HISAKOの美容通信2026年3月号
アトピー性皮膚炎と尋常性乾癬の新薬|ブイタマークリーム(タピナロフ)
2024年10月29日に発売開始されたブイタマークリーム(タピナロフ)は、従来からあるステロイド外用薬や免疫抑制外用薬、JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬等とは全く異なる作用を持つ薬剤です。「AhR調整薬」と呼ばれる種類の薬剤で、その有効成分であるタピナロフは、細胞質に存在する特定の受容体(芳香族炭化水素受容体:AhR)を活性化して、炎症反応を促進する生体内物質の産生を抑制するだけでなく、皮膚バリア機能関連分子及び抗酸化分子の遺伝子発現を誘導して皮膚症状を改善します。重篤な副作用は報告されておらず、その他の副作用も他剤に比べて多い訳ではありません。また、長期使用に於ける安全性が臨床試験で確認されている事などから、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬の治療に於ける新たな選択肢として注目されています。
HISAKOは、温泉好きではありますが、中々機会がなく、未だ、豊富温泉に行った事はありません。しかし、このブイタマークリームで、肌の調子も絶好調で、湯治気分を満喫しております(笑)。
豊富温泉
北海道天塩郡豊富町にある豊富温泉は、1926年(大正15年)に、石油試掘中に天然ガスと共に湧出した化石海水によるモール泉です。古くから火傷に効くとされていましたが、21世紀に入ると、乾癬やアトピー性皮膚炎等に効能がある事が話題となり、観光客だけでなく、全国各地から湯治客が訪れるようになりました。濃い石油や天然ガスと共に湧出してくる為、油分を含み、石油臭があり、「油風呂」とも呼ばれています。これは、世界的に見てもかなり珍しく、世界には2ヶ所、日本では豊富町唯一の泉質です。町営の日帰り入浴施設「ふれあいセンター」には、源泉をそのまま使用した湯治用の浴場がありますが、その特徴的な湯は衣服に着色しますので、覚悟して入浴下さいませ。
2024年10月29日に発売されたブイダマークリームは、塗る豊富温泉。何故、そう称されるのかは、ブイタマークリームも豊富温泉も、AhR(芳香族炭化水素受容体)の活性を介して、炎症性サイトカインを低下させ、抗酸化分子の発現を誘導して、皮膚の炎症を抑制すると共に、皮膚のバリア機能を改善するからです。つまり、最北の果ての温泉にまで湯治に行けなくても、ブイタマクリームさえあれば、自宅で油風呂?を堪能出来ます(笑)。
Heterorhabditis線虫と、その共生細菌Photorhabdus
Heterorhabditis線虫
ブイタマークリームの有効成分であるタピナロフは、Heterorhabditis線虫の共生細菌Photorhabdusに含まれる天然由来の化合物であり、医薬品として使用されるだけでなく、抗生物質としての性質も持っています。
右図のクロワッサンもどきの虫(ワックス蛾)のお腹の中から湧き出したかの様に見えるのは、Heterorhabditis線虫です。彼らはRhabditida目に属する線虫の属で、この属の全ての種は昆虫の必須寄生虫であり、一部は害虫の防除を目的とする生物学的防除剤として使用されます。
その共生菌Photorhabdusの戦略
Photorhabdusは、Heterorhabditis線虫の共生細菌です。昆虫病原性線虫内で共生する生物発光グラム陰性桿菌の属であり、photo(光を生成する事を意味する)+rhabdus(棒状)という名前が付けられています。 Photorhabdusは、様々な昆虫に対して病原性がある事が知られており、農業に於ける生物農薬として使用されてきました。
トロイの木馬を彷彿とさせるお話ですが、Photorhabdusは単なるバイ菌に過ぎませんから、昆虫を毒殺して食べる事は出来ても、その昆虫の体内に辿り着く為には、Heterorhabditis線虫の力を借りなくてはいけません。しかし、Heterorhabditis線虫を一方的に利用するだけでは、逆恨みされて、ストーカー化した客にメッタ刺しされて殺されるキャバ嬢の如く、共生関係は当然破綻しますから、飴を与えます。毒殺された昆虫をそのまま餌に出来ないHeterorhabditis線虫の為に、彼らが利用し易い栄養素に変換し、線虫一族の繁殖に寄与します。持ちつ持たれつです。
