アルベックスで腸内環境の改善 | 旭川皮フ形成外科クリニック旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2016年2月号

乳酸菌生成エキス「アルベックス」で、腸内環境の改善

image115

 (乳酸菌が)生きて腸まで届く」ヨーグルトが巷では流行っています。
が、「生きて腸まで届く」は、実は「生きて腸から出て行く」と同義語。 ←それじゃ、駄目だろ(笑)。
自分の乳酸菌を育てて、腸をケアする、ドクターサプリメント<アルベックス(乳酸菌生成エキス)>です。
全国850以上の医療機関で採用。
 無添加・100%植物性なので、HISAKOの様な牛乳にアレルギーがあっても安心して飲めます。

 最近、腸と腸内細菌に関する研究が世界的に急速に進み、次々と新しい知見が発見される様になって来ました。HISAKOのクリニックでも、繰り返し特集(美容通信2012年8月号)(美容通信2013年8月号)を組んで来ました。
 腸は単に食物から栄養分を消化吸収するだけでなく、腸内細菌が合成した色々なビタミン類も吸収し、体全体に運ぶ役割もしています。更に、腸内細菌が産生する”脳内幸せ物質!”であるドーパミンやセロトニンの前駆物質を、腸管は吸収し、脳みそに送り届けているんです(美容通信2015年11月号)。免疫にも関与(美容通信2014年1月号)しています。腸には、神経細胞と免疫細胞が集中して存在しています。体の中の免疫細胞の約70%が、腸管に存在しているんです。腸内細菌の出すシグナルにより、これ等の細胞は一斉に活動を開始し、免疫力を高めます。
 腸内細菌の数は、約1000兆個。私達の体を構成する細胞の数が約60兆個ですから、その16倍強の腸内細菌が腸内で棲息し、その重量は約1.5Kgにもなります。そしてこの腸内細菌の命を受けて働く腸細胞達も、腸内細菌の数に匹敵するくらい多く、腸壁や腸粘膜にびっしりと存在しています。これ等は、当たり前ですが、絶えず「生まれては死ぬ」を繰り返しており、死骸はうんこの約半分を占めてます。食物残渣≒うんこのイメージがありますが、実は、食物残渣自体は精々15%位にしか過ぎません。
 腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、そして日和見主義をそのまま名前にされちゃった、その他大勢の日和見菌がいます。身も心もハッピーで生きていたければ、乳酸菌などの善玉菌を優勢の状態に保つのが肝要です。そうすれば、自ずと、圧倒的多数の尻馬系の日和見菌が、善玉菌の味方になってくれますから。

 今月号は、”めくるめく腸内細菌ワールドへの誘い”ってまるで宗教勧誘?的な入門編のお話と、その腸内細菌のサポートとしての乳酸菌生成エキス<アルベックス>のお話です。

ルーツを遡れば、腸になるから。

image116  小学校の理科の時間に戻りましょう。生物が地球上に現れたのは、約40億年以上も前。単細胞生物から多細胞生物に進化を遂げた際に、最初に出来た臓器が、つまり発生学的に最も原始的な器官が、腸です。…腔腸動物。イソギンチャクやヒドラ等の腸しかない動物達です。こ奴らは、口と肛門の区別すらなく、穴から入った食べ物を消化して、同じ穴から排出すると言う、と~ってもシンプルな構造♪ でも、脳みそが無いと、流石に不便だろうと思うかも知れませんが、腸が脳みその代わりをしてくれるので、腔腸動物は別に困らないみたいです。唯、皆が皆、そうは思わないので、腸は使い勝手を上げる為に、様々な臓器に進化しました。例えば、
  • 栄養分を蓄える細胞が、腸から分離して肝臓に
  • 血中の糖分を調整するホルモンを分泌する細胞が、分離して膵臓に
  • 食物を一時的に貯蔵する為の腸前部が、胃に
  • 酸素を吸収する細胞が肺に
  • 腸の入り口、つまり口にある神経の集合が、脳に
 つまり、これ等の臓器の出処は、全て腸管なんです。腸が体の多くの器官や神経と密接に関わっていますが、それは本家筋と分家連中の関係にしか過ぎませんから、そりゃあ、当たり前ちゃあ当たり前です。 201511image64  ですから、脳みそと腸管では、腸管が本家筋。それ故に、脳みその指示を仰ぐ事無く、腸が体内に入った有害物質をブロックし、排除出来ます。状況に応じて、解毒作用を行ったり、肝臓や膵臓等の他の臓器に指令を出し、適切な処理方法の決定まで行うのです。この独立行政法人を髣髴とさせる独立独歩の姿勢こそ、「第二の脳」と呼ばれる所以であり、ルーツを遡れば、「脳腸相関」と呼ばれる密接な関係(美容通信2015年11月号)にも納得がいきます。

 ところが、人生正義がいつも勝つとは限らない。体に悪いモノの方が旨い!って感じるのも、真実です。昔流行った、くらたまのだめんず・うぉ~か~(笑)と同じです。脳みそは、コロッと、美味そげな見た目に騙されちゃうんです。だって、脳みそは腸と違って、その食い物が安全かどうかなんて判断が出来ませんから。食中毒菌が混入していたって、見た目で判断の脳みそはOKサインを発令し、欲望の名の許に私達は食べちゃいます。チョコレートやポテトチップス、ファーストフードには、ある種の快楽物質、例えば神経の伝達物質であるドーパミンの類を、強制的に脳内に放出し、危険ドラッグ顔負けの依存性を齎し、幾ら腸が安全ではないと警告を発しようと、食べると言う行為により、どんどん一方的に腸の中に送り込まれてしまいます。これにより腸内環境は地道に蝕まれ、アトピー性皮膚炎を始めとする様々な病に苦しむ羽目に陥ります。自業自得と言うのは簡単ですが、マタタビを前に自制心を働かせる猫なんて見た事ないですもんねぇ、実際の話。

だめんずに嵌った挙句の、腸の不幸自慢(笑)。

 腸管は、多機能なマルチプレーヤーです。消化、免疫、解毒。これら全てを一手に引き受けているからです。

消化

 栄養素の殆どは、腸で吸収されます。つまり、腸管が破綻すると、人は勝手に自滅してしまいます。

 具体的には、悪玉菌の大好物に餌を与え続ける行為です。油ギトギトの唐揚げ、生クリームたっぷりのケーキ、こってり系のラーメン等々。これらは悪玉菌を増殖させ、硫化水素やアミン等の毒性物質をバカバカ産生させ、挙句、消化吸収能力が低下させます。

