メディカルフードとしての成長ホルモン分泌促進剤 | 旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2018年9月号

メディカルフードとしての成長ホルモン分泌促進剤

サルコトロピン舌下錠は、米国FDAにより、医薬品とサプリメントの中間に位置する「メディカルフード」として認可された、成長ホルモン分泌促進剤です。米国では、加齢による筋肉量減少や骨格筋機能の低下を主徴とするサルコペニアの改善に処方されています。成長ホルモンの作用は多彩であり、心肺機能、免疫機能、脂肪代謝、活力、リビドー、睡眠、肌質等を改善し、総合的なアンチエイジング効果を発揮します。

成長ホルモンは、アンチエイジング界では別格の存在。「若さのマスター・ホルモン」として君臨しております。しかしながら、成長ホルモン注射(正しくは、hGH(ヒトの成長ホルモン)注射)は、庶民には”目の玉が飛び出る!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!”って形容しか出来ない位のお値段。それ故に、老化により漸減する全てのホルモン剤を総合的に補充しても尚且つ!って時にしか、使いません。最終兵器なんです。

しかしながら、おめおめ老化するのは、誰だって真っ平御免!ですから、ホルモン自体を補充できなければ、自前の成長ホルモンの分泌を促すしかありません。負荷運動、睡眠、食事は、基本中の基本です。更にって人が、HGH等のアミノ酸サプリメントを併用するのが、今までの定番でした。

サルコトロピン舌下錠は、医薬品とサプリメントの中間に位置する「メディカルフード」。つまり、従来のHGH等のアミノ酸サプリメントから、一歩踏み込んだ範疇に属する製品で、内因性の成長ホルモン分泌量を高めてくれます。

ホルモンとは

 ホルモンは古代ギリシア語: ὁρμᾶνhormān,「刺激する」「興奮させる」の意)を語源に、20世紀初頭にセクレチンを発見したウィリアム・ベイリスアーネスト・スターリングによって命名されました。因みに、世界初のホルモンは、日本人生物学者 高峰譲吉によるアドレナリンです。

老化の原因

 何故人は老いるのか? 様々な説があります。活性酸素説、ホルモン低下説、有害重金属説、遺伝子決定説、テロメア説、慢性炎症説が、その代表的なものですが、実際は幾つかの要因が複雑に組み合わさって、老化にじわじわと蝕まれる…。活性酸素は老化の原因の60~70%を占めるとされていますし、ホルモンの低下は老化のアクセルを踏む様なものとも称されます。

 ホルモン低下説ですが、老いるからホルモンが低下するのではなく、ホルモンが低下するから老いると言うのが、実際は正しいところなのでしょう。個々の細胞の老化は臓器の老化を招き、臓器の老化は病気の発症へと繋がります。ホルモン補充や抗酸化物質等により、細胞の老化は完全ではありません‼が、そこそこ以上には防ぐ事が出来ます。

 若返りの泉「Fountain of Youth」をご存知でしょうか? その水を飲むことで誰もが若返ると言われている伝説上の泉ですが、実は、この泉の本体はホルモンなんですよ。

 上図は、ルーカス・クラナッハ作「若返りの泉」 (ドイツ語原題:Der Jungbrunnen)です。因みに、この泉はフロリダにあると言われいて、この泉にまつわる話はアメリカ合衆国に関連する中でも、最も長く続いている物語の一つです。流石、ホルモン補充大国、アメリカですね。

 

ホルモンとは

 ホルモンがホルモンたる所以は、特定の細胞だけを興奮させるものだって事です。つまり、個別のホルモンの受容体があってこそのお話で、受容体がなければ、ホルモンが幾らあったところで、何の効果もありません。つまり、受容体なくして興奮をさせる物質、あらゆる細胞に対して興奮を齎す物質は、ホルモンではないんです。

 下図は、人体の構成です。人間の解剖学や体組成(体力)ではなく、純粋に質量のお話です。

 酸素が約60%、炭素が約20%を占めており、炭素の流れを代謝と呼んでいます。ホルモンも炭素で出来ていますから、勿論、代謝されます。

 栄養分等とは異なり、ホルモンの体液中の濃度は非常に微量なのが特徴です。例えば、低分子量のホルモン血液中の濃度は10−6から10−8 mol/L、ポリペプチドホルモンで10−9~10−12 mol/L、程度と低濃度です。50mプールに、スプーン1杯程度の極く少量で効果が現れます。

