漢方薬で体質改善~女性と漢方薬 | 旭川皮フ形成外科クリニック旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2005年6月号

漢方薬で体質改善~女性と漢方薬

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漢方薬は、ある意味女性の為の!と断言しちゃっても大丈夫。
定番の更年期障害から、骨粗鬆症、妊娠に纏わる様々なトラブル(マタニティーブルー、脱毛・薄毛)、冷え症、肥満、便秘、不眠・イライラ等の症状を、体質改善で、優しくでも厳しく(笑)撃退します。

 近頃、東洋医学が気になる。西洋医学とは全く異なる視点からのアプローチは、西洋医学の欠点を補ってくれるから。美味しいトコだけを食べて生きたい!って人にも、少しでも症状を改善してくれるものなら藁にも縋りたいって人にも、何となく言葉の響きがお洒落だからって人にも、オススメします。‥漢方は、懐が深いんです。何たって、中国4000年の歴史ですから(笑)。さあ、漢方薬で女っぷりを上げましょう! 今月は<ご婦人の為の漢方薬講座>です。

更年期障害

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 更年期とは、閉経前後の40歳後半から50歳半ば。俗称”熟女”若しくは”おばタリアン”、<杉様>から始まり<純様>、<ヨン様>と進化し続ける追っかけ世代でもあり、その漲るパワーばかり強調されがちですが、実は、体の中では、卵巣機能の低下によって女性ホルモンのバランスが急激に崩れ、とっても不安定な状態にあります。更にこの世代は、子供が自立してくれるならまだしも、引きこもりやニート、リアル負け犬になったり、旦那の退職(定年orリストラ)、自分の親+旦那の親の介護まで等などと、生活環境がガラッと変り、必要以上に精神的なストレスや悩みが追い討ちを掛けます。これじゃ自律神経失調症にならない訳が無い!(ならない人もいるけど‥) 心と体の歪みは、イライラしたり、何となく気分が落ち込んだり、頭痛や耳鳴り、眩暈やほてりの他、汗っかきになったり、便秘したり、肌が乾燥したり、肩凝りが酷くなったり‥と、様々な不快な症状(=”不定愁訴”)として出現し、更に性質が悪い事に、一つだけでなく、幾つもの症状が日替わりで出現して来ます。は~っ。これらをみ~んなひっくるめて”更年期障害”と言います。

 日替わり定食の”更年期障害”の中でも、のぼせ・発汗と言った”血管運動神経系”の症状には女性ホルモンの補充療法(美容通信2005年10月号)が一番! でも、この治療法の欠点は、精神的影響の大きい症状を改善するのは‥、はっきり言ってちょっと無理。だから、鬱気分を伴う場合には向精神薬、痛みを伴う場合には鎮痛剤の併用がお約束です。

 所謂西洋薬に対し、”不定愁訴”に強い漢方薬は、まさに”更年期障害”で悩むマダムの強い味方! ”気”・”血”・”水”の危ういバランスを整えて、更年期の不安定に揺れる心と体を、緩やかに老後に橋渡しをしてくれます。人生84年(男は77年だけどさ!)。更年期は、謂わば人生の折り返し地点、ちょうど真ん中ですから、あと35年は老後です。上手く移行しなきゃ、人生は楽しめません。

 更年期障害が酷くなりやすいタイプは3つ。

血虚

 別名、内分泌系欠落症状型。
 メンタルな部分の症状が出易いのが、所謂血が不足する血虚タイプ。まあ、簡単に言うと、脳みそに血が回んないから、不安感とか焦燥感と言った精神的な症状が出るし、体全体の血の巡りも悪いから栄養が行き届かず、色白で乾燥肌。ご飯も小鳥の餌程度しか召し上がらないし、労働に向かないから疲れ易く、立ち眩みし易い。‥”斜陽族”って言葉を思い出す‥。 

s012lisみっちゃんの為の大人の常識講座~”斜陽族”とは

Syayou-shohan[1]

斜陽,[著]太宰治,”斜陽族”なる流行語まで生みだした、昭和文学屈指の名作。古い道徳と新しい価値観のはざまで苦悩する、没落貴族の … 雑誌連載時から大反響を呼び、刊行されるやたちまちベストセラーとなって”斜陽族”なる流行語まで生みだした、昭和文学屈指の名作。

 朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、
 「あ」
 と幽かな叫び声をおあげになった。
 「髪の毛?」
 スウプに何か、イヤなものでも入っていたのかしら、と思った。
 「いいえ」
 お母さまは、何事もなかったように、またひらりと一さじ、スウプをお口に流し込み、すましてお顔を横に向け、お勝手の窓の、満開の山桜に視線を送り、そうしてお顔を横に向けたまま、またひらりと一さじ、スウプを小さなお唇(くち)のあいだに滑り込ませた。ヒラリ、という形容は、お母さまの場合、決して誇張ではない。婦人雑誌などに出ているお食事のいただき方などとは、てんでまるで、違っていらっしゃる。弟の直治がいつか、お酒を飲みながら、姉の私に向かってこう言った事がある。
 「爵位があるから、貴族だというわけにはいかないんだぜ。爵位がなくても、天爵というものを持っている立派な貴族のひともあるし、おれたちのように爵位だけは持っていても、貴族どころか、賤民にちかいのもいる。岩島なんてのは(と直治の学友の伯爵のお名前を挙げて)あんなのは、まったく、新宿の遊廓の客引き番頭よりも、もっとげびてる感じじゃねえか。こないだも、柳井(と、やはり弟の学友で、子爵の御次男のかたのお名前を挙げて)の兄貴の結婚式に、あんちきしょう、タキシイドなんか着て、なんだってまた、タキシイドなんかを着て来る必要があるんだ、それはまあいいとして、テーブルスピーチの時に、あの野郎、ゴザイマスルという不可思議な言葉をつかったのには、げっとなった。気取るという事は、上品という事と、ぜんぜん無関係なあさましい虚勢だ。高等御下宿と書いてある看板が本郷あたりによくあったものだけれども、じっさい華族なんてものの大部分は、高等御乞食とでもいったようなものなんだ。しんの貴族は、あんな岩島みたいな下手な気取りかたなんか、しやしないよ。おれたちの一族でも、ほんものの貴族は、まあ、ママくらいのものだろう。あれは、ほんものだよ。かなわねえところがある」
 スウプのいただきかたにしても、私たちなら、お皿の上にすこしうつむき、そうしてスプウンを横に持ってスウプを掬い、スプウンを横にしたまま口元に運んでいただくのだけれども、お母さまは左手のお指を軽くテーブルの縁にかけて、上体をかがめる事もなく、お顔をしゃんと挙げて、お皿をろくに見もせずスプウンを横にしてさっと掬って、それから、燕のように、とでも形容したいくらいに軽く鮮やかにスプウンをお口と直角になるように持ち運んで、スプウンの尖端から、スウプをお唇のあいだに流し込むのである。そうして、無心そうにあちこち傍見(わきみ)などなさりながら、ひらりひらりと、まるで小さな翼のようにスプウンをあつかい、スウプを一滴もおこぼしになる事もないし、吸う音もお皿の音も、ちっともお立てにならぬのだ。それはいわゆる正式礼法にかなったいただき方ではないかも知れないけれども、私の目には、とても可愛らしく、それこそほんものみたいに見える。また、事実、お飲物は、うつむいてスプウンの横から吸うよりは、ゆったり上半身を起こして、スプウンの尖端からお口に流し込むようにしていただいたほうが、不思議なくらいにおいしいものだ。けれども、私は直治の言うような高等御乞食なのだから、お母さまのようにあんなに軽く無雑作にスプウンをあやつる事ができず、仕方なく、あきらめて、お皿の上にうつむき、いわゆる正式礼法どおりの陰気ないただき方をしているのである。

au_02[1] だから、治療の最大のポイントは、血を作らせる事! 漢方薬は今回の特集なので勿論ですが(笑)、ご飯も大事。血を増やす食材は陰(註:陰は、水、鎮静、涼。因みに陽は、火、活動、温。)に属し、陰の性質を持つものを増やせるのは、陰の時間帯である夜。夜にたっぷり睡眠をとる事で、食べた物がより有効に力を発揮出来るので~す。しっかり寝て下さい。お勧め食材は、蜂蜜、小麦、牛乳、牡蠣。お勧め漢方薬は、下記の通り。

当帰芍薬散(23)

 <成分>芍薬・茯苓・蒼尤・川キュウ・沢瀉・当帰

    • p003lis芍薬

 キンポウゲ科シャクヤクの根。鎮静、鎮痙、鎮痛、抗アレルギー、抗胃潰瘍、抗炎症、筋弛緩、末梢血管拡張作用。

    • p003lis茯苓

 サルノコシカケ科マツホドの菌核。利尿、強壮、鎮静、血糖降下、血液凝固抑制、抗腫瘍、免疫賦活作用。

    • p002lis当帰&川キュウ

 当帰は、セリ科トウキの根。川キュウは、セリ科センキュウの根茎。血行促進、免疫調節作用etc.が知られているけど、稀に胃腸障害やアレルギー性皮膚炎を起こす可能性あり! だから、超が付くほどの胃腸の弱い人は、要注意!

    • p003lis沢瀉

 オモダカ科サジオモダカの塊茎。利尿、止渇、血液凝固抑制作用。眩暈にも有効。

 ご存知、更年期障害の漢方薬とも異名を取る当帰芍薬散(23)。
 血液の生成&循環を悪くする、余分な水気を取り除きます。だから、竹下夢二の絵に描かれるような、”色白・痩せ型で浮腫み易く冷えに敏感な蒲柳”の女性に効果あり。パソコンを操作しなくても肩は凝るし、直ぐ疲れるし‥、典型的なか弱系女の子向きです。唯、胃腸が山根君級にデリケートだと、飯が不味くて食えね~とか、ぴぃ~ぴぃ~でトイレから出られないじゃない!って状況にも陥るかも。
 それに、”安胎薬”(流産防止!)としても有名で、妊娠中にも安心して飲める漢方薬のひとつ。
 あ、ボケ防止にも効くそうです。虚証

温経湯(106)

