HISAKOの美容通信2011年11月号
年に1回は、遺伝子検査で癌検診。
遺伝子検査は、遺伝的な(=先天的な)体質を検査するイメージでしたが、今や日々進化を遂げ、近頃は、誰にでも起こる遺伝子の後天的な変化を調べる事が可能となりました。
後天性の遺伝子検査系の先頭を突っ走るのが”癌リスク評価”で、年に1回行う癌検診の一つと思って下さい。
多数の癌関連遺伝子を一括して検査・解析するので、(癌の再発例を含めて)従来の画像診断や血液検査では発見や評価が不可能であった超早期の癌と言うか、その兆しを見つける事が出来ます。
何で、皮膚科・形成外科で「”癌”なんだ!?」って良く聞かれるけど、それは、単に私が癌がとっても怖いから。20年前に子宮癌やって、3年以内に絶対再発すると失礼な(!!)主治医に宣言されたにもかかわらず、生き延びて、今、好き勝手な事を全開でやってられるのも、未だに再発したり、新しい癌に罹ってないからの、その一言に尽きます。兎に角、可愛いモノが大好きで、「何時までも若く可愛く生きていたい」がモットーで、それが嵩じてこんな趣味の病院を開業しちゃう位なので、あの闘病生活はもう二度と嫌なんです。ハゲタカみたいな頭して、全然可愛くなかったんだもん、ははは(笑)。
転ばぬ先の杖が、1つ増えました。それが、<年に1回は、遺伝子検査で癌検診>です。
年に1回は、遺伝子検査で癌検診。
遺伝子検査って代物は、昔は親から子へと脈々と繋がる遺伝的な体質を検査するものでした。HISAKOのクリニックでも、この遺伝的な体質(美容通信2010年3月号)を踏まえて、ダイエットやアンチエイジング(美容通信2010年10月号)に対する、より効率的なアプローチの方法を提案して来ました。
が、この遺伝子検査も日々進化を遂げ、近頃は、誰にでも起こる遺伝子の後天的な変化を調べる事が可能となり、”現在の”身体的状態を評価する検査に主軸を移しつつあります。今月号は、後天性の遺伝子検査系の先頭を突っ走る”癌リスク評価”についてお話しようと思っています。この遺伝子検査は、年に1回行う癌検診の一つと思って下さい。多数の癌関連遺伝子(正常細胞を癌化へと引導を渡す、まあ、性悪な死神系(笑)遺伝子数十種類)を一括して検査・解析するので、(癌の再発例を含めて)従来の画像診断や血液検査では発見や評価が不可能であった超早期の癌と言うか、その兆しを見つける事が出来るって代物です。高が20cc程度の血を採られたら、3週間程度果報を寝て待つだけです。結構簡単でしょ?
1日に6000億個細胞は入れ替わる。つまり、6000億回もコピー作業を行う訳ですから、そりゃ偶にはコピーミス(=突然変異)だってするわなぁ。唯、救いは、癌関連遺伝子がコピーミスしただけでは、癌にはなれないんです。変異配列が転写・翻訳される事で、初めて異常蛋白質の機能が発現し、過剰な細胞増殖が起こって癌になるんです。
補足までですが、ある遺伝子が持つ遺伝情報は、mRNAの塩基配列として転写され、その後蛋白質のアミノ酸配列に翻訳される事で、蛋白質はその機能を発現します。下の図「遺伝子の発現(転写~翻訳)」(四国がんセンターホームページより引用)を見て下さい。
遺伝子の配列がmRNAに転写されると、mRNAが核内からリボゾームに移動しているでしょ? ここにtRNAが運んで来たアミノ酸が次々とくっ付いて、ペプチジル基転移反応なるものでペプチド鎖が合成され、蛋白質が漸く出来上がるんです。まあ、これを”遺伝情報の発現”と言うんです。
唯、何度も繰り返し言いますが、幾つかの遺伝子異常の蓄積があって、初めて癌の発生や進展になれるもので、これを”多段階発癌仮説”と言うんだそうです。ありふれた正常な細胞が癌細胞へと変容するには、嫌われ松子ばりの数々の度重なる不幸な出来事の挙句ってシチュエーションが必要(笑)なんだって事です。例えば、大腸癌になるまでの不幸な変遷を、各段階ごとでの各遺伝子(癌遺伝子・癌抑制遺伝子)の変異として図示してみましょう。
この遺伝子検査では、最大47種類の癌関連遺伝子について、その発現状態を検出します。しかしながら、この遺伝子検査をもってしても、全ての悪い前兆を見逃さずに検出する事は無理です。ですが、簡便なスクリーニング法としては非常に優秀なんです。これで、リスクが高い若しくは、前回よりリスクが上昇している場合は、専門医を紹介し、従来の画像診断(PET-CTやMRI、X線等)や血液検査等で精査を行います。これで、癌が発見されれば専門医の下で早期の治療の開始になりますし、もし発見出来ない場合は定期的な精査の実施と併せて、体質改善としての高濃度ビタミンC点滴やオゾン療法、栄養療法、BAK療法等を行います。
具体的な検査項目は以下の4つ。Free DNA、突然変異解析、メチル化解析、発現解析です。
これらを総合的に判断し、癌のリスク評価を行います。
Free DNA濃度で、どれだけ細胞が壊されちゃったか度を調べてみよう。