Photorhabdusは、餌食である昆虫の中で、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-トランス-スチルベン(ST)と呼ばれる分子を合成します。STは抗生物質として作用するだけでなく、漁夫の利を狙う他の微生物達のみならず、宿主からの昆虫の免疫系から身を守ります。
タピナロフ
タピナロフは、芳香族炭化水素受容体(AhR)に直接結合し、炎症性サイトカインを抑制し、皮膚バリア蛋白質の発現を調節し、酸化ストレスを軽減し、免疫細胞の遺伝子発現を調節する作用があります。2022年の5月に、アメリカ合衆国で、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬の治療薬として承認を受ました。アメリカ食品医薬品局(FDA)は、タピナロフをファースト・イン・クラス医薬品(画期的な医薬品)と位置付けています。
タピナロフの作用機序
ブイタマークリームは、日本たばこ産業株式会社がDermavant社から国内での開発権を得て開発した、非ステロイド性、低分子の治療用芳香族炭化水素受容体調節薬[therapeutic AhR modulating agent:TAMA]です。リガンド依存性転写因子であるAhRの活性化を介して、種々の遺伝子発現を調節します。また非臨床試験の結果から、アトピー性皮膚炎及び尋常性乾癬の特徴を有する皮膚炎モデルに於いて、炎症性サイトカインの抑制(マウス)、抗酸化分子の発現誘導(マウス)による炎症の抑制、皮膚バリア機能関連蛋白質の発現誘導(in vitro)による皮膚バリア機能の改善が確認されています。
因みに、何故、ブイタマーと命名されたかと申しますと、これはお薬のジャンルと関係します。このお薬は、前述の通り、外用AhR調整薬という新しいメカニズムのお薬TAMAで、猫のたまとは何の関係もありません。そのTAMAとvictory(勝利)のVを合わせて、VTAMA(ブイタマー)。陳腐な命名ですが、まあ、HISAKOがとやかく言う範疇ではありません(笑)。
AhRとは
化学物質センサーである芳香族炭化水素受容体(Aryl Hydrocarbon Receptor: AhR)は、リガンド依存性に機能が調節される転写因子で、「内・外」 環境及び「腸内細菌」 との境界に位置し、食べ物や微生物、汚染物質、代謝産物等々と、様々な化合物によって活性化されます。つまり、化学物質に対する防御、微生物に対する防御、エネルギー代謝、細胞の発生と分化、生殖等の幅広い生理機能に関与しています。特に、免疫系に於いては、免疫応答を調節する重要な役割を果たしています。
■AhRシグナル経路
AhRシグナル経路は、活性化物質によって生物学的効果が異なります。右図を見て下さい。
- AhRリガンドは、先ず、細胞質に存在するAhRに結合します。
- リガンドとAhRの複合体は核内に移動し、芳香族炭化水素受容体核内輸送体(ARNT)と二量体を形成します。
- 二量体は、標的遺伝子のプロモーター領域に位置する異物応答配列(XRE)に結合し、代謝酵素であるCYP1A1や炎症に関与するサイトカイン、バリア機能関連分子等の発現を誘導し、免疫反応をコントロールします。
- 発現が誘導されたCYP1A1は、AhRリガンドを分解します。これにより、AhRのシグナル伝達が停止されます。このAhRリガンドを分解する過程で、活性酸素種(ROS)が産生されます。
■皮膚炎に関与するAhRリガンド
上皮バリア組織、特に皮膚では、AhRの発現が高く、最近の研究では、皮膚の生理や炎症性疾患に於けるAhRの複数の役割が明らかになって来ました。
AhRリガンドの種類によって、酸化ストレスへの影響や炎症性サイトカインに与える影響が異なる事から、皮膚炎への影響も異なります。乾癬・アトピー性皮膚炎の発症に於いては、AhRは重要な役割を果たしています。
AhRに働く物質は、大きく2種類に分類されます。一つは、人体に有害な反応を生じるダイオキシン、多環芳香族炭化水素といった化合物です。もう一つは、人体に有益な反応を生じる抗酸化作用を持った化合物で、タピナロフは皮膚炎を抑制するAhRリガンドとして、治療用AhR調節薬TAMAに分類されます。唯、この両者の違いには、薬物代謝経路、活性酸素の産生量、arteminの発現、TNF-αの産生量等が関与する事が報告されていますが、詳細な機序はまだ分かっていません。
