HISAKOの美容通信2026年9月号
ラクトバチルス乳酸菌優位な環境かを調べる「子宮内/膣内フローラ検査」
思春期になると、エストロゲンの影響で膣の上皮細胞がグリコーゲンを産生し始め、それに伴い、ラクトバチルス乳酸菌が膣内フローラの多数派を占めるようになります。ラクトバチルス乳酸菌は、乳酸、過酸化水素、バクテリオシンを生成し、膣のpHを低下させ、病原菌の増殖を抑え、膣を健康な状態に保ってくれます。しかし、更年期になると、エストロゲンが減少し、グリコーゲンの量が低下するので、ラクトバチルス乳酸菌の数も必然的に減少します。これが、更年期を境に、繰り返す膀胱炎を始めとする尿路感染症や、細菌性膣炎、膣カンジダ症等々のおしもの悩みが急増する理由でもあります。
膣内がラクトバジルス乳酸菌優位の健康な状態か否かを調べて、ラクトバジルス乳酸菌優位の状態に戻してあげる事で、繰り返す泌尿生殖器系の不愉快な症状に対し、その都度抗生剤や抗菌薬を使用する、所謂、その場凌ぎの治療から脱却を目指しませんか? 高頻度で認められる薬剤耐性菌の出現を心配する必要もなくなります。
ラクトバチルスは、膣を健康に保つ為に必要な乳酸菌ですが、Belgian lambicsビールやAmerican wild aleビール等のサワービールの製造にも欠かせないものであり、ビールに味わいを与えてくれます。キムチも然り、ヨーグルトもチーズもザワークラウト、ピクルス、ココア等々。ラクトバチルスが大事なのは、膣だけじゃないんです!
今月号は、<子宮内/膣内フローラ検査>です。勿論、検査しっ放しでは救われませんから、美容通信2026年7月号に引き続き、ラクトバチルスを優位に戻す(治療)方法も、提案します。
ラクトフェリンの役割
ラクトフェリンは、母乳・涙・汗・唾液等の外分泌液中に含まれる、鉄結合性の糖タンパク質です。1939年に牛乳中に含まれる「赤色タンパク質 (レッド・プロテイン)」として初めて報告されました。私達人間の初乳(出産後5日まで)に多く含ま(6mg/ml)れ、常乳(出産後3週間後)にも含ま(2mg/ml)れます。牛さんの殺菌前のおっぱい(生乳)にも含まれています。
私達人間様!の場合692アミノ酸から成っており、Nローブ・Cローブと呼ばれる球状のドメインが一本のポリペプチドで連結された構造をしています。各ローブは1個の鉄イオンと強力に結合しており、ラクトフェリンの粉末が赤色を帯びているのは、結合している鉄の為なんです。この2つのローブから成るラクトフェリンの立体構造は、血漿中の鉄輸送タンパク質であるトランスフェリンや、卵白の鉄結合タンパク質であるオボトランスフェリンと共通ではありますが、ラクトフェリンの鉄イオンに対する親和性はこれらの蛋白質より100倍以上高いのが特徴です。つまり、ラクトフェリンは、生体内で鉄輸送蛋白質というよりも、鉄を捕捉し周囲の環境から取り除くことで、その機能を発揮する場合が多いと考えられています。
生理作用
ラクトフェリンには、鉄代謝調節作用を中心に、様々な生理作用があると報告されています。
- 抗菌作用
ラクトフェリンには、強力な抗菌活性がある事は良く知られています。グラム陽性・グラム陰性に関係なく、多くの細菌は生育に鉄が必要でなものですが、ラクトフェリンはこの大事な鉄を細菌から奪い去る事で、細菌の増殖を抑制します。ですから、ラクトフェリンの鉄飽和度が高まるに従って、抗菌活性は低下してしまいます。この鉄依存性のメカニズムとは別に、ラクトフェリンは、グラム陰性菌の細胞膜の主要な構成成分であるリポポリサッカライドと結合し、細胞膜構造を脆弱化し、抗菌活性を示します。また、ラクトフェリンは、緑膿菌によるバイオフィルムの形成を阻害します。ラクトフェリンをペプシンで分解した部分ペプチドであるラクトフェリシンは、細菌の細胞壁に傷害を与える事で、ラクトフェリンよりも10倍以上強力な抗菌活性を示すそうです。
母乳の中でも、とりわけ出産後数日間に分泌される初乳には、ラクトフェリンが多く含まれています。免疫系が未熟な新生児は、おっぱいを介して、ラクトフェリンと共に免疫グロブリンやラクトペルオキシダーゼ等の因子を体内に取り込む事で、外敵から身を守ります。ここで感嘆すべき事は、神様の配慮は実に細部にまで行き届いており、乳酸菌やビフィズス菌等の腸内細菌はバイ菌ではありますが、これ等は生育の鉄要求性が低く、おっぱいに多量に含まれるラクトフェリンは、抗菌活性を示さないどころか、寧ろ増殖を促進す方向に働くんだそうです。幼児にラクトフェリンを投与すると、糞便中のビフィズス菌の検出頻度が上昇する事から、ラクトフェリンは腸内フローラの改善に有効であると考えられています。