Free DNA濃度解析とは、言葉通り、血液の中を徘徊する不良娘(DNA)がどれ位いるかを測定する検査です。通常DNAは、深窓の令嬢と同じで、細胞の中に大事仕舞い込まれた箱入り娘で、ふらふら外をほっつき回るなんて事はしません。ところが、癌を患っている人や炎症性疾患で悩んでいる人では、癌組織や炎症組織で細胞死が盛んに起こってます。つまり、東日本大震災級に家屋が倒壊し、家無き子状態となったFree DNAが大量に血液中に流出すると言う事態が発生するんですねぇ。まあ、確かに、どんな深窓の令嬢だって、お屋敷が火事になれば路頭に迷うし、親がリストラされれば何時までも体の良いニートの身分でいれる筈もなく(笑)、健常な人だってFree DNAは皆無ではありません(基準値25ng/ml)。が、当たり前ですが、癌を患っている人や炎症性疾患で悩んでいる人の比ではないんですよねぇ。
濃度解析の際、25ng/mlを閾値として設定しています。
- Free DNA濃度25ng/ml(基準値)~
健常者が約29%だったのに対し、癌患者は約71%とと~っても多い。
- Free DNA濃度~25ng/ml
健常者が約58%だったのに対し、癌患者は約42%と多数派ではないけど、いるのは紛れも無い事実。
癌は多くの場合、慢性の炎症を伴う一種の炎症性疾患でもあるので、現在一般的な検査として使用される様々な腫瘍マーカーに加え、Free DNA濃度を測定する事は、担癌状態、癌の悪性度やリスクに関する評価としてと~っても有用なんです。まあ、炎症の殆どは単なる炎症で、癌を伴う事は実際問題としては決して多いとは言えませんが、Free DNA濃度が持続的に高い場合は、癌も疑って、ペットの様な精密な検査を受けてみる価値はあります。そして、例え精密検査等で何も見付からなかったとしても、経過観察は継続する必要があるとされています。
突然変異解析で、Free DNAのお里を知ろう。
日焼け止めも塗らずに富士山登山を決行したり、排気ガスを撒き散らしているバスの金魚の糞状態でジョギングしたり、内部被爆した牛肉を食べたり等々と、極々普通の凡庸な日常生活を送っていようと、DNAに傷は付いてしまう(突然変異)ものです。この細胞の遺伝子配列に異常が起きる現象は、大きく分けると左図の様な3つのタイプに分けられます。
でも、私達はタフな地球上生命体なので、多少なら痛んだ所を自分で修復する術を持っていますし、手に負えないと分れば、とっとと、壊れたDNAを内蔵する細胞ごと排除してしまうドライな一面、これをお洒落な医学用語で現すと「免疫力」って言うんですが、を持ち合わせています。
ところが、爺婆になって耄碌したり、ろくでもない生活習慣を続けていると、まあ、5年から20年って長いスパンのお話なんですが、本来なら修復すべき、若しくは排除すべき突然変異を起こしたDNAを有した細胞を、「まあ、良いかぁ」って許容するようになっちゃうんです。これは、癌を促進する遺伝子や抑制する遺伝子についても言える事で、血液中のFree DNAを用いて、これらの癌の発生に関与する遺伝子上での突然変異出現率を検査するのが、”突然変異解析”です。
健常者でも、突然変異出現率は約2%ありますが、癌患者さんになると出現率は約17%と、明らかにUP。それ故に、突然変異が検出されたら、先ずは「癌を疑え」がお約束。画像検診等の、より精密な癌検診を受診して下さいね。勿論、同時に生活習慣を改善すると共に、高濃度ビタミンC点滴(美容通信2008年11月号)やオゾン療法(美容通信2011年8月号)で免疫力をUPしましょう。より積極的になら、ちょっと金額は張るけどBAK療法もありかな。
参考までに、Free DNAの濃度に関わらず解析する領域は、p53(4/6/7/8)、EGFR(18/19/20/21)です。Free DNA濃度が150ng/ml以上の場合に解析する領域は、K-ras(1/2)、H-ras(1/2)、N-ras(1/2)、BRAF(11/15)、APC(5/15/16)です。
実際の症例で見てみましょう。右のチャートは、突然変異解析に於いて出力される遺伝子配列データの一部を示しています。
波形を解読する上での、先ずはお約束から。
- 遺伝子が正常な配列(親から受け継いだ遺伝子の配列)の場合、その波形は塩基配列1ヶ所について、1つの波形を示します。
- この本来持つ正常配列に後天的な突然変異が生じると、その波形に重なる位置に、小さな波形が検出されるようになります。
- これにより、どの遺伝子のどの位置に塩基置換、欠失、挿入等の突然変異が存在するのかを知る事が出来ます。
チャートを見ると、EGFR遺伝子のコドン723に突然変異が検出されていますよね? EGFR遺伝子は、肺癌や大腸癌何かがあると、突然変異を起こす遺伝子です。
好奇心旺盛な貴女に贈る~解析対象遺伝子についての補足
p53(4/6/7/8)