免疫防御無題の予定

2012092image1
 免疫防御は、まあ、平たく言えば、外から侵入して来る有害な物質を追い出す機能です。
 病原菌等の有害物質から体を守る為に、腸には強い免疫系(美容通信2014年1月号)が発達しています。小腸には、右図の如く、パイエル板などの免疫組織があり、この腸特有の免疫組織を活性化しているのが、1000種類以上、1000兆個以上も棲息している腸内細菌です。
 腸の免疫細胞が免疫防御の機能をしっかり果たしている限りにおいては、自然治癒能力も高く保たれ、そもそも病気にだってなれないと言うものです。

 私達には、基本、免疫力が備わってるので、多寡がバイ菌だとか、ウィルスだとか、癌細胞だとかに寄って集って苛められない様に、そして又、例え苛められたとしてもそのダメージから立ち上げる強かさを、人は”免疫力”と呼びます。例えば、健康な人でも毎日3000~5000個程度の癌細胞が体内には生まれています(美容通信2011年11月号)。それでも癌にならないのは…、免疫機能が公安?と称して体内を見回り、癌細胞を摘発してはコテンパンにやっつけてるからです。この免疫機能の、実に70%を、腸の免疫細胞が担ってるんです。つまり、腸内環境が悪いと、必然的に悪い病気にも掛かり易くなるって事。実際、長寿エリアとして有名な沖縄県と山梨県棡原村の高齢者の腸内細菌叢は、東京の高齢者と比して、善玉菌が多く、悪玉菌が少ないって統計データが出ています。

風邪のウィルスと免疫の関係

 風邪を引いてもすぐ治る人と、一旦風邪を引いたら何時までも長引いてしまう人。免疫力の高い人は、腸が活発に動いているので、例え風邪のウィルスが侵入して来ても、腸内細菌が作った免疫力が成敗してくれるんです。ところが、免疫力を普段から鍛え上げてない虚弱な人々は、風邪薬を飲んでも、当たり前ですが免疫力が上がる訳ではないので、飲んでる間は一時的には頭痛や悪寒、怠さなどの風邪の不快な諸症状は抑えられても、元の木阿弥。何時までも完治せず、ぶり返しぶり返し…延々と引き摺る羽目に陥ります。結局は、急がば回れなのにねぇ。

究極の食中毒の予防策

 手洗いやうがい、塩素や熱による殺菌は、体の中にウィルスやバイ菌を侵入させない、水際作戦。エボラ出血熱や新型インフルエンザの際の、空港での検疫体制を髣髴とさせますよね。実に有効な予防方法です。しかしながら、それを掻い潜って侵入を果たしたウィルスやバイ菌については、体内でこれ等の暗躍を許さない、強い抑止力が必要になります。腸内細菌には、免疫反応や解毒を担うものが沢山あります。つまり、腸内細菌さえしっかりしていれば、万が一にも有害物質が体内に入って来ても大丈夫。とっとと敵をやっつけて、お腹を壊さずに済んでしまいます。 image168
 この代表的な例として挙げられるのが、結構前に流行ったO-157病原菌。大阪の堺市の学校給食によってガキんちょが集団感染し、患者数7996名、死者3名を出す社会的大事件でした。覚えてます? 研究報告は、この堺市の小学生のモノではなくて、岡山県の小学生のなんですが、同じ給食を食べて、検便によりO-157が検出された児童の病状についてなんですが、それによると、入院にまで至った児童が12%、下痢のみの軽い症状が58%、無症状!が30%。この不条理に思える症状の差は、腸内細菌の多寡によるもの。腸内細菌叢がしっかりとして免疫力が高い状態なら、O-157に感染したところで、全然平気(唯、気が付かないだけに、そこらじゅうに災害を撒き散らしてはいたかもしれませんが(笑))なんです。食中毒予防には、手荒い。確かに重要です。でも、ホントに命が大事なら、腸内環境の改善ってセーフティネットも、普段から張り巡らせておく必要があります。

癌…。

 人間の体内には、日々3000~5000個もの癌細胞が発生しています。そりゃあ、人間の体は60兆個もの細胞で構成されていて、そのうち2%が日々新陳代謝で新しく入れ替っているんですから、遺伝子情報のコピーミスがどうしたって起こります。癌細胞の出現は、生きている以上、避けて通れない現実です。しかし、大事にまで発展しない様に監視?、いや、検品かな?をするのが免疫機能って奴です。免疫細胞の70%が腸内に棲息しているんですから、腸内環境と発癌は密接な関係以上と言わざるえませんよね?
 実際、腸内細菌が変化する事で、癌化が促進された事を証明した研究が報告されています。米国のジョンズホプキンス大学の研究グループによるものです。腸内細菌のひとつであるバクテロイデス・フラギリスには、毒素型と非毒素型の二種類がいるんだそうです。マウスに夫々を感染させて観察したところ、毒素型を感染させられたマウスは、ピ~ピ~の下痢っぴ~マウスになり、挙句1週間以内に大腸に炎症と腫瘍が出来ちゃったんだそうです。可哀相に…。ところが、非毒素型は、炎症とも腫瘍とも無関係。つまり、菌の毒素によって炎症が引き起こされ、癌化が促進されちゃったんです。恐るべし、腸内環境の悪化!

気管支喘息やアトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患(美容通信2014年1月号)にも、実は密接な関係が。