 <成分>麦門冬・川キュウ・半夏・人参・当帰・牡丹皮・甘草・呉茱萸・桂枝・生姜・芍薬・阿膠

    • p003lis麦門冬

 ユリ科ジャノヒゲの根の膨大部。強壮、消炎、鎮咳、血糖下降作用。

    • p003lis半夏

 サトイモ科カラスビシャクの塊茎。利尿、抗ストレス、抗潰瘍、免疫賦活、抗アレルギー作用。

    • p002lis人参

 ウコギ科オタネニンジンの根。滋養強壮界の帝王だけに、元気ハツラツ!の人が飲むと、効き過ぎて、頭はガンガン、鼻血はブー、血圧もぐんぐん上がるし、ギンギンに血走った興奮状態になる‥、まあ、発情期の種馬化(若しくは、バイアグラで蘇る事を知ってしまった脂ギッシュなオヤジが、出会い系で知り合ったばかりの女子高生とラブホに一歩足を踏み入れた状態化!-笑)してしまう恐ろしい成分。でも、虚弱体質のストレス性抗血圧には、鎮静的に作用するので、ストレスを和らげてくれる効果があります。疲労回復薬として必要以上に長期間に亘り頻用・多用すると、依存症になっちゃうので注意で~す。

    • p003lis牡丹皮

 キンポウゲ科ボタンの根皮。消炎、鎮痛、鎮静、抗アレルギー、抗血栓作用。

    • p002lis甘草

 マメ科カンゾウの根。健胃解毒作用などがありますが、稀に偽アルドステロン症を起こし、血圧上昇、低カリウム血症、浮腫、のぼせ、眩暈感を起こす可能性も。”ん?”と思ったら、直ぐに教えてね。腎臓機能に問題ありの人や、利尿剤を服用している人は要注意で~す。特にリュウマチの人は、少しの量でも副作用がガバッと出ちゃう事もあるので、気を付けて。
 あと、甘草は、女神散だけでなく、成分として含まれている事がとってもとっても多いんです。だから、甘草含むお薬を何種類も飲んでいると、多す過ぎちゃう事も実際問題としては出てきます。
 でも、虚弱体質の人が甘草を含む処方を飲んで浮腫んでも、飲んでると却って症状が良くなるなんて事も往々にしてあり、経過を見るのも大切な成分です。

    • p003lis呉茱萸

 ミカン科ゴシュユの実。鎮痛、健胃、利尿、嘔吐、胸部膨満感。

    • p002lis桂枝

 クスノキ科ケイの樹皮、または同属植物の樹皮。健胃、血行促進、免疫賦活作用。免疫系に対する作用が強いから、リウマチやアトピー性皮膚炎etc.の人は要注意かな。稀にアレルギー性皮膚炎になっちゃう事も。発疹が出たら、止めようね!
 あと、シナモンの匂いでゲ~ッとくる人、舐めるとオェ~ッと戻しそうになる人は、”桂枝”入りの漢方は生理的に受け付けないので、諦めましょう。でも、シナモン・フェチには堪んない芳香なので、心理的相乗効果も期待出来たりして。

    • p003lis生姜

 ショウガ科ショウガの根茎。健胃、解熱、消炎、抗潰瘍、中枢抑制作用。嘔吐、吐き気、食欲不振に効く!

    • p003lis阿膠

 ロバや牛、その他の動物の皮を煮て精製したもの。にかわ。血液凝固、止血作用がある。出血、吐血、下血、月経不順、お血等に効果。

 手足がポッポ、ポッポと熱くなるとか、ガサガサに荒れた唇や手、下っ腹が張る‥。虚証

女神散(67)

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 <成分>香附子・人参・川キュウ・檳榔子・蒼尤・黄連・当帰・甘草・黄ゴン・丁子・桂枝・木香

p003lis香附子

 カヤツリグサ科ハマスゲの根茎。鎮痛、筋弛緩作用があり、食欲不振に○。

p003lis檳榔子

 ヤシ科ビンロウの種子。健胃、整腸、副交感神経刺激、抗痴呆、血圧降下作用。

p003lis黄連

 キンポウゲ科オウレンの根茎。鎮痛、鎮静、健胃、消炎、抗菌、鎮痙、血圧降下、整腸、下痢に降下あり。

p002lis黄ゴン

 シソ科コガネバナの根。柴胡との相性度が抜群! 優れた免疫調整作用が自慢ですが、欠点は稀にアレルギー反応を起こす事かな。

p003lis木香

 キク科モッコウの根。健胃、整腸、利尿、抗菌、抗潰瘍作用。

 昔から血の道症に効く薬として使われてきたお薬ですから、更年期には強いです。
 更年期ブルーにも効きますが、産前・産後のブルーな気分の貴女にも。加味逍遥散と違って、不定じゃなくて定愁訴で、便秘気味の人に良いそうです。中間証

陰虚

 別名、血管運動神経障害型。
 体を潤し、熱を鎮める津液が不足する為に体が火照る。端的に言うと、ターボエンジン搭載って彼氏の愛車も、その要であるインタークーラーが安物だと、パワーが出ないのと同じ。イメージは、パッサパサに乾き切った、便秘がちの痩せぎす女。水分を摂取する割には、トイレに行かない。手のひらや足の裏が火照る。夜も夢みがち‥。例えて言うなら‥、誰だろうねぇ‥。ぴったりのキャラクター見つけた人、HISAKOに教えて下さい。

 更年期の火照りは、水をガブガブ飲んでも引きません。腹が水でタポンタポンするだけで、別にそのまま津液になる訳ではないのですから。寧ろ大事なのは、ストレスや心配事で余計な熱を作り出さない事。勿論、過労や睡眠不足で、唯でさえ乏しい陰を減らさないのもポイントです。お勧め食材は、ニガウリ、トマト、豆腐、バナナ、梨、山芋。お勧め漢方薬は、体内の熱を取るもの。代表的なものは、下記の通り。

