人工毛植毛ヘアステティックス | 旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2018年2月号

人工毛植毛ヘアステティックス

「HAIRSTETICS」の画像検索結果ヘアステティックスは、ナイロン製の人工毛の植毛システムです。生体適合性が非常に高い、極小のニチノール(例・心臓血管/頸動脈のステント/心臓弁等)をアンカー(毛根)に使用しており、安全性が高く、又その構造上、通常の髪の毛の2.5倍の強度でしっかりと頭皮に固定。ヘアステティックスの人工毛は、自然の私達の髪の毛の太さ(直径)とほぼ同一で、髪の毛の構造に似せて作られている為、非常に自然です。多彩なカラーとスタイル(ストレート/ウェーブ)から、自分に合ったものを選択できます。植毛した直後より、効果を実感出来ます。2~5年間くらい持ちます。薄毛治療の新しい選択肢です。

 昔は、人工植毛はタブー視されていました。そりゃあ、ロクな製品がなかったから、ロクでもないトラブルが付随して当たり前ってところがありました。でも、技術は進歩します。ヨーロッパから2017年2月に日本に上陸したヘアステティックス。薄毛治療の新たな選択肢として、是非ご検討下さい。

ヘアステティックスとは?

敢えて人工毛植毛を選ぶと言う選択


 そりゃあ、薄毛にの治療に於いて、自分の毛が増えるのが一番です。しかし、中々毛を育てる(育毛)(美容通信2008年5月号)には、日々の正しいケア(美容通信2016年4月号)(美容通信2017年3月号)に始まって、栄養(美容通信2016年6月号)や男性ホルモン(美容通信2013年2月号)や甲状腺ホルモン(美容通信2010年12月号)の問題の他、時には有害重金属のデトックス(美容通信2016年4月号)等、飲み薬や塗り薬、お注射(美容通信2012年6月号)(美容通信2008年9月号)や点滴等の様々な面からの根気強い努力(アプローチ)が要求されますし、それでも…その結果が必ずしも自分が夢に思い描いている様な…ふさふさまで到達出来るとは限りません。多くの人は、挫折と妥協を、人生の中で実感します。

 一気に現状を打破したいと願うと思う事は、決して悪い願望ではありません。高が髪の毛で、つまり皮膚の付属器でしかない枝葉末節に人生を翻弄されるのは、全くもってバカバカしいにもかかわらず、人間は寧ろ外側(見た目)から先ずもって認識されるものです。人間中身だとは言いますが、中身に到達する前に、外見でオミットする。今風に言えば、シカトされてお終いですから(笑)。些事如きでハッピーになれるのなら、選択肢は自ずと決まるってものでしょう、ねぇ。

 この人生一発逆転劇は、髪の毛については、植毛という手段がなされます。植毛には、自分の毛を頭の後ろから、気になる生え際や頭頂部に移動させる自家移植と、人工毛の植毛って、二つの方法があります。昔は、材質的にかなり問題児的な製品しかなかったので、医療の現場では、人工植毛は選択肢としては、一顧だにされる事はありませんでした。

 が、ここに来て、漸く、優秀な人工毛が登場! ヘアステティックスです。特許済、使い捨て、無菌、予め人工毛の充填された唯一のカートリッジです。つまり、自家植毛の様に、植毛する毛を頭の後ろから皮膚ごと採取する必要はありません。ですから、傷も残りません。採取した部位を縫い合わす手間も、又縫い合わせられるだけしか採取出来なかった、謂わば物理的な本数の制限もありません。幾らでも、工場が大量生産してくれます(笑)。カッターさんに一本ずつ毛を切り分けてもらう必要もなく、時間と人件費の節約になります。そして、何よりも喜ばしい事は、植えたら、その日から、植えた本数だけ毛が生えてるんです! 増毛が実感出来るんですよ。自家植毛の様なタイムラグも、移動(引っ越し?)に伴う本数のロスもありません。この辺りの感激話がピンとこない方は、自家植毛の特集(美容通信2005年9月号)を読んで下さいね。

 ヘアステティックスは、皮膚科(Prof. Moshe Lapidoth)と心臓血管内科(Prof. Ran Kornowski)の教授がタグを組んで開発された新しい植毛システムで、安全性と効果を実証する為の研究が、ヨーロッパの複数施設で行われています。2017年2月現在(←実は、美容通信自体は書き溜め系なので、表向きの発年号と約1年程度の乖離があるんです。へへへ( ´艸`))、60人の患者さんがこの施術を受け、全員がとても満足しており、重篤な後遺症や副作用は報告されていません。