- 抗ウイルス作用
ラクトフェリンは、C型肝炎ウイルスのエンベロープに結合し、標的細胞への浸入を阻害します。実際、ウシラクトフェリンをC型肝炎の患者に経口投与により、血中のHCV濃度は低下します。ラクトフェリンは、C型肝炎ウィルスの他、B型肝炎ウイルスやヒト免疫不全ウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルスについても、そのの複製を阻害することが明らかになっています。また、ラクトフェリンは、消化管細胞の表面に結合して、ノロウイルスやロタウイルスの細胞への感染を防ぎ、発症した場合でも症状を緩和するとの報告もあります。
- 原虫に対する効果
トリパノソーマの生育に対して、ラクトフェリン及びラクトフェリシンは抑制的に働きます。
- 免疫調節作用
ラクトフェリンは、白血球の一種である好中球の分泌顆粒にも含まれ、炎症反応や細菌の感染に反応して、血液中に放出されます。また、経口投与されたラクトフェリンが、腸間膜リンパ節及びパイエル板で免疫細胞に作用する可能性も指摘されています。ナチュラルキラー細胞の細胞障害作用やマクロファージの貪食作用は、ラクトフェリンにより活性化されます。ラクトフェリンには、B細胞やT細胞の増殖を促進する作用も認められています。これ等の免疫系の細胞に対するラクトフェリンの機能は、抗菌活性と同様に生体防御に寄与していると考えられています。ラクトフェリンには、細菌由来の炎症物質であるLPSと強力に結合する事で、LPSのマクロファージへの結合を阻害し、炎症性サイトカインであるTNF-αやIL-6の産生を抑制する抗炎症作用があります。
- 脂質代謝改善作用
脂肪前駆細胞から成熟脂肪細胞への分化の過程で、ラクトフェリンを培養液に添加すると、脂肪滴陽性細胞の数が減少します。また、マウスにラクトフェリンを経口投与すると、血液中の中性脂肪と遊離脂肪酸が減少し、肝臓中の中性脂肪とコレステロールが減少する事も知られています。臨床試験の結果、ラクトフェリンの投与により、体重の減少と腹部内臓脂肪の減少が確認されています。
- 創傷治癒促進作用
ラクトフェリンは、真皮を構成する線維芽細胞や表皮を構成する角化細胞の細胞遊走を促進するだけでなく、線維芽細胞によるコラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進します。皮膚疾患モデルマウスへのラクトフェリンの局所投与により、創傷の治癒が促進され褥瘡が予防されたそうです。
- 抗酸化作用
過酸化水素からヒドロキシラジカルが生産される反応(美容通信2017年10月号)は、鉄により触媒されます。ラクトフェリンは、生体内で過剰になった遊離の鉄イオンを取り除き、ヒドロキシラジカルの産生を抑制します。ラクトフェリンを経口、或いは腹腔内に投与したマウスに、X線を全身照射すると、ラクトフェリンを投与しないマウスと比較して生存率が上昇しますが、これはラクトフェリンが鉄補足によりラジカルの産生を抑制した為と考えられています。
因みに、左図は、高原竜ヒドラですが、名前がちょっと似ているだけで、ヒドロキシラジカルとは関係はありません。距離感ゼロ!を謳い文句にした動物園・伊豆シャボテン公園にある高原竜をモデルにしたウルトラ怪獣です。武器は、硬い爪や嘴、口から放つ火炎・グラッジ火炎や、翼を羽ばたかせて発生させるマッハ2の突風です。個人的には、シャボテン公園なら、カピバラにも暴れて欲しかった…。
- 抗癌作用
化学物質投与によるラットの大腸発癌モデルや肺発癌モデル、マウスの大腸癌転移モデルに於いて、ウシラクトフェリンの経口投与により、発癌や腫瘍の転移を抑制する効果が報告されています。ラクトフェリンは、腫瘍細胞にアポトーシスを誘導するだけでなく、血管新生を阻害し、栄養と酸素を遮断する事で、腫瘍組織の拡大を防ぐと考えられています。
- 骨形成作用