 ホルモンが作用を発揮する器官をホルモンの標的器官(target organ)、実際に作用を起こす細胞をホルモン標的細胞(target cell)と呼びます。ホルモン分子に特異的に結合するホルモン受容体(ホルモン・レセプター)があるお陰で、標的器官は、非常に低濃度のホルモンに対しても、機敏な反応が出来るのです。

 

ホルモン剤には、経口剤と注射剤がある。

 「何で、プレドニンは飲んでOKなのに、インスリンは注射じゃないと駄目なんだろう?」 皆さんが抱く、素朴な疑問です。これは、ホルモンには、アミノ酸由来のものとコレステロール由来のものが2種類あるからです。アミノ酸由来のホルモンは、消化器分解酵素で分解されちゃうので、飲み薬としては不適切で、注射とか、皮膚に塗って(経皮)投与します。これに対して、コレステロール由来のホルモンは、消化管分解酵素での分解がされ難く、安定しているので、経口でも大丈夫。

■アミノ酸由来のホルモン

 アミノ酸由来のホルモンは、後述するコレステロール由来のホルモンに対し、即効性ですが、短時間しか効果がないのが特徴です。ポリペプチド ホルモンと、アミノ酸誘導体ホルモンの2種類があります。

 アミノ酸由来のホルモンは、主に細胞膜で受容され、細胞膜の構造や機能を変化させたり、生成させた第二メッセンジャーを細胞内部に浸透させて働きます。基本的に、細胞膜にホルモンの受容体があるので、効果がと~っても!即効性に働きます。

 

 甲状腺ホルモンや、後述のコレステロール由来のステロイドホルモンは、受容体と結合した複合体が遺伝子情報に制御を加える働きを持ち、特定遺伝子の活動を活発にしたり、伝令RNAの生成を促したりします。甲状腺ホルモンは、細胞膜やミトコンドリア上にも結合する部位が発見はされてはいますが、その機能は未だ解明されてはいません。

  • ポリペプチド ホルモン

   ポリペプチド ホルモンは、幾つかのアミノ酸で構成されたホルモンですが、3個のアミノ酸がペプチド結合した甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン等の小さいものから、200個以上のアミノ酸からなる大きなものまで、様々。

   ポリペプチド ホルモンには、インヒビン、副甲状腺ホルモン(PTH)、カルシトニン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、バソプレッシン(抗利尿ホルモン)(ADH)、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)、性腺刺激ホルモン【黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、絨毛性ゴナドトロピン】、プロラクチン(PRL)、メラトニン、オキシトシン、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、膵臓ポリペプチド、成長ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン等があります。

  • アミノ酸誘導体ホルモン

   甲状腺ホルモン【サイロキシン(チロキシン)】、副腎髄質ホルモン【アドレナリン、ノルアドレナリン】等 が分類されます。

■コレステロール由来ホルモン

 ステロイドホルモンは、上図の様に、細胞膜を通過後、細胞内のホルモン受容体と結合して、核内に入ります。つまり、アミノ酸由来の多くのホルモンの様に細胞膜に受容体がある訳ではなく、核内に入って、遺伝子の作用を変化させてのお話なので、エンジンが掛かるのには多少時間が掛かりますが、作用は比較的長時間続きます。

チャクラとホルモン

 メジャーチャクラのひとつひとつと、内分泌系の主要な内分泌腺(ホルモン)は深く関連しています。

チャクラとは

 チャクラは、サンスクリットで円、円盤、車輪、轆轤(ろくろ)を意味する言葉です。ヒンドゥー教のタントラやハタ・ヨーガ、仏教の後期密教では、人体の頭部、胸部、腹部などにあるとされる中枢を指す言葉として用いられていたんだそうです。

 ですから、まあ、内分泌臓器とチャクラ一致して当然ですと言えば、当然過ぎるお話でもあります。因みに、Wikipediaの受け売りですが、ハタヨーガの古典『シヴァ・サンヒター』には、7つのチャクラとその他のチャクラについての記載があるんだそうです。ヨガ好きの人には特に目新しいものではないのですが、以下は、ヨガのヨも知らないHISAKOのお仲間さん達への解説です。

