HISAKOの美容通信2006年4月号
蕁麻疹(じんましん)
花見、何処に行きましたか?(←本当はこの原稿は半年以上前に書き上げてしまったので、今年の花見情報は当然見当が付かない! だから大ボケこいてるかも) 今年もHISAKOは、インド大使館でやってる桜祭り目当てに、千鳥が淵に遠征する予定です。昨年、偶々、東京を代表する桜の名所が九段の靖国神社近くの千鳥が淵と初めて知り(←田舎者なので‥、へへ)、そうなると居ても立ってもいられないのがHISAKOの性分。早速地下鉄乗り継いで出掛けました。九段下で、東京中のインド人が集結しているのでは?との光景に遭遇し、地上に上がればスパイシーな匂いに誘われ、カレーにナン、サモサ、タンドリーチキンetc.と、何時しか目的が桜から桜祭りに変質してしまったHISAKO。
‥おおっと、今月の特集は”蕁麻疹(じんましん)”だった! 辛いものは、幾ら美味しそうでも、蕁麻疹の人はダメですよ。早く治して、思う存分食べに行こうね。
これって、蕁麻疹? 神の啓示じゃありませんか?
―うちの13歳になる娘のマリアについて、みのもんた様にお尋ねします。親の私が言うのもなんですが、マリアは幼い頃から非常に信心深く、何時もばあ様のおイチと、ロザリオを数えてはお祈りを口ずさむ子供でした。小学校を卒業した年に、女になりました。一家でお赤飯を炊いてお祝いをしたので、良く覚えています。半年ほどしてからでしょうか、月のものを迎える度に、体に蚯蚓腫れの様な、でも、白っぽいんですよ、十字架が現れる様になりました。ばあ様は、マリアは爪なんぞ立ててない、エス様のありがたいお言葉だと涙を流しております。村の診療所の先生が言われた様に、これは単なる蕁麻疹なのでしょうか? 神の啓示の間違いではないのでしょうか? (電話相談:46歳、信仰心に厚い田舎のおばちゃん)
貴女は、この質問に対しどう答えますか? ”神の啓示? そんな訳ないだろ! 単に、そいつは嘘吐き女で、人工(機械性)蕁麻疹かなんかじゃね~の?”
蕁麻疹とは、蚊に刺された様にぷっくりと盛り上がった、そして死ぬ程(←言い過ぎか‥)痒い膨疹が出来て、それが繋がり、地図の様にジワジワと拡大する現象です。尤も、あくまでもこれは一過性のもので、幾ら鬼の様に沢山出ようとも、夫々は2,3時間で、まあどんなに長くても1日あれば消えてしまいます。要は時間差攻撃なので、おマセな子はおマセなりに早く、奥手な子はデビューが遅いだけに遅くまで残ります。真ん中からしぼんで、珊瑚礁と言うか輪っかになって、消えて行く‥。一般には、これらは皮膚の比較的浅い所でのお話で、毛細血管が開いて、皮膚の組織が水脹れになった状態です。ですが、時には皮膚の深い所~皮下組織でも同じ様な現象が起こる事も。”血管神経性浮腫”。だから、表面上皮疹が無い!なんて蕁麻疹もありです。
蕁麻疹も時には全身性に出現し、ショック状態になる事もあります。その他、腹が痛くなったり、喉が腫れて息苦しくなったり、声が枯れるなんて症状が出ちゃう事も。‥侮る無かれ!
馬にも蕁麻疹
蕁麻疹は人だけの病気じゃなくて、馬にもあります。毛でブツブツが隠れていても、痒いって言えなくても、蕁麻疹は蕁麻疹です。HISAKOは学生時代、大学の近くのばんえい競馬場でバイトしてました。でも、道産子の蕁麻疹には気付かなかったなぁ‥。酷くなると、お熱が出て、ご飯も喉に通らず、興奮しまくりになるそうです。まあそこまでなちゃったら当然欠場で、競馬場自体にすら来れなかったとは思うけど、軽症なのは廊下で擦れ違ってかもしれないのに分らなかった‥?
