天然ホルモン補充療法と検査 | 旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2010年12月号

天然ホルモン補充療法と検査

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更年期障害の不定愁訴の改善=女性ホルモン補充療法と考えがちですが、年齢と共に激減するのは女性ホルモンだけではありません。
テストステロン、成長ホルモン、DHEA、メラトニン、甲状腺ホルモンと、様々なホルモンが減少して来ます。それに伴い、うつ、中年太り、手足の冷え、髪の毛が薄くなる、 肌のハリがなくなり、爪は割れるし、寒がり、性欲の減退、記憶力の低下、心臓病、脳卒中、糖尿病、高コレステロール…。
40歳以上の中高年世代の紳士淑女の皆様、思い当たりがあれば、先ずはホルモンの分泌状態を調べてみましょう。

ケースレポート・弟2弾は、総合ホルモン検査(唾液&血液スポット)をHISAKOが受けちゃいました。その結果と解説で~す。

ホルモン補充療法適齢期!?

 以下の質問を読んで、”どきっ!!”としたら、貴女もホルモン補充適齢期なのかも知れません。
image10045B15D  ‥ホルモン補充療法と言うと、更年期障害に対する女性ホルモンの補充が有名ですが、アラフォーを境に激減するのは女性ホルモンだけに非ず。テストステロン、成長ホルモン、DHEA、メラトニン、甲状腺ホルモンと、右図の如くに、全てが悉くに一気に転落して行くんです。つまり、”老い”って奴です。
 老化したからホルモンの分泌量が減ったのか、減ったから老化したのか‥。はっきり言って、鶏と卵状態。どっちが先かは分らないけど、臓器間の大事なコミュニケーションツールであるホルモン連中が手を取り合って奈落の底へと落ちて行く訳ですから、更年期障害だから女性ホルモンだけを補えば良いって言う考え方は、本当は片手落ち。NGなのねぇ。急激なホルモンのアンバランスを是正して、緩やかな老化の手助けとしてホルモン補充を考えても良し。35歳のホルモンバランスをキープして何時までも若々しくありたいと、志を高く持ち続けるのも良し。どちらにしろ、単にレーザーや超音波、RF波なんかの施術系を外側からだけ加えるよりは、結果は当然上がるから、美容的側面も結構侮れないんです(美容通信2010年9月号)。

 まあ、前置きが長くなっちゃいましたが、質問で~す。一つでも当て嵌まったら、「ホルモン補充療法適齢期かも?」って、先ず検査してみる事をオススメします。
  1. 綾小路きみまろの毒舌の先鋒に上がる、40歳以上の中高年世代です。
   2. 考えたり、行動するのに苦労する‥。
   3. 気分が重く、やたらと疲れ易い‥。
   4. 肉食女子はとうの昔に返上しました。昔なら、絶対一気喰いしてたであろうシチュエーション(例・ニノに泊り掛けの温泉旅行に誘われた)でも、性欲が、はっきり言って全然湧かないんです。
   5. そんなに食べてもいないし、運動量を増やしたにも拘らず、体重が増えた!?
   6. 運動をちょっとしただけで、体の節々が痛む。
   7. 所謂”更年期”到来! 最近の女子会の話題は”ホルモン補充療法”です。
   8. 肌のハリがなくなった。爪が割れる。薄毛になった。寒がりになった。
   9. 老化による心臓病、脳卒中、糖尿病、高コレステロールは、ご免だ。
   10. 人生が全てくだらなく、つまらないと感じる。
 貴女は幾つチェックが付きましたか? 因みに、HISAKOは、1,4,5,6,9の5個もチェックが付いてしまった‥。そんなHISAKOの結果は如何に?

総合ホルモン検査~唾液編

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 今回HISAKOが行った総合ホルモン検査は、唾液によるものです。手軽に出来て、安い! にも拘らず、ホルモン療法を行なう上で必要最低限のデータは全て揃うので、入門編としてはクリニック一押しの新・検査メニュ~♪

 復習になりますが、ホルモンの分析材料は、基本的には血と唾とオシッコの3種類があります。どれでも同じかと言うとそうでもなくて、夫々に利点と欠点ってものがあり、目的によって最適な材料を選ぶ必要があります。
 先ずは、下を見て下さい。材料によって調べられるホルモンが違います。