■AhRを介したROS産生と抗酸化作用
- ダイオキシン類
ダイオキシン類は、ごみの焼却等の際に意図せずに発生してしまう、所謂、「非意図的生成物」ですが、テレビや新聞で大きく報道されている様に、強力な毒で、史上最強と謳われています。ダイオキシン類の毒性は、一般毒性、発癌性、生殖毒性、免疫毒性等と多岐に亘ります。平成12年1月には、ダイオキシン類対策特別措置法「ダイオキシン類が人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある物質であることにかんがみ、ダイオキシン類による環境の汚染の防止及びその除去等をするため、ダイオキシン類に関する施策の基本とすべき基準を定めるとともに、必要な規制、汚染土壌に係る措置等を定めることにより、国民の健康の保護を図ることを目的とする」が施行されています。
ダイオキシン毒性の起点となるAhRは、ダイオキシン類等のリガンドに結合する事(←以前は、ダイオキシン受容体と侮られた暗い過去(暗黒史)もありました…)で、細胞質から核内へ移行し転写因子として多数の遺伝子を発現させます。この仕組みがダイオキシン毒性の発現機序と考えられていますが、詳細なメカニズムについては未だ明らかとなっていません。
ダイオキシン類はROS(美容通信2017年10月号)に対して安定である為に、分解されず、AhRの過剰な活性化を招きます。このROSによる酸化ストレスが、ダイオキシン類による毒性発現の大きな要因となります。
- タピナロフ
AhRリガンドには、抗酸化反応を誘導するものがあります。タピナロフやケトコナゾール、フラボノイド等のリガンドは、Nrf2を活性化し、NQO1等の抗酸化酵素を誘導する事が報告されています。その結果、ROS産生、DNA損傷、炎症性サイトカインの産生が抑制されます。
HISAKOの美容通信では、断片的に登場するNrf2ですが、ちょっと補足します。これまでは、Nrf2は主として活性酸素種を減らす事により、炎症を軽減しているものと考えられていました。が、実は、最近になって、Nrf2は主に炎症を増悪させるサイトカインであるインターロイキン6(IL-6)やインターロイキン1β(IL-1β)の遺伝子の発現を阻害する事で、炎症を抑えている事が判明しました。つまり、ブイタマーの様な、Nrf2を活性化する化合物は、抗炎症薬としても効果的なだけでなく、Nrf2を活性化させる細胞を保護する効果も期待出来るんです。
タピナロフの作用機序
タピナロフは、ケラチノサイトや免疫細胞の細胞質内で、AhRに結合します。タピナロフと結合したAhRは核内に移動し、芳香族炭化水素受容体核内輸送体(ARNT)と二量体を形成します。タピナロフが結合したAhRとARNTの二量体は、核内のDNAと結合し、炎症抑制や皮膚バリアに関連する遺伝子の発現を促進します。また、タピナロフによるAhRの活性に伴い、ケラチノサイトの核内で抗酸化作用を齎すNrf2経路を活性化します。また、フィラグリン、ロリクリン、インボルクリン、ホルネリン等の皮膚バリア機能関連分子の遺伝子発現を誘導し、皮膚バリアを改善します。
タピナロフの薬理作用
AhRに対する作用(in vitro)
AhRに対するタピナロフの結合を、AhR-ARNTヘテロ二量体を用いて評価しました。蛍光シグナルによる結合試験及び表面プラズモン共鳴法による速度論的試験により、タピナロフはヒト及びマウスAhRに直接結合し、また、競合試験に於いてタピナロフは、既知のAhRリガンドである2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)とは異なる、部位又はポケットに結合する事が示唆されました。
右図は、ヒト末梢血単核細胞に於ける、CYP1A1のmRNA発現に対するタピナロフの作用を示した図です。タピナロフは、ヒト末梢血単核細胞に於いて、AhRの活性化の指標であるCYP1A1のmRNA発現を誘導しました。
サイトカイン産生に対する作用(in vitro)