原因は色々。外的な要因としては、イラクサや虫刺され、薬物(‥ドーピング検査って、馬もあんのか?)の刺激って言われてます。内的なものとしては、アレルギー。その他、便秘、腸粘膜が爛れているetc.消化器症状も悪さの原因。
噂によると、チャネル諸島には、何と自分のお乳(カゼイン)に対するアレルギーで蕁麻疹を起こしてしまう可哀相な牛さんがいるとか! え? チャネル諸島を知らない? じゃあ、グーグルででも検索して!
蕁麻疹の出来やすい人は、踏んだり蹴ったりの話しですが、花粉症にもなり易く、コンビニ袋やハンドバックで簡単に赤くなったり腫れ上がったりします。更には、普通は痒くなんかなりえない毛嚢炎やニキビでも、”痒~い!”なんて事も。‥。
日本では4週間以上(欧米では6週間以上)続く蕁麻疹を、”慢性蕁麻疹”と定義します。その前に治っちゃうのは”急性蕁麻疹”だよ~ん。何で日本の定義が欧米と違うのかは、知りません。お隣の韓国や中国ではどの様な定義をしているのかも、勉強不足で知りません。(これは、日本独自の美学によるものなんでしょうか? ‥三島由紀夫:1970年11月25日市ヶ谷陸上自衛隊東部方面総監部に至り、自衛隊の覚醒と決起を促すも果たせず、「天皇陛下の万歳」を三唱して古式に習い割腹自決しました。HISAKOは、小学校の高学年の頃三島美学に無茶苦茶傾倒し、授業中は教科書の代わりに三島の本をおおぴらに読んでた(←先生には当然怒られた‥でも、鼻先で笑って、完全に無視した‥今思うと、超可愛くね~ガキだったに違いない)し、彼の命日には喪服着て学校に行ってました。やはり、日本の美学の真髄は、三島にあり!)指令:蕁麻疹のメカニズムを解明せよ!
殆どの蕁麻疹の原因は、ヒスタミン♪ ヒスタミンは、化学伝達物質で、簡単に言うと、色んな組織に色々なシグナルを伝えてくれる物質ってとこでしょうか。例えば、皮膚の小さな血管(毛細血管)に作用すると、血液の血漿成分が血管の外の組織に漏れ出し易くなって、組織が水脹れ(=腫れる)てしまいます。血管自体も腫れる(=拡張)するので、赤くなります。蕁麻疹の見た目はこれで完成ですよね。その他にも、ヒスタミンは知覚神経に働きかけて、痒みも起こします。
う~ん、蕁麻疹もそうなんですが、結構メカニズムは複雑。患者さんの中には、薬を飲めば治る・何かを食べなきゃ治るとか、単純に考えてる人が多いの。でも、実際はそうじゃないのよね。色んな要因が複雑に絡み合っている‥。正しいイメージを持ってもらうのが、治療の第一歩。それには、私達の身の回りで考えてもらうのが一番! てな訳で、蕁麻疹のイメージキャラクターちゆちゃんの登場です。
秋葉原に芸能プロダクション・OTAKUがありました。所属の人気アイドルのちゆ12歳が、男の子との萌え萌え写真が週刊誌に載り(=抗原の流入)、プロダクション(=マスト細胞)は対応におおわらわ。マスコミ各社に、”ちゆには、今付き合っている男の子がいます。相手は何分にも極く普通の小学生!ですので、皆様も徒に騒ぎ立てず、温かくこの小学生カップルの交際を見守ってくださいね。”とFAX(=ヒスタミン)を送りまくりました(=脱顆粒)。FAXを受けたあるTV局(=毛細血管)は、特番で”小学生の性教育”について放映しました(=血液の血漿成分が漏れ易くなる)。その番組を見た良識の塊とも言うべきPTA軍団は、”義務教育期間中の性行為は法律で禁止すべき”と騒ぎました(=皮膚がボコボコに腫れる、膨隆する)。また、小学生を対象にしたある月刊誌(=毛細血管)は、”目指せ、ちゆ♪ ほのぼの小学生カップル・スナップ写真大募集!”って特集を組みました(=毛細血管の拡張=赤く見える)。一躍アキバ界隈から全国区に娘の名が広まったのはちゆのお父さんにとっても喜ばしい事ですが、流石にお父さん(=知覚神経)も、会社まで連日マスコミ陣が押し掛けるので、少々ノイローゼ気味(=痒い)。‥一枚の写真の流出に端を発して、日本列島が大騒ぎ。ですが、人の噂も75日。メディアのちゆに対する関心は日に日に低下し、終には誰の口にも上らなくなりましたとさ。‥蕁麻疹も、幾ら鬼の様に沢山皮疹が出ようとも、2,3時間で、まあどんなに長くても1日あれば消えてしまいます。
指令:蕁麻疹の原因を突き止めよ!