201401image12  ざっくりと解説しましょう。アレルギーを起こす原因物質であるアレルゲン(抗原)が私達の体内に侵入すると、それを排除する為の先鋭部隊としての抗体が養成されます。アレルゲンが体内に侵入すると、即、抗体が出動! 脂肪細胞を刺激して、化学物質を放出します。ところが、キモい男に言い寄られたJKみたいに過剰に反応しちゃうもんだから、体に不都合な症状まで出てしまいます。これがアレルギー反応って奴です。
 例えば、気管支喘息の場合、ヒスタミンやプロしたグランジン等の化学物質によって、気管支の周りにある平滑筋と言う筋肉が収縮します。更に、これ等の化学物質は痰の分泌を促しますから、当然痰がへばり付いた気管支は狭くなり、普通に息をするのすら困難になってしまいます。しかし、本来アレルギー反応は、外部から入って来た有害物質に対する防衛反応で、免疫作用の一つです。唯、有害な物に対して反応するのは全然ありなんですが、本来は排除する必要もない無害な物質にまで反応してしまうって状況が問題なんです。気管支喘息のアレルゲンとして有名なダニ連中(美容通信2005年3月号)。ですが、こいつ等はハウスダストを餌にしているダニで、別に珍しいモノでも、又、シャカリキ!になって排除すべきモノでもありません。太古の昔から、夫々が役割を担って、持ちつ持たれつの共存共栄関係。日曜の朝から品プリの柘榴坂に整列するキモい猫耳オタクだって、明日のジョーの故郷三ノ輪の商店街で、シャッターと同化?擬態?したホームレスのオッチャン達だって、それなりにちゃんと立派な生存意義があるんです(←HISAKOの様な多くの凡人には、理解出来ませんが…)! キモいからって、ショウワの学習ノートにクレーム付けて、表紙から昆虫を消し去っちゃいけないのと同じです(笑)。高がダニで喘息が起こってしまう事実、つまり、免疫システムのバランスが崩れている忌々しき事態を改善すべきであって、ダニを目くじら立てて排除する事ではありません。ここで、やっと腸との関係が問題になって来ます(←この辺りの話は、以前腸管免疫と遅延性フードアレルギー(美容通信2014年1月号)(美容通信2012年9月号)で特集したので、詳しくは参照下さい)。
 約50年前、HISAKOがガキんちょの頃の日本には、少なくとも北海道のド田舎には、小児喘息の様な、そんな小洒落た病気なんぞにな(れ)るお子ちゃまはおりませんでした。勿論、アトピー性皮膚炎なんて言葉も、花粉症なんて言葉も知りません。アレルギー性鼻炎に罹る人も、殆どいませんでした。しかし、高度経済成長から成熟社会に移行するにつれ、必要以上の清潔志向が台頭し、世の中が一変します。上手に共存すべきバイ菌連中さえも必死に駆逐した挙句、腸内細菌の数をも極端に減らしちゃったんです。更に追い打ちを掛ける様に、手軽で美味しい、添加物の入ったジャンクフードが腸内環境を悪化させたもんだから、免疫防御機構としてはズブズブ。まあ、これが公衆衛生が発達し、食べ物にも困らない、先進国としての在り方?醍醐味?なんだろうけど、なんだかねぇ(笑)。アレルギー大国と尊敬されても、嬉しくない。

 あ? 残りの30%? う~ん、精神的な面も結構デカいみたい。交感神経と副交感神経のバランスが取れてないと、免疫力は確実に落ちるみたいです(美容通信2015年4月号)(美容通信2015年3月号)(美容通信2015年11月号)(美容通信2015年8月号)(美容通信2014年10月号)。唯、繰り返しますが、ハッピーと腸内細菌は密接な関係なるので…、じゃあ、70%+30%=100%で、全部じゃ~ん(笑)。

解毒(腸肝循環;美容通信2014年1月号

 免疫防御と一括りに纏めてしまおうかとも思ったりしないでもないけど、ちょっとそれも乱暴かな(笑)。 デトックス(解毒)の場と言えば、誰もが肝臓を思い描きますが、腸管は、肝臓の仕事を軽減する為に最初に大きな篩を掛けるのが、そのお役目。腸の免疫防御機能でブロックし切れなかったものだけが、より高度な専門施設である肝臓に送られるって仕組みです。ですから、腸管がしっかり仕事してくれないと、肝臓に有害物質が大挙して押し寄せる事となり、オーバーワークのあまり、潰れてしまいます。所謂、肝機能不全です。こうなると、もろに弊害を被るのが、か弱い心臓や呼吸器達です。

幸福論~男をつかむなら、先ず、胃袋をつかめ!(←逆も、又、真なりだけど(笑)。)

200705image621
 人が「幸せだなぁ~❤」と感じるのは、脳から分泌される脳内伝達物質が深く関与していますセロトニンは換気や快楽を伝え、ドーパミンはやる気を奮い起こす働きがあります。セロトニンが不足すると、キレたり、鬱状態になります。しかしながら、実は、この神経伝達物質、例えば、ドーパミンとか、セロトニンとか、カテコールアミン、ヒスタミン等々って意味ですが、これらは、腸内細菌が9割方作ってるんです。
 以前もお話しましたが、因みに、人の愛情は2年で冷め、3年目に離婚に至る…。英国の科学者の論文に、離婚と腸内細菌の関係について言及したものがあります。それによると、不味いものばかり喰わされていると、腸管自体も舌に負けず劣らず以上に味を感じる臓器なので、腸内細菌が”幸福感”や”リラックス感”、”満足感”、”やる気”、”幸せを記憶する物質”である、セロトニンやドーパミン、GABAと言った神経伝達物質の前駆体を作らなくなり、その結果、これ等の神経伝達物質が不足し、夫婦生活を維持する意味が失われ、離婚に至るんだとか。…だから、HISAKOは男を掴み損ねたのか…。ある意味、納得(笑)。

幸薄い、不幸せオーラの女達

 スウェーデンのカロリンスカ研究所による研究で、フツ~に腸内細菌叢を有するマウスと、腸内細菌がそもそもいない(!)可哀相なマウスを比較した実験が行われたそうです。腸内細菌がいないマウスは、成長と共に攻撃的な性格や行動が顕著になり、危険を伴う行動が多く確認されたそうです。
また、他の報告では、鬱病等の精神疾患のある患者さんの便を調べたところ、例外なく、不健康な腸内細菌のバランスで、善玉菌が殆どいなかったんだそうです。うんこは少量で、悪臭が強いものばかりだったそうです。…多分、彼らの脳には、ドーパミンやセロトニンの様な、「幸せ物質」が少なかったんでしょうねぇ。
200510image386 まあ、HISAKOは精神科の医者ではないし、精神科の勉強なんて、遠い遠い昔の学生時代に国試の為に一夜漬けで勉強しただけに近いレベルなので、全くおこがましいかぎり!と、精神科の先生達からはキツイお叱りを受けちゃいそうです。が、しかし、現在の鬱病治療の中心は投薬療法となっていますが、実際、どうなんでしょうねぇって、素直に思っちゃいます。現在、日本では鬱病の患者さんが増え続けており、2008年には104万人を超えちゃったそうです。その内、2人に1人は再発してるんだそうです。つまり、現在の治療法では、鬱病等の精神疾患を完全に治癒させるのは、難しいんじゃないのかなと思います。アトピー性皮膚炎に、ステロイドの外用や抗ヒスタミン剤を処方したって、結局は対症療法にしか過ぎないのと一緒じゃないのかなと。だから、栄養療法やホルモ補充ン療法なんかのセミナーを、HISAKOの様な皮膚科・形成外科以外のDr.達、例えば、内科は勿論、精神科や婦人科、外科、小児科、整形外科、歯科等々の様々な科の先生方が、従来の治療方法に限界を感じて、可能性を求めて受講しているのかも知れません。話が外れちゃいましたが、一般的な鬱病の投薬治療には、脳内のセロトニンを増加させる薬が使われています。セロトニンはにもなりますが繰り返しにもなりますが、幸せを感じるホルモンの一種で、これが脳に十分にあると鬱病に(なりたくても)なれないとされてます。しかし、薬でセロトニンの濃度を上げただけで治る程、鬱病は単純な病気であるはずもなく、運が悪いと、薬の副作用で攻撃的な性格になったり、最悪な場合には自殺してしまう事すらあるんです。やっぱ、餅は餅屋。セロトニンの生成ってもんは、本来、腸の大事なお仕事なのですから、薬に頼るのではなく、腸にさせるのが本筋ってもんでしょう。従来の治療と併用しながら、腸内環境の改善も併せて考える方が得策なんじゃないでしょうか? 腸内環境が整って、薬の量が減らせたり、止める事が出来れば、そちらの方が自然で、ハッピーじゃないかと思います。

