HISAKOの美容通信2013年7月号
切らないフェイスリフト”3Dリフト”
切らないリフトとしては、従来のアプトスやワプトス、シルエットリフト等々のスレッドリフトが有名ですが、余りダウンタイムを好まない私達日本人にとっては、フェイスリフト手術よりましとは言え、侵襲性が高い事が欠点でした。
3Dリフトはこの欠点を補う為に開発されたリフト方法で、リフトアップと同時に、コラーゲンの産生を促進するのでふっくらとした肌をGET出来ちゃうのが特徴です。
個人的には、サーマクールやウルセラ等のレーザー系と効果が同等かそれ以上にも拘らず、何と言っても痛くないのが嬉しい♪
他のフェイシャル系の施術と組み合わせも全く問題ありませんし、ね。
切らない究極のスレッドリフト~”3Dリフト”。
…まあ、糸屋(業者)さんの謳い文句は、あまりにも誇大広告(!?)的な響きを伴いますが、この商品、今売られている3D系のスレッドリフトの中では断トツにHISAKO好みかな。引っ張り上げるのって、結構侵襲性が高いんですよ。それに比べると、この3Dリフトは日本人好みの緩いギャザーなんですよね。それに溶ける糸なので、コラーゲンの産生も期待出来ますしね。
てな訳で、今月号は、<3Dリフト>です。あ、付録で、ファインリフトも付いてます。だって今回は、HISAKOがWで挑戦しちゃいましたから(笑)。
3Dリフトに使われる糸ってこんな糸
3Dリフトの特徴を、先ず列挙してみましょう。
- 双方向性スーチャー。
- 双方向にコーンを4個づづ配置(計8個)。
- 完全吸収性。
- 外科的処置不要。つまり”切らない”って事です。
- 局所麻酔。
これじゃあ、何言ってるんだか良く分んないので、少し解説を加えますね。
糸は溶けてナンボの糸かいな。
下記が、3Dリフトの糸(のイメージ図)です。
上図の如く、両端に針が付いている溶ける糸で、双方向にコーンが4個づつ、合計8個付いています。この糸が完全に吸収されるのには、1~2年間の歳月を要します。
まあ、溶けるって事は、素晴らしい事です。糸の切れ目が縁の切れ目ばりに嘆き悲しむ向きもあろうかとは思いますが、確かに、吊り上げ(リフト)って意味では、パンツのゴム同様、溶けてなくなれば下がります。でも、パンツのゴムが、従来の多くのスレッドリフトの糸同様に未来永劫残っていたとしても、伸び切ったパンツのゴムであれば、邪魔な存在だけが増える…つまり、箪笥の肥やしにしかなりません。極論してしまえば、溶けない糸を使ったところで、精々吊り上げ(リフト)効果は1年か2年。息も絶え絶えなんて状況でもリフト効果はあるっちゃありますが、「それで良いのか、お前?」と問われると…、甚だ心苦しい次第(笑)。良い状態をキープしたければ、毎年お誕生日にではありませんが、約1年半(約18ヶ月)毎の補強糸は、必要経費として計上して頂かなくてはなりません。
なら、糸が溶ける時にコラーゲンが少しでも産生されて、お肌がプリプリになった方が、何かオマケ気分で楽しいじゃないですか、ねぇ。近頃の雑誌に付きものの付録の手提げ袋やポーチなんかと同じです。唯、強いて言えば、これ等のすぐ使える付録と違い、「お肌プリプリ」を実感するのには、1~3ヶ月と時間を要する(美容通信2004年5月号)事が欠点と言えば欠点です。お顔や筋膜に異物である糸が地道に少しづつ溶ける過程で、血管や真皮層を刺激し続ける。つまり、「傷を治す為に、もっと働かんか!!」と檄を飛ばし続ける事で、コラーゲンの産生を促すのが本体な訳ですから、機序的にタイムラグが生じるのは仕方ありません。「ゆるりと、糸が溶けてなくなってしまうその日(約1~2年間)まで、コラーゲン産生を促し続けてくれるんだぁ」と、楽しみながら過ごすのが正しい大人の処し方となります。
何故、お顔がリフトアップされるんだろう。
お仲間的には、以前紹介したハッピーリフト(美容通信2006年9月号)の進化形です。3Dリフトもハッピーリフトも、スレッドリフトに付きものの、引っ張り上げる為の所謂「固定点」がありません。これが、大きな特徴です。
固定点があると、重力のままに垂れ下がったお肉をぐ~んと引っ張り上げる力は格段に強くなりますが、あたかもポニーテールで引っ張った様な…、「如何にも、引っ張り上げてま~す♪」的な狐顔201307image2.jpgになってしまいます。それに何と言っても、固定点は側頭筋ですから、頭(側頭部)を小さいながらも切って結びつける手間が必要な訳で、その分侵襲性が高いと言うか…、ちょっとばかり過激。第一、自分で、自分に出来る施術の範囲を逸脱してしまっている(笑)、うにゃうにゃ(←何分、”HISAKOが、自分で自分にしたいモノ”がコンセプトのクリニックなので)。…まあ、好みもあるでしょうが、個人的には、そこまでリフトアップせんくても良いから、狐よりも狸の方が可愛いにゃ~ん❤と、どうしても「固定点」のない(=侵襲性の少ない)ライトなリフト系に惹かれてしまいます。