黄連解毒湯(15)

 <成分>黄ゴン・黄連・山梔子・黄柏

    • p003lis黄柏

 ミカン科キハダorミカン科植物の樹皮。抗菌、健胃、抗炎、鎮痙、整腸作用。

 ヨン様の前じゃなくても、小娘みたいにお顔が真っ赤に上気しちゃう♪ まあ、良く医者がホット・フラッシュって称する奴です。実証

三黄瀉心湯(113)

 <成分>黄ゴン・大黄・黄連

  • p002lis大黄

 タデ科ダイオウの根茎。植物性瀉下剤。腸内細菌による分解産物が、腸管をグルグル動かしてくれるようになります。その他、抗菌、抗炎症、窒素代謝改善、向精神作用etc.と多彩な作用も魅力的。
 でも、パワフルなだけに、虚弱体質の代表選手である山根君が、便秘になっても使ってはいけません。腹は痛いし、下痢ピ~でトイレにお籠もりする羽目になります。妊婦にも禁です。流産するから。

 基本的には黄連解毒湯と同じ症状の人に使います。が、便秘があるなら、大黄入りのこっちがオススメ。 実証

気滞

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 別名、自律神経症状型。
 ちゃぶ台返し生命力を支えるパワーである気の流れが悪いのが特徴。”ランチタイムに酒呑んで来た?”とまでは言われないにしろ、ちょっとばかし赤ら顔で、超が付く程の几帳面、神経質。筋肉質のスリムな体型な人が多いですね。このタイプは、更年期障害が感情面で現れ易く、イライラ、怒りっぽくなるんです。元々人一倍”気”のパワーが強いくせに発散が下手なもんだから、”気”を勝手にどんどん溜め込んで、ある日”一気にぶち切れる”‥。いるよね、貴女の周りにも? まあ、”気”を中に溜め込んだ分だけ、見た目がネクラっぽく思われちゃうんだけど‥。完璧主義を返上して、道産子気質を見習いましょう(笑)。

 お勧め食材は、百合根、ラッキョウ、大葉、青梗菜。お勧め漢方薬は、下記の通り。

加味逍遥散(24)

 <成分>柴胡・山梔子・芍薬・蒼尤・甘草・当帰・生姜・茯苓・薄荷

    • p002lis柴胡

 色んな症状に効く。でも、本質はリンパ球の調整作用らしい。極く極く稀~にアレルギー反応を起こす事もあるので、要注意!

    • p003lis薄荷

 シソ科ハッカの葉。解熱、鎮痛、鎮痙、発汗、健胃、胆汁分泌促進、抗アレルギー作用。

 気分をゆったりとリラックスさせてくれるだけじゃなくて、血の巡りを良くして(=末梢性血行促進)手足もぽかぽかになります。だから、頭痛、肩凝り、不眠、のぼせ、めまいと言った、コロコロと二転三転する精神的&肉体的不定愁訴に効くんですね。ほら、お薬の名前に”逍遥”ってあるのは、症状が逍遥する(あっちこっち移動する)からなの。それに、薄荷が含まれているので、気分爽やか! 正にメンソール効果ですね。
 痩せぎすで、ちょっと神経質。シミや隈がちょっと目立つかなってタイプに最適です。虚証~中間証

香蘇散(70)

    <成分>香附子・甘草・蘇葉

    • p003lis蘇葉

 シソ、チリメンジソの葉や枝先。発汗、鎮静、健胃、利尿作用。咳に効く。

 鬱々‥。凹んで凹んで、何にもする気が起きない。虚証

骨粗鬆症

 更年期の下垂体-卵巣ホルモン系の機能低下は、エストロゲン欠乏を招きます。その結果、骨は脆くなる(骨粗鬆症)し、ボケるし、碌な事はありません。

当帰芍薬散(23)

 <成分>芍薬・茯苓・蒼尤・川キュウ・沢瀉・当帰

 冷えや頭が重~いって悩んでいる貴女に。どうも卵巣欠落症状を改善するらしいって言うので、近頃何かと注目されている漢方薬です。頭の血の巡りを良くしてくれるし、神経に活!入れてくれるので、”ほら、あの、あの、何て言ったっけ”って、も骨がスカスカどかしい物忘れを忘れさせてくれる‥かも。虚証

八味地黄丸(7)

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 <成分>地黄・茯苓・山梔子・牡丹皮・山薬・桂枝・沢瀉・附子

    • p002lis地黄

 ゴマノハグサ科アカヤジオウの根。滋養強壮作用、血液凝固作用、血糖降下作用。でも、胃腸の弱い人は要注意! 別に麻黄の様に胃粘膜に何か悪さを仕掛ける訳じゃないから、寧ろ、何となく胃もたれして飯が食いたくないって感じかな。六君子湯(43)や人参湯(32)を併用して、欠点を補ってあげるのも手です。でも、下痢しちゃったら、真武湯(30)にチェンジかな。他に、稀に発疹等のアレルギー作用が出る事も。