不幸せ度は、おならの臭さでチェックっせよ

 ストレスで、悪玉菌が増える。「ホントけ~っ?」と疑いの眼差しで見る人がいますが、本当です。ストレス時に腸で放出される”カテコラミン”って神経伝達物質が、悪玉菌の代表格である大腸菌の増殖を促し、病原性を高めるって報告が既に出ています。つまり、おならが臭くなる。
症例自体は、非常に沢山報告されています。気紛れに、パラパラ列挙しちゃいますね。
  • アカゲザルは、母猿から引き離すと、3日目には腸内細菌が減少し始めたんだそうな。可哀相に…(←ケモノには優しいHISAKOでした)。
  • 妊娠中のアカゲザルにストレスをグリグリ加えると、生まれて来た赤ちゃん猿の腸内細菌は少なかったんだそうな。母親のストレスが、胎盤を通して赤ちゃん猿の運命まで左右するとは…。恐るべし、ストレス!? 侮るなかれ、腸管。
  • 旧ソ連だったからって訳ではないでしょうが…、ソ連の宇宙飛行士は、宇宙流しの刑に処させる前から腸内バランスが乱れ始め、宇宙飛行中には善玉菌が激減。代わりに、悪玉菌は増えた分だけ、おならが臭くなったんだそうです。
  • ↑NASAでも、同様の結果が報告されているので、強ちソ連だからって事ではないと思います。宇宙船に搭乗した3人の宇宙飛行士の腸内でも、極度の不安と緊張の際に増加するとされる悪玉菌のバクテロイデス菌が増加してたんだそうです。
  • 阪神・淡路大震災前後での被災者を比較したデータでも、同様に被災者達の腸内では悪玉菌が増えていたんだそうです。

旦那の困った性格?性癖?は、全て腸内細菌の所為?

201302image18
 旦那が開き直って、「浮気をしたのは、お前が作る飯が不味いからだ!」とか、「出世出来ないのも、お前が作る飯が不味いから、集中力が長く保てないからだ!」と逆襲して来たら…、貴女は反撃出来ますか? 家庭裁判所で、こう彼が主張したら、判決はどう変わるのでしょうか? 幸か不幸か、HISAKOには逆襲される様な男はいないので安心ですが(笑)。
 腸内細菌が不足すると、神経伝達物質のドーパミンやセロトニンが上手く作れなくなります。ノーベル医学生理学賞を受賞したA・カールソン博士は、ドーパミンを「幸せを記憶する物質」と表現しています。ドーパミンには、一度好きになって止められなくなったものを記憶すると言う性質があるんだそうです。だから、脳内にドーパミンが十分過ぎる程に満ち溢れていれば、人は一人だけの異性を愛する事で満足しますが、ドーパミンが足りなくなると、それは非常に困難になります。
 同様に、腸内細菌の減少からセロトニンが十分に作れなくなると、集中力が続かなくなったり、直ぐ疲れてしまったりするようになります。人体に於けるセロトニンの総量は10mg程度とされていますが、その内の90%は腸に存在し、そこから脳や体内の臓器に運ばれます。このセロトニンは、ドーパミンとの間でバランスを取り、精神状態を平静に保っています。
 因みに、大人しい性質のネズミの腸内を調べてみると、善玉菌が多く、それらを全部取り出してみたところ、大人しかったネズミが、急に攻撃的な凶悪に変貌したんだそうなって、研究報告まである。…行動のみならず、基本的な性格まで…。被害は、甚大だ(笑)。

すっぴん美人の素

 繰り返し、諸悪の根源・”活性酸素”(美容通信2011年4月号)については特集をして来ましたが、お肌の細胞を傷つけ、私達の美貌を損なうトラブルメーカーでもあります。皺も、シミも、タルミも、須らく老化は活性酸素により加速します。活性酸素の坊弱無人な振る舞いに一方的に屈して婆になるのが嫌なら、強力な対抗手段がない訳でもありません。腸です。腸内環境が良ければ、高濃度のビタミンC点滴(美容通信2008年11月号)の様な点滴療法(美容通信2010年10月号)や、オゾン療法(美容通信2011年8月号)、抗酸化ビタミンの化粧品(美容通信2009年10月号)(美容通信2004年11月号)やサプリメント(美容通信2014年11月号)(広義で言えば、飲む日焼け止め(美容通信2012年10月号)もこれに含まれるかな)等の手を煩わせることなく、(そりゃあ、あったに越した事ありませんが(笑))、結構効率良く撃退も可能です。何たって、免疫機能の総本山なのですから。腸内環境が整っていれば、腸内細菌が活性酸素を退治してくれます。つまり、腸年齢=肌(見た目)年齢と言っても過言ではありません。

