テストステロン分泌促すザルディア | 旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2017年2月号

テストステロン分泌促すザルディア

201702image11443 テストステロン(男性ホルモン)には、様々な生理作用があり、性分化、精子形成、性機能、筋肉、骨、造血、発毛の他、近年では気分の障害、認知機能、心筋梗塞や脳梗塞等の循環器疾患、メタボリック症候群、更には生命予後への影響にも関与している事が広く周知されるようになりました。つまり、男性ホルモンは、男性の心と体、生命を左右する重要なホルモンです。しかしながら、年齢と共に、男性ホルモンの分泌は低下します。テストステロン(男性ホルモン)補充療法を行う人も、行わない人も、必見です! 男性ホルモンをUPさせる為に有効な、運動や食事、(男性ホルモン以外の)ホルモン補充、更には、ザルディア(タダラフィル錠/PHF5阻害剤/シアリス)について解説します。

 先月号に引き続き、”男の内なる健康と、見た目の外なる健康を考える”シリーズ第2弾!です。男が元気で凛々しく、格好良く年を取る(加齢)為に、医学が出来る事って何だ!?

アンチエイジング的観点から、ホルモン・運動・食事をざっくり語る。

総カロリー制限(腹八分目)は、本当に長生きに繋がるのか?

201702image72201702image721 左図は、30%のカロリー制限で、アカゲザルの総死亡と加齢関連疾患も減少したって報告(Caloric restriction reducens age-related and all-cause mortality in rhesus monkeys:Colman RJ et al.,Nat Commun.5:3557,2014)です。

 しかしながら、この問題は、反論、反論の応酬合戦で、実は決着がついていないんですよ。2009年Scienceに30%のカロリー制限でアカゲザルの寿命が延びた!って論文をColman先生が発表しました。おおっ!と世間が納得するかと思いきや、2012年にはNatureって、これまたScienceに負けず劣らずの由緒正しき雑誌に、NIAグループからの反証論文が掲載されたんです。そして上記が、Colman先生のその再逆襲論文(笑)になります。

 唯、人間様では平均6年間のカロリー制限で、動脈硬化のリスクは減少って論文(Fontana L et al. Long-term calorie restriction is highly effective in reducing the risk for atherosclerosis in humans PANAS USA 101:6659-6663,2004)はありますが…。

ParameterCR(n=18)Controls(n=18)(n=18)P value
BMI Kg/m219.6±1.925.9±3.20.0001
Tcho mg/dl158±39205±400.001
LDL-C mg/dl86±28127±350.0001
HDL-C mg/dl63±1948±110.006
Tchol/HDL-C ratio2.6±0.54.5±1.30.0001
TG mg/dl48±15147±890.0001
TG/HDL-C ratio0.8±0.33.5±2.80.0001
Systolic BP mmHg99±10129±130.0001
Diastolic BP mmHg61±679±70.0001
Fasting glucose mg/dl81±795±80.0001
Fasting insulin mg/dl1.4±0.85.1±20.0001
Hs-CRP μg/ml0.3±0.21.6±2.20.001

 内頚動脈のIMTは、CRグループでコントロールグループより、40%低かったそうです。これは、事実です。

①食事に関するエトセトラ

食べ方について、大いに語る。

■概日リズムを乱す生活は、大いなるデブの原因となる

 概日リズムを乱す(美容通信2017年1月号)勤務に従事している交代勤務者の3大リスクって知ってますか? ①健康リスク、②安全リスク(←労働災害事故)、③社会的リスク(←家族とのコミュニケーション不足、地域社会からの孤立)です。201702image722左図(Kudo T et al. Occup Environ Med 68(5):327-31,2011)は、そんな交代勤務者の肥満リスクと生存率です。COX解析による多変量解析で年齢、飲酒、喫煙、運動習慣による影響で調整してもなお、交代勤務者は、日勤者の1.14倍の肥満リスク(95%信頼区間:1.01-1.28、p=0.029)があり、生存曲線がより早く低下が認められます。