  • 血液
    • Estradiol
    • Progesterone
    • Testosterone
    • DHEA(S)
    • Cortisol
    • FSH
    • LH
    • FT3
    • FT4
    • TSH
    • IGF1
    • Insulin
    • Hs-CRP
    • Vitamin D3
    • PSA
  • 唾液
    • Estradiol
    • Progesterone
    • Testosterone
    • DHEA(S)
    • Cortisol
  • オシッコ
    • Estradiol
    • Progesterone
    • Testosterone
    • DHEA(S)
    • Cortisol
    • FSH
    • LH
    • FT3
 これだけ見ると、血ってターゲットとするホルモンの種類も多く、何て素晴らしい検体♪ それに比べて、唾とか、オシッコなんて、お下劣なだけ!!‥と思うかもしれませんが、実は同じホルモンでも、測定しているものが違うんです。
 主に副腎皮質、卵巣、そして精巣で産生されるステロイドホルモン類は、血液中では蛋白質と密接に繋がっているもの(結合型)が大部分です。この結合型って奴は、非活動型。もしもの貯金でしかないんです。これに対し、実際に所謂ホルモンとして働いてくれるのが、血液の中の少数派である独身貴族・”非結合型”。彼らは身軽が身上が故に、細胞受容体と結合出来、ホルモンとして作用する事が出来ます。平たく言えば、蛋白質と結合したホルモンは銀行に預けている貯金(定期預金)みたいなものですし、結合していないホルモンは自由に使う事の出来る財布の中の現金ですかねぇ‥。
image991  左図を見て下さい。血液で測定出来るのは、あくまでも貯金と財布の中の合計金額、つまりホルモンの総資産額です。唾液は、実際に使える現金だけを評価しています。

 オシッコで測定出来るのは、非結合型のホルモンとその代謝産物。つまり、実際に使える現金と、今まで使ったお金のレシートです。つまり、オシッコは明細書まで付いて来るので、優れた検査材料なんですが、具体的な使い道って意味で考えると、入門編としての価値は、以前特集した乳癌や前立腺癌等のホルモン依存性の癌のリスク評価位(美容通信2010年8月号)なんですよねぇ。
 それに、ホルモンの日内変動の評価が難しいのが欠点。ホルモンの日内変動を評価したい時は、唾液を用います。例えば、ストレスホルモンとして有名なコルチゾールですが、通常は、起床後にどぴゃ~と放出され、その後は徐々に徐々にジリ貧に減ると言う日内変動を示します。唾液検査は1日に4回、決まった時間に検体(唾)を採取する方法ですから、検査でこの日内変動に乱れが認められれば、例え未だ病気としての症状は発現していなくても、視床下部-下垂体-副腎間に連携不足があったり、そもそも臓器自体に何らかの綻びが生じ始めているetc.の可能性があります。1日の平均値しか分んないオシッコでは、到底及びも付かぬ芸当ですよね(笑)。
 え? 唾を吐くなんてお下劣だから、血じゃ駄目かって? 下のグラフを見て下さい。プロゲステロンってホルモンの入ったクリームを塗った時のホルモンのレベルをプロットしたもので、ちょっと日内変動とは違うんですが、血は‥小回りが効かないって言うか‥機敏じゃないって言うか‥なんですよ、はい。

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 てな諸事情から、取敢えずは、唾で検査。必要が生じたら、目的に応じて、オシッコを24時間蓄尿したり、次の章で述べる血液のスポット検査を追加します。

総合ホルモン検査~血液スポット検査編

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 血液スポット検査は、材料は確かに血液です。が、並みの血液検査と違うんです。何が違うかって? 企業秘密らしく、検査を請け負っているアメリカのZRT社は、HISAKOにそのからくりを決して教えてくれないんですが、活性化ホルモン値の測量も出来るんです。それも、血を採るのは病院じゃなくて自宅! 右図の様に専用の針で指を突っついて、濾紙になすりつけるだけ。簡単でしょ? たったこれだけなのに、出所が血液だけに、唾液では測定出来なかったホルモンも測定出来るのが特徴です。心血管系のリスク、ビタミンD、成長ホルモンetc.の測定が可能です。
 HISAKOは今回、唾液検査に併せて、この血液スポット検査も行いました。

COMBO TEST(Saliva and Blood Spot)

 欲張りHISAKOが今回行ったのは、総合ホルモン検査の唾液と血液スポット検査の両方をワンパッケージにしたコンボテストです。 [Combo] Comprehensive Femal Profile Ⅰ