世界に一つだけの花♪~個性豊かな腸内細菌叢

三大勢力がひしめき合う、仁義なき戦い。

image170  健康な人の腸の中には、凡そ100兆個、100種の腸内細菌がいると言われて来ましたが、実は最近の研究では、その10倍、1000兆個、1000種類以上の腸内細菌がいる事が判明しています。これ等は、大きく3つのグループに分けられます。つまり、善玉菌と悪玉菌、そしてその他大勢の無党派層と呼ばれる日和見菌です(美容通信2013年8月号)。 悪玉菌の酸化酵素は、未消化の蛋白質を腐敗させ、毒素を発生させます。その毒素は、免疫力を低下させてしまうので、癌を始めとする様々な病気のリスクを高めます。つまり、世の中に不要の悪い奴かと言うと…、人間社会と一緒で、ある観点から見れば悪は悪ですが、立ち位置を変えれば、悪は必ずしも悪とは限りません。寧ろ、善であったり、必要悪として黙認される存在であったりします。少なくとも、悪は悪なりの存在意義があるからこそ、存在しています。悪玉菌も、体外から乱入して来る有害物質をやっつけてくれる、れっきとした正義の味方の一員なのです。それに、悪玉菌と言っても、それ自体が強い毒性を有している訳でも何でもなくて、健康で免疫力がしっかりとしている人なら、己の悪玉菌の毒性ごときに屈する事はありません。悪玉菌が疫病神(=病原菌)として振る舞えるのは、免疫力の低下って前提があってこそなんです。
 それに最近になって、善玉菌と悪玉菌は、相反する勢力ではなく、実はズブズブの関係で、お互いにエネルギーのやり取りをしている事も分って来ました。そもそも腸管ってところは、本当に害になる様な本チャンの極悪党の病原菌が侵入して来たら、下痢る等の懸命な排除作業を行います。ウェルシュ菌や大腸菌程度の小悪党なら、まあいいかぁって、その存在を許容しているんですよ。何故って? 善玉菌じゃ歯が立たない病原菌等の闖入者を、悪玉菌がやつけてくれるから。腸管にすれば、悪玉菌に支払うみかじめ料位ならって判断なんでしょうねぇ。所謂、持ちつ持たれつの関係なんですよね、善玉菌と悪玉菌って。
 理化学研究所によると、病原性O-157とその予防効果があるとされるビフィズス菌ですが、実は、O-157はビフィズス菌に退治する訳じゃないんです。ビフィズス菌は、果糖等の糖分から酢酸を作り、これによりO‐157の出すシガ毒素から腸を守ってるだけで、O-157の数や放出される毒素の量には全く変化を与えなかったんだそうです。それどころか、ビフィズス菌は、折角糖分等から作ったアミノ酸を惜しげもなくO‐157に与え、その活動資金(エネルギー)として使ってもらってたんだそうです。いや~、太っ腹ぁ♪ 大人の関係過ぎて、HISAKOには良く分りません(笑)。

腸内細菌は、個人の認証システムに利用可能か?

image1231  腸内細菌は、個人の認証システムに利用可能か? 最近は、16SリポゾームRNA遺伝子の塩基配列で細菌類を同定出来る時代ですからね、指紋や静脈による身体認証に取って代わるかも知れません。そんな議論が強ち空想でない位、私達の腸の中に棲んでいる細菌類の組成は、個人個人で異なっており、生まれてから死ぬまで、ず~っと変わりません201208image14この腸内細菌叢は、同じ衣食住環境で育っても、血縁関係が一緒でも、、一卵性双生児でも、皆、違うんですよねぇ。赤ちゃんは、お母さんのお腹の中では無菌状態で育つので、生まれ落ちるに至る経過(帝王切開か、経膣分娩か、はたまた、何処の病院で出産したか(笑))と、その後、母乳で育ったか、牛のおっぱいで育ったかで等々で、大まかな運命が決まり、長じるに従って、年齢は勿論、生活環境(ストレス等の体調を含む)や食習慣で、更に個性に磨きが掛かるんです。

政局論争ではありません。その他大勢の無党派層”日和見菌”をどう取り込むか?

 腸内細菌の組成、平たく言えば、構成要員のメンツって奴は変わりませんが、その勢力抗争の結果如何によって、免疫機能が十分に機能し、美人で楽しく生活をエンジョイ出来るかどうかが決まります。その抗争の鍵を握るのが、その他大勢の無党派層である、日和見菌です。ファーミキューテス門だとか、バクテロイデース門、プロテオバクテリア門と言った連中です。彼らは、箸にも棒にも掛からない凡人とか、小市民とか称されますが、実は、それだけに、時勢を見る目に非常に長けた連中で、腸内細菌間のほんの少しのバランスの乱れを素早く察知し、優勢な軍の味方をします。悪玉菌が少しでも優勢と見れば、掌を返した様に、善玉菌軍から悪玉菌軍に乗換えます。節操がないと言われても、昔から多くの農民はそうやって戦国の世を生きて来ました(笑)。

人口減少に対し、果たして、移民政策は有効か?

 そして、腸内細菌自体の人口減少も、貴女の美魔女人生を左右する重要な問題となります。…日本の少子化対策、そして移民政策議論を髣髴とさせますよね。
 唯、移民問題は、日本国であろうとも、腸内細菌であろうとも、非常に難しい問題だと言わざるえません。昔は、哺乳類の消化管の細菌にとっては、種の違いなんてさしたる事なくて、ネズミだろうと馬だろうと人間だろうと、同様に棲み付き、同様の働きをしてるんだろうと、根拠なく信じられておりました。しかし、最近になって、腸内細菌は哺乳類の種に合わせて共に進化し、宿主の為だけに免疫機能を強化している事が判明しました。人間には人間の為の腸内細菌があり、マウスにはマウスの為の腸内細菌があり、これ等を入れ替えてもちゃんと機能を果たさない(果たせない?)んだそうです。そして、これらの腸内細菌が失われると、免疫機能もそれと同時に損なわれてしまいます。

 人口が本当に少なく、国家の存亡の危機にあるのか、それを判定する簡単な方法は、うんこをガン見する事です。便≒食物の残骸と誤解されがちですが、うんこの半分を占めるのが腸内細菌達です。死んだ腸内細菌の御遺体も、生きたまま、土石流に巻き込まれて押し流されてしまう細菌連中もいます。ある意味、腸内細菌は排泄により、適度なバランスを維持しているのだとも言えます。ですから、うんこのサイズを見れば、腸内細菌の数の大まかな類推は可能で、ミニサイズのうんこは、腸内細菌の数が減り、健康な腸を維持出来ていないって証拠なのです。実に、忌々しき事態なのです。
戦前の日本人は1日約350g程のうんこをしていたそうなんです。ところが、今時の日本人は、150g程度のミニサイズのうんこしか排泄しないんです。女子に至っては、ナント、80gまで減ってるんです。
 食物繊維の摂取が激減し、反対に添加物がタップリのファーストフードを好んで食べるようになった事が原因と言われています。唯、原因はそれだけではなく、昨今の、ヒステリック!?とも思える位の、”過度な綺麗好き”って日本人の国民性にもあるかも知れません。菌がウンザリするぐらいに大勢犇めき合ってる様な社会では、そいつが幾ら凶暴な輩であろうとも、1種類の菌だけが爆発的に勢力を拡大するなんて事は到底許されないんです。腸の研究で有名な藤田紘一郎先生の講演で、その昔、「腸内環境さえ良ければ、コレラ菌を飲んだって大丈夫♪」と、人体実験を自分に課した話をしていました。彼の予想通り、コレラ菌を飲んでも、お腹を壊したりする事なく元気だったそうです。実験は更に続きがあって、「じゃあ、抗生物質を飲んで、(腸内細菌の数を減らしてから)コレラ菌を飲んだら?」と勇猛果敢にもトライしたそうです。予想通り、あっけなく惨敗。酷い下痢で、生死の境を彷徨ったんだとか。…恐るべし、数の理論!