201702image11453 つまり夜勤者とまではいかなくても、残業続きとか、夜勤や残業でもないのに夜遅くまでスマホいじってる輩とかにも、概日リズム異常と代謝異常の問題は深刻です。論文が目白押しです。例えば、

  • BMAL1遺伝子多型は、糖尿病及び高血圧の発症に関与。
  • CLOCK遺伝子多型は、肥満、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝と関連。
  • BMAL1遺伝子欠損マウスでは、概日リズム異常に加え、インスリン分泌不全並びに脂質異常症を呈する。
  • CLOCK変異マウスは、概日リズム異常に加え、肥満及びインスリン分泌不全を呈する。

■同じ食べるんでも、深海魚系のダラダラ食べ続ける派は、太る。

 一日中ダラダラ喰いが出来るマウスと食事時間制限マウスを比較した論文(Hattori M et al. Cell Metab 15:848-860,2012)によれば、

  • 高脂肪食を一日中のべつまくなしのダラダラ喰いOKで飼育されてるマウスは、時計遺伝子の発現の概日リズムの振幅が、顕著に減弱してしまったそうです。
  • 高脂肪食を時間制限して食べさせたマウスは、のべつまくなしマウスと違い、肥満にもならず、運動能力が寧ろUPしたんだそうな。

 つまり、遅い昼飯兼で夜中まで延々と飲み食いが定番の思い出横丁は、やはり避けるべきエリアって事でしょう(笑)。

■朝飯ガッツリ派 Vs 晩飯ガッツリ派

①ディナーは朝に食べましょう。

201702image11471 これまた恐ろしい論文(Jakubowicz D et al. High caloric intake at breakfast vs. dinner differentially influences weight loss of overweifht and obese women Obesity(Silver Spring)21:2504-2512,2013)ですが、HISAKOの(赤羽)朝飲みツアーはこの論文で正当化された!(←思い出横丁と違い、HISAKOのお気に入りまるます家は、長居無用の居酒屋ですから(笑))。

 メタボリックシンドローム或いは肥満女子(BMI32.4±1.8Kg/m2)を、朝ガッツリ食べる群と夜ガッツリ群の2群に分け、体重減少勝負! 両者とも1日の摂取カロリーは1400kcalで一緒ですが、その内訳は、朝ガッツリ食べる群は、朝700kcal、昼500kcal、夜200kcal。夜ガッツリ派は、朝200kcal、昼500kcal、夜700kcalです。12週間この食事分配を守って、体重減少、腹囲の改善、FBS・インスリン・HOMA-IRの減少、中性脂肪の減少、OGTTの血糖とインスリンの低下度、満腹スコアの項目で比較したところ、全ての項目に於いて、朝ごはんをガッツリ食べた群に軍配が上がりました! デブが嫌なら、朝しっかり食べて、晩飯は少なくが基本なんです。つまり、綺麗にまとめると、「エネルギー摂取のタイミングは、肥満リスクを調節するって事なんです」よ。合コンは、朝でキマリ(^^♪ですね。

②朝ご飯を食べるだけで、血糖値の変動は緩やかになる。

201702image723 更に、こんな論文(JOVANOVIC A et al. The Second-Meal Phenomenon in Type2 Diabetes Diabetes Care 32:1199-1201,2009)も見つけちゃいました♪ 昼食後の血糖値です。

 朝食後に比べ、昼食後の血糖が上がり難い傾向があり、これはsecond meal effectと呼ばれています。朝食ありとなしで、夫々昼食を食べた時の昼食後の血糖を比較してみると、朝ごはん抜きではお昼ご飯後の血糖値の上昇が著しくなっています。