ヒスタミンは、普段はマスト細胞の中に引きこもって、怠惰に睡眠を貪っておりますが、何か切欠があると家の外に出て来ます。例えば、上の図(”図説・蕁麻疹のメカニズムを徹底解剖!”の様に、家の中に催涙弾を撃ち込む(=抗原が流入)と、ちゆちゃん(ヒスタミン)は泣きながら家の外に飛び出して来ます。これがアレルギーによる蕁麻疹です。始末が悪い話しですが、慢性蕁麻疹の中には、自分で自分の体のマスト細胞を突っ突いてヒスタミンを放出させちゃう‥誠に自虐的な性格の自己抗体が原因になってる事もあるとか。名付けて、催涙弾型蕁麻疹。医学的には、”免疫学的機序による蕁麻疹”と言う。
唯、蕁麻疹にはアレルギーによらないものもあります。ドアが開いていたので、何となくふら~っとちゆちゃんが出て来る‥。このドアの締りを緩くする物or者には、後述の様に、サリチル酸誘導体、ある種の造影剤、麻酔のお薬なんかがあります。名付けて、夢遊病型若しくは何となくふら~と型蕁麻疹。医学的には、”非免疫学的機序による蕁麻疹”と言う。
さあ、原因を解明する前に、ちょっとちゆちゃんのお家の中に入って、頭を整理してみましょう。(←意地悪?)
ちゆちゃんの乱雑なお家で、却って頭が混乱した? でも、今時の女の子としては特にちゆは散らかし放題って範疇には入りません。‥さあ、指令通り、原因を除去して下さい。‥おおっ、戸惑ってますね。この中の一つだけが蕁麻疹の原因だとしても、貴女は確信を持ってそれを排除出来ますか?
教科書的には、皆さんも何となく予想と言うか常識の原因、例えば、食べ物、お薬、埃、花粉、細菌やウィルス感染、物理的刺激、内臓の病気、精神的ストレス、遺伝性異常etc.の多くのものが、考えられますよね。例えば、貴女の蕁麻疹の原因が食べ物、アップルパイだとしましょう。アップルパイがIgE(アレルギーの元になる蛋白)を介して蕁麻疹を起こす(笑! アップルパイ抗体がある訳ね~だろ。アップルパイの何? 小麦? リンゴ? 卵? ミルク?)場合と、アップルパイの中に含まれる,、例えばジャムには安息香酸化合物が、リンゴにはサリチル酸化合物が多く含まれており、これらはヒスタミン遊離物質やヒスタミン様物質なので、その為に蕁麻疹が惹起されてしまった場合があります。
更に、食べ物に関して言えば、普通、原因となる食べ物を食べたら蕁麻疹が出ますよね? でも、中には、単に食べただけじゃ出ないけど、食後に運動すると蕁麻疹が俄然出現!なんて事もあるんです。例えば、お昼休みに、近くのイタ飯屋さんのパスタ・バイキングで、意地汚く腹十二分目に喰いまくった(=食いだめ?)としましょう。昼休みも残り僅かなので、猛烈にダッシュして会社に戻った途端、蕁麻疹がぶわ~っと出る。このタイプは往々にして、気持ちも悪くなるし、下手をすると失神と言ったショック症状を伴ったりもするんです。小麦(グリアジンって名前の蛋白成分らしい)や魚介類と言った特定の食べ物が、犯人のようです。‥って事は、シーフード・パスタは危険とか?