細胞増殖やアポトーシス(細胞死)を誘導する機能を持っているが故に、癌の発症予防に於ける最重要遺伝子とされる。別名・癌の番人(犬)。実際問題として、細胞の突然変異でこのp53の機能が消失すると、節操って言葉が死語と化し、細胞が野放図に増殖=癌化し易くなっちゃうんです。この突然変異は、結腸、胃、肺、膵臓、卵巣、甲状腺、乳癌等の多くの癌、及びその前癌状態の時点で検出されます。但し、検出率は、癌の種類によって異なります。
EGFR(18/19/20/21)
遺伝子増幅や変異、構造変化により、発癌や癌の増殖、転移を呼び起こす、遺伝子界の野原しんのすけ(臼井儀人の漫画『クレヨンしんちゃん』の主人公である架空の人物。漢字表記は「信之介」とされているが、公式設定ではない)。EGFRの過剰発現は、腎癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、頭頚部癌、卵巣癌、胃癌、大腸癌等の様々な悪性腫瘍で認められます。
K-ras(1/2)
H-ras(1/2)
N-ras(1/2)
と~っても似た構造が故に、「ras遺伝子ファミリー」と十羽一絡げに括られてしまう遺伝子軍団ですが、実は細胞内シグナル伝達に於いては結構な重鎮。コドン12、13、61に点変異が起こると深い眠りから覚醒(活性化)しますが、活性型はNIH3T3細胞をトランスフォームさせる能力があるので、実は癌遺伝子なんだぁ!と考えられています。因みに、ras遺伝子は、体細胞に生じた遺伝子の変異が、人間の発癌過程に密接に関与する事が示された最初の遺伝子なんだそうです。膵癌では、K-ras遺伝子の点変異が90%以上認められます。
BRAF(11/15)
癌原遺伝子の一つで、点変異によって活性型の癌遺伝子として牙を剥いてきます。BRAFは、ras遺伝子を活性化する事で細胞増殖を促します。甲状腺乳頭癌、非CSD黒色腫、卵巣乳頭のう胞腺腫や大腸癌etc.の様々な腫瘍に於いて、変異が検出されます。
APC(5/15/16)
癌抑制遺伝子の一つ。Wntシグナル伝達による細胞増殖促進を抑制する機能があります。細胞周期を抑制(G1S期の制御)する機能を持っている為、この遺伝子に異常が生じると、細胞周期が超高速メリーゴーランド状態(笑)の早回しになっちゃうんです。APC遺伝子の変異は、大腸癌を始めとする、多くの癌とその前癌病変の際に認められますがぁ、余りにも早期にその現象が出現する為に、「=癌を示唆するまでは‥」なんて事もしばしば。
メチル化解析で、不良化の徴候を見逃さない!
DNAのメチル化には様々な機能がありますが、その一つに、不要な遺伝子から不要な蛋白質が作られない様に、製造ラインをOFFにする機能があります。極めればナチの優性保護政策を髣髴とさせる機能(笑)ではありますが、実際問題として、私達人間には約22,000もの遺伝子を保有していますが、その全ての遺伝子が私達の体を構成する全ての細胞で同時に必要になるなんて事態は、想定外の連続だった福島の原発事故以上にありえませんよね。だから、取敢えず、不要不急の遺伝子の製造ラインのスイッチをOFFにして、余計なエネルギーを浪費しないエコ・ライフを実践するシステムが人間にはあるのです。これが、メチル化って奴です。
ところが、何をトチ狂ったのか、本来は不要な遺伝子に対してだけ起こるDNAのメチル化が、癌を抑制してくれる良い子の遺伝子(「癌抑制遺伝子」)に対しても起こると、恐ろしい事に癌が発生し易い状況になってしまうんです。左の図「CpG Island 不活性化による遺伝子不活性化」(貝瀬満 . Hericobacter Reseach. 10. 3. 2006 より引用)を見て下さい。
癌抑制遺伝子そのものは壊れてはいないんですがぁ、コブ付きと言うか、周辺にメチル基(CH3-)がベタベタ貼り付いて来ると、癌抑制遺伝子が発現し難くなる(=癌抑制遺伝子の情報を基に作られるタンパク質の量が少なくなる)と、ブレーキの機能が果たせなくなります。補足になりますが、この現象を「不活性化した」と医学用語では言うんですが、このメチル基の付着度合いを調べる検査が”メチル化解析”です。
ですから、メチル化=癌を強く疑うって短絡的な構図にはなりえないですが、少なくとも癌が発生し易い下地が整っているって考えるべきです。生活習慣を改善すると共に、高濃度ビタミンC点滴やオゾン療法で免疫力をUPしましょう。
参考までに、解析する遺伝子はAPC、ATM、BRCA1、DCC、E-Cadherin、hMLH1、p14、p15、p16、RAR-Beta2、RASSF1A、RB1、TIMP3、VHLの14個です。例えば、APC、DCC、p16の遺伝子がメチル化していると検出されたとします。そうすると、下記の様なコメントが付いて来ます。
- APC⇒大腸癌、胃癌、食道がん、膵臓癌、肺癌、肝臓癌、乳癌等々の、様々な癌の際に認められます。
- DCC⇒大腸癌や食道癌等で認められます。
- p16⇒大腸癌、胃癌、肝臓癌、乳癌等の様々な癌で認められます。
好奇心旺盛な貴女に贈る~解析対象遺伝子についての補足
APC
突然変異解析の章で解説したので、省略!