    • p003lis山薬

 ヤマイモの根茎。薯蕷。疲労回復、補血、強壮作用。

    • p002lis附子

 キンポゲ科ハナトリカブトの根茎。強力な新陳代謝賦活剤。ロス疑惑事件で一躍脚光を浴び、今や2時間ドラマの影の主役と称される、ご存知”トリカブト”は、アコニチン系アルカロイドで、神経毒を有する成分。だから、一般には毒性を弱めた(アコニチン毒性:1/200~300)エキス製剤として使用され、安全性は高いとされています。死ぬ訳ではありませんが、心臓がバクバクしたり、頭がガンガン、舌が痺れるなんて事も。該当する症状が出たら、薬をチェンジしましょ。

 ご飯が美味しい健啖家向け。
 良く男性専科のお薬(東洋医学のバイアグラ!)と誤解されますが、おばあちゃんのオリモノやアソコのカイカイにも効きます。年と共に増す老人性のパサパサ&カユカユにも効きます。まあ、老化現象の改善or進行防止に、たらたら長期間に飲むのがお約束。虚証~中間証

真武湯(30)

 <成分>茯苓・蒼尤・生姜・芍薬・附子

 冷えるし、飯は不味いし、新陳代謝が超悪い貴女に。まあ、端的に表現いたしますと、胃腸が弱って八味地黄丸(7)じゃもう駄目!って状況なら真武湯(30)だし、そんでも駄目で下痢しちゃうなら人参湯(32)も一緒に飲む、かな。虚証

妊娠にまつわるエトセトラ

マタニティー・ブルー

 マタニティー・ブルーには、女神散(67)(成分:香附子・人参・川キュウ・檳榔子・蒼尤・黄連・当帰・甘草・黄ゴン・丁子・桂枝・木香:中間証)や、香蘇散(70)(成分:香附子・甘草・蘇葉:虚証)がオススメ。

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脱毛症

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 赤ちゃんを産んでから、髪が薄くなったとか、毛がなんとなく細く腰がなくなったとお悩みな貴女には十全大補湯(48)。

十全大補湯(48)

 <成分>黄耆・蒼尤・桂枝・当帰・地黄・人参・芍薬・茯苓・川キュウ・甘草

  • p003lis黄耆:

 ク科キバナオウギなどの根。血圧降下、抗アレルギー、強壮、利尿作用、末梢血管拡張作用。

 手術後等のボロボロな体力回復にもと~っても良く効きます。”免疫絡みの病気”の体質改善に好んで用いられ、特に皮膚・粘膜系に強い事から、アトピーさんの急性増悪期や、血交じりの汁がベタベタって出てる様なグジュグジュの皮膚炎、又、ステロイド剤中止後の悲惨なリバウンド期の(藁にも縋りたい時の)藁として使われます。だから、産前産後の抜け毛にも、良いんです。虚証

冷え症寒がり

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 ”冷え症”は、他の所はな~んでもないのに、手足や腰だけが冷える状態の事。エアコンの風に当たっただけでも体調が悪くなっちゃうって人も含めると、成人女性の半数、つまり選挙権のある人の約4分の1の人!が”冷え症”で悩んでいるとか。代議士の皆さんは公約に”冷え症改善”を訴えるのも良いかも知れない‥(なんてね)。重症になると、夏でも靴下を履いて寝たり、年中使い捨てカイロのお世話になんて事もあります。

 女性の敵”冷え”は、貧血や甲状腺の機能低下等と言った原因の疾患がある場合は別です(原因の病気を先ず治しましょう!)が、ハッキリとした原因が分らない事も多いんです。そうなると、治療的には”体質的”なものって範疇に分類されて、お・し・まい。これじゃあ、話にならないですよね? そんな彷徨える子羊達に最適なのが、漢方薬。でも、不規則な生活やストレス、過度の冷暖房、お風呂よりシャワー派増加等の生活環境にも誘因がありますから、併せて生活改善もお忘れなく!

 実際の漢方薬よる治療は、こんな感じかな。

”冷える”と、気の巡りが悪くなって、血や水の停滞を招くと考えられてます。だから、基本は温まるお薬。

 当帰芍薬散(23)や桂枝茯岺丸(25)、加味逍遥散(24)と言った当帰、桂枝を含むものが良く使われます。強いて言うなら、桂枝は”末梢循環の冷え”に、当帰は”静脈系のうっ血性の冷え”が得意かも。

当帰芍薬散(23)

 <成分>芍薬・茯苓・蒼尤・川キュウ・沢瀉・当帰

 婦人科領域の病気の万能薬。水の流れが悪く、血が少ない人に向きます。つまり、ムクミっぽくて、低血圧気味の近頃の若い女の子の”冷え”のファーストチョイス。急に顔を上げるとクラッとしたり、立ちくらみしちゃう人にも、勿論効きます。生理不順、不妊症にも◎。虚証

加味逍遥散(24)

 <成分>柴胡・山梔子・芍薬・蒼尤・甘草・当帰・生姜・茯苓・薄荷

 更年期障害に伴う”冷え”やのぼせに向いてます。不定愁訴が多く、急にのぼせて顔がカッ~と熱くなっちゃうとか。山梔子が入っているので、ちょっと便秘気味って人には○だけど、下痢するようなら止めた方が良いかも。虚証~中間証

桂枝茯岺丸(25)