  • 唾液検査:E2(エストロゲン)・Pg(プロゲステロン)・T(テストステロン)・DHEA-s・Cx4(日内変動コルチゾール4回:起床時・昼食前・夕食前・就寝前)
  • 血液スポット検査:TSH(甲状腺刺激ホルモン)・freeT3・freeT4・TPO(甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)
  • [Blood Spot Panels]
  • CardioMetabolic Profil Ⅰ:Insulin(インスリン)・hsCRP(高感度CRP)・HbA1c(ヘモグロビンA1c)・TG(中性脂肪)
  • Vitamin D25-OH :Total・D2・D3(活性化ビタミンD)
 一般的には、結構唾液検査だけでも必要最小限のデータは得られるので、初回はFemale/Male Saliva Profile Ⅲ(E2・Pg・T・DHEA-s・Cx4)を行います。2回目以降は、初回の検査でCortisolの日内変動を既に測定済みなので、再度検査する必要がありませんから、午前中のCortisol値と、E2・Pg・T・DHEA-sを調べます(Female/Male Saliva Profile Ⅰ)。  2回目の検査は、初回の検査から3ヵ月後に行います。これでこの3ヶ月間に加えて来たホルモン療法の評価を行い、修正すべき点があれば修正すると言う、大事な検査でもあります。3回目以降は、定期健診の意味合いで、加齢と共に低下するホルモンに対し、微調整を行う為に行いますから、半年から1年に1回は検査が必須になります。

問診表

 そして、どのキットにも入っているのが、問診表。ホルモン検査に際して、貴女の症状とホルモンレベルがどのように関連しているか分析する為には、現在の自覚症状の情報は必須。男性用と女性用がありますが、下記は女性用。0(全く)・1(少し)・2(しばしば)・3(頻繁)から選んで行くんですが、結構これが悩む(笑)。

 1) のぼせ・火照り 2)寝汗 3)膣の乾き 4)失禁 5)朦朧とした思考ぼんやり 6)記憶力の低下 7)涙目 8)欝 9)動悸 10)骨密度低下 11)睡眠障害 12)頭痛 13)体の痛み 14)線維筋痛症 15)起床時の疲れ 16)夜の疲れ 17)アレルギー 18)化学薬品過敏症 19)ストレス 20)脂肪・体重増加(腹部周り) 21)糖分欲求・依存 22)中性脂肪高値 23)性欲減退 24)抜毛 25)過剰な発毛(顔・体) 26)にきび 27)気分のムラ 28)乳房の過敏 29)呼吸の乱れ 30)神経過敏/イライラ 31)苛つき 32)不安・心配/神経症 33)水分の滞留・浮腫 34)乳腺線維腫 35)子宮筋腫 36)体力減退 37)筋肉の衰え 38)加齢/早齢 39)低体温 40)脂肪・体重増加(腰周り) 41)高コレステロール 42)顔・目の浮腫 43)徐脈 44)発汗低下 45)髪の乾燥・痛んだ髪 46)折れ易い・脆い爪 47)薄い肌 48)不妊症 49)便秘 50)頻脈 51)聴力低下 52)甲状腺腫 53)嗄れ声 54)頻尿 55)低血糖 56)高血圧 57)低血圧 58)手・足の痺れ 59)その他

 換言すると、これら全ての自覚症状が、ホルモンのバランスが崩れる事で起こるって事です。‥実に多彩ですね。

HISAKOのホルモン状態を大公開!!

 下記は、検査会社提供の検査レポートのサンプルで、HISAKOのモノではありません。悪しからず。

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エストロゲンとプロゲステロン

 やはり、レポートのトップを飾るのは、ホルモン補充療法の元祖とも言われるエストロゲンとプロゲステロン。未だに、ホルモン療法と言うと、イコール「エストロゲンの補充」って認識の方が一般的な位ですからね(笑)。

 先ずは、エストロゲンとプロゲステロンについては特集(美容通信2010年8月号)しているので、復習はさら~っと。

エストロゲン

 エストロゲンは、卵巣や副腎から分泌される女性ホルモン。更年期障害の救世主としてばかり持て囃されますが、実はコレステロールの善玉さんと悪玉さんのバランスを是正したり、骨組織のカルシウムを保護、又、血管の弾力性を高め、心臓病の原因である血栓を除去して血管をキレイにしてくれる、ご立派なホルモンです。更に、アルツハイマーの予防、記憶力の向上と脳みそに嬉しいのみならず、インスリン耐性(美容通信2010年4月号)を抑制して中年太りの原因を少しでも改善してくれます。
 そして、美容皮膚科・皮膚科領域でエストロゲンが持て囃される最大の理由は、兎に角、肌が綺麗になる事。繰り返す皮膚炎で難儀していた患者さんが、めっきりトラブルを起こさなくなり、それどころか、カサカサを通り越してガザガザの乾燥肌が改善され、たるみやシワが軽減します。