ATM
元々は、常染色体劣性遺伝病である、毛細血管拡張性運動失調症の原因遺伝子として発掘されました。この病気は、小脳失調、神経変性、放射線照射に対する感受性増強、成長遅延、免疫不全etc.の症状があり、又、発癌リスクが高い事でも有名です。
ATMは、銀行や郵便局の現金自動預け払い機の通称(Automated Teller Machine;自動出納機の略称)なんかでは、当然ありません(笑)。放射線照射によるDNA損傷が引き金となって目覚める(活性化する)と、p53(突然変異解析の章で解説したので、省略!)の15番目のセリン残基をリン酸化しちゃうんだそうです。ATM遺伝子のメチル化は、肺癌や一部のリンパ腫等で認められます。
BRCA1
癌抑制遺伝子の1つ。DNA損傷が生じた場合に速攻修復したり、細胞周期を制御(p21と関連)する機能があります。遺伝性の乳癌の原因遺伝子として有名で、乳癌や卵巣癌では複数の突然変異が検出されます。
DCC
大腸癌で高頻度に欠失する染色体18p21の領域から単離された癌抑制遺伝子。この遺伝子からコードされる蛋白質は、神経回路形成に於いてとっても大事な膜貫通型蛋白質。大腸癌に於けるDCC遺伝子の異常は、70%以上。又、大腸癌の発生や成長に伴う遺伝子異常の多段階モデルでは、悪性度の高い癌への成長段階でDCCの異常が起こる事が知られていて、癌の浸潤転移が起こり易くなるとされています。DCC遺伝子のメチル化は、大腸癌や食道癌等で認められます。
E-Cadherin
癌細胞では、Cadherinのプロモーター不活性化や過剰メチル化、それを制御するカテニンの遺伝子の変異や発現の低下によって、細胞膜上のカドヘリンの働きが現弱してしまっているんだそうです。その結果、恐ろしい事に癌細胞がバラバラになって、原発巣から離脱する‥。つまり、癌細胞がばら撒かれるって事だねぇ。
hMLH1
ミスマッチ修復遺伝子の1つ。DNA不適正塩基対の修復に関与してます。結構多種多様な癌で、プロモーターのメチル化が報告されています。
p14
p53(突然変異解析の章で解説したので、省略!)の機能を活性化する働きをしてるんですが、プロモーター領域がメチル化しちゃうと、職務放棄してしまいます。大腸癌、膵臓癌、肝癌等で検出されるんだそうです。
p15
p16の親戚筋に当たる癌抑制遺伝子の1つで、細胞周期を制御(G1S期の制御)する機能を持っています。メチル化されると、G1S期の制御が効かなくなるので、細胞は暴走メリーゴーランド♪ つまり、腫瘍抑制ってストッパーが働かなくなったら‥、癌化一直線って事です、はい。
p16
殆ど内容的にはp15と同じなので、よっぽどコピペで終了しちゃおうかと思った‥。
RAR-Beta
メチル化による遺伝子発現抑制は、早期乳癌や乳癌高リスク患者さんに良く認められます。その他にも、肺癌、大腸癌、胃癌、前立腺癌、子宮頚癌等、多くの癌の発癌過程で発見される事多し。唯、余りにも早期の段階で現れる変化の為、見付かったからって即癌って展開にはならないのが、ある意味、良いんだか悪いんだか。
RASSF1A
癌抑制遺伝子の1つで、細胞周期に関わり、サイクリンD1の蓄積を阻害する事で、細胞増殖を抑制します。メチル化は大腸癌に於いて分化度と相関するって報告もありますが、他にも、肺癌、膵癌、胃癌etc.の多くの発癌過程に於いてプロモーターのメチル化による不活性化が知られています。
RB1
RB1は、細胞増殖を促進するE2Fの機能を抑制する事で、細胞周期や細胞分裂を調節し、腫瘍となって暴走するのを阻止!