ラクトフェリンには、骨芽細胞の増殖や分化を促すだけでなく、破骨細胞による骨吸収を抑制して骨形成を促進する作用があります。骨粗鬆症のモデルラットに、ラクトフェリンを経口投与すると骨密度が上昇する事は知られていますが、これが骨芽細胞や破骨細胞に対するラクトフェリンの直接的な作用によるものかはまだ分かっていません。
- 抗炎症・抗アレルギー作用
- 鎮痛・抗不安作用
- ドライアイ作用
- オーラルケア
生殖器内に於けるラクトフェリンの役割
ラクトフェリンは、細菌性膣症や酵母感染症、性感染症等の感染症から、膣を守るとされるラクトバチルスを増やします。
その作用機序としては、以下が挙げられます。
①菌の生命活動に重要な鉄代謝を阻害。
②菌の外膜を構成するリポ多糖を破壊。
③ビフィズス菌やラクトバチルス菌の乳酸生成菌の増殖を促進。
■ラクトフェリンによる子宮内フローラ改善
9人の不妊患者さんに、抗生物質を1週間投与後に、ラクトフェリンの腸溶製剤を1日当たり300mg摂取し、2ヶ月後の子宮内フローラを調べたところ、全例に於いてラクトバジルス属の割合が大幅に高くなりました。
■女性のフローラから考えたラクトフェリン
ラクトフェリンはこの様に実に良い奴なんではありますが、熱に弱い性質があり、加熱処理されている市販の牛乳や乳製品には殆ど含まれていません。 更に、始末が悪い事には、酸や酵素に分解されやすいので、胃で消化されやすく、腸まで届く事自体が難しい…。その為、効率的に取り入れたいなら、ラクトフェリン配合の機能性食品やサプリメントで摂取するしかありません。
ラクトバジルスを直接的に増やす猪突猛進型を選択するのも一つの選択肢ではありますが、HISAKOのクリニックでは、回り道でも、色々オマケがある方が嬉しい欲張りさんには、「女性のフローラから考えたラクトフェリン」って長ったらしい名前のサプリメントをお勧めしています。
「女性のフローラから考えたラクトフェリン」は、ラクトフェリン(300mg/日)が配合された製品です。1日摂取目安量3粒に設計されています。
【「女性のフローラから考えたラクトフェリン」の強み】
- 腸溶性:子宮に届くように設計された腸溶性コーティング特許を取得。
- パウチ製品と違って、ボトル製品だと、腸溶性コーティングが融解し難い💛
錠剤:例え、腸溶性&耐酸性の特徴を備えていても、カプセルだと、胃の蠕動運動でカプセルが外れたり、繋ぎ目から胃酸の侵入を完全に防ぐ事が出来ず、効果が図らずしも低下してしまう憂き目に遭ってしまう事も無きにしも非ず。最近、ラクトフェリンに生菌を混ぜたハイブリッド型も巷には横行しておりますが…、生菌はカプセルでなければ単なる死菌に堕してしまうので、実は生菌とラクトフェリンのハイブリッド製剤は良いとこ取りではなくて、残念な先走り製剤なんです。ご注意を!
- エビデンス:臨床研究により、膣内子宮内のフローラ改善の特許を取得。
膣内細菌検査Flora select
私達人間と共生する100兆個の細菌は、体の各部位で細菌叢を形成しています。生殖系の細菌叢には、全常在菌の約9%が存在し、その多くをラクトバチルスが占めています。細菌叢の乱れは、該当臓器の機能低下や何らかの疾患の発現に繋がる事が知られています。
膣細菌叢には約20種類のラクトバチルスの存在が知られており、殆どの女性では、L. crispatus、L. gasseri、L. iners、L.jenseniiの4大派閥で占められていますが、その菌種間での挙動の違いが知られています。感染防御の面では、膣細菌叢のラクトバチルスが豊富でも、L. inersが優勢な場合、細菌性膣炎や性感染症に感染し易い事が報告されています。また、L. inersは、他のラクトバチルス種と比較すると、着床率が有意に低下しているだけでなく、早産との相関も指摘されています。つまり、菌種次第で、宿主にとって必ずしも有益ではなく、種レベルでの解析の重要性が認識されています。
膣内細菌検査Flora select
思春期になると、エストロゲンの影響で膣の上皮細胞がグリコーゲンを産生し始めるので、それに伴い、ラクトバチルス乳酸菌が膣内フローラの多数派を占めるようになります。ラクトバチルス乳酸菌は、乳酸、過酸化水素、バクテリオシンを生成し、膣のpHを低下させ、病原菌の増殖を抑え、膣を健康な状態に保ってくれます。しかし、更年期になると、エストロゲンが減少し、グリコーゲンの量が低下するので、ラクトバチルス乳酸菌の数も必然的に減少します。これが、更年期を境に、繰り返す膀胱炎を始めとする尿路感染症や、細菌性膣炎、膣カンジダ症等々のおしもの悩みが急増する理由でもあります。