ヒト末梢血単核細胞を、T細胞刺激剤であるphytohemagglutinin(PHA)及びphorbol myristate acetate(PMA)で処理し、Th2サイトカイン(IL-4)及びTh17サイトカイン(IL-17A)の産生に対する、タピナロフの作用を評価しました。タピナロフは、刺激された末梢血単核細胞からのIL-4及びIL-17A産生を用量依存的に抑制しました。下図は、ヒト末梢血単核細胞に於ける、IL-4及びIL-17A産生に対するタピナロフの作用を示したものです。 また、ヒト皮膚のTh17誘導条件下において、タピナロフはIL-17AのmRNA発現を抑制しました。
抗酸化作用(in vitro)
ヒト末梢血単核細胞に於いて、タピナロフは、抗酸化分子であるNAD(P)H:quinone dehydrogenase 1(NQO1)のmRNA発現を誘導しました。左図は、ヒト末梢血単核細胞に於ける、NQO1のmRNA発現に対するタピナロフの作用を示したものです。
また、ヒト初代角化細胞及びヒト不死化角化細胞株を用いて、酸化ストレスに対するタピナロフの抑制作用を活性酸素種(ROS)産生及び抗酸化分子のmRNA発現を指標に評価しました。タピナロフは、アゾビス化合物[2,2’-azobis(2-amidinopropane) dihydrochloride;AAPH]により誘導されるROS産生を抑制し、また、抗酸化分子[ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1、HMOX1)及びNQO1]のmRNA発現を誘導しました。
皮膚バリアに対する作用(in vitro)
ヒト初代角化細胞及び再構築ヒト表皮モデルを用いて、皮膚バリア機能に対するタピナロフの作用を、皮膚バリア機能関連分子のmRNA発現を指標に評価しました。タピナロフは、ヒト初代角化細胞に於いては、フィラグリン、ホルネリン及びインボルクリンを、再構築ヒト表皮モデルに於いては、ホルネリン及びインボルクリンのmRNA発現を夫々誘導しました。
DNFB誘発皮膚炎に対する作用(アトピー性皮膚炎、in vivo、マウス)
マウス2,4-ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)誘発皮膚炎モデルを用いて、タピナロフを反復経皮投与した際の皮膚炎に対する作用を評価しました。タピナロフは、耳介腫脹及び耳介の病理組織学的変化(真皮への炎症性細胞浸潤、表皮肥厚及び痂皮形成)を抑制しました。また、耳介に於いて、タピナロフはCYP1A1及びNQO1のmRNA発現を誘導し、IL-4量を減少させました。更には、タピナロフは耳介において、TEWL(transepidermal water loss、経表皮水分蒸散量)の増加を抑制しました。
IL-23誘発皮膚炎に対する作用(尋常性乾癬、in vivo、マウス)
マウスIL-23誘発皮膚炎モデルを用いて、タピナロフを反復経皮投与した際の皮膚炎に対する作用を評価しました。
タピナロフは耳介腫脹及び耳介の病理組織学的変化(真皮への炎症性細胞浸潤、表皮肥厚及び痂皮形成)を抑制しました。また、耳介において、タピナロフはCYP1A1及びNQO1のmRNA発現を誘導し、IL-17A量を減少させました。下図は、マウスIL-23誘発皮膚炎モデルに於ける、耳介腫脹に対するタピナロフの作用を示したものです。
IMQ誘発皮膚炎に対する作用(尋常性乾癬、メカニズム解析、in vivo、マウス)
マウスイミキモド(IMQ)誘発皮膚炎モデルを用いて、タピナロフを反復経皮投与した際の皮膚炎に対する作用を評価しました。タピナロフは、表皮肥厚を抑制し、皮膚のサイトカイン(IL-17A、IL-17F、IL-19、IL-22及びIL-23A)の遺伝子発現を抑制しました。また、AhR欠損マウスを用いて、タピナロフの作用メカニズムを解析したところ、AhR発現対照マウスに於いて、タピナロフはイミキモドにより誘発される皮膚炎(表皮肥厚、サイトカイン発現)を抑制しました。一方、タピナロフによるこれらの作用は、AhR欠損マウスでは認められず、AhRを介した作用であることが示唆されました。
ブイタマークリーム
ブイタマークリーム