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<成分>桂枝・茯苓・芍薬・牡丹皮・桃仁

    • p003lis桃仁

 バラ科モモの種。鎮痛、消炎、血液凝固、抗アレルギー作用。

 打撲したり、どっかから落下した時の打ち身で血液の循環が悪くなって、”冷え症”になっちゃったなんて人に最適です。血の巡りを良くして、冷えを取り除いてくれます。
 レニー・ゼルウィガーの様ながっちりとした体格の女性に本領発揮! 愁訴にも効きます。血の巡りを良くして、余分な水分や体に溜まった悪い物をさっと排出してくれます。でも妊娠中に飲むと、赤ちゃんもさっと体外に出ちゃう(=流産)ので、要注意! まあ、催生湯って別名がある通り、分娩促進剤としても使えるんだけどね。中間証~実証

霜焼けが出来る程に手足が冷たくなっちゃう貴女には、

 呉茱萸の入った当帰四逆加呉茱萸生姜湯(38)(成分:大棗・甘草・桂枝・呉茱萸・芍薬・細辛・当帰・生姜・木通)がお勧め。呉茱萸は、最初”眠い”、”だるい”と感じる人もいるけど、これは効き始めた証拠。投げ出さずに、続けて飲みましょうね。おば様からおばあちゃまに最適。寒くなってからより、秋の終わり頃から飲み始めるのが効率の良い飲み方で~す。虚証

    • p003lis細辛

 ウマノスズクサ科ウスバサイシンの根。利尿、解熱、鎮痛、去痰、抗アレルギー作用。

    • p003lis木通

 アケビの蔓性の茎。利尿、鎮痛、消炎、抗潰瘍作用。

老化や、抗病反応低下等が背景にある新陳代謝低下が原因の”冷え”には、

 附子が配合された真武湯(30)(成分:茯苓・蒼尤・生姜・芍薬・附子)。まあ、よぼよぼ&ふらふらの爺・婆向きとでも言うんでしょうか、枯れ果てて、”自力ではふらふらして動けない”状態向きです。元気の良い人は、駄目です。飲んではいけません。年寄りで、乾燥が酷くて酷くて、も~痒くて仕方ない!って人にも効きます。虚証

肥満

 食事と運動、ストレス等の生活環境を先ず見直すのが一番で~す。特に、マシュマロ・マン タイプの女の子には、果物&ジュース大好き症候群(陰性の食べ物ばかりを好んで食する人種を指す。医学用語ではありません!)の場合も多し。でも漢方薬で駄目なら、ゼネカルや脂肪吸引HISAKOの美容通信2004年1月号
、お注射で要らない部分の脂肪だけ(&セルライト)を溶かすとか、超音波で脂肪細胞を破壊するetc.って手があるさ。詳しくはダイエットの極意を読んでね。aa

images5B585D1固太り(猪)タイプ

 体内の熱と水気にお引取り戴くお薬が基本。

大柴胡湯(8)

 <成分>柴胡・大棗・半夏・枳実・黄ゴン・生姜・芍薬・大黄

    • p003lis枳実

 ミカン科ダイダイの未熟な実。抗アレルギー、健胃、鎮痛、腹部の膨満感、胸部の痛み、胸苦しさ。

 便秘がちな猪さん。ちょっとお血(血行不良)な女の子なら、桃核承気湯(61)や桂枝茯苓丸(25)も一緒に飲もうね。実証

防風通聖散(62)

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 <成分>黄ゴン・川キュウ・甘草・当帰・桔梗・薄荷・石膏・防風・白尤・麻黄・大黄・連翹・荊芥・生姜・山梔子・滑石・芍薬・芒硝

    • p003lis桔梗

 キキョウの根。鎮痛、鎮静、去痰、解熱、末梢血管拡張、抗炎症、抗潰瘍作用。

    • p002lis石膏

 天然の含水硫酸カルシウム。熱を取って潤す生薬です炎症性の皮膚疾患に良く使われる成分。

    • p003lis防風

 セリ科ボウフウの根や根茎。解熱、炎症、鎮痛、鎮静、発汗、血圧降下作用。

    • p002lis麻黄

 マオウ科マオウの茎。発汗、鎮咳、抗炎症、抗アレルギー等と、多彩な作用がご自慢。でも、麻黄の中には、交感神経刺激や中枢神経興奮作用を有するエフェドリン(約10mg/麻黄1g)が含まれているので、狭心症や心筋梗塞の既往がある人は飲んではいけませんし、高血圧やご老人にはあんまりお勧めはしません。又、胃腸の弱い山根君が飲むと、プロスタグランディンを介する胃粘膜への作用で、飯が喰いたくなくなるとか、腹が痛くなるなんて事も。‥まあ、使い憎いって言えば使い難い成分かな。

    • p003lis連翹

 モクセイ科シナレンギョウの実。消炎、解毒、利尿、抗菌、抗アレルギー作用。

    • p003lis荊芥

 シソ科ケイガイの花穂。鎮痛、消炎、解毒、解熱、止血作用。

    • p003lis滑石

 天然の粘土鉱物で、含水珪酸アルミニウム。利尿、消炎作用。

    • p003lis芒硝

 天然の含水硫酸ナトリウム。瀉下、利尿、血液凝固抑制作用。

 この漢方薬は、基本的には体質と関係なく、”体内の病的産物”を体の外に出しちまおうってお薬です。腹にどっぷり脂肪を溜め込んだ、便秘がちの貴女に効きます。慢性の湿疹に悩む乙女にも。実証