プロゲステロン

 エストロゲンの様な派手さ(インパクト?)はありませんが、エストロゲンと共に手を取り合って、更年期障害に於ける諸症状を改善し、乳癌や子宮体癌の予防の他、骨粗鬆症の予防や心臓の保護と言った体のみならず、欝っぽい気分を改善してくれる心にもポジティブ思考を齎してくれます。不眠にも効くみたいです。ですが、美容皮膚科的には、このホルモンの最大のポイントは薄毛対策(美容通信2008年5月号)。下の図を見て下さい。

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 甲状腺ホルモンが婆化に伴い低下すると、代謝機能が衰えます。そうすると、限られたエネルギーを、大して重要性が無い髪の毛に割いている余裕なんてありませんから、当然痩せ衰えて、抜け落ちてしまいます。例え、所謂”正常値”であったとしても、ボリュームが乏しくなり、髪型が決まらない更年期以降のオバチャンには、勿論、ファーストチョイスの選択肢にはなりえませんが、甲状腺ホルモンを投与したりします。甲状腺ホルモンの過多と言うより、実態は、婆化してプロゲステロンって名の女性ホルモンが低下する事で、T3がT4に変換が難しくなり、T3不足に陥った挙句の結果が、中高年の目印でもあるオバチャンの薄毛の大いなる原因の一つだからなんです。
 エストロゲンは前述の通り、性悪ながらもE1メインで細々ながらも分泌されています。ところが、プロゲステロンは、更年期が終わる頃には、完全に干上がって殆どゼロ。ですから、アメリカのホルモン補充を専門にやってる先生達の中には、プロゲステロンだけを処方して緩やかな老化を容認するなんて選択肢を儲けているDr.もいる位。昔は、プロゲステロンの働き自体があまり分っておらず、妊娠をする環境を整えるホルモンとしてしか認識がなされていませんでした。しかし、漸く最近になって研究が盛んになり、閉経(子宮摘出後も含む)後の女子の健康に果たす役割が分って来たんです。ホルモンの補充の内容も時代と共に変遷するのです、ハイ。


 さあ、HISAKOのデータを見てみましょう。
image5775B15D HISAKOは、20年前に、子宮癌の治療で、子宮も卵巣も全部癌と一緒に手術で摘出しました。その頃からず~っと、合成ホルモン剤ですが、所謂”ホルモン補充療法”を続けていたので、当然ながら、エストラジオール(E2)は、ばっちり基準値内のど真ん中。まあ、値としては文句ないけど、以前と言うか20年来飲んでいたプレマリン(E1・E2・E3)は終了し、後述の理由から、同相当の天然ホルモンのバイエストロゲン(E2・E3)のクリームに変更しました。
 プロゲステロンについては、長らく婦人科の主治医が処方してくれなかったので、補充は行っていませんでした。以前にもこのお話(美容通信2010年8月号)はしましたが、所謂”保険”で処方されるお薬は合成ホルモン剤で、代用品でしかありません。子宮を守る作用しかなく、寧ろ、合成エストロゲン製剤と一緒に服用すると、乳癌や心臓病、欝等になり易いなんていらないオマケが沢山付いて来る訳ですから、主治医が処方しないのも当たり前(笑)。ですが、漸く最近、ヒト固有のホルモンと同じ構造である(天然ホルモン)製剤をGET。遅ればせながらの補充を開始したばっかりなので、当然ながら、単独ではギリギリ髪の毛の先っぽが基準値内に滑り込んだ程度の低値。それ故に、個別のデータはまあまあとしても、エストロゲンとプロゲステロンの比率で考えると、ちょっとエストロゲンに比重が傾き過ぎているので、現行の投与量よりプロゲステロンを増やす必要がありって事になります。取敢えずプロゲステロンのクリームを50mg増量して、3ヵ月後に再度チェックして、維持量の決定を行おうと思います。

 因みに、以前ホルモン依存性の癌のリスク評価でも触れた様に、エストロゲンには、3種類あります。エストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)の3つです。E2が一番強力なエストロゲンで、現役女子時代に一番多く作られるホルモンです。ところが、更年期を過ぎて現役を返上すると、E1が主要なエストロゲンになります。E2やE3の代謝産物は別に良い子でも悪い子でもないんですが、E1の代謝産物は、ちゃんとメチル化して毒消しを行ってあげないと、乳癌や卵巣癌、子宮体癌等のホルモン依存性の癌の引き金になります。
 それ故に、クリニックでは、天然のエストロゲンの製剤でも、E1も入っているTriestrogenではなく、E2とE3しか入っていないBiestrogenだけしか使用しないんですが、念には念を入れて、メチル化を少しでも阻止してくれる、蛋白質、ブロッコリーや芽キャベツ等のアブラナ科のお野菜や、ベタイン(HISAKOの超苦手なエビやカニは流石に無理だけど、キノコや果物は大好き♪)を食べるのは勿論、マグネシウム、B2、B6、B12、葉酸、セリン等のサプリメントによる補充をオススメしています。