201702image724 遊離脂肪酸(FFA)が高いと、インスリン感受性が低下します。FFAは、朝食を食べる事によって、お昼ご飯を食べる前は朝食前よりも低下しているので、その為に昼食後の血糖値が上がり難くなります。

 朝ごはんを食べていなくても、アルギニンを静注し、FFAを抑えておくと、昼食後の血糖値の上昇が抑えられました。

 つまり、血糖の変動抑制って意味でも、朝ごはんはしっかりと食べないとろくな事ないんですよね。

③デブ街道まっしぐら! 夜のドカ食い。

 夜のドカ食いが太る理由は、以下の3つ。

  • エネルギー消費の低下

 当たり前ですが、夜の方が活動性(体動量)は断然下がってしまいます。

  • DIT(食事誘導性熱産生)の低下

 食事誘導性熱産生(diet induced thermogenesis/DIT)は、蛋白質(アミノ酸)>糖質>脂肪の順に低くなり、脂肪は体脂肪(≒贅肉!)として貯蔵されやすい性質があります。DITは味覚によっても刺激されます。201702image11512唐辛子のカプサイシンがダイエット効果!として持て囃されるのも、DITを増加させるので、減量効果に働くからです。又、同じ摂取エネルギー量でも、午前よりも午後、午後よりも夜中になるほど、DITは低下しちゃうんです、はい。

 つまり、夜食の習慣化は、エネルギー調整能力を低下させ、デブ街道まっしぐら! だから、仕事終わってからの夜デートに誘う男は、嫌われるんです。

 BMAL1は、脂肪蓄積の司令塔です。発現は昼少なく、夜に増加するのが特徴で、1日のうち午後10時から午前2時頃が最高潮! 最も少ないとされる午後3時の約20倍にも達するんだそうな。つまり、夜遅く食べると、BMAL1の活動時期と一致して、太る! やっぱ、朝飲みに限る!って結論です。

 

 更に、恐ろしい論文(Jakubowicz D et al.,Diabetologia 58(5):912-92015)は続きます。

  • 対象:罹患歴10年未満で、メトホルミン投与や食事療法(両方若しくはどちらか)を受けている2型糖尿病患者18例。
  • 方法:朝食低カロリー・夕食高カロリー食、若しくは朝食高カロリー食・夕食低カロリー食に無作為に割り付け、7日目の毎食後、血糖、インスリン、Cペプチド、活性化GLP-1、総GLP-1を測定。2週間のwashout期間後にもう一方の食事にクロスオーバーした。

201702image725

総カロリー脂質炭水化物蛋白質
高カロリー食約700kcal22%47%31%
昼食約600kcal23%50%27%
低カロリー食約200kcal30%27%43%

[患者背景]例数(人):18、年齢(歳):57.8±4.7、罹病期間(年):9.3±5、BMI(kg/m2):28.1±2.9、腹囲(cm):94±5.8、HbA1c(%):7.6±0.4、空腹時血糖値(mg/dl):129±0.5

 朝飯をロクに食べないで、晩ご飯モリモリな食生活は、同じ食事内容でも、食後の著しい高血糖をもたらすんです、はい。

201702image726 ところが、日本人の食生活に関する動向(平成18年国民健康・栄養調書/厚生労働省 健康日本21 栄養・食生活より作図)を見てみましょう。 日本人は、夕食過多に陥りやすく、且つ夜の9時以降に食事を摂る人の割合が、近年ますます増加傾向‼←マジで、ヤバいじゃ~ん。

■甘い物を喰うと、デブになる?

①甘くて美味しい(≒糖度の高い)日本の果物は、メタボの原因!