それに、嫌な事を言うようですが、原因は一つだけではない可能性だってありますよ。
‥蕁麻疹の治療の難しさは、ココなんです。物事には必ず原因がある。それを取り除けば、必ず治ります。でも、その原因を特定する事自体が、物凄く難しいんです。一般的には、急性蕁麻疹では食べ物やお薬、感染何かが原因として多いし、慢性蕁麻疹では物理性蕁麻疹が多いとされてはいます。‥ですが、慢性蕁麻疹に至っては、何と70~95%の患者さんの原因が不明!って統計が出ているくらい‥。
‥‥‥‥‥‥ん。
さあ、頭と心が十分に動揺した所で、基本に戻って、教科書的を開いてみましょう。教科書は何時だって詰まんないものですが、頭を整理するには役に立ちます。
IgEアレルギー性蕁麻疹
アレルギーによる蕁麻疹。まあ、蕁麻疹界の顔、若しくは横綱。蕁麻疹のお話は、殆どがこの蕁麻疹を前提にしています。
コリン性蕁麻疹
発汗刺激で出る蕁麻疹。 交感神経節後線維の興奮によってその汗線支配神経の終末からアセチルコリンが放出され、良く分んない(=解明されていない)過程を経て、マスト細胞からヒスタミンが遊離されて起こるらしいです、はい。アトピー疾患との合併がしばしば認められ、本症とIgEアレルギーとの関連が考えられてます。10~30代、殆どは20歳前後の若者が被害者! 運動や入浴、温かい食事や温かい部屋に入って体が温まったり、感情的に興奮したりした時が危ない。汗の掻き始めも、危険。ピリピリした痛みと同時に、体の中心部に特徴的な、周辺に紅暈を伴った針先の大きさから4mm大の点状の膨疹なんですけど、これが出る。顔や手足にも出はしますが、体の真ん中の方が部位としては多いかな。まち針型蕁麻疹と、HISAKOは勝手に呼んでいる。一過性の血圧低下、腹痛、嘔気、頭痛などの症状を伴ったり、運動誘発性のアナフィラキシーを起こす事も。
物理的蕁麻疹
色んな物理的刺激で、マスト細胞からヒスタミンが強制的に放出されて、挙句蕁麻疹になるらしい。牛の乳搾りを勝手に連想してしまうHISAKOは何?
例)寒冷蕁麻疹
冷たい飲み物を飲んで、唇や舌に蕁麻疹が出る!なんて事も。カキ氷は喰えない‥。
その他、温熱蕁麻疹・日光蕁麻疹・人工蕁麻疹(機械性蕁麻疹)・発汗性蕁麻疹・圧迫蕁麻疹etc.
接触蕁麻疹
HISAKOは、実験用のヌードマウスの尻尾が腕に触れただけで出る。だから、学位を取るのは命懸けだった‥。でも、今思うと、ネズミ嫌いと言うより、単に知恵熱の一種だったのかも(笑)。
血管性浮腫(クインケの浮腫)
お岩さん型蕁麻疹と、HISAKOは勝手に呼んでいる。瞼や唇、陰部なんかの皮下、粘膜下組織が、突発的に、浮腫る! それだけじゃなくて、痒~い、痛~い、熱る事も。遺伝的な原因(常染色体優性遺伝)の事もあり、一筋縄ではいかないものもあるかな。
自己免疫性蕁麻疹
Greaves先生によると、原因不明の蕁麻疹の60%がこれらしい‥。
教科書は実に明快に原因を分類してくれちゃってはいますが、原因検索の旅は困難を極めるかも‥。でも、めげずにGO!