2024年10月29日に発売開始されたブイタマークリーム(タピナロフ)は、従来からあるステロイド外用薬や免疫抑制外用薬、JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬等とは、全く異なる作用を持つ薬剤です。「AhR調整薬」と呼ばれる種類の薬剤で、その有効成分であるタピナロフは、細胞質に存在する特定の受容体(芳香族炭化水素受容体:AhR)を活性化して、炎症反応を促進する生体内物質の産生を抑制するだけでなく、皮膚バリア機能関連分子及び抗酸化分子の遺伝子発現を誘導して皮膚症状を改善します。重篤な副作用は報告されておらず、その他の副作用も他剤に比べて多い訳ではありません。また、長期使用に於ける安全性が臨床試験で確認されている事などから、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬の治療に於ける新たな選択肢として注目されています。
■適応
- アトピー性皮膚炎:大人と12歳以上のお子ちゃまが対象です。12歳未満では、何が起こるのか、臨床試験すら行っていないので、誰も知りません。
- 尋常性乾癬:大人限定品。お子ちゃまでは、何が起こるのか、臨床試験すら行っていないので、誰も知りません。
■適応とならない人/要注意の人
【適応がない人】ブイタマーの成分に対し、過敏症の既往のある人。
【要注意人物】
- 皮膚感染症がある
感染部位を避けて使用する。感染部位に使用する場合は、事前に適切な抗菌剤や抗ウィルス剤、抗真菌剤による治療を行う、若しくは併用するのが望ましいかも。
- 妊娠中若しくは妊娠している可能性がある
治療上の有益性が危険性を上回る時にのみ、使用出来ます。人間では試してみる訳にはいかないので、ラットの動物実験(皮下投与)でのお話です。臨床暴露量の108倍の暴露量を投与したところ、胎児体重の低値及び胎児骨格異変(鼻骨不完全骨化)の増加が認められたそうです。また、うさちゃんの動物実験(皮下投与)では、臨床暴露量の11倍の暴露量を投与したところ、お母さんウサギの体重増加量は減少し、お腹の中の赤ちゃんウサギが死んだり、骨格異変(頭頂骨及び頭頂間骨の過剰縫合線)の割合がほんのちょっとですが増えたんだそうです。
- おっぱいをあげている
動物実験では、おっぱいに移行する事が確認されていますので、敢えてブイタマー使う価値は?です。
- お子ちゃま
前述の通り、アトピー性皮膚炎では12歳未満、尋常乾癬では内科ではなく小児科のお世話になるお年頃のお子ちゃまでは、有効性及び安全性を指標とした臨床試験すら行っていないので、何が起こるか誰にも分かりません。止めとくのが無難ってもんでしょう。
■投与方法
1日1回、適量!塗って下さい。
■副作用
アトピー性皮膚炎、乾癬共に、毛包炎、ニキビ、頭痛等が注意すべき副作用のようです。
臨床成績
■アトピー性皮膚炎に於ける国内臨床成績
塗布開始後8週間で、症状が消失ないしほぼ消失、且つ治療開始時に比べてIGA (investigator’s global assessment) が2段階以上改善した患者さんの割合が、ブイタマークリームを塗った群では20.24%でした(主要評価項目)。右図は、アトピー性皮膚炎患者を対象とした国内第Ⅲ相比較試験 (ZBB4-1試験)の結果です。
長期投与試験では、アトピー性皮膚炎の評価指標であるEASI (eczema area and severity index) が、投与開始時より75 % 改善した患者さんの割合は、徐々に増加し、52週時点では 76.6 % になりました。左図は、アトピー性皮膚炎患者を対象とした国内第Ⅲ相長期投与試験(ZBB4-2試験)の結果です。
■尋常性乾癬に於ける国内臨床成績
塗布開始後8週間で、症状が消失ないしほぼ消失、且つ治療開始時に比べてIGA (investigator’s global assessment) が2段階以上改善した患者さんの割合が、ブイタマークリームを塗った群では20.06 %でした(主要評価項目)。右図は、尋常性乾癬患者を対象とした国内第Ⅲ相比較試験及び継続投与試験(ZBA4-1試験)の結果です。
長期投与試験では、乾癬の評価指標であるPASI (psoriasis area and severity index) が、投与開始時より75 % 改善した患者さんの割合は徐々に増加し、52 週時点では 79.9 % でした。左図は、尋常性乾癬患者を対象とした国内第Ⅲ相長期投与試験(ZBA4-2試験)の結果です。
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