TIMP3
腫瘍の発達、血管形成、転移を抑えてくれる、最後の砦的存在の癌抑制遺伝子。癌の浸潤に関わるメタロプロテアーゼを阻害してくれるんです。それ故に、多くの腫瘍で頻繁にみられます。
VHL
癌抑制遺伝子で、細胞の成長・分裂速度を制御するブレーキ的な存在。clear cell renal carcinma(ccRCC)等で認められます。
発現解析
ある遺伝子が持つ遺伝情報は、その遺伝子の塩基配列がmRNAに転写され、その後蛋白質が合成されて初めて機能情報として発現します。つまり、癌関連遺伝子は突然変異を起こしただけでは癌化は引き起こされません。しかし、その変異配列が転写、翻訳されると、異常蛋白質の機能が促進される事で過剰な細胞増殖が起こり、これが癌化を引き起こします。”発現解析”検査では多数(47種類)の癌関連遺伝子の発現状態を検出します。下の図を見て下さい。
密度勾配遠心分離を行って、白血球の単核球(MNC)分画に含まれる細胞から、単核球由来のRNAを抽出します。癌細胞の他、癌細胞を喰っちまった貪食細胞も、この白血球の単核球分画に含まれている訳ですから、癌関連遺伝子の発現レベルを調べれば、自ずと癌のリスク評価が出来るって事です、はい。
好奇心旺盛な貴女に贈る~解析対象遺伝子についての補足
は、と比較して検出頻度が低い遺伝子。
AFP
主な機能:胎児性蛋白質。胎児期に肝細胞で産生され、胎児血液中に存在する酸性糖蛋白質で、生まれてからは一般的には殆ど産生されません。肝臓癌、肝芽腫、精上皮腫、肝硬変等で出現。
bcl-2
主な機能:アポトーシス制御。bcl-2が過剰発現している時は、p53等によって誘導されるアポトーシス(細胞死)が抑制されているとの報告があり、白血病の際に認められます。
CA125
主な機能:細胞膜糖蛋白質。主に卵巣癌の際に発現の上昇が認められる為、卵巣癌の腫瘍マーカーとしても御馴染みですが、子宮体癌でも上昇します。
CD44
主な機能:細胞接着。膜貫通型の糖蛋白質で、細胞間及び細胞-細胞基質間の接着を媒介。つまり、発現上昇は、癌化、癌の成長、転移に関与するのです、はい。
CEA
主な機能:胎児性、細胞接着。大腸癌、肺癌、膵臓癌等で発現し、腫瘍マーカーとして有名。
CGA
主な機能:分泌蛋白。と~ってもありふれた蛋白質で、ホルモン、酵素、神経ペプチド、神経伝達物質等の分泌に関与しています。肺癌や乳癌等の腫瘍マーカーとして利用されています。
c-kit
主な機能:増殖因子受容体。Kitは、レセプター型蛋白質チロシンリン酸化酵素で、リガンドと結合する事で活性化し、リン酸化シグナルを細胞内部へと伝達し、細胞の増殖を促進します。関連する癌としては、胃癌、大腸癌。
c-met
主な機能:増殖因子受容体。主として胃癌に於いて有意な過剰発現が起こり、癌の転移に於いて遺伝子増幅が認められる為、癌の進行に深く関与していると考えられています。
c-myc
主な機能:細胞周期調節。細胞周期のG1期→S期への進行に於ける中心的存在。多くの癌で過剰発現が認められます。
COX2
主な機能:PGE2合成酵素。アラキドン酸を基質としてプロスタグランジン(PG)E2(美容通信2007年4月号)を合成する酵素。関連する癌としては、大腸癌や肺癌が上げられます。
CyclinD1
主な機能:細胞周期調節。細胞周期のG1期→S期への進行に関与。乳癌や白血病等で過剰発現します。
Cytokeratin-7
Cytokeratin-19
Cytokeratin-20
主な機能:細胞骨格蛋白質。正常の場合上皮細胞に発現しますが、肺癌や胃癌、卵巣癌等ではCytokeratin-7に、肺癌、乳癌、甲状腺癌等ではCytokeratin-19に、胃癌、大腸癌、膵臓癌等ではCytokeratin-20の発現上昇が認められます。
E2F1
主な機能:転写因子。DNA合成関連遺伝子、c-mycやCyclinD1等の遺伝子を誘導する事で、細胞周期をS期に進め、細胞増殖を図ります。大腸癌や肺癌、前立腺癌、乳癌などで上昇します。
E2F3
主な機能:転写因子。DNA合成関連遺伝子、c-mycやCyclinD1等の遺伝子を誘導する事で、細胞周期をS期に進め、細胞増殖を図ります。肺癌や膀胱癌等で上昇します。
EGFR
主な機能:増殖因子受容体。上皮成長因子(EGF)の膜貫通型受容体で、細胞の分化(特に上皮形成)や増殖に関わっています。関連する癌は多岐に亘り、食道癌、脳腫瘍、腎臓癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、胃癌、大腸癌等。
FGFR2(K-sam)
主な機能:増殖因子受容体。受容体型チロシンキナーゼでリガンド結合をする事で活性化します。これにより、Gab2-Sos複合体からRasへのシグナル伝達が活発になり、細胞増殖に拍車が掛かります。胃癌の際に過剰発現を認めます。
Gli1
主な機能:転写因子。Hedgehogシグナル経路に関与する転写遺伝子をコードします。正常の場合、成人の組織に殆ど発現はありえないとされていますが、神経膠芽腫、膵臓癌、乳癌等で発現が確認されます。
GPC3
主な機能:プロテオグリカン。形態形成に於ける細胞の増殖やアポトーシスの制御に関与。肝臓癌に於いて過剰発現が認められます。
hCGβ
主な機能:胎児性蛋白質。受胎後10~12日後の胎盤形成早期の栄養膜細胞から産生される糖蛋白質で、乳癌や肺癌、腎臓癌、膀胱癌、卵巣癌等の様々な癌で発現上昇します。
Her-2/neu