テストステロン

 女性の体内にも、男性の10%位ですが、男性ホルモン(テストステロン)(美容通信2010年9月号)があります。そして、このテストステロンレベルが減少するに従い、メタボ体型(内臓脂肪の増加!)になり、お洒落どころか、何もかにも行動を起こす事自体が億劫になる。勿論、Hも、酔っ払って圧し掛かって来る亭主を払い除けて、「疲れてるの!」の一言でお終い(←”亭主”だからって意味ではありません。悪しからず)。骨だって脆くなる。あんま知られてないけど、テストステロンには、実は柔らかで滑らかなお肌を保つ働きだってあるんです。ですから、最近のアメリカでは、ホルモン(エストロゲン&プロゲステロン)補充療法を行なう際に、低用量のテストステロンを加える方法が、内分泌や婦人科のDr.の間で拡がって来ているそうです。

image2385B15D 超余談ですが、中高年のおっさんの友・バイアグラ(美容通信2005年1月号)が、何故効果が有るのか知ってますか? 最近の研究では、バイアグラ自体に効果があるのではなくて、バイアグラの成分に含まれるテストステロンに効果がある事が分って来ています。‥下ネタ系になりますが、大昔、世にバイアグラなる代物がセンセーショナルに登場したばかりの頃、「バイアグラは女にも効く」なんて噂が実しやかに流れ、ファイザー社の薬剤情報担当者に「先生、アホな事は止めて下さい」と窘められたにも関わらず、試しに飲んだ事があります。30分経とうと、1時間経とうと、翌日になろうと、全く何の変化(事件)も起こらず、「やっぱ、根拠がないデマじゃ~ん」と、あの時は笑い飛ばして終わっちゃったんです。
 がぁ、今になって考えてみると、この噂、強ち嘘ではなかったのではないかと思ってます。恐らく、HISAKOは後述する様に、テストステロン値が、圏外も圏外、無茶苦茶低いので、バイアグラに含有されている程度のテストステロン量では、何の変化も起こせなかったのでしょう。ホルモンの特性上、閾値を越えるだけの量を投与しない限り、症状の改善は望めません。少し投与して様子を見て、って類の考え方をする代物ではないのです。ですから、HISAKO様に悲惨に低いホルモンレベルにまで落ち込んでいない、つまり、ちょい低下傾向の中高年の御婦人なら、意外にバイアグラ程度の補充でも効果的だったのかも知れません。(←この様なご婦人の服用は、バイアグラの適応にはありません。くれぐれも、お控え下さい!)


 さあ、HISAKOのデータ解析に移りましょう。下図の如くに、テストステロンは、後述するDHEAと共に、悲惨な値を示しちゃいました、ははは。基準値は30歳以上の女性の場合16~47pg/mlですが、ナント、HISAKOは9pg/ml。HISAKOは子宮と一緒に20年前に卵巣も摘出しているので、卵巣由来のテストステロンは全く期待出来ない。つまり、副腎で極く少量作られる以外、補給手段がない状況ですから、当然の報いじゃなくて、結果です。子宮癌でしっかり手術を行なったHISAKOの同病者は、きっと似たり寄ったりのデータでしょう。
 因みに、子宮筋腫等の手術で卵巣を残したとしても、卵巣って奴は根性がない(笑)らしく、子宮摘出の1年か2年後にはその機能を停止しちゃうんだそうです。デビット・ザヴァ博士によると、子宮摘出を受けた女性は軒並み、テストステロンのレベルが低くなるそうです。まあ、卵巣が未だ機能しているかどうか知りたければ、ホルモンを補充する前に唾液検査を受けてみるなんて言うのも、一つの方法ですけどね。

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 HISAKOは、テストステロン同様にDHEAも悲惨な位の低値でした。前述の”コレステロールから女性ホルモンが出来るまでの、ホルモン生成の流れ”の図を見てもらえれば分ると思いますが、テストステロンもDHEAもアンドロゲン組の構成要員で、DHEAの方がより役職が上とくれば、当然安価なDHEAからのスタートになります。実は、HISAKOはDHEA25mgを服用し始めたのが、この検査の4日前からだし、後述する様に諸事情の関係から、増量すべきかどうか悩みましたが、取敢えずこのままの量を服用し続けて経過をみようと思います。最終的に、DHEAの量を増やすのか、テストステロンのクリームを追加するのか、はたまたこのままのDHEA量を維持するかは、3ヶ月後のデータを見た上で考えれば良いからです。