  • 第1のチャクラ:ムーラーダーラ・チャクラ

   脊柱の基底にあたる会陰(肛門と性器の間)にあります。「ムーラ・アーダーラ」とは、「根を支えるもの」の意なんだそうです。右図の様なヒンドゥー・ヨーガの伝統的なチャクラの図では、赤の四花弁をもち、地の元素を表象する黄色い四角形とヨーニ(女性器)を象徴する逆三角形が描かれています。三角形の中には、蛇の姿をした女神クンダリニーが眠っています。

  • 第2のチャクラ:スワーディシュターナ・チャクラ

   陰部にあります。「スヴァ・アディシュターナ」は、「自らの住処」を意味するそうです。朱の六花弁を有し、水の元素のシンボルである三日月が描かれています。

  • 第3のチャクラ:マニプーラ・チャクラ

   腹部の臍のあたりにあります。「マニプーラ」とは、「宝珠の都市」という意味です。青い10葉の花弁をもち、火の元素を表す赤い三角形があります。

  • 第4のチャクラ:アナーハタ・チャクラ

   胸にあります。12葉の金色の花弁をもつ赤い蓮華として描かれ、中に六芒星があり、風の元素に関係します。「アナーハタ」とは、「二物が触れ合うことなくして発せられる神秘的な音」を指します。

  • 第5のチャクラ:ヴィシュッダ・チャクラ

   喉にあり、くすんだ紫色をした16の花弁があります。虚空(アーカーシャ)の元素と関係がり、「ヴィシュッダ・チャクラ」は、「清浄なる輪」を意味します。

  • 第6のチャクラ:アージュニャー・チャクラ

   眉間にあり、インド人がビンディを付けるのがここです。2枚の花弁の白い蓮華の形に描かれ、「アージュニャー」は「教令、教勅」を意味します。

  • 第7のチャクラ:サハスラーラ

   頭頂にあります。sahasra は「千」、ara は「輻」で、千の花弁の蓮華(千葉蓮華)で表象され、千手観音の千手千眼はこのチャクラだとする説もあります。他の6チャクラとは異なり、身体次元を超越しているとも考えられ、チャクラとしてカウントしない場合も。

  • その他

   アージュニャーの近傍には、マナス・チャクラとソーマ・チャクラ、ムーラーダーラとスワーディシュターナの間には、ヨーニシュターナがあるとされていますが、う~ん、主流派ではなくてオマケ派として分類されているようですね。

成長ホルモン

下垂体

 脳下垂体前葉は、脳下垂体の前部半分側で、多くのホルモンの分泌を分泌しています。後葉もホルモンに関与しますが、前葉と異なり、視床下部でホルモンを作って、それを軸索を通じて分泌するシステムになっています。前葉の様に、前葉にある細胞が、ホルモンをそこで合成するのと、ちょっと違います。

 下垂体の前葉からは、副腎皮質刺激ホルモン(Adrenocorticotropic hormone;ACTH)、βエンドルフィン、甲状腺刺激ホルモン(Thyroid-stimulating hormone;TSH)、卵胞刺激ホルモン(Follicle-stimulating hormone;FSH)、黄体形成ホルモン(Luteinizing hormone;LH, ICSH)、成長ホルモン(Growth hormone;GH, STH)、プロラクチン(Prolactin;PRL)等のホルモンが分泌されます。

 

成長ホルモンは、アンチエイジングの最重要ホルモン

 成長ホルモンは、前述の脳下垂体前葉のGH分泌細胞から分泌されるホルモンです。アンチエイジングに於ける最重要ホルモンの一つですが、恐ろしい事に、10年で約14%づつ減少してしまいます。20歳以降は、成長の為ではなく、細胞再生、組織修復のホルモンに変容します。ですから、ある意味、どんな爺婆になろうとも、加圧トレーニング等で、適度に!って大前提がありますが、筋肉を破壊し続けると、分泌し続けるホルモンなんです。