具体的には、食べ物や花粉etc.で多くの標準抗原液を使って、皮内テストやプリックテストします。これは、犯人との直接面通しみたいなもの。血を取って、原因(抗原)に対する抗体(特異IgE)を調べる方法も簡単です。これは、謂わば、現場に残された指紋みたいなもの。でも、これらはあくまでも状況証拠にしか過ぎません。つまり、これらの結果が陽性に出たからといって、今回の蕁麻疹の原因とは限りません。前の蕁麻疹の原因であって、今回の原因とははっきり断定が出来ないんです。
じゃあ、確定診断ってど~するんだ? もう一度、蕁麻疹になって頂きます。原因となる抗原で症状が再現される事が確認されて、初めて確定診断が付いたと言います。蕎麦アレルギーなら、命懸けで蕎麦を食べて頂きましょう。寒冷蕁麻疹なら、冷凍庫に入って頂きましょう。まあ、所謂おとり捜査がこれに相当します。‥これらが道義的に許される行為かどうかは、別にして‥。
(←本当の負荷検査や誘発検査は、そんなに過激ではありません。悪しからず)
生活指南
まあ、蕁麻疹から足を洗いたければ、悪い事はしないに越した事ありません。
原因探しの旅に出よう。
原因がなくて、蕁麻疹になんかならない。でも、何が? ‥それが分れば、苦労はありません‥。何と、慢性蕁麻疹の7割から9割5分が原因不明! 食べ物以外にも、食品添加物とか、埃とか、虫歯とか、薬とか、ペットの毛とか、出来の悪いフレッシュマンとか、紫外線とか‥、色んなものが原因としては考えられるけど、犯人の首根っこ捕まえるまでには至らない‥。多分貴女の蕁麻疹は、2時間サスペンスの様に、色々な要因が複雑に絡み合っての結果と言うか必然なのでしょう。でも、迷宮入りさせない為にも、どんな時に出易いかを蕁麻疹日記に記載しておきましょう。意外な盲点が見つかるやも知れません。
太郎君の蕁麻疹日記:- 4月1日
新入社員が配属された。野々村部長が、訓示と称して、親父ギャグを連発。ムカついた。蕁麻疹が出た。 - 4月2日
新入社員は学生気分が抜けない。腹が立ったが、我慢した。パンツのゴムが妙に痒いと思ったら、蕁麻疹が出ていた。 - 4月3日
歓迎会。鮪が食べ放題・飲み放題で1500円。喰った。飲んだ。明け方、蕁麻疹で痒くて目が覚めた。掻きまくったら、一瞬だけスッキリした。後は地獄だ。 - 4月4日
オカマの日。二日酔なのに、朝から新人のミスを得意先に謝りに行った。冷や汗だらだら。昼飯は、駅のホームで15食限定の海軍ガーリックライスカレーを食べた。案の定、蕁麻疹が出た。 - 4月5日
ピカピカの晴天。正に、接待ゴルフ日和、花粉日和。あのゴルフ場、杉林の中にあるんだよな‥。まあ、温泉に入って、ビール飲めば、花粉も流れる、なんちゃって。‥淡い期待は裏切られた。今日の蕁麻疹は酷い。痒い。耐えて寝るしかないと思うが、眠れない。虫歯まで痛い気がする。 - 4月6日
寝入りばなに、三佳の奴が電話を掛けてきた。どうして日曜日に逢えないのかと喚きたくった挙句、別れるとほざいた。勝手にしろ。‥早朝、喘息発作で目が覚めた。体中、真っ赤だ。それなのに、三佳の言葉だけが辛い。結婚考えてたんだ、本当は。バカヤロ~!!!!!!!!! - 4月7日
酒の飲み過ぎか? 健康診断で肝臓が悪いと言われた。これも、半年以上俺を苦しめ続けている蕁麻疹と関係があるのか?