腸に関する雑学編

腸内細菌が作るビタミンやホルモン、そして酵素達

 人は、自分で合成が出来ないビタミンやホルモン、酵素等を、食べ物やサプリメント、場合によっては点滴等で、頑張って補給すべきです。その重要性については、HISAKOの美容通信でも、繰り返し繰り返し強調して来ました。でも、同時に、それらを合成してくれる腸内細菌を頑張らせる事で、多少頑張りを手抜き出来るのも事実なんです。 201401image9  腸内細菌によるビタミンB群の合成は、腸内細菌が活性化されると、大幅に増強されます。腸内細菌は、葉酸・ナイアシン・ビタミンB6、B12、C等を合成してくれます。
 更に、脳内の幸せ物質と呼ばれるセロトニンやドーパミンは、蛋白質の分解産物であるトリプトファンとフェニルアラニンによって腸内で合成されています。その合成には、これ又、腸内細菌が合成するビタミンが必要不可欠なんです(美容通信2015年11月号)。
 更に更に、腸内細菌によって、約3000種類の酵素が合成されています。これは、肝臓の約500種類を大幅に上回るものなんです。

腸を専門にしている医者は、世の趨勢に反して、皆口を揃えて「血液型で性格が決まる」と真顔で言ってる件について。

201408image27  皆さんは、血液型性格診断、信じていますか? HISAKOも日本人ですから、御多分に洩れず、バリバリ信奉しております。A型は几帳面。B型は自由奔放。O型は大雑把。AB型は二重人格。科学者の多くは、「血液型は、血液中の蛋白質によるものであって、性格とは何ら関係が無い」と、したり顔に否定的な意見を言ってくれちゃいます。でも、結構当たってると思いません? いえ、当たってるんです。
 人間は、血液型によって、生まれながらにして免疫力に差があります。血液型によって、罹り易い病気、罹り難い病気があるんです。その結果として、血液型で性格がある程度一定の方向に向かう事があっても、別に不思議じゃないんです。 例えば、A型は様々な病気に比較的罹りやすい傾向にあります。なので、生き長らえる為には、どうしたって、「慎重で用心深い」「几帳面で神経質」にならざる得ない。これに対し、O型は免疫力が強い。その為、怖いもの知らずと言うか…、まあ、滅多な事ではA型の様に死なないので、フロンティアスピリットに溢れ、自己主張が強くなります。B型は、O型に次いで免疫力は強いんですが、肺炎や食中毒の相(笑)があるので、大勢の人の中に入ろうとしない傾向があります。これが、自由奔放と評される理由です。AB型は、最も免疫力の弱いグループ。感染症全般の餌食にされ易いので、二重人格的性格にならざる得ないんです、保身上。
 あまり知られてはいませんが、O型、A型、B型等の血液型は、人類だけの特徴じゃないんです。オランウータン(A、B、O、AB)等の霊長類、ヒキガエル(AB)等の両生類、牛蒡(O)や蕎麦(AB)等の植物、そして大腸菌(A、B、O)等の細菌にも血液型があります。
 人類は元々O型で、紀元前4万年前頃にアフリカに出現したクロマニヨン人も全員O型で、A型やB型はいませんでした。じゃあ、何で、A型やB型の人が現れて来たのかと言うと、長い腸内細菌との共生生活の間に、腸内細菌が持つA型物質やB型物質の遺伝子が体内に潜り込み、所謂遺伝子移入が起こったからと言われています。その結果、A型やB型の血液型を有する人が出現し、混血する事で、AB型が誕生した…。
 腸内細菌は、人様の健康を左右するだけでなく、カリスマ占い師としての側面を持っているんです。

乳酸菌倍増の為の企画書

 ヨーグルトは、中に含まれている乳酸菌の働きで、”腸内環境を改善させてくれる身近な食品”として広く認知されています。唯、中々、ヨーグルトを使いこなせる人って、日本人には中々いないんですよね。
どう言う事かと申しますと、一つには、アジア人のほぼ100%(因みに、黒人とヒスパニックのでも80%)が、乳酸分解酵素を持っていない為、乳糖を消化出来ないから。乳糖不耐症なんです。確かに、北西ヨーロッパの白人系の80~85%は、生涯に亙って乳酸分解酵素を産生するので、成人になって酵素の濃度は下がりはしますが、牛乳や乳製品を消化する事は可能です。でも、私達日本人は、奴らとは生まれが違うんです。それなのに、コマーシャルベースに乗せられて、「お通じに良いのよね~」って毎日ヨーグルトを食べ続けてる日本人って結構多いんですよ。単に、乳製品に対するアレルギーで緩くなってるだけなのに( 遅延性のフードアレルギー:美容通信2012年9月号)です。
image134 貴女が、例え、北西ヨーロッパの白人系だったとしても、更にクリアしなければいけない問題があります。実は乳酸菌にも、人によって相性の良い乳酸菌、相性の悪い乳酸菌がいるんです。これは、乳酸菌と有害物質とが、腸内でどういう働きをするかによって説明されます。有害物質は、腸粘膜の表層を覆っているムチン層にくっ付いて、悪さをします。このムチン層には、有害物質だけでなく、乳酸菌もくっ付きます。まあ、両者の椅子取りゲームみたいなものですから、乳酸菌が予めくっ付いてしまっていれば、有害物質は侵入の手立てがなく、悪さも出来ません。ここで思い出してもらいたいのが、血液型のお話。このムチン層も、当然ですが、A型の人ならA型の血液型物質から、B型の人ならB型の血液型物質から出来てます。血液型物質によって、夫々の相性の良い乳酸菌があり、その乳酸菌だけがムチン層にくっ付く事が出来るんです。ところが、血液型以外にも、白血球の形によっても、また元々の体質だったり、生活環境によっても、男関係と同じで、相性の良い乳酸菌は変わります。これだけは、試してみるしか方法がありません(笑)。