 ①免疫力賦活・抗癌作用、②細胞再生・筋肉強化、③脂肪分解・蛋白合成、④記憶力・記銘力賦活

■成長ホルモンの生理的な作用

 成長ホルモンには、成長に関する作用と代謝をコントロールする作用の二つに分けられます。

  • 成長に関する作用

   成長に関する作用としては、①骨の伸長 や②筋肉の成長がありますが、これ等の作用は、主にIGF-1を介して起こり、標的器官の細胞分裂を盛んにさせます。

   因みに、IGFとは、インスリン様成長因子Insulin-like growth factorsの略です。インスリンと配列が高度に類似したポリペプチドで、1と2があります。IGF-1は、成長ホルモンによる刺激を受け、主に肝臓で分泌されます。別名、ソマトメジンC。IGF-1は、人体の殆どの細胞、特に筋肉肝臓腎臓神経皮膚及びの細胞に対し、影響を及ぼします。インスリン様効果の他、細胞成長(特に神経細胞)と発達、細胞DNA合成を調節する役割りを果たしています。IGF-2は、脳、腎臓、膵臓及び筋肉より分泌され、IGF-1よりも特異的な作用をし、大人ではインスリンの600倍の濃度でみられるんだそうです。

  • 代謝に関わる作用

   代謝に関わる作用には、成長ホルモンが直接作用する場合と、このIGF-1を介す場合の両方があります。

   ①代謝促進 : 炭水化物、蛋白質、脂質の代謝の促進。

   ②血糖値上昇 :肝臓でのグリコーゲン分解を促し、また抗インスリン作用(インスリンを抑制し、血糖値を上昇させる)を持ち、血糖値を一定に保つ働きがあります。

   ③恒常性の維持:カルシウム濃度等を一定に保ち、体内の恒常性を維持。

   ④体脂肪動員の促進:エネルギー不足の状態の時、脂肪組織から遊離脂肪酸の形で放出を促します。

成長ホルモンの分泌に関わるホルモン

グレリン

 グレリンghrelinは、主に胃から産生されるペプチドホルモンで、下垂体に働き、成長ホルモンの分泌を強力に促します。この作用は、成長ホルモン放出ホルモン (GHRH) と相乗的に働きます。胃以外では腸や心臓、膵臓、視床下部、胎盤、精巣等でも、少量ながら産生はされています。

 また、視床下部に働いて、食欲を増進させる働きを持っています。この食欲増進作用は、成長ホルモン分泌促進作用との関連はありません。絶食すると、グレリンの血中濃度は上昇します。反対に、ご飯を食べると血中濃度は低下します。グレリンを投与すると、体重は増加しますし、脂肪組織も増大します。それ故に、脂肪細胞が産生する抗肥満ホルモンである、レプチンに拮抗するホルモンと考えられています。因みに、レプチンは食欲を抑制する作用がありますが、その為、以前は肥満症のお薬として引っ張りだこでした。しかし、レプチンが有り余るくらいに沢山あると、麻痺って効果がなくなっちゃうのが世間に知れ、今では過去の徒花、夢の肥満薬と揶揄され、在庫品の山として倉庫で朽ちる日を待ってる状態です(笑)。

 胃から分泌されるグレリンの空腹と成長ホルモン分泌に関する情報は、求心性迷走神経を介して、脳に伝達されます。グレリンは、摂食や成長ホルモン分泌調節の中枢である視床下部に働き、これ等の分泌を促進します。

 その他、消化機能調節等も有し、グレリンはエネルギー代謝調節に重要な作用を持っています。

成長ホルモンの分泌に関与する様々な因子達

成長ホルモンと睡眠

 右図は、若年層及び高齢層の女性と男性に於けるGH分泌のパターン。男も女も、年を取ると、GHの分泌自体がどさっと下がってしまいます。

 更には、夜寝ている間、つまり、若い頃は、午前0時~5時の間に、1日の約70%の成長ホルモンが分泌されていたのに…、この夜間増強すら不明瞭になってしまいます。しかしながら、面白い事に、この減少は、主にGHパルス振幅の減少であって、パルス周波数の変化は殆どないんですよね(L =大きなGHパルス、S =小さなGHパルス)。

■入眠直後の90分が、鍵!