原因かも♪が見つかったら、皮内テストや血液検査をしてみましょう。でも、注意しなければならないのは、結果が陽性でも、必ずしも原因の特定には至らないって事。つまり、貴女が重症のスギ花粉症でも、花粉が飛散していない時は症状が出ないでしょ? 採血をすれば、抗体はバリバリ出ている=陽性でも、花粉にまみれてこそ症状が出るのです。‥だから、原因検索は難しい!
回り道をしても、原因は避けて通る主義。
貴女の蕁麻疹の原因が、戸越銀座商店街の草履屋さんの看板犬チャオちゃんなら、超回り道にはなるけれど、百反通りを通って石黒さんのお店(←またまた御近所ネタですが、昔ながらの飴屋さん。良い仕事してます!)で飴を買って帰ろう。でも坂をずっと下りてぺチャラット(後述)でタイ料理を食べて帰るのは止めましょうね。蕁麻疹が酷くなる‥。
アスピリンやその他の解熱鎮痛剤の服用は、即刻中止して下さい。
アスピリンの内服後に蕁麻疹が出たり、症状が悪くなるなんて、良~く耳にする話。鼻炎や喘息もアスピリンで誘発されたり‥。世の中、通称”アスピリン蕁麻疹”なるものが存在し、この傾向のある人は、不幸にしてアスピリン以外の消炎鎮痛剤やタートラジンetc.の人工着色料でも、なっちゃうとか。
原因は良く分んないけど、アレルギーじゃないみたい。つまり、アレルギーの原因物質の爆撃放火を受けたマスト細胞が、怒りにまかせてヒスタミン爆弾を炸裂させるんじゃないって事。イメージとしては、ちょっと汚くなっちゃうけど、下痢っぴ猫ちゃんのお尻の穴。締りが緩~くなって、ヒスタミンを垂れ流しし易くなるって感じかしら。プロスタグランジンEは、謂わばお尻の穴を締めておいてくれる肛門括約筋みたいな存在なんですが、これをどうもアスピリンは抑制しちゃうみたいなんです。汚いですね、ははは。
アスピリンだけ注意すれば良いってもんじゃなくて、アスピリンもどきは世の中に一杯! じゃがいも、胡瓜、胡椒、トマト、林檎、グレープフルーツ、メロン‥。食べないに越した事はない、と思います。(←じゃがいも、メロン、トマト、林檎‥北海道の特産品じゃないか!)
これを食べなくたって死にやしない。‥だから、きっぱり止める‥のかぁ。
原因で多いのが魚介類、特に海老、鯖、鰯、鮪が危険とは言われていますが、個人差は大。HISAKOは、鮪で連続2回、酷い蕁麻疹になりました。(ハワイで1回目、帰国して3日後に同僚の送別会で2回目‥。やばいかなぁって気はしてたんだけど、口に負けてしまった食い意地の張った私‥。) もしかして?と疑わしきは、罰する主義に徹しましょう。でないと、後悔しますよ。血液検査したって結果が出るには最短でも4,5日は掛かる訳ですから、パカパカその間も食べてたら、弱り目に祟り目。話にもなりません。
食品に含まれる着色料や防腐剤と言った添加物は、蕁麻疹の原因のみならず、蕁麻疹を起こし易くすると言われています。コンビニ弁当&外食至上主義とはこの際きっぱり縁を切って、素材重視で、お家ご飯党に。勿論、お昼も愛妻弁当♪持参しましょ。
因みに、起こし易くする食品及び添加物には、こんなものがありますよ!