以前美容通信でも特集(美容通信2026年7月号)しましたが、膣内がラクトバジルス乳酸菌優位の健康な状態か否かを調べ、ラクトバジルス乳酸菌優位の状態に戻してあげる事で、繰り返す泌尿生殖器系の不愉快な症状に対し、その都度抗生剤や抗菌薬を使用する、所謂、その場凌ぎの治療から脱却を目指しませんか? 高頻度で認められる薬剤耐性菌の出現を心配する必要もなくなります。
膣内細菌検査Flora selectは、膣内に於けるラクトバチルスの優先度に基づくカテゴリを推定し、細菌性膣症関連菌4属(Gardnerella、Atopobium、Streptococcus、Prevotella)、流早産関連菌2属(Ureaplasma、Mycoplasma)が検体中に存在するかを調べる検査です。
子宮及び膣内には様々な細菌が存在し、細菌叢と言う1つの環境を作っています。中でも、ラクトバチルスがその多くを占めており、膣内を酸性に保つ事で健全な状態を保っている事が明らかになりました。一般的にラクトバチルスが優勢である状態が、「理想的な子宮及び膣内細菌叢」と定義されており、その占有率が妊娠率に影響する事も報告されています。また、ラクトバチルスの減少に伴い、様々な菌が膣内で異常に増殖し、細菌性膣症となる事が知られています。細菌性膣症との関連が示唆されている菌には、代表的なものとして、Gardnerella、Atopobium、Streptococcus、Prevotella等が挙げられます。更に最近、正期産群に比べて、流早産群の妊婦でUreaplasma、Mycoplasmaの感染率が高いと言う報告が多数存在し、その関連性が示唆されています。
膣内細菌検査Flora selectでは、膣内擦過物に含まれる細菌の16S rRNA遺伝子の量をリアルタイムPCRを用いて解析します。その結果を基に、ラクトバチルス属菌の優占度に基づくカテゴリの推定、及び細菌性膣症関連菌4属と流早産関連菌2属の検出の有無を判定します。
膣内細菌検査Flora selectの検査結果は、下記の様な表記になります。
①ラクトバチルスの優占度:High(目安80~100%)、Medium(目安50~80%)、Low(目安0.1~50%)、検出限界以下(0%)
②細菌性膣症4属(Gardnerella、Atopobium、Streptococcus、Prevotella)・流早産関連菌2属(Ureaplasma、Mycoplasma):判定基準は陽性2+相当
膣内細菌検査Flora selectの技術的限界とリスクについて
ラクトバチルスの優占度カテゴリは、膣内擦過物に含まれる細菌の16S rRNA遺伝子の量を基に推定されるもので、ラクトバチルスの占有率(%)について算定出来ません。この検査の対象は、代表的な細菌性膣症及び流早産関連菌のを調べるものであり、その他の関連菌の存在を否定するものではありません。また、この検査はあくまでも検体に含まれる特定の菌の検出を行うものであり、実際の膣の状態を必ずしも反映していない場合もあります。
検体由来の細菌数が極めて少ないと考えられる場合、ラクトバチルスのカテゴリは「検出限界以下」、細菌性膣症関連菌と流早産関連菌は全て「陰性」との報告になります。この様な状態の原因としては、以下が考えられます。
①抗菌剤等の使用や個人差によって、検体中の細菌数が極めて少ない。
②検体を十分量採取出来ていなかった。
③大量のヒトDNAやDNA抽出を阻害する様な物質が混入している場合
また、検査会社が検体受領時点で、検体採取から4週間以上経過している場合、保存容器の使用期限が過ぎている場合は、検体採取時の膣の状態が正しく反映されていない可能性があります。
本検査は、細菌由来のDNAのみを解析する為、ヒトの遺伝学的リスクを判定するものではありません。
膣内細菌検査Flora selectの流れ
1.検体採取:月経期間及び月経後3日目までを除く期間に、膣から採取。
2.検体発送
3.DNA抽出:検体からDNAを抽出。
4.検体測定:リアルタイムPCRを用いて特定の菌を検出。
5.データ解析
6.結果報告:3週間程度でご報告!