じゃあ、所謂固定点のない3Dリフトやハッピーリフトで、何でリフトアップするのかって疑問が生じるかも知れません。後述の3Dリフトの施術方法を読んでもらえれば、より理解は深まるんじゃないかと思いますが、引っ張るんじゃなくて、ギャザーを作る事で長く伸び切ってしまった紐を短く詰めるのが3Dリフトなんです。バイオコーンは、ギャザーを固定する為の待ち針だと思って下さい。
切らない3Dリフトのリフトアップ効果は、しっかり上がるフェイスリフト手術の25%程度と言われます。これは当然と言えば当然の話で、長さの違う布を縫い合わせると考えてみて下さい。ぴたっと皺が寄らない様に縫い合わせ、余った布を切除するのが、フェイスリフト手術です。3Dリフトは、ギャザーを寄せる事で何となく辻褄を合わせてしまおうって方法です。つまり、ギャザーを寄せて誤魔化せる布の量は多寡が知れているので、精々25%位のリフトアップ効果と言われる所以なのです。
上図のが待ち針と言うか、3Dリフトのバイオコーンに相当します。正しくは、360°、全方向性に対応可能な、くるくる回る円錐型のバイオコーンを、糸の結び目ががっちり固定って構造なんです。左図の通り、従来のケバケバのアプトス糸やハッピーリフトの糸なんかとは、根性の入り具合が違うのです、はい。
3Dリフトの施術方法
3Dリフトのイメージを更にしっかりと頭ん中に構築する為に、施術方法を解説しますね。
どんな顔になりたい?
基本的に3Dリフトの適応は、以下とされています。
- お顔の真ん中の皮膚の下垂。
- 頬ボリュームの減少。
- 下顎の下垂。
- 眉毛の下垂。
3Dリフトは糸を入れるって行為なので、下図の様な一般的な推奨されるデザイン図なるものは存在しますが、基本はお気の召すままアズユーライク。
先ずは、吊り上げ系(Marking by Dr. Pizzamiglioより引用改変)から、見てみましょう。
次に、日本人に人気が高いボリュームアップ系です。
3Dリフトの糸の挿入方法
基本的な糸使いを、先ずは図説致します。
3Dリフトの良いトコ、悪いトコ
そりゃあ、良い事もあれば、悪い事もあります。
良いコト、つまり利点
まあ、利点については、散々触れて来た気もしないでもないですが、端的に言うと、切らずにそこそこのリフトアップがお手軽に出来しまうだけでなく、更にコラーゲンの生成も促進されちゃうのでWで嬉しい。でも、何と言っても3Dリフトが良いなぁと思うのは、そこそこのリフトアップ効果を補ってくれるプラスαの組み合わせが可能って点でしょうか。フラクセル(美容通信2007年2月号)やレーザーピール、レーザーシャワー(リフトアップレーザー)(美容通信2013年9月号)、フォトフェイシャル(美容通信2003年5月号)等々の光やレーザー系の熱が皮膚に加わる施術は、2~3週間開けて貰えれば大丈夫。ボトックス注射(美容通信2003年10月号)(美容通信2011年3月号)(美容通信2010年11月号)やヒアルロン酸の注入(美容通信2005年8月号)は、併用する事でより3Dリフトの効果が上がります。婆むさく見える下がり眉を吊り上げるブロウ(眉)リフトは、予めボトックス注射で眉の動きを止めておいた方が効果がしっかり出易いので、寧ろ1週間以上前の事前併用がお約束位の存在です。「どうしても1本だけ!」なんて選択肢なら”顎ライン!”と絶大な支持を得ている方法ですが、よりシャープなラインを求めるのなら、顎にボトックス注射&ヒアルロン酸注入がオススメ。HISAKOの様に、馬面から(狐ではなく!)お肌プリプリの狸への進化を希望する向きは、ファインリフト(美容通信2012年5月号)なんて選択肢もあると思います。まあ、何でもあり♪って事なんです。
そして、従来のスレッドリフトは側頭筋に固定して吊り上げるでしたから、ボリュームアップ系やブルドック的なタルタルの輪郭の改善は難しかったのに対し、この3Dリフトは顔の何処にでも入れられるので、自由度が高いんです。侵襲性も圧倒的に少なくて済む。つまりダウンタイムが殆どないので、昼休みにちょろっと会社抜けてなんて言うのもありありなのです、はい。
他は…、局所麻酔で、ちゃちゃっと終わる。1本糸入れるのに掛かる時間は、5分くらいかな。顎ラインだけだと、2本だから、10分掛かんないで終わり♪
18Gって採血の時の針よりちょっと太目だけど、献血の針より細い針で、最初に取っ掛かりの穴は開けるけど、3時間位で殆ど閉じて傷は分んなくなる。オッサンみたいに厚く硬い皮膚とか、ニキビ跡だらけで硬く瘢痕状態になっているとかだと、稀に1ヶ月位ちょっと凹る事もあるけど(←救済策有!)。まあ、後述するけど、合併症らしい合併症って、それぐらいしかないのよね、ホント。