 健康な睡眠では、90分おきにレム睡眠が表れますが、これは主に体を休めるものです。ノンレム睡眠は、最初、特に入眠直後の90分くらいに、脳を休める深い睡眠が出て、後半になるにつれて浅くなります。この様な睡眠の一連の構造が、メジャースリープと呼ばれるものです。

 この最初の90分こそが、成長ホルモン分泌にとって非常に重要なカギを握っており、これが乱れると、分泌自体が損なわれてしまいます。繰り返しになりますが、成長ホルモンは、大人になってからも細胞の修復や蛋白質の合成等に関わる大切なホルモンなので、健康の為にはメジャースリープを維持する事がとても大切なんですね。

 因みに、このメジャースリープを乱だすものとしては、長い昼寝が挙げられます。夜眠るのが当たり前のフツーの人でも、30分以上の長いお昼寝で、深い睡眠に陥ってしまう事が結構多く、その結果、夜の深い睡眠が激減。メジャースリープが崩れてしまいます。もし、昼寝をするなら、目が覚めてから8時間までに30分以内の、ちょこっと寝がおススメなんです。

 

睡眠だけじゃない!成長ホルモンの分泌に関与する因子達

分泌増大作用のある刺激 分泌低下作用のある刺激
運動・(適度な!)絶食・低血糖 ブドウ糖
アミノ酸増加(アルギニン等) コルチゾール(←ストレス)
ストレス 遊離脂肪酸
L-dopa・ブロモクリプチン ソマトスタチン
テストステロン ドパミン拮抗剤

■断食と成長ホルモン

  右図を見てみましょう。明らかに絶食で成長ホルモンの分泌は増加していますね。絶食すると、成長ホルモンの分泌が盛んになるのは、筋肉組織とグリコーゲン貯蔵を節約し、脂肪をとっととその場で燃やす為です。断食の開始早々から、白色脂肪組織(美容通信2018年8月号)の分解が始まり、遊離脂肪酸とグリセロールとなり、その後代謝されてエネルギーの生成に利用されます。

 左下図は、Cahillの研究(Cahill、1966)で、完全に健康体の6人に対して8日間の絶食を課して、グルコース、遊離脂肪酸、グリセロール、インスリン及びび成長ホルモン(セカンダリ軸)に対する影響を調べたものです。

 オランダのライデン大学メディカルセンターのマデロンブジス(Madelon Bujis)研究員によれば、脳下垂体によって生成される成長ホルモンのレベルは、断食開始から13時間以内と言う非常に短時間の間に、明確に増加すると述べています。

 断食は、成長ホルモンが5日目を境に急落しているので、恐らくは、5日間が本当の限界なんでしょうね。通常は、3日間で断食は終了(美容通信2016年3月号)が一般的で、長期間に亘る断食は、血圧低下、貧血、ミネラル不均衡、肝機能の低下等の深刻な反応を引き起こす可能性があります。

■加圧トレーニング

 成長ホルモンは、運動負荷で増えます。加圧トレーニング(筋トレ)等で、筋線維を少しばかり破壊してあげると、正しくは破壊してあげないと修復する必要性を体は感じてくれないので、成長ホルモンは分泌されない(笑)。でも、破壊大魔王状態にすると成長ホルモンが垂れ流し状態になる!?なんて事は全然なくて、加圧トレーニングも週に3回以上だと、却ってネガティブフィードバックが掛かっちゃうんです。妥協ラインとしての、週に一回筋破壊!が望ましい頻度です。

成長ホルモン量UPの為の治療

 私達の成長ホルモンの分泌は、21歳から31歳までの10年間で14%程度が減少し、更に、60歳までには半分まで減少してしまいます。

 年齢と共に低下してしまった成長ホルモンを増やす方法としては、以下の4つが挙げられます。

  • 負荷運動(筋トレ)、睡眠、食事
  • アミノ酸サプリメント
  • メディカルフード(FDA認可)
  • 成長ホルモン注射

成長ホルモン注射

 成長ホルモンの中でも、特に人間様の成長ホルモンは、hGH(英: human growth hormone)と呼ばれ、アンチエイジング界では別格の存在「若さのマスター・ホルモン」として尊ばれております。