 でも、食事も大事だよ~ん。ただでさえ、有り余る体内の熱と水分が満ち満ちている猪さんなのですから、これ以上余計な熱や水分は取り込まない方が無難。味の濃いものや高カロリーと言った、所謂、湿熱系食品は避けましょうね。あと、体の熱を冷た~い物で取っちゃえ!って短絡的に考える猪さんもいるけど、これは体本来のコントロール作用を損なって、却って排出を遅らせちゃうの。熱や水気が蓄積されちゃう事になるので止めましょう。カロリーの高いビールや水割り、生肉、チーズ等は、人肌で(!?)。超不味そうだけど‥。(下記の一覧表を参考にしてね。)

 
 熱

アスパラガス
昆布
ひじき

鴨肉
レタス
葡萄
春菊



玉蜀黍
大豆・枝豆
えんどう豆
空豆
サクランボ
南瓜
唐辛子
山椒
牛蒡
モヤシ
蕎麦
西瓜
津液を巡らせる
茄子
茗荷
ニガウリ
セロリ
メロン
オリーブ油
  林檎
ラズベリー
もち米
日本酒(冷)
ワイン



ラッキョウ
生姜
玉葱

大蒜
紫蘇
リキュール
蒸留酒(ロック)
 
グレープフルーツ

バナナ

浅利

大麦・麦茶
ホウレン草
胡瓜
トマト

大根
砂糖
豆腐
蜜柑
枇杷
小麦粉
横軸の寒、涼、平、温、熱とは、食物が持っている性質の事。
熱は体を温め、平はどちらでもなく、寒は冷やす作用があります。
横軸の燥は体の水気を奪う食べ物で、中央は体に良い水分である津液(しんえき)を巡らせてくれる食べ物、潤は体を潤してくれる食べ物になります。
つまり、赤文字で書かれた食材はマシュマロタイプのおデブちゃんに適した食材だし、青文字で書かれた食材は猪タイプのおデブちゃんに適した食材って事で~す。
黒文字食材は? あ~、どっちでも良いって言うか、お好きにどうぞかな。
体が冷えやすいマシュマロタイプのおデブちゃんが寒の食べ物を食べるのはあんまお勧めはしないけど、要らない水分を出してくれる燥なら、まあ許してやろうかなって感じです。

sashikaeimage915水太り(マシュマロ・マン)タイプ

 体内に溢れる水が体を冷やし、気や血の巡りを邪魔しているマシュマロ・マン。水太りとも言います。兎にも角にも、体を温めて、余分な水気を体の外に追い出しちゃいましょう。
 食べ物的には、体を冷やしちゃう冷たい飲み物は禁止! 夏でもホットで行きましょう。野菜や果物も、水分を多く含んでいたり、体を冷やすものがあるので、要注意!

防已黄耆湯(20)

 <成分>黄耆・大棗・防已・甘草・蒼尤・生姜

    • p003lis防已

 ツズラフジ科オオツズラフジの茎や根。利尿、鎮痛、消炎、抗アレルギー、血圧降下作用。

 色白で、筋肉がふにゃふにゃした、これぞ水太り!の代表的漢方薬。汗っかきなくせに、おしっこがチョロチョロしか出ない人向き。虚証

五積散(63)

 <成分>蒼尤・陳皮・当帰・半夏・茯苓・甘草・桔梗・枳実・桂枝・芍薬・生姜・川キュウ・大棗・百シ・麻黄

    • p003lis陳皮

 ミカン科ウンシュウミカンの果皮。健胃、消炎、抗アレルギー、中枢抑制作用。

    • p003lis厚朴

 モクレン科ホオノキの樹皮。筋弛緩、鎮静、消炎、抗菌作用。

    • p003lis白シ

 セリ科ヨロイグサの根。鎮痛、鎮静、止血、排膿、脂質代謝改善、中枢興奮作用。

 ”五積”とは、”気”・”血”・”痰”・”寒”・”食”の5つを全部体に溜め込んで、体が不調になっちゃったって意味。だから、水分を体内に蓄積しちゃう、つまり、立ち仕事で、足がパンパンに浮腫み易い女の子の救世主。便秘にも効くしね(大黄が駄目な子にも使えます)。虚証~中間証


 因みに、漢方学的にお勧めの食材は、前述の通り。猪タイプの人は体内の水分と熱を出す食材を、マシュマロ・マン タイプは体を温める食材を採りましょうね。

便秘

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 女の子の便秘には、不規則な生活やストレスによる自律神経の乱れや、食事の偏りによるものだけでなく、ホルモンの分泌の変化も関係しています。どー言う事かって言うと、女性ホルモンは血流に関係するので、骨盤内や腸壁がうっ血すると、便秘になり易すくなっちゃうんです。

 漢方学的には、”大黄”の使える人か否かって区別になるんです。まあ、これは一種の下剤ですが、腸管を温めたり潤したりする作用や抗菌・抗炎症作用、精神安定作用もあるんです。実症~中間証で、便秘以外の症状が無い人は、超使える。けど、虚症の人が飲むと、腹痛や吐き気、食欲不振etc.に見舞われ、ボロボロになっちゃうかも‥。哀れ‥。

大黄を含む漢方薬

大黄甘草湯(84)

 <成分>大黄・甘草
 マイルドなお通じのファーストチョイス。中間証~実証

桂枝加芍薬大黄湯(134)

 <成分>芍薬・甘草・桂枝・大黄・大棗・生姜

 腹が張るし、お腹も痛くなっちゃうって人に。芍薬で腸管の運動を整えつつ、大黄でウンコを出しちゃお♪って、一粒で2度美味しい処方です。桂枝加芍薬湯(60)では駄目だった、今時の女の子の頑固な糞詰まりにどうぞ。虚証~中間証