下の写真は、29歳になりたての若い男の子の施術前です。●●製薬会社の営業マンで、うちの出入りの業者さんなんですが、顔が垂れてるって言うより、ボリュームに乏しく、何か貧相(笑)。「未だに嫁はおろか彼女が出来ないのは、その貧相な顔の所為だ!」と、やや強引とも言える理論を振りかざし、怯える子羊状態の彼をベットの上に無理矢理押さえ込んで、向かって右側の頬っぺたに3本(写真上は片側5本のラインを書いてますが、実際に行ったのは頬っぺたの真ん中の3本のみ)挿入し、ボリュームアップを図りました、へへへ。
施術直後の写真です。頬っぺたのど真ん中が何となく凹っていたのが、向かって右側の方は、ちょっと凸た感じがしませんか? ボリュームアップだけじゃなくて、図らずとも、直後よりリフトアップ効果もあったみたい(笑)。そして、密かに注目してもらいたいのは、頬っぺたのど真ん中に3本も糸を入れても、精々こんな腫れ具合だって事かな。自覚症状としては、直後から軽い違和感だけで、糸を挿入した直上を強く触らない限り、痛みらしい痛みは殆どなかったみたいです。
違和感を含む痛みは、挿入する場所にもよりますが、一般的には1週間程度は続くと思ってもらった方が無難です。
施術後12日目の写真です。会社の同僚には、向かって右側だけ若返った!とからかわれているんだそうです。
悪いコトは…、強いて言うなら。
悪いコトは…、強いて言うなら、1週間程度の違和感(痛み含む…。触りドコロが悪いと、思いがけずに反撃的疼痛!(笑)があるので、びっくりするかも)と、稀ですが、オッサンみたいに厚く硬い皮膚とか、ニキビ跡だらけで硬く瘢痕状態になっているとかの場合に起こり易いんですが、刺入部の陥没でしょうか。放っておいても、1ヶ月以内には治ってしまうものなんですが、待ちきれない場合はヒアルロン酸をちょこっと注入して時間稼ぎをします。う~ん、それぐらいですかねぇ。合併症が少ないのがこの3Dリフトの特徴なのです。
3Dリフトのこんな適応、あんな適応
フェイスリフト(中顔面~首)
フェイスリフト(顎~首)
ブロウリフト(眉)
ノーズリフト(鼻)
バストアップ(豊胸)
昔は、垂れたおっぱいを引き上げるのは、結構傷跡が残る位の手術をしなければならなかった…。切らずにこれだけの結果が出るんなら、それはそれで良いんじゃないかと思うけど。
二の腕
脂肪吸引(美容通信2004年1月号)や脂肪融解注射(美容通信2006年6月号)、キャビテーション(美容通信2011年9月号)等々は確かに、脂肪組織に対する極めて有用なアプローチです。が、脂肪組織を大幅に減量しても、それに皮膚が付いて来ないと…、たるんたるんに有り余った皮膚がと~っても不恰好。最後の〆の皮膚のタイトニングとして、お使い下さいませ。
ヒップアップ
顎ラインに1本3Dリフト&頬に5本のファインリフトのW計画!
今回HISAKOが挑戦したのは、右図の様な顎ラインに1本3Dリフト&頬に5本のファインリフトのW計画です。
先ずは、施術前の写真です。左から朝通勤の時の私服(トレーナー)のまま、つまり普段の顔、顔洗ってターバンした顔(←ターバン巻いただけで上がってる…どれだけ下垂しているんだぁ!?)、デザインをしたところです。
3Dリフト直後の写真です。いや~、想像した以上に、鏡を見ながら自分で自分の顔に3Dリフトの糸を挿入するのは、難しかったですね、ははは。逆手になると、自分の手で鏡は見えないし、結構手間取っちゃいました(笑)。手が4本あったらどんなに楽だろうと、思いました。腫れてます。
局所麻酔がそれなりにちょっと痛いだけで、3Dリフトの糸を通している間は特に何にも感じなかった…。
ファインリフト刺してま~す。同日です。これも、予め貼る麻酔をしていたので、全然平気♪
ファインリフト左右各5本を抜いた直後(左)です。そして、24時間後(中央)。1週間後(右)です。
施術(左右各3Dリフト(顎ライン)1本+ファインリフト5本)前(左図)と、施術1週間後(中央)、術後2週間後(右図)
です。顔のブルドックぽいラインが改善され、なだらかな輪郭になっているのが分ります? そして、顔の真ん中の寂しかった凹っぽいと言うか下垂して平坦な感じだったのが改善されています。
*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。
※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。
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