた摂取量”なので、成人で220IU/日。つまり、飲む日焼け止めで紫外線をクロックしても、食事を考慮に入れなくても、推奨摂取量はほぼクリア出来るって設計です。唯、これではお話にならない量ですから、サプリメントで補うしかありません。
 食べ物からって手もありますが、実際問題、中々これは難しいんですよね。食べ物由来のビタミンDは物凄く少なくて、一般的に体が必要とするビタミンDの90~100%はUVBによる皮膚合成によって賄われているのが現状です。食べ物から、例えば、花粉症の症状が著しい時は、前述の通り、4000IU/日のビタミンDの処方を行う事が多いのですが、この量を採ろうとすると、アンキモなら100g、生シイタケなら5Kg必要です。ビタミンDには、茸類に含まれるビタミンD2と、魚等の動物に含まれるビタミンD3があるんですが、人体に対しては、ビタミンD3はD2の約3~4倍生理活性があるんです。アンキモ100gと聞くとオェ~っと吐き気がしますが、生シイタケ5Kgを食するより未だマシですものね。

では、百歩譲って、光老化を許容出来ても、充分な量のビタミンDを生成出来ないレベルしか日光(紫外線)を浴びてない、多くの現代人はどうすれば良いのでしょう? やはり、サプリメントの助けは必要です。
日光に当たると、紫外線が皮膚のコレステロールを変化させる事によって、ビタミンDが作り出されますがぁ、これが又、意外と大変。ハワイ在住でお日様の下で活動する習慣がある人々について、ビタミンDの血中濃度を測定した研究者の報告によると、「平均して週に28時間以上は紫外線に当たっているぜぃ。」と、ワイルドさを強調した93人の大人達でさえ、平均値が31.6ng/ml。研究に協力してくれた人々の51%、つまり半数以上は、ビタミンD欠乏の目安である30ng/mlを下回っていたんだそうな。ホント、あんれまぁって結果ですよね。

201303image16 夏場正午頃、東京都内で直射日光に30分間当たって、700~800IUのビタミンDが体内に作られるそうです(肌の露出度10%の場合)。ですが、注意をしなければいけないのは、紫外線のうち、ビタミンDを生成するのはUVBで、これは洋服やガラス、プラスチックを通過出来ません。つまり、半袖にショートパンツかミニスカートって露出度の高いセクシー系のお洋服で、勿論、生足。ガラス越しにはNGで、直接お日様が燦々と降り注ぐ場所で、それも一番太陽が高く昇るお昼前後の日光浴が大前提。日焼け止めを塗るなんて、UVBをブロックしてしまうので、当然論外です。これに日照が少ない緯度に住んでいる場合や、季節によってはさらに不足するので、これ等の条件も考慮に入れなければなりません。…つまり、ビタミンDが豊富に含まれた内臓ごと肉食していた頃の、はじめ人間ギャートルズ的な生活をこの東京で送れれば、問題ないのでしょうが、ねぇ(笑)。

 あ、日焼けを少しでもビタミンDの生成の足しにしたいと願う人々へ、補足をしておきましょう。

  • 小麦色に焼けた肌は、寧ろ皮膚のメラニン色素が紫外線をブロックするので、黒人同様、色白さんよりもビタミンDの生成が悪いんです。日焼けはほどほどにして下さいね。
  • 又、爺婆になると、皮膚でのビタミンDを生成能力は、ガクンと下がります。70歳代の皮膚でのビタミンD合成能は、20歳代と比較して25%に減少しているんだそうです。実際、アメリカやイギリスでは、爺婆の大腿骨骨折の原因の30~40%は、ビタミンD欠乏によるなんて研究報告もある位。怖いですね~ぇ。
  • デブは、脂肪細胞がビタミンDの囲い込みをしているので、何をやっても血中濃度が上がり難い。

ビタミンDのサプリメント

 臨床的には、ビタミンD1000IU当たり、血中濃度が10ng/ml上昇すると言われています。肝臓や脂肪に徐々に貯蔵され、3ヶ月程度で血中濃度は安定します。
具体的には、ビタミンD血中濃度が40ng/mlを下回っている場合、4000IU/日を服用し、3か月後に血中濃度を測定します。目標値に達した時点で、2000IU/日の維持量に切り替えます。どうしても、採血は嫌だ!ってな場合は、先に花粉症の例で挙げた様に、症状が軽減、安定するまで4000IU/日を続け、その後2000IU/日で維持が一般的です。
 日光浴の習慣のない人が、単に健康維持目的にって言うのなら2000IU/日が目安とされています。

因みに、骨粗鬆症の治療の際処方される活性型ビタミンD(1.25(OH)ビタミンD)は、25(OH)ビタミンDの1/1000と微量なので、これでカルシウム代謝以外の恩恵を期待するのは、土台無理な話です。悪しからず。

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*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

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