 アンチエイジング先進国のアメリカでは、10年以上前から、hGHを注射等で直接補給する方法が行われてきました。しかしながら、年間にすると180万円から360万円。日本で出回っているのはアメリカからの輸入品ですから、更に、関税だとか、送料だとか、輸入業者さんの手数料だとか…その他諸々の経費が加算され、お値段が恐ろしく高いんです。ですから、hGHのお注射は、老化により漸減する全てのホルモン剤を総合的に補充しても尚且つ!って時にしか、使いません。最終兵器なんです。

 注射の部位は、多くの場合はお腹にしますが、まあ、太ももや上腕の外側、おケツ等でも構いません。1日一回、夜にお注射します。

1mg=3IU(International Unit)

0.33mg=1IU

0.3mg~0.5mg/day or 2day/night

 お注射には、副作用もあります。浮腫むのは、投与量が多過ぎた時に起こるので、これについては量の調節が必要になります。怠い。手根管症候群等です。

成長ホルモン分泌刺激サプリメント

IGE-1(insulin like Growth facter)

 インスリン様成長因子は、その名の通り、インスリンと配列がと~っても類似したポリペプチドです。唯、右図の如く、血糖を下げるには、色んな過程があり過ぎて…つまり時間が掛かり過ぎちゃうので、似て非なるものと考えて下さい。

 インスリン様成長因子1(IGF-1)は、成長ホルモン(GH)による刺激により主に肝臓で産生され、ソマトメジンCとも呼ばれます。IGF-1は、身体の数ある成長因子のうちの一つに過ぎず、インスリンスーパーファミリーに属しています。人体の殆どの細胞、特に筋肉、骨、肝臓、腎臓、神経、皮膚及び肺の細胞に対し、影響を及ぼします。インスリン様効果に加えて、IGF-1は細胞成長(特に神経細胞)と発達、そして同様に細胞DNA合成を調節する作用があります。

 じゃあ、成長因子とホルモンって何が違うんじゃ?って疑問が生じると思います。まあ、端的に言えば、成長因子はホルモンと同様に機能しますが、ホルモンの守備エリアは広く、通常遠く離れたところまでメッセージを素早く伝達します。それに対し、成長因子はご近所さん限定!と考えると分かり易いかも。ですから、Eric Dupont博士は、成長ホルモンは「一般的」であり、IGF-1および他の成長因子は「細胞レベルで働く足の兵士」なんて表現をしているくらいです。

 成長ホルモンとIGF-1は、協力し合って働きます。”working together”なんです。ですから、成長ホルモン分泌サプリメントとしてIGF-1を直接服用する事で、下垂体腺と肝臓の連携が円滑に行われるようになり、老化した筋肉や骨等の様々な組織の修復がぐんと進みます。アンチエイジングの大家であるDr. Keith Kelly博士によると、アンチエイジング薬の本命は、実はIGF-1だ!と力説している程です。

 

HGH

 ヒト成長ホルモンを注射で直接補給するのは、あまりにもバカ高いので、代わりと言っては何ですが、成長ホルモンを分泌促進させる配合比率のアミノ酸を摂取すれば、安上がりだし、副作用なんて殆ど考える必要がないから良いんじゃない? これが、アミノ酸サプリメントと呼ばれる連中です。一般的なアミノ酸製剤よりも、より成長ホルモンの分泌に重きを置いた製品だけに、月1万円位と、まあ、アミノ酸製剤にしてはちょっとお高めの値段設定の商品が多いです。

FDA認可のメディカルフード

サルコペニア

 サルコペニアとは、加齢や疾患により、筋肉量が減少する事で、握力や下肢筋・体幹筋等の全身の筋力低下が漏れなく付いて来ます。それに伴って身体機能の低下し、歩くスピードが遅くなったり、杖や手すりが必要になる等の不便が生じます。まあ、単なる言葉の定義の話ですが、狭義には筋肉量減少のみを、広義では筋力低下や身体機能低下が含まれたものを指すみたいです。