膣内細菌検査Flora selectの結果を踏まえた治療方法例
ラクトバチルス割合 | 治療法(案) | ラクトフェリン | PB膣剤等 |
BV菌4種(+) |
メトロニダゾール 【妊婦(週数によって変更)】 膣剤(250mg)×7日(12週未満) 経口(750mg)×7日(12週以上) |
要検討 | ラクトバチルス割合がLOW以下の場合検討 |
Ureasplasma(+) |
ニューキノロン系/ビブラマイシン 【妊婦】クラリスロマイシン・エリスロマイシン・アジスロマイシン |
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Mycoplasma(+) |
マクロライド系/ニューキノロン系 【妊婦】クラリスロマイシン・エリスロマイシン・アジスロマイシン |
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BV菌及び流早産関連菌陽性 | BV菌を優先 |
現時点では、L. inersに対しての治療は確立しておらず、L.(para)gasseriの産生するバクテリオシンや、システインが有効との報告があります。
HISAKOの結果、大公開
境界線ギリギリのHISAKOは、慈恵医大の婦人科で、細胞診、時々コルポスコピー検査でfollow upされています。先日、コルポスコピー検査を受けましたがが、膣断端の粘膜は見た目は綺麗と主治医の折り紙付き(肝心の組織の検査の結果は、未だ出てません)。会計待ちしている間に受け取ったのが、この検査結果です。
検査会社の担当者は、私の結果を見て、「大丈夫ですか?」と心配メールを即行送って来ました。それ程、結果が最悪でした。…しかし、自覚症状はない。強いて言えば、少しドライ?なくらいで何もなかったですが、取り敢えず放置して、大事に至ってしまうのは怖いので、メトロニダゾールの服用と、ラクトバチルス乳酸菌や乳酸、ヒアルロン酸配合を配合したインナージェルを始めとする、est’re(エストール)(美容通信2026年7月号)のシリーズを使い始めました。ホルモン療法はずっと継続しているので、ラクトバチルスの餌は十分なはずなんですが、それでも細菌性膣症と流早産関連のバイ菌達が、正義の味方ラクトバチルスを押し退けて、我が世の春を謳歌している状態です。
- Lactobacillus優占度:検出限界以下
- 細菌性膣症 関連菌
- Gardnerella:陽性
- Atopobium:陰性
- Streptococcus:陽性
- Prevotella:陽性
- 流早産 関連菌
- Ureaplasma:陽性
- Mycoplasma:陰性
2025年5月に発売したばかりのニューフェイス”ユテラ”
不幸にも、膣内細菌検査Flora selectの結果が捗々しくない場合には、ホルモン補充療法でエストロゲンを補充し、若い頃の様に、膣の上皮細胞にグリコーゲンを産生させてラクトバチルスを増やすのが本筋ではありますが、特に日本では、何故か、中々、ホルモン補充療法まで踏み込めない御婦人が多くいるのも事実。
デリケートゾーンの正しいケアによって、膣内環境は改善しますから、デリケートゾーン専用化粧品であるest’re(エストール)(美容通信2026年7月号)のも一つ。デリケートソフトウォッシュ(大切な善玉菌であるラクトバチルス乳酸菌を残して、汚れのみを優しく落とす泡状洗浄剤)、デリケートソフトジェルクリームやデリケートリッチオイルセラム(還元発酵乳酸菌®が善玉菌をサポートしてくれるだけでなく、乾きがちな膣をしっかり保湿)、そして、ラクトバチルス乳酸菌や乳酸、ヒアルロン酸配合を配合したインナージェルで構成されています。ラクトバチルスを直接腟内投与をする方法は、非常に有効との報告が最近は散見されます。そして、サプリメントの併用。「女性のフローラから考えたラクトフェリン」で、ラクトバチルスに餌を与えて、間接的にラクトバチルスを育てる。このサプリメントは、ラクトフェリン自体の効果効能も堪能出来て、二度美味しい系。また、臨床的なデータを持つ4つの生きた乳酸菌、ビフィズス菌を使用し、腟内環境と腸内環境のどちらにもアプローチしてくれるTHER-BIOTICTMFemme Flora(美容通信2026年7月号)を選択するのもあり。また、最近発売されたばかりの、ユテラも人気です。ユテラは、正常妊婦の膣から合成された日本製。L. Crispatus LBV88、L. gasseri LBV150N、L. jensenii LBV116、L. rhamnosus LBV96が含有されています。
*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。
*治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。
*使用中や使用後、刺激またはアレルギーによる赤み、かゆみ、痛み、腫れ等の異常が現れた場合、使用を中止し、医師に相談してください。
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