 ヨーグルト繋がりで、”生きて腸まで届く”乳酸菌について考えてみましょう。 腸の中にビフィズス菌や乳酸菌をダイレクトに入れよう! つまり、人体に良い影響を与えてくれる微生物やそれらを含む食品を摂って体内環境を整えようと画策するのが、”プロバイオティクス”です。善玉菌が含まれているヨーグルトやサプリメントを摂るだけで良いので、結構お手軽な方法です。唯、大部分のビフィズス菌や乳酸菌は腸に届く前に、胃で死んでしまいます。特に乳酸菌は胃酸に弱いので、その9割程度は腸にまで届いていないのが実情です。その弱点を補う為に、製薬会社やヨーグルトメーカーは、競って、胃酸に強い乳酸菌を使ったヨーグルトや、乳酸菌に鎧を着せて胃酸から守るサプリメントを開発しました。それが、”生きて腸まで届く”です。唯、生きて腸まで届いたところで、所詮、移民は移民です。腸に生きて辿り付いても、昔からの住人との折り合いが付かず、これは免疫反応の為せる業なんですが、結局は3~7日も経つと、新しい新天地を求めて便と共に旅立たざるえない羽目になります。例え、善良な移民であっても、腸内の環境を乱す、余所者は余所者でしかないんです。
 じゃあ、全く”プロバイオティクス”が全く徒労に過ぎなかったかと言うと…、実は、そうでもないんです。捨てる神あれば、拾う神あり。ヨーグルトなどの乳酸菌が作り出した物質が、腸に届き、腸に元から棲み付いているビフィズス菌等の餌になるので、キャッチコピーの意図するところとは違ってはいますが、ちゃんと腸内環境改善には貢献しています。終わり良ければ、全て良し。生きてるか、死んでるかなんて、あんま関係ないんです(笑)。昔から、長期間熟成させた味噌等の発酵食品が食されて来たのも、生きた菌そのもの以上に、乳酸菌が作り出す物質が含まれており、それが腸内環境の改善に寄与していたからと推測されます。

 様々な乳酸菌メーカーが声高らかに生きた乳酸菌の効能を謳いながら、実は、密かに、生きた乳酸菌から”死んだ乳酸菌”への研究をシフトさせています。乳酸菌を加熱殺菌してマウスに与えても、生菌の場合と同じように生育し、中には生育状況が生菌を遥かに上回り、うんこの中の腐敗菌の数を激減させるものがあるだそうです。つまり、腸内腐敗を抑えるのは、乳酸菌そのものではなく、乳酸菌によって生成された別の物質なんです。生きた乳酸菌よりも死んだ乳酸菌を大事にしたい…。かなり乱暴な括り方ではありますが、これが後で述べる、東京大学名誉教授の光岡知足先生が提唱した”バイオジェニックス”って概念です。

エセ発酵食品

201410image29
 乳酸菌の含まれている食品は、ヨーグルトやチーズの様な乳製品以外にも沢山あり、味噌や醤油、納豆、漬物等、私達の身近な発酵食品が挙げられます。ところが、味噌や醤油なんてもんは、ガチで製造しようとすると、非常に手間暇が掛かり、出荷までに一年以上の歳月を要するものです。それに始末が悪い事に、本チャンの発酵食品ってもんは、中の菌達が勝手にどんどん発酵を進めちゃうので、味も見た目もどんどん変遷するのが当たり前。商品としては、買った日によって見た目や味が違ってるなると、それは別の意味で大問題で、マックの例を挙げるまでもなく、直ぐtwitterで炎上祭りに発展してしまいます。大量生産・大量消費を前提とした現代社会では、安価で品質が均一な製品提供こそが、顧客の最大の要望である以上、食品メーカーはそれに従わざるえません。どうしたって、強制的に発酵成熟を進める酵素等を大量にぶち込んで製造期間を短縮したり、わざと添加物を加える事で発酵が進まない様にして一定の味を保つようにしたりと、本末転倒の発酵食品造りに励まざる得ないんです。こうした食品は、貢物である乳酸菌を腸にプレゼント出来ないだけでなく、保存料や添加物の種類によっては、その強い抗菌性が故に、腸内細菌に却ってダメージを与えしまうものまであります。

味噌

 昔は、味噌と言えば、6ヶ月以上熟成させなきゃ、味噌と名乗るのも烏滸がましいとされていました。最近は、温度管理を徹底して、強制的に成熟を進める”温醸法”なるモノが普及し、安価に大量生産が可能となりました。更に、麹菌の代替若しくは増強剤として、酵素剤を添加するなんて強者も。

醤油

 伝統的な製法では、大豆と麦を原料にして麹を作り、一年以上熟成させます。ですが、味噌同様の”温醸法”の開発により、安価に大量生産が可能となりました。途中で、アミノ酸液を多く添加したずるっこバージョンもあります。

漬物

 浅漬けや松前漬けの様に、その製造に発酵を要しない漬物もあるので、正しくは漬物≠発酵食品です。しかし、一見糠漬けとしか思えないパック詰めの漬物には、調味料で味付けしただけの、「こりゃ~、詐欺だろ!」としか思えない商品も。確かに、乳酸菌や酵母菌で発酵するより、化学調味料でもどき路線を潔く貫いちゃった方が、安価で、製造期間も短くて済みますからねぇ。

バイオジェニックス

 バイオジェニックとは、直接、或いは腸内フローラを介して、「免疫賦活、コレステロール低下作用、血圧降下作用、整腸作用、抗腫瘍効果、抗血栓・造血作用等の生態調節、疾病予防・回復、老化制御等に働く食品成分」の事で、東京大学名誉教授の光岡知足先生が提唱した概念です。乳酸菌発酵生産物、免疫強化物質を含むペプチド、植物性ポリフェノール、カロチノイド、DHA、ビタミン等の食品成分があります。乳酸菌生成エキス”アルベックス”は、乳酸菌の分泌物と菌体成分をエキス化したもので、このバイオジェニックスに分類されます。
 因みに、オリゴ糖などの乳酸菌の餌となる食品成分を”プレバイオティクス”、生きた乳酸菌等の腸内環境を改善する生きた菌は”プレバイオティクス”と定義されています。

乳酸菌生成エキス<アルベックス>

image133  移民(生菌)に頼らず、自前の善玉菌を育てる事を主眼に置いたのが、乳酸菌生成エキス<アルベックス>です。生きた乳酸菌ではなくて、乳酸菌の「菌の分泌物」と「菌体物質」が含まれています。 分泌物は、”なわばり物質”とも呼ばれ、所謂悪玉菌の増殖を抑制し、逆に善玉菌の増殖を促すものです。左図を見て下さい。明らかに、乳酸菌が増殖し、反対に黄色ブドウ球菌が抑制されていますよね? この分泌物を摂取する事で、腸内に住んでいる善玉菌の増殖が活性化され、腸内環境を理想的な状態に保たれるんです。 更に、菌体物質は、腸内免疫組織・パイエル板に作用し、パイエル板に存在する免疫細胞に働き掛け、全身の免疫バランスを整えます。つまり、両者が含まれる事で、一石二鳥系を狙えるって寸法なんです。
201308image11
 分類的には、直接働くと共に、腸内細菌バランスも整えてくれるので、性格的には、プレバイオ的な側面を有したバイオジェニックスと言えます。