 30歳以降は、筋肉量が10年間で3~5%低下するんだそうです。30歳ってまだまだ若造ってイメージですが、この頃から、実は、全く自覚はなくても、サルコペニアは確実に始まっているって事なんです。若い頃は筋肉量もしっかりあるので、日々の動作に不自由を感じる事はありません。精々30%の筋肉しか、使っていないからです。

 しかし、地道な、しかし加速度的な筋肉量の低下により、それが青少年の約50%にまで低下した時、突然、今まで当たり前に出来ていた日常の動作に不自由を感じ始めます。車からスムーズに降りる事が困難になり、ついには、髪の毛を梳かすという単純な行為ですら難しくなり、独立性が喪失します。

 因みに、サルコペニアという用語は、Irwin Rosenbergによって生み出された造語で、ギリシャ語で筋肉を表す「sarx (sarco:サルコ)」と喪失を表す「penia(ぺニア)」を合わせた言葉です。

 サルコペニアの進行を抑える為には、ダンベル等を使った負荷運動、食事(特に、蛋白質をガッツリ食べる)、そしてビタミンD(美容通信2013年3月号)が有効とされています。歩行等の運動は、心臓血管の健康には最適ですが、筋肉減少症の治療には殆ど効果がありません。

 勿論、下記のメディカルフードであるサルコトロピンを併用する事で、更なる効果を期待出来ます。

 

Sarcotropin(サルコトロピン)

 繰り返しになりますが、成長ホルモンは爺婆化と共に分泌量が減ります。それに伴い、様々な加齢現象が生じます。例えば、以下の様な症状が出ます。

  • 健康全般
    • エネルギーの減少(疲れやすい)
    • 睡眠の質の低下(眠りが浅い)
    • 健康感の欠如
  • 筋緊張(筋肉の張り)
    • 筋肉量(除脂肪体重)の減少
    • 筋力の低下
    • 運動能力の低下
    • 体脂肪の増加(肥満)
  • 性機能
    • 性的欲求(リビドー)の低下
    • 性的能力の低下
  • 代謝
    • 血糖値異常(低血糖症/高血糖症)
    • LDLコレステロールの上昇
    • HDLコレステロールの低下
  • 精神衛生
    • 記憶力及び集中力の低下
    • 情緒不安定 and/or 鬱病
    • 極度のストレス and/or 不安
  • 疾病治癒(病状回復)と免疫力
    • 治癒期間が長引く
    • 適応性(順応性)の低下
    • 慢性の痛み(関節痛等)
    • 病気に罹りやすい
  • 毛髪、皮膚及び骨
    • 薄毛、脱毛や爪の成長の低下
    • 皮膚が薄くなる(皮膚に痣が出来やすい)
    • 皺(皮膚の弛み)
    • 骨密度の低下

 サルコトロピン舌下錠 Sarcotropin SLは、加齢と共に生じる筋肉又は除脂肪体重(LBM)の進行性減少を症状とする、「サルコペニア(筋肉減少症)」を阻止する成分を含有する、FDA認可のメディカルフードです。まあ、このメディカルフードとは、日本で言うところの「トクホ」に近い位置付けでしょうか、ねぇ。サルコペニアのみならず、加齢に伴う様々な機能低下(予備能力の低下)により、健康障害を来たしやすい状態であるフレイルの予防・改善にも有効と考えられています。適度な運動を同時に行う事で、更なる相乗効果が期待出来ます。

 1日2錠、舌下服用。冷所での保存がお約束です。

■有効成分他

【有効成分】

  • Sarcotyn Proprietary blend(Vitamin D3・β‐hydroxy‐β-methylbutyrate(HMB))
  • Velvet bean extract(25% l-dopa)
  • D-Ala-D-β-Nal-Ala-Trp-D-Phe-Lys-NH2(GHRP-2)
  • Plum juice extract(natural souce of ghrelin)

 有効成分のグレリンGhrelin、GHRP-2は、脳下垂体に対し、成長ホルモン放出ホルモン様物質(GH-RH analog)として働き、HMB、L-DOPAと共に、内因性の成長ホルモン分泌量を高めます。

【その他の成分】

  • Water
  • Potassium Sorbate

 

 


*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

関連ページ

関連するHISAKOの美容通信をピックアップしました。

 
 

来月号の予告

乳癌予防の為のリスク検査<ミアテスト>です。