CortisolとDHEA  先ずは、復習になりますが、DHEAは副腎から分泌されるホルモンです。約50種類のホルモンに進化する為、”ホルモンの母(マザー・ホルモン)”と称され、近年は補充療法の中心的存在になっています。免疫機能を高め、身も心も、ついでに心臓にも襲い掛かるストレスの嵐から守ってくれる、謂わば”抗ストレスホルモン”として癒し分野を担当しています。そして、高齢化と共に表れる、様々な綻び(病気)に効果的に働きます。免疫力賦活作用、抗ストレス作用、細胞再生能活性化、筋肉増強、記憶力・記銘力改善、性機能改善、抗欝・抗精神作用があるとされています。

 下の図を見て下さい。戦いのホルモン(ストレスホルモン)であるCortisolも、癒しのホルモン(抗ストレスホルモン)であるDHEAも、元を辿れば出所は同じコレステロール♪ そして恐ろしい事に、抗ストレスホルモンの下流にあるのは男性ホルモンで、更にその下流になるのが女性ホルモン。それ故に、ストレスが溜まりに溜まると、「いざっ!!」って時に役立たずと言うか‥、話にならないインポ野郎になったり、「出来ちゃった」訳でもないのに、生理まで止まっちゃうのも、当然と言えば当然の結末。
 それなのに、何度も繰り返しますが、抗ストレスホルモンであるDHEAの分泌は、爺婆化と共に低下します。25歳頃を境に分泌量は坂を転げ落ちる様に下落し、85歳になると‥、な、なんと最盛期の5%に激減しちゃうんです。敵対するCortisolは、殆ど変わんないか増えるんですよ。敵と戦った分だけ酸化は進みますから、それを是正する為にDHEAを頑張って分泌しますが、頑張りにも限度はあるよね。やっぱ、40過ぎたら、外からのDHEAの援助(天然ホルモン製剤の服用)も考慮した方が無難と、HISAKOと一緒に白旗揚げちゃいましょう。

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 一般的にホルモンってもんは、体内の濃度が高過ぎると、Negative Feedbackなる自浄作用が働いて、ステロイドの生成が抑制されるもんなんです。ところが、摩訶不思議な事なんですが、DHEAに関して言えば、この是正すると言うか、自重するって言うか‥、そんな慎ましやかな素質が欠けた稀有なホルモン♪ だから、一瓶一気飲みの様な余程の大量服用でもしない限り、体内の自然分泌は抑制されないんです。つまり、不可欠性、依存性が無いから、消費者サイドとしては安心して使えるホルモン剤って事になるんです、ハイ。

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 特に、DHEA-sの濃度が低い場合は、美容通信2010年8月号でお話した女性ホルモンの補充療法を行なう際、単独で女性ホルモンを補うよりも、DHEAを併せて使用する方が、婆への急激な移行(加齢)による諸症状の緩和により効果的である事が分っています。勿論、オバサマだけじゃなくて、これはロマンスグレー(←古いなぁ~!! HISAKOの年がばれる!?)のオジサマにも言える事ですがね。
 因みに、コーチゾールの補足ですが、コーチゾールが一時的なストレスに対して高い値を示すのは当たり前で、まあ、ある意味、社会にはハト派ばっかりじゃなくてタカ派も不可欠な存在ですから、それ程目くじらを立てる必要なんてありません。そうでなければ、菅内閣の様に弱腰(柳腰!?)だと、中国はおろかロシアにだって舐められて、付け込まれて、大事な領土を失う羽目になります。
image1039  ですが、戦前の大日本帝国や北朝鮮の様に軍事力にばかり偏ると、菅の台詞じゃないけれど、国民(副腎)に「逆立ちしても鼻血も出ない程」の過大な負荷を強いる事となり、何れ帝国の崩壊に繋がります。質問表にあった、1) のぼせ・火照り 2)寝汗 5)朦朧とした思考ぼんやり 6)記憶力の低下 8)欝 10)骨密度低下 11)睡眠障害 19)ストレス 20)脂肪・体重増加(腹部周り) 30)神経過敏/イライラ 31)苛つき 32)不安・心配/神経症 35)子宮筋腫 37)筋肉の衰え 38)加齢/早齢 47)薄い肌 48)不妊症 50)頻脈 56)高血圧の19の項目は、全て高コーチゾールの際に起こる諸症状です。  これらの高コーチゾールの状況が数ヶ月若しくは数年間も続けば、その行き着く先は、副腎疲労よるコーチゾールの低値です。正常の組織が壊滅的に破壊され、筋肉がげそっと落ち、骨もスカスカになり、お肌だってハリのないペラペラの薄い皮膚になっちゃいます。見た目もそうですが、免疫力が低下して病気の餌食になり易くなってしまいます。こうなると、最早、生きる屍。頭上をハゲタカが旋回している様なものです。