- アゾ色素を含む食べ物
キャンディ・キャラメル等のお菓子(キャンディと言うと真っ先に思い出すのが、この。サクマのドロップスもどきのカラフルな色が特徴で、柔らかなラム素材のキャンディ型のバックは、手頃な値段もあって日本でも大ブレイク。HISAKOもご多分に漏れず、わざわざ資生堂の本店まで買いに行ったもんなぁ‥。まあ、バブル前のお話ですから、知らない人も多いかも。うちの受付さんは、バブルは教科書で習ったと言ってたぐらいだし‥)、クラッカーやケーキ、缶詰類。
- 安息香酸化合物を含む食べ物
- サリチル酸化合物を多く含む食べ物
大酒飲みは返上して、断酒生活しましょ。勿論、辛いものもコーヒーも×よ。
ここで改めて記載すらするのが憚られるような常識ですが、温泉を始めとして、血の巡りの良い事(=快感!)は、全て御法度なの。ホットヨガ、サウナ、マッサージetc.‥。ホットなスパイシー系も、勿論です。
例えば、酒を取るか、蕁麻疹を取るか‥。悩む話ですらないんじゃない? 断酒あるのみ。
辛いもの? 美味しいですが、いけません。トムヤムクン(御存知、海老の辛くて酸っぱいスープ)、ゲーン・キョワーン・ガイ(チキンのグリーンカレー)、ヤムウンセン(春雨サラダ)、ソムタムタイ(青いパパイヤのサラダ)‥。治ってから、ぺチャラット(←超オススメの百反通りのタイ料理屋さん♪)に行きましょう(笑)。
風邪は万病の元。蕁麻疹の元。
風邪を引いた後に、蕁麻疹が起こり易くなる‥。他の感染系の病気も然り。ウィルス性肝炎、扁桃腺が腫れちゃったとか、虫歯、蓄膿、腎炎、胆嚢炎etc.‥。その他、海外出張続きで、マイレージは溜まっても、肉体疲労の累積も鰻登り。最早ユンケルもバイアグラも効かない!(笑)とか‥、ゴルフで紫外線バリバリ浴びて、挙句温泉とビールで駄目押ししちゃったとかぁ‥。まあ、撚れている時は、弱り目に祟り目状態に陥る危険性大です。日頃から健康に気を付けてね。仕事も程ほどに、同僚に押し付けて、怠けましょう。
慢性蕁麻疹は、体調をチェック・チェック?
もう100年越しの蕁麻疹‥。まるで梅干かワインかってヴィンテージものの蕁麻疹の中には、極く極く稀に、他の病気が潜んでたりするのも事実。
例えば、C型肝炎や、胃粘膜ヘリコバクター・ピロリの感染との関連なんかが話題にはなっているけど、今の所、科学的な根拠はないとされています。だから、除菌は、蕁麻疹的には無意味! 膠原病や血管炎(慢性関節リウマチ、リウマチ熱etc.)に合併する事も多いけど、ルーチンに(=闇雲に)検査してもねぇ‥。潜んでいる基礎疾患の発掘の可能性は低いので、する必要性は?です。まあ、皆で医療費削減に貢献しますか、ははは。
掻かない。締め付け過ぎない。
蕁麻疹モードに体がなっちゃってると、ちょっと引っ掻いただけで、蕁麻疹発動! 既に動員されている場合は、暴動に油を注ぎかねません。まるで何処かの国の反日運動みたい‥。刹那的に一瞬の快楽に身を委ね、奈落の底に落ちる。それが嫌なら、もろこしヘッドでゴリゴリ掻くのは論外!と心得て下さいませ。あら、そのパンスト、フリフリのパンティも、レッドカードですよ。座る度にパンティの裾がゴリゴリ擦れて、上から履いたパンストがさり気な~くダメ押しをしてるでしょ?