 アルベックスの大きな特徴に、培地があります。牛乳を使わず、豆乳を使用しています。動物性ではなく、植物の豆乳を使う事で、より強力な有用成分が抽出されるんだそうです。それに、HISAKOの様な乳製品にアレルギーがある悲しい小娘にも、安心です。

アルベックスの製造方法

 アルベックスは、長年の研究から完成された特許製法”16種共棲培養特殊抽出法”から得られる乳酸菌の発酵エキスです。 このエキスの製造方法は、通常の生菌の乳酸菌製剤のそれとは異なる、大きな4つの特徴があります。①16種の乳酸菌の共棲培養、②豆乳培地、③長期熟成、④特殊抽出です。
    • image14316種類の乳酸菌同士が、切磋琢磨し合う!
厳選された16種の乳酸菌による高密度共棲培養法により、菌同士の勢力争いを促し、乳酸菌の能力を鍛えてます♪
    • image142豆乳培地で、発酵力を強化
豆乳と言う乳酸菌が繁殖し難い環境の中で培養する事により、高密度で高品質の乳酸菌が培養出来ます。因みに、専用の農場で栽培した、農薬不使用の大豆を使ってますから、培地までもが安全で高品質。
    • image153長期熟成で、品質向上
 長期発酵・熟成により、発酵物に含まれる有効成分の品質が飛躍的にUPします。一般的なヨーグルトが8時間に対し、アルベックスは、なんと、1年間!ですからね、比べ物になりません(笑)。
    • 特殊抽出で、シャープな効果をGET
 食べ物には、有効成分だけを抽出すると、その効能が鮮やかに際立つって性質があります。アルベックスも違わず、乳酸菌の分泌物と乳酸菌の菌体物質の2つの有効成分を特殊方法により抽出しているので、ぐぐ~っと濃縮された有難味を甘受出来ちゃいますよ~ん。 image154
 最近の研究から、左図の如く、豆乳培地で多種共棲培養すると、牛乳培地での単一種による通常培養よりも、乳酸菌の増殖密度が飛躍的に向上する事が分って来ました。その理由には、培地に含まれる糖類を始めとする栄養素の違い、菌相互間の栄養素の再利用システム、種間競争の原理が働いていると思われます。
 又、抗菌機能性の面でも、混合培養の優良性が示唆されています。乳酸菌は、所謂有害菌の繁殖を抑制する事が知られています。この抗菌効果について、単種と16種乳酸菌培養の比較実験をした所、明らかに16種混合培養をする事で、大腸菌、黄色ブドウ球菌ともに繁殖エリアが狭くなり、乳酸菌による抗菌作用が増強されている事が分りました。下図は抗菌作用の比較で、単種及び16種乳酸菌を混合したBCP加プレート培地上に、大腸菌及び黄色ブドウ球菌を染み込ませたペーパーディスクを一晩置いたものです。黄色は乳酸菌繁殖エリアを示し、紫色は乳酸菌非繁殖エリアを示しています。
image171
 アルベックスは、単に乳酸菌単種の持つ機能性に留まらず、乳酸菌の機能性をより引き出した乳酸菌素材と自画自賛出来る製品なのです、はい。

アルベックスの医療に於ける利用

 アルベックスは、現在の医療現場に於いては、補完代替医療のツールとして、便秘や下痢、各種胃腸疾患、癌、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹、花粉症等のアレルギー疾患、生活習慣病、歯科分野等の多岐に亘る分野で利用されています。医学的なメカニズムはまだまだ研究途上ではありますが、腸内環境の改善は様々な治療の根幹に係わる重要な問題ですから、その意味でもアルベックスは、ベースサプリメントとして活用する意義は大きいと思われます。
 アルベックスの機能性には、大きく分けて、①腸内細菌叢の改善と、②免疫機能の調節の2つがあります。
 腸内細菌叢の改善は、便通の改善に始まり、消化吸収・血液浄化、解毒作用の向上を促し全身健康の基礎となります。
 又、腸管には、免疫系の要であるリンパ球の約60%が存在しており、腸管は”人体最大の免疫器官”と言えます。アルベックスには、その腸管免疫に働き掛け、全身の免疫バランスを整える作用があります。

参考までに、アルベックスの試験データを載せときます。「自慢大会じゃね~か」と呆れられそうですが、事実なので仕方ありません(笑)。
    • 腸内環境改善効果(東京農業大学畜産学科の研究)
image124
 マウスの試験で、乳酸菌生成エキスの経口投与による、発癌物質を算出する酵素の活性度を測定しました。乳酸菌生成エキスを投与すると、発癌物質産出酵素の活性が最大80%抑制されました。これは、腸内の悪玉菌が減少し、善玉菌が増えたからです。このデータは、便やガスの悪臭の原因である、アンモニアや硫化水素の発生も抑える事を示しています。つまり、腸内を綺麗にして!って証明になるんです。
    • 腸内ビフィズス菌の増加(株式会社ビーアンドエス・コーポレーション八王子研究所)
 人様の試験で、アルベックスの飲用による腸内細菌の変化の測定をしたところ、ビフィズス菌が約3倍に、そして腸内細菌の総量も約1.5倍に増えたんだそうです。腸内環境改善にとても効果的なんですね、多くの人にとって。因みに、HISAKOの便検査の結果は、美容通信2013年8月号を参考にしてね。実感はありましたけど、データ的には、残念ながら出ませんでした…トホホの腹模様。
    • 腸のNKT細胞の活性化(新潟大学大学院 免疫学・医動物学分野 教授 安保徹グループの研究)Immunology Letters 102(2006)74-78
image162 マウスの試験で、乳酸菌生成エキスの経口投与による小腸及び大腸の免疫細胞の活性度を解析しました。①小腸と大腸のリンパ球が約2倍に増加し、②腸のNKT細胞も、小腸で2倍、大腸で4倍に増加しました。更に、インターフェロン‐γ(免疫物質)も著しく増加したんだそうです。つまり免疫力のバランスを調整する効果がある事の証明になります。
*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。

関連ページ

関連するHISAKOの美容通信をピックアップしました。

来月号の予告

”リプログラム”は、医師と行う断食療法。
無理のない断食で、
自己治癒力を引き出すお手伝いをします。