 さあて、47歳とバリバリ中高年ど真ん中のHISAKOのDHEAの値は、どうなっているでしょう。先程グラフを公開してしまっているのでばれているとは思いますが、1.6ng/mlしかありません。基準値は46~60歳の女性の場合2.7~8/mlです。  実は、この測定の4日前からHISAKOは、DHEAを25mg毎朝1錠飲んでいました。基本的にホルモンって代物は、純金積み立てコツコツ♪とかプラチナ積み立てコツコツ♪って類のモノではなく、飲まなかったり塗らなかったるすれば、即、元の木阿弥! 蓄積による効果を期待するものではありません。それ故に、検査会社からのレポートには、DHEA療法を行なっているにも拘らず、この低値はあり得ない!?との失礼な記載が‥。きっとアレルギーや化学物質と言った外敵にボコボコに虐められて無駄に消耗しちゃったか、それとも吸収自体が悪い粗悪な肉体の持ち主なのかと、HISAKOの心を更に抉り取る様な指摘が満載(笑)。でもぉ、今時分は、HISAKOの大敵であるスギも黄砂も飛んでないし、牛肉も豚肉も羊肉も喰ってないし‥、そうすると単純に、ろ、老化なのか!? ストレスの関与はないのか? と言う訳で、恐る恐る、抗ストレスホルモンであるDHEAの真逆に位置するストレスホルモン・コーチゾールの結果に移ります。

 コーチゾールは、前述のグラフの様に、日内変動があります。HISAKOの値は、朝8.8(3.7~9.5)ng/ml、昼2.7(1.2~3.0)ng/ml、夜0.5(0.6~1.9)ng/ml、就寝前0.8(0.4~1.0)ng/ml(註:()内は基準値)と、通常の日内変動のパターンからちょっとずれちゃってるんです。お昼までは結構イイ線で行ってたのに、夜にど~んと値が下がって基準値内から脱落したにも拘らず、寝る前になると値が上昇し、寧ろ基準値内でも高値をマークしちゃってるんです。HISAKOが夜と就寝前のサンプルを取り違いしていれば、別に問題は何にも無いんですが、天地天命に誓って取り違いはしていません。
 夜にど~んと値が下がって基準値内から脱落しちゃった原因は、一体何でしょうか。DHEAだって飲んだのは前日の朝が最後だし、テストステロン療法は行なっていないし、コーチゾールの産生を抑制している事は除外出来る。勿論、コーチゾールのクリアランスを増大させる様な、例えば甲状腺関係の薬も飲んでない‥。
 就寝前に上昇する理由は、一般的には、何らかの炎症、例えば喘息発作を起こしたとかして、それを抑える為にプレドニンの様なステロイドのお薬を服用したとか、副腎が頑張ってコーチゾールの合成を行える様に、ハーブや食事やサプリメントを補ったとかが挙げられます。他にも、未解決な問題を抱えている事による精神的なストレスとか、ぶつけたりとか怪我したりとかの所謂物理的な損傷を受けたとか、サリンの様な(笑)有毒物質に曝露したしたとか、バイ菌だとかカビだとかウィルスだとか悪魔だとかヤクザだとか、まあ碌でもない連中に取り付かれて、コーチゾールを分泌しなければならない状況に追い込まれたかですよねぇ。  そうすると多分、こんな変則的な結果をHISAKOが来たした原因は、時間的な問題により、データが正確性に欠けたと考えるのが無難かなと思っています。検体(唾液)の採取はご飯の前で、少なくとも前の食事から2時間経っていなければならなかったんですが、あの日、お昼の唾液の採取を行ったのが11:40頃。ちょっとバタバタして結局キャラメルラテがお昼ご飯の代用になり、夜の採取が晩ご飯を食べる直前の22時ちょっと過ぎ頃と、寧ろ一般的に想定されている就寝前の時間帯に近く、0.5ng/mlを就寝前と考えると、バッチリ基準値内。実際には、眠くて眠くて夕食後2時間以上待てず、1時間半弱で採取してしまった‥。つまり、夕食の影響を受けて若干の高い値を示したのではないかと思います。

 まとめると、DHEAの低値の理由が、単に老化だけの結果なのか、著しいストレスの関与もあるのかは、コーチゾールの測定に信憑性が無い為に、判定は出ず。‥皆さん、検査キットに記載されている注意事項をちゃんと守らないと、HISAKOの様に悲しい目に遭います。くれぐれもご注意を! ちゃんちゃん(笑)。