主な機能:増殖因子受容体。上皮細胞増殖因子受容体ファミリーの一員で、乳癌と卵巣癌の際に行われる化学療法薬の有効性を左右するみたい。25^30%の乳癌患者で認められる他、卵巣癌、肺癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌等でも過剰発現します。
HIF-1α
主な機能:解糖活性化。HIF1蛋白質を構成するサブユニットの1つです。HIF1は、癌の成長や浸潤、転移、血管新生、細胞分裂、そして癌細胞一族が元気に繁栄する為の、諸々のエネルギーを生み出すのがお仕事。
HnRNP A2/B1
主な機能:核内リポ蛋白質。主に肺癌で認められ、早期から過剰発現します。その他、乳癌等でも。
hTERT
主な機能:テロメラーゼ。テロメラーゼとは、染色体末端のテロメア配列を伸長する逆転写酵素で、細胞分裂を促進します。hTERTは、殆ど全ての癌で発現しますが、正常細胞では一部の生殖細胞でしか発現していません。その為、癌特異的な遺伝子として知られています。
L-myc
主な機能:転写因子。細胞の分化や増殖等の制御に関与し、肺小細胞癌及び原発性の肺癌に於いて、遺伝子増幅及び過剰発現します。
MAGE-A1
MAGE-A3、A6
MAGE-A4
MAGE-A12
主な機能:細胞表層膜蛋白質。”巨人の星”の星飛馬の初恋の女性・日高美奈は、若くしてメラノーマで亡くなりましたが、このメラノーマ細胞から発見された腫瘍特異抗原です。正常では精巣と胎盤以外には発現しませんが、様々な腫瘍で発現が上昇します。MAGE-A1は肺癌、胃癌、肝臓癌等で、MAGE-A3&A6は肺癌、胃癌、乳癌等で、MAGE-A4は肺癌、肝臓癌、乳癌等で、MAGE-A12は食道癌や乳癌等で認められます。
mdm2
主な機能:蛋白質分解。p53をユビキチン化しちゃうので、結果、p53はプロテオソームによって分解が進んじゃうんです。関連する癌は、神経芽細胞腫です。
MDR-1
主な機能:薬剤耐性。薬剤を細胞内から細胞外へ排出するポンプであるP-glycoprotein(Pgp)を、コードしている遺伝子です。過剰発現している癌細胞では、薬剤の細胞外への排出が増大し、細胞内への蓄積が減る。つまり、抗癌剤の効きが悪いって事を意味します。だから、どの癌に対しても関連するんです。
MMP-2
MMP-9
主な機能:プロテアーゼ。細胞外マトリックス分解に関わる、タンパク質分解酵素です。基底膜のⅣ型コラーゲンを切断し、血管新生の開始の鍵を握る重要人物。MMP-2は、癌の浸潤に関与しています。
Mucin1
Mucin4
Mucin7
主な機能:粘液糖蛋白質。気管、胃腸等の消化器、生殖腺等の内腔を覆う粘液のメインを張る主要な糖蛋白質です。ムチンを含む細胞表層の糖質の変化が、細胞の癌化の一般的な特徴として知られていますが、これらの変化は、細胞の接着性の変化、或いは転移の様な癌細胞の暴挙とも言える異常行動!、危険を回避する所謂防御機能の放棄(=免疫力の低下)に関与しているそうです。Mucin1は食道癌、大腸癌、膵臓癌等で、Mucin4は膵臓癌等で、Mucin7は膀胱癌等で認められます。
NSE
主な機能:神経特異的解糖酵素。神経内分泌系の腫瘍(肺小細胞癌、神経芽細胞腫、褐色脂肪腫)の腫瘍マーカーとして有名ですが、肺がんに於いても過剰の発現が認められます。
ProGRP
主な機能:細胞分裂促進因子。膵臓癌、肺小細胞癌、前立腺癌、腎臓癌、大腸癌、乳癌の強力な細胞分裂促進因子です。その他肝臓癌でも過剰発現が認められます。
PSA
主な機能:セリンプロテアーゼ。前立腺から分泌される蛋白質なので、当然、前立腺癌や前立腺肥大等で認められます。
RCAS1
主な機能:腫瘍抗原。関連する癌としては、膵臓癌、子宮癌、卵巣癌等。
SCC
主な機能:腫瘍マーカーとして有名で、肺癌、食道癌、子宮癌等で認められます。
Survivin
主な機能:細胞周期調節。アポトーシス阻害及び細胞周期の制御に関与するので、多くの癌で高発現が認められます。
Thyroglobulin
主な機能:甲状腺ホルモン前駆体。甲状腺癌で発現上昇します。
VEGF-A
主な機能:血管新生因子。新しい血管が増えるにも段取りってもんが必要で、先ずは内皮細胞が寄って集って(遊走)、増殖しなきゃ始まんない。それ故に、殆どの癌で過剰発現が認められます。
VEGF-C
主な機能:リンパ管新生因子。リンパ節転移のリスクに関連する他、殆どの癌に於いて発現上昇が認められます。
WT-1
主な機能::転写因子。白血病や肺癌で認められます。
限りなくグレーな判定を受けた人々へ
遺伝子検査を行って、リスクが高い若しくは、前回よりリスクが上昇しているなんて言う、まあ、限りなくグレーな判定を受けてしまったら、先ずは専門医を御紹介致します。そこで、従来の画像診断(PET-CTやMRI、X線等)や血液検査等で精査を受けて頂く運びになります。これで、癌が発見されれば専門医の下で早期の治療の開始になりますし、もし発見出来ない場合は…、定期的な精査の実施と併せて、体質改善としての高濃度ビタミンC点滴やオゾン療法、栄養療法、BAK療法等を行います。
栄養療法(美容通信2007年3月号)
まあ、栄養療法は、採血して足りない栄養素を同定し、それを補うのが基本。だから、まあ、一般論と言えば一般論なんだけど、なるべく弱点を理解した上で補う方が良いよね。全部は網羅なんて出来ないから、肝臓癌を例に取って説明しましょう。
肝臓癌かも!?