 果物は色んなビタミンが豊富で、とってもヘルシーなイメージですが、実は、果糖(フルクトース)は、内臓脂肪蓄積の大いなる原因なんです。日本の果物は外人が爆買いしちゃうくらい、お菓子以上に甘くて美味しい❤んですが、要注意ですぞ! 以下は同じエネルギー量のブドウ糖、又は果糖のジュースをデブっちょさん達に10週間与え続けた時のデータ(Stanhope KL et al. J Clin Invest119:1322-34,2009)です。

201702image727 201702image728201702image235

 確かに、両群共に体重は増加しています。が、差が出てきたのはそれ以外。果糖を摂取した群では、より内臓脂肪量と中性脂肪量の増加が認められました。更に、果糖摂取群では、耐糖能やインスリン抵抗性の悪化が認められました。

②甘い物好きの脂肪肝

201702image1151 「甘い物好きの脂肪肝」って言葉を良く耳にすると思いますが、インスリンの抵抗性は、癌を始めとする様々な慢性疾患に関与しています。

 

201702image1161 糖尿病は、食後の血糖コントロールの悪化から始まり、次第に食前血糖まで蝕んでくるものなんです(DIABETES CARE,VOL 30,No2,FEBRUARY 2007より一部改変)。恐ろしいですよね。

 

糖尿病と癌

■インスリン抵抗性と癌

 インスリン抵抗性の状態が続くと、発癌に繋がります。その機序としては、大きく分けると、以下の2つが考えられます。

①高血糖・高FFA血症:酸化ストレスの亢進→DNA損傷

 この血糖値の変動は、酸化ストレスを亢進し、DNAの損傷を惹起します。つまり、食後の高血糖を改善する事は、即ち、癌や動脈硬化等の慢性疾患のコントロールなんですね。201702image1167右図は、MAGEと尿中磯プロスタン排泄率の相関図(Monnier L,et al.:JAMA 295(14):1681-1687,2007)です。

②高インスリン血症:IGF-1受容体結合→分化増殖亢進

 糖尿病と癌には、実際、共通する生活習慣危険因子が存在します。年齢、性別、遺伝子、肥満、食事、運動不足、喫煙、飲酒等です。面白い?いや、ぽっちゃり(←貫禄あり過ぎとも言う!)女子のHISAKOとしては極めて面白くないデータ(Jpn J Clin Oncol 42(3):212-221,2012)ですが、BMI1Kg/m2の増加で、肝癌が13%増加するんだそうです。

201702image1144 高インスリン血症が、左図の如くに、IGF-1受容体結合→AR活性化を介して、前立腺癌増殖を促進します(Fan W,Yanase T et al. J. Biol. Chem.2007;282:7329-7338)。糖尿病や抗糖尿病薬と癌は、近年注目されつつあるホットな分野ですが、日本では、2 型糖尿病患者に於ける最も重要な死因は、実は癌なんです。前立腺癌の発症は糖尿病患者では決して多くないとはされていますが、肥満や2 型糖尿病を併発した前立腺癌患者さんでは、とっても予後が悪い事が知られています。

 メトホルミンは、ビグアナイド系薬剤に分類される経口糖尿病治療薬の一つですが、抗癌作用を示唆するデータ(Note Hら PLoS ONE 7(3):e33411.2012)も出ています。それによると、全癌死亡率37%低下、全癌発症率33%低下、大腸癌32%低下、肝癌80%低下、肺癌33%低下したそうです。

  インクレチンって、糖尿病のお薬もあります。食事をすると、小腸に存在している細胞の一部が刺激されて、消化管ホルモンが分泌されます。この中には、膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を増加させる作用があるものがあり、「インクレチン」と呼ばれています。インクレチンにはGLP-1とGIPがありますが、近年登場したこのインクレチン製剤は、特にGLP-1の体内での機序に着目して作られた糖尿病のお薬です。🐭の実験ではありますが、このインクレチンと前述のメトホルミンのW使いは、相乗効果的に前立腺の腫瘍を縮小したって報告があります。201702image1145機序としては、右図の様な前立腺癌の抑制機構が考えられています。

 

蛋白質、食べてますか?

 食生活に於いて、「蛋白質を喰わんと、あかん」とされる理由は2つ。

201