大黄を含まない漢方薬

 手術後の癒着や冷え性で腸の動きが悪くなっちゃった人、ご老人、か弱く可憐な日本のそれいゆ少女達には、大黄を含まず芍薬の入ったもの、例えば小建中湯(99)(成分:芍薬・甘草・桂枝・生姜・大棗)や加味逍遥散(24)(成分:柴胡・山梔子・芍薬・蒼尤・甘草・当帰・生姜・茯苓・薄荷)がファーストチョイスです。温めて腸の動きを整えましょうね。虚証

不眠&イライラ

 まあ、所謂、睡眠薬ではありませんので、悪しからず。全身状態の改善によって、自然な眠りが来るように処方します。精神安定剤や睡眠薬(最近は良いお薬も多く開発はされてきていますが‥)の様に、依存性や翌朝に残る心配が無いので、脱・睡眠薬を画策している人にはお勧めかも。でも即効性は全然ありませんから、長い目で見てやって下さいね。

寝付けない貴女へ

 証に応じて、飲むお薬を決めます。

黄連解毒湯(15)

 <成分>黄ゴン・黄連・山梔子・黄柏

 興奮し過ぎた八戒と言うか、バイタリティー溢れ過ぎて頭に血が上った中小企業の社長と言うか‥、頭がギンギンに冴え渡って眠れない方に。鎮静作用のある黄連剤は、眠ろう眠ろうと頑張れば頑張るほど、ドツボに陥りがちな”神経過敏による入眠障害”系にぴったり。脳みそにじわ~んと働いて、”いい子、いい子”してくれます。癒されて、眠りにつきましょう。実証

半夏厚朴湯(16)

 <成分>半夏・蘇陽・茯苓・生姜・厚朴

 黄連剤ではありませんが、気分がハリネズミみたいにトゲトゲしまくっているなら、これ! 些細な事が気になって、寝付けない時の寝酒みたいなもんです。転職とか部署が変わったばかりとか、人間関係で眠れない(◎o◎;)のなら、飲みましょうね。几帳面な性格で用意周到、HISAKOみたいなおおざっぱな道産子気質が信じられない!と思ってしまう人向きです。
 香蘇散(70)と並ぶ”気剤”の代表選手ですが、香蘇散(70)よりも元気なストレス世代向き。”ノドが詰まる感じ”とか”胸が苦しい”とか、具体的な症状を訴える人が多いです。それに対し香蘇散(70)は、ボソボソって小さい声で何か呟いているらしいですが、聞こえません。必死に耳を傾けて聞いてみると、何処がどうとか、全く具体的な事を言っていないらしいぞって気付きます。教科書的には、半夏厚朴湯(16)を末梢性、香蘇散(60)を中枢性とエラソ~に表現します。虚証~中間証

桂枝加竜牡蠣湯(26)

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 <成分>桂枝・竜骨・芍薬・甘草・大棗・生姜・牡蛎

    • p003lis竜骨

 哺乳動物の骨の化石。主に炭酸カルシウム。強壮、鎮静作用。

    • p003lis牡蛎

 カキの貝殻。鎮静、健胃、強壮作用。

  これは韓国のドラマか?と錯覚しちゃうくらいドロドロな愛憎関係に身も心も磨り減って、疲労のあまり寝付けなくなっちゃった繊細なヒロイン向き。長患いして、漸く”完治しました。おめでとう!”って退院したけど、何かぱきっとしないまんま‥って人もこの範疇です。虚証

眠りの質に問題あり

苓桂朮甘湯(39)

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 <成分>茯苓・蒼尤・桂枝・甘草

 夜中に何度でも、おしっこで目が冷めちゃうなら、これ。水の流れが悪くて、昼間は全然おしっこに行かないのに‥、夜になるとど~してなんだろうねって人に。所謂”水毒”を基盤にした病気、例えば、不安神経症や自律神経失調症、胃下垂症等に処方される事が多いんだけど、この病気の背景に、”恐れ”、”驚き”に過敏に反応!している場合が特に最適なんだそ~です。虚証~中間証

加味逍遥散(24)

 <成分>柴胡・山梔子・芍薬・蒼尤・甘草・当帰・生姜・茯苓・薄荷

 気分が落ち着かず、取り越し苦労というか、妄想の虜というか‥色んな事が気になり過ぎて疲れ果て、ぐっすり眠れない‥。教科書には、”診察の順番を待てず<具合が悪い>と言って倒れたり、客観的所見以上にオーバーな愁訴で医師や看護婦を翻弄する(笑)”と書いてある。でも、女性の不定愁訴のファーストチョイスとされている万能薬です。虚証~中間証

柴胡桂枝乾姜湯(11)

 <成分>柴胡・牡蛎・黄ゴン・甘草・カ桜根・乾姜・桂枝

    • p003lisカ桜根

 キカラスウリの実。消炎作用。

    • p003lis乾姜

 ショウガの根茎の皮を取って蒸し、乾燥させたもの。解熱、消炎、鎮痙、鎮痛、消化亢進作用。

 精神安定作用があるので、神経質でぐ~すり眠れない、寝た気がしない人に効きます。 更年期障害で、精神的にちょっとナーバスになっちゃってる時にも◎です。虚証


*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。


※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。

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