部位別関連遺伝子⇒p16・BRAF・MAGE-A・APC・CK-19等
日本では、肝臓の病気と言えば、殆どがウィルスによる感染症で、それが高じて慢性肝炎、肝硬変、肝臓癌と進化を辿るとされています。実際、肝細胞癌(肝臓癌の95%)の8割以上に肝硬変の合併が認められ、又8割以上でウィルスの持続感染が認めれれるんだそうです。ウィルスの7割方と圧倒的な大多数を占めるのが、HCVです。唯、このHCVってウィルスは意外に根性なしなので、直接的には肝臓を破壊する事はあんまないんです。寧ろ、ウィルスを排除する為に体が良かれと思って行った免疫反応が、仇になったとでも言うんですかねぇ…。つまり、免疫反応には、直接ウィルスに憑りつく中和抗体の産生と、もう一つ、ウィルスに汚染された細胞ごと爆破する細胞障害性T細胞(CTL)の誘導の2つがあるんです。まあ、感染細胞なんて、肝臓全体から見れば大海の一滴に過ぎず、大した問題にはならないんですが、寧ろ、排除の際に オマケとして起こる一連の炎症反応が悪さをするんです。活性酸素の大盤振る舞いって奴です。この活性酸素の恰好の餌食が、最近何かと注目を浴びてる遺伝子・p53なんです。。この遺伝子は、癌の抑制遺伝子で、前述の通り、不良化の兆しが見えたら、そんな奴は殺しちまえ!って、まあ、オヤジ狩りならぬ”不良狩り”を生業としています。これが、ダウンしたら、そりゃあ、癌が好き勝手出来ちゃうもんねぇ。
分子栄養学的なアプローチ
肝硬変と同様に、基本は高蛋白質、高エネルギー食、高ビタミン食が有効とされています。
CoQ10
300mg~。フリーラジカルスカベンジ。
肝細胞は、活性酸素発生(美容通信2011年4月号)(美容通信2010年10月号)(美容通信2004年11月号)の最大母地であるミトコンドリアが極めて大量に存在しているので、特に病気に罹っていなくても、エネルギー産生に使われる酸素の約5%を活性酸素に変化させています。にも拘らず、C型肝炎になんかなっちゃうと、酸化ストレスが超亢進します。実際、肝組織を試験的に採って調べてみると、過酸化脂質が認められるし、肝硬変にもなれば、ミトコンドリアのβ-酸化が抑制されていて、大量の過酸化水素(H2O2)発生! いよいよ、活性酸素の餌食となってしまうんです。尤も、カタラーゼとかグルタチオンパーオキシターゼ等の、毒消しテクも保有はしておりますが、持続的なウィルス蛋白だとか、炎症、アルコール等々の過剰な活性酸素が大津波の様に押し寄せて来たら…、当然一たまりもなく、撃沈!= 発癌の憂き目に。つまり、酸化ストレスが癌の最大の要因である以上、肝細胞は最も癌化し易い細胞って事になり、特にグレーな人々には、抗酸化アプローチは必須となる訳。CoQ10の他、抗酸化ビタミンとしてのビタミンE(トコトリエノール)やビタミンCは、それ故に必須です。
- ビタミンE&トコトリエノール
ビタミンEは、800IU~。トコトリエノールは、160mg~。フリーラジカルスカベンジ・血液循環の改善。
- ビタミンC
6,000mg~。肝実質障害の抑制・血管の強化・カルニチン代謝の活性化。
- ビタミンA
60,000IU~。癌の抑制。肝臓癌では、肝臓内のビタミンA量が低下している事が判っている。
トータルな栄養アプローチとしての基本は、やっぱA、E、Cでしょう。
- ビタミンK
200μg~。抗癌作用。
- ビタミンD
400IU~。抗癌作用。
- フコイダン
100mg~。免疫能の回復。
- β-グルカン
100mg~。免疫能の回復。
- シリマリン
260mg~。抗酸化作用・抗炎症作用。
- プロテイン
40~50g。高蛋白質の原則に最も則った由緒正しきアプローチ。
- ビタミンB群
B1レベルで200mg~。障害された肝臓の中間代謝促進。
- 核酸(DNA)
150mg~。肝再生の為の細胞分裂の促進。
- コンドロイチン硫酸+グルコサミン
4,000mg~。結合組織の維持に重要。
- ヘム鉄
24mg~。貧血の改善。
- EPA/DHA(美容通信2010年6月号)
1,000mg~。欠乏する多価不飽和脂肪酸の補給。多価不飽和脂肪酸には、殺癌細胞効果と制癌効果があるからなんです~ぅ。
- γ-リノレン酸
1,000mg~。癌抑制・欠乏する多価不飽和脂肪酸の供給。
- ダイエタリーファイバー&プロバイオティクス
6g~。腸内細菌叢を改善して、アンモニア発生抑制。
実は、腸内環境正常化ってと~っても大事なんです。バクテリアトランスロケーションの他に、肝臓で解毒と称して、毒素をグルクロン酸で包み込んでドサクサに紛れさせて胆汁と一緒に流し出したところで、腸内環境が悪いと、毒素を包んでいたオブラートが解けて、中身が露出。こうなると、腸管から再吸収されるし、受容体に対してもいらん刺激を加えて、炎症性のサイトカインを放出させるもんだから、どうしたって肝臓の負担は増えるんです、はい。
一般論って訳じゃないけど…癌と戦うフィトケミカル!