 

適応がない人達

 怪我や手術後の線状瘢痕に対しての要望は多数ありますが、瘢痕はヘアステティックスの適応外です。理由は、炎症反応が出やすい可能性があり、インプラント部位の不具合に繋がり易い為です。人工毛は諦めて、自家植毛をご検討下さいませ。

 後は…、後述の様に、メーカーに門前払いされた人とか、プレテストで落第した人達、かな。

ヘアステティックスの特徴

 ヘアステティックスの人工毛は、ナイロンと言いながらも、非常に精巧で、自然の髪と判別が付き難い!代物です。

  • 人工毛の材質
    ナイロン。手術の縫合の際に使われる糸です。
  • 毛根(アンカー)の仕様

 右図の如くに、サイズ200μmと、皮膚に余計な負担を極力掛けないにもかかわらず、雷が鳴るまで離さない、スッポン級の喰い付き力が自慢の、超小型のニチノールで出来たアンカーです。ニチノールは、生体適合性がとっても優れた医療用材料で、過去40年間に亘って、心臓血管や頸動脈のステント、心臓弁等のインプラント材料として使われており、とても安全性の高い材料でもあります。

  • 人工毛の太さ(直径)

 100μm。自然の私達の髪の毛の太さ(直径)と、ほぼ同一です。

  • 長さ

 長さは、2バリエーション。18cmの短めと40cmの長めの2種類があります。

  • スタイル

 スタイルは、ストレートとウェーブタイプの2種類です。

  • カラー

 日本人には、多彩過ぎる7色で、これから更にバリエーションは増えるんだそうです。

 左から、ブリーチブロンド、ゴールデンブロンド、アッシュブロンド、ミディアムブラウン、ダークブラウン、ベリーダークブラウン、ブラックです。でも、日本人だと、精々、ダークブラウン、ベリーダークブラウン? でも、遊びでメッシュ感覚に入れるなら、赤とか、紫とか、ピンクなんかがあると可愛いんだけどな。でも、白髪っぽいロマンスグレーも欲しいよね。唯、初回は、メーカーが色とスタイルを指定します。2回目以降は、色やスタイルは組み合わせは自由になりますが。

  • 強度

 引っ張り力に対する耐久性は、上記のアンカーのお陰で、自然の髪の毛の2.5倍と強い! とは申せ、強く引っ張れば抜けて当たり前です。勿論、ヘアアイロンも可能です。但し、200℃までの温度設定でお願いします。

 注意事項としては、ヘアステティックスは、あくまでもナイロンの人工毛ですので、パーマやカラー、使用するスタイリング剤には制限があります。薬剤については、指定された成分のみの使用をお願いします。

【使用可能なもの】

・第4級アンモニウム塩等由来の消毒剤(必要であれば)(皮膚を刺激せず、移植に有害でない限り)。
・防腐剤、抗菌剤、角質溶解性薬剤、抗生物質を含有し、必要に応じて皮脂コントロール、刺激緩和効果のあるローション(抗生物質を含むローションの場合は、頭部が紫外線に曝されないようにする)。
化粧品pH7のバルサム(コンディショナー)、フォーム、ジェル、ヘアスプレー(ラッカー含む)で、赤みや痒み等のない正常の頭皮にのみ使用(出来ればUVカットを含む物)。製品に使用を避けるものが含まれていない事を確認する必要があります。
カラーリング製品アンモニア無配合で、過酸化水素以外の酸化剤を含まない物。カラーリング製品の取扱説明書に従って下さい。また、ヘナおよびインディゴを含む天然のヘアカラーリング剤は使用可です。

【使用不可のもの】

酸、酢およびレモンのエキス、濃度3%を超える過酸化水素、ヨードチンキ、純アルコール、クレゾール(タール)、and/or 施術を行った医師によって処方されていないその他の製品。
全ての種類の油・オイル

施術手順の解説

 下図を見て下さい。これがヘアステティックスです。

 先端に付いているカートリッジは、その面積によって2種類あります。ひとつは、1cm2の面積に、人工毛が予め25本セットされているもので、頭頂部(広い範囲用)のSquare25。もう1種類は、約2cmの長さに12本の毛が不揃いにジグザグ状に並んでおり、より生え際近くのエリア向け若しくは、ライン向けです。

 