血液スポット検査から分る事

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 以上が、HISAKOの唾液検査の解析です。が、実は、一緒に血液スポット検査を受けたので、こちらについてもさらっと触れておきましょう。

甲状腺ホルモン

 取敢えずは、TSH(甲状腺刺激ホルモン)、freeT3、freeT4、TPO(甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)は全て基準範囲内です。  が、HISAKOには機能低下症を強く疑わせる症状が結構あるんですよねぇ。例えば、超寒がりだし、夜はヘロヘロに疲れ果ててるし、体力も格段に落ちたし、邪念を男に大して抱かない悟りの境地に達したのではなくて、抱けないだけだと断定された(笑)。
 つまり、ちゃんとホルモン(T3)は分泌されているのに、体の細胞達がその命令に従っていないからだって言うんですよねぇ。一般的に、こんな部下の職場放棄は、前述のコーチゾールやカテコールアミン(ノルエピネフリン)の値が高過ぎたり、ちゃんとキレーション(美容通信2006年11月号)してないから重金属(特に水銀)が蓄積してしまったからとか、他のステロイドホルモンのアンバランス(高エストラジオール、低プロゲステロン、低テストステロン)何かが原因で、引き起こされるみたい。前二者についてはちょっと不明だけど、少なくても他のステロイドホルモンのアンバランスは正に当ってる! 
 先ずは甲状腺が如何こう言う前に、プロゲステロンをしっかり100mg/日使う事から始めるべきかなと思い、この検査結果が戻って来てから増量しています。実は、プロゲステロンを増量して効果を一番実感したのは、この超が付くほどの寒がりが改善された事。今まで、真夏の糞暑い、精々1週間位はHISAKOだって汗ばむ事はありましたが、汗が流れるなんて記憶は余りにも昔過ぎて思い出せない(笑)。それが、この12月になっても、特に厚着をしなくても汗ばむまで成長したんです! いや~、忘れていた感覚に、ホント、感激しましたね、ははは。
 これは甲状腺ホルモンに関するプロゲステロンの作用ではないのですが、増量したその日から感じたのは、熟睡出来るようになった事。兎に角、夜中オシッコに何度か起きていたのが、パッタリとなくなったんです。高が50mgの増量が、その日から実感出来るなんて、ホルモンって凄いの一言ですかね。‥唯、品川駅の構内を歩いていても、すれ違うおじさんに対しては、未だに性的なトキメキは感じてません(笑)。プロゲステロンのみならず、DHEAも毎日欠かさず飲んでいるのにねぇ。‥でも、本音は感じなくても良いと言うか、感じたくない!?

CardioMetabolic Profil (心血管系)~Insulin(インスリン)・hsCRP(高感度CRP)・HbA1c(ヘモグロビンA1c)・TG(中性脂肪)

 インスリン6.2(1~15)mlU/mlと正常範囲内です。HbA1c5.5(<6)%、中性脂肪79(<150)mg/dlと、取り合えすは正常範囲で全く問題なし。心血管系のリスクを示すhsCRPも、0.6(<3)mg/lで、問題がありません。  補足にはなりますが、データ上は、糖尿病を発症していませんし、明らかなインスリン抵抗性を示す所見もありませんが、HISAKOは生まれ付き、つまりインスリン抵抗性の糖尿病関連遺伝子(美容通信)を、全てではありませんが保有しています。PPARγ(Pro12ALa)って遺伝子です。今が良いからって気を抜いちゃいけないんです、はい。

活性化ビタミンD

 HISAKOのもう一つの最大の問題は、ビタミンDです。HISAKOは、Vit.D3が15(32~100‥健康の為って意味では50~80が推奨される)ng/mlと、無茶苦茶、アホみたいに低いんです。一般的にビタミンDの欠乏症は、心血管系の病気とか、脳卒中、骨粗鬆症、癌、多発性硬化症や慢性関節リウマチ等の自己免疫疾患、糖尿病(Ⅰ型・Ⅱ型)etc.の色んな病気と関連があるとされています。確かに一日中陽の当らないクリニックに棲息しているし、日焼けをしない様にがっちりガードはしているのは事実だけど、流石にこれは光老化(美容通信2003年7月号)(美容通信2003年8月号)が怖くて止められない(笑)。まあ、ビタミンD3(美容通信2009年12月号)(美容通信2013年3月号)たっぷりの鮭やマスでも食べますか。特にHISAKOの様な癌の既往がある患者さんには、再発の危険性を少しでも減らしてくれる心強いサポーターもなってくれますし。

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*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

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