あらら、圧迫もダメ。だから、貴女の腕、スーパーのビニル袋や手提げバックで簡単に赤くなったり、腫れ上がったりするんです。そこの彼女、蕁麻疹がと言いながら、ワイヤーの入った外見重視の底上げブラ(天使の進化系、通称小悪魔ブラ!)してますね。これは×! KEA工房のホスピタルブラで、そこら辺をデカイ顔(胸?)して闊歩する小娘共に、肩肘張らない大人の余裕ってものを教えてあげましょう。KEA工房は元々ブライダル・ランジェリーの会社だけに、ホスピタルブラと言えども、機能性一本槍でない所が嬉しい。クリニックでも取り扱っておりますので、是非是非、お試しを! お父さん、人事みたいに笑ってないで、貴方のソックスのゴムも、パンツのゴムもダメなんですよ。せめて下着のシャツは、パンツの中に入れましょうね。結構、服装で問題ありの人、多いですからね。
能天気に生きる。
好きな事だけして、能天気に生きる。勿論、仕事はサボりましょう。でも、どうしてもしなければいけない仕事があれば、同僚に押し付け、後輩を手足の如く扱き使いましょう。嫌いな上司の命令も、酒の誘いも、親父ギャグも、当然、み~んな無視! 直接的な原因ではなくても、少なくとも、蕁麻疹の悪化要因にはなる。
慢性蕁麻疹は忍耐の一言に尽きる。
急性蕁麻疹は、真面目で素直な子もちょっと魔が差す‥、まあ、その程度のものなので、ひと月経たずに治ります。ところが、筋金入りの慢性蕁麻疹はと言うと‥、結構治療に抵抗します。まあ、厳密に言うと、日本では1ヶ月以上続く蕁麻疹(参考までに、欧米では6週間以上続く蕁麻疹)を、”慢性”蕁麻疹って定義しているので、あたりまえですが、ひと月以上は治るまでに掛かります。根気良く、唯只管に良い子して、治療を続ければ、何時か貴女にも明るい日差しが見えて来るはず。どれ位かって? 分りません。唯、統計的には、慢性蕁麻疹の人の約半数が、1年以内に軽快!すると教科書には書いてあります。薬漬けになって下さい(←HISAKOは薬屋の手先ではありませんが‥)。
治療
原因が明確なら、原因を排除するだけの話。絶対治る。でも、慢性蕁麻疹で原因不明or自己抗体が原因(これは‥、リセット出来ない!)なら、上手に共存が目標。う~、自己抗体以外の、原因が分っても除去不可能な場合も同じです。蕁麻疹が治んなくても、症状が出ない状態が続いてくれれば良いじゃない。欲はかくもんじゃありません。これがゴールです。
日常生活を根底から見直して、清く正しく美しく生きましょう(因みに、HISAKOの高校の標語は、”シマレ、ガンバレ。質実剛健!”だった‥。関係ないですかね、ははは)。原因となる若しくはなりうるもの・増悪させる要因を見掛けたら、回り道をしてでも避けて通ろう。
そして、殆ど蕁麻疹がヒスタミンによって起こるので、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬がお約束。フツ~の蕁麻疹なら出た皮疹は半日で消えるのに、1日経っても出っ放し!なんて場合や、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬では全く動じないなんて兵相手には、葵のご印籠ならぬ”副腎皮質ホルモン(ステロイド)”に成敗して頂きましょう。こんな蕁麻疹は、マスト細胞からヒスタミンが遊離しているだけでなく、更に強い炎症が起きている可能性が高いので、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬だけでは埒が明きませんもの。頑固な慢性蕁麻疹には、H2ブロッカーの併用もありです。その他、漢方薬(ツムラNO.135茵ちん蒿湯、ツムラNO.117茵ちん五苓散etc.)に御指名が入る事もあるかな。因みに、コリン性蕁麻疹には、抗ヒスタミン剤に、精神安定剤や抗コリン剤の併用が効く事もありますかねぇ(←歯切れが悪い)。
慢性蕁麻疹でも、数ヶ月から数年の間に、約半数の人は1年以内に、気が付いたら治ってる。アホらしと思って勝手に止めると、ロクな事がない。だから、慢性蕁麻疹・サークルに入会してしまったら、目に見えた効果がなくても、そんなもんかぁ~と諦めて、根気良く飲んでもらうしか仕方がないんですねぇ。
*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。
※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。
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来月号の予告
”掌蹠膿疱症”…。
見た目で損をしていると思いませんか?
手の打ち様はあるんです。
諦めないで下さい。