ヘアステティックスのプレテスト

 ヘアステティックスは非常に安全性の高い施術ではありますが、万人に適応があるかと言うと…必ずしもそうとは言えません。なので、プロテストが必ずお約束です。

①先ずは、患者さんの写真をメーカーに送り、適応可否診断のお伺いを立てる事から始まります。メーカーからNO!!の烙印を押されてしまえば、それで終了です。殆どの場合はOKの許可が出るようですが、稀に退場宣告を受ける事もあるみたいです。唯、OKの許可が出たと言えど、まだまだ選択の自由は許されず、メーカーが指定する色とスタイル(ストレートかウェーブか)に従わなければなりません。所ジョージの様な金髪を希望しても、メーカーがダメと言えばダメなのです。ご了承下さい。

②プレテストとして、50本程度の植毛を行います。

8週間の経過観察期間に入ります。赤みや痒み等の不具合の有無をチェックします。

④ここで問題がなかった患者さんについて、再度メーカーからの審判を仰ぐと言うステップが入ります。めでたくメーカーより許可をいただいて、漸く本番です。

 

ヘアステティックス本番(フルインプランティーション)

 施術の所要時間は、面積等にもよりますが、30~45分程度です。女性の平均植毛本数は、1回の施術につき、400~600本男性の平均植毛本数は、1回の施術につき、700~1000本です。半永久的持続ってメーカーは言いますが、メーカーの想定する半永久的って、実は、2~5年なんです(笑)。HISAKO的には、「何が半永久的だ、ケッ!」と思っちゃいますが、ね。

詳しい手順

①頭皮をイソジン消毒後、局所麻酔をします。人工毛が予めセットされたカートリッジを、植毛予定部位に置き、そしてじゅわ~んと押し付けます。針を頭皮に差し込みます。

②カートリッジのボタンを押すと、人工毛が針穴から頭皮内に侵入!し、スッポン級にがっつり頭皮内に喰い込みます。

③カートリッジを、そろっと静かに引き抜きます。

④人工毛が薄毛の部分に植えられ(植毛され)、固定されます。

⑤全ての植毛終了後、頭皮をスタッフが清潔に整え、抗生物質の含有されたクリームを塗布して終了です❤

本番後の経過と注意点

本番後の2週間は、最低限度のケアトリートメントに留めておこう。

 植毛後の10日間は、朝晩、抗生物質の含有されたクリームを塗布します。

 目の粗い木製のコーム/ブラシで髪の毛を梳いて下さい。

 72時間は洗髪禁止! 3週間はカラーリング禁止です。

 タイトな被り物は避けて下さい。

 

元の生活に戻る。

 と言っても完全にフリーな生活ではありません。ヘアステティックスは、ナイロン性の人工毛です。パーマやカラー、使用するスタイリング剤には制限があります。詳しくは、ヘアステティックスの特徴の章を再読下さい。しかし、お約束事を守りさえすれば、植毛の色に合わせて地毛をカラーリングしたり、薄毛の症状の進行具合に合わせて、植毛の追加も全然ありです。

 

何らかの事情で、元に戻したい日が来たら…。

 人工植毛不適格者は、メーカー、そしてプレテストの二重審判により除外されているので、人工物とは言えども、基本的に、大きな問題に発展する可能性は少なく、安全性の高い施術です。そして、当たり前のお話ですが、人工植毛ですので、自分の髪の毛が生えたり、伸びるのを待つ必要がないんです。つまり、植毛した直後から増毛を実感出来る!即効性が嬉しいところ❤

 しかしながら、そんな優れもののヘアステティックスとは申せ、長い人生、外したくなる時だってあります。人工毛の毛色を変えたいと思う事だってあります。どんなに愛し合って結婚した夫婦だって、浮気したり、離婚したりするご時世ですから(笑)。そんな時は、クリニックに来て下さい。私達の元々の自前の髪の毛だって抜く事が出来る様に、ヘアステティックスも抜けます。ピンセットでしっかり根元を把持して、ゆっくり一本づつ回し抜きします。

症例達

 メーカーさんからいただいた症例達なので…、日本人ではないみたいなんですけど。

  • 女性/39歳/330本/パリ【術前・施術10週間後】

  • 女性/45歳/600本/パリ【術前・施術直後】

  • 女性/30歳/400本/パリ【術前・施術6週間後】

  • 女性/62歳/330本/パリ【術前・施術6週間後】

  • 男性/45歳/750本/ニューデリー【術前・施術直後】

  • 男性/54歳/800本/パリ【術前・施術直後】

  • 男性/24歳/800本/ニューデリー【術前・施術直後】

  • 男性/54歳/800本/パリ【術前・施術直後】

 

 



*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

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