- アブラナ科の野菜を食べて食べて食べまくる。
アブラナ、大阪白菜、カブ、からし菜、カリフラワー、キャベツ、京菜、クレソン、ケール、小松菜、コールラビ、搾菜、山東菜、すぐき菜、タアサイ、カイワレダイコン、大根、タイサイ、高菜、チンゲンサイ、唐菜、薹菜、菜の花、野沢菜、白菜、パクチョイ、ラデッシュ、日野菜、広島菜、ブロッコリー、ホースラデッシュ、水掛菜、ルコラ、芽きゃべつ、わさびetc.。結構、そこいらのスーパーでもお目に掛かるお野菜達です。
- ブロッコリー一族の門下に下る。
・インドール3カルビノール
「国立ガン研究学会誌」でも発表され、免疫強化に最適の栄養素で、害を持つ異常細胞を無毒化する酵素の働きを強める事が知られています。インドールというフィトケミカルには、乳癌や前立腺癌に関連するホルモンの働きを阻止する作用があるんだそうな。因みに、食い物ではアブラナ科の野菜に多く含まれています。
註:フィトケミカルとは?
一般的な意味では、通常の身体機能維持には別になくても困らないんだけど、病気を予防したり健康を維持したい♪なんて志を高く持つ人々にとっては、避けて通れない植物による栄養素の事。アメリカがん研究協会(AICR)は、「がんと闘う食べもの」(Foods That Fight Cancer )を公表し、豆、アブラナ科の野菜、深緑の葉の野菜、ベリー、亜麻仁、ニンニク、葡萄、緑茶、大豆、全粒穀物を挙げています。
・ジンドリメタン
・スルフォラファン
その強力な解毒作用と抗酸化作用から、癌の予防効果があると言われています。キャベツやカリフラワー、ブロッコリーetc.に含まれていますが、中でもブロッコリーのスプラウトは断トツ♪
一般論って訳じゃないけど…根っからの極悪人じゃないから、更生を期待してます。
根っからの極悪人ではないので、せっせと毒気を抜く様な栄養サポートが欠かせません。
- 蛋白質の同化(美容通信2010年4月号)吸収量を確保 。
- マグネシウム、B2、B6、B12、葉酸、セリンを補充(美容通信2009年11月号・美容通信2009年12月号)。
- ベタイン(トリメチルグリシン/TMG)
生体内でメチル基供与体として働きます。多くの生物体内に存在し、お野菜やキノコetc.の食物にも含まれていますが、特にテンサイ(Beta) には多く、ベタイン (Betaine) の名はここから来たんだそうです。今でも、テンサイ糖蜜から抽出されています。コリン、葉酸、B12、S-アデノシルメチオニンと共闘体制を布いていています。
高濃度ビタミンC点滴療法(美容通信2008年11月号)
大量のビタミンCにより発生する過酸化水素(H2O2)は、カタラーゼ活性の低い癌細胞のみを選択的に破壊します。ビタミンCの選択的毒性は、正常の細胞には作用せずに、癌細胞だけを破壊します。経口摂取に点滴療法を行う事は、従来の癌治療(手術、化学療法、放射線療法)と組み合わせる事で、相乗効果が得られる事も確かめられています。
更に、ビタミンCは、癌細胞の増殖や転移の抑制に必要なコラーゲンバリアの形成、T細胞刺激による免疫増強作用、ニトロソ化合物生成の抑制、抗ウィルス作用、カルニチン代謝の促進等に不可欠なんです。マクロファージや好中球等の食(いしん坊)細胞群が活性酸素を産生して酸化破壊し、貪食作用で癌の増殖を抑制します。
癌を患ってる患者さんは、血液・組織・細胞中のビタミンC濃度が低下しているのも周知の事実。
高濃度ビタミンC点滴により、予後の延長と腫瘍細胞の縮小が期待出来るだけじゃなくて、痛みを緩和したり、睡眠の質を高め、エネルギーやスタミナを増大してくれる等々と、良い事尽くめ。
オゾン療法(美容通信2011年8月号)
免疫力を上げる作用に優れている為に、癌の補完療法として術後に高濃度ビタミンC点滴療法と併せて行う事が多いかな。
勿論、子宮癌や乳癌術後の頑固なリンパ浮腫治療の際に併用すると、浮腫の改善のみならず、癌の再発予防にも効くし、良い事尽くめ。
BAK(BRM Activated Killer)療法(美容通信2012年2月号)
体に元々存在する自己免疫細胞を、培養増殖・活性化して再び点滴等によって体内に戻す方法。自分の細胞を使うので、副作用が少なく、体に優しい治療法として、近年最も注目をされている癌の治療方法です。当院では、BAK療法では国内で有数の実績のある”きぼうの杜クリニック”の提携医療機関です。患者さんから採取した血液を、全て”きぼうの杜クリニック”に輸送し、そこで免疫細胞を培養してもらい、再び当院で点滴を行うと言うシステムを採っています。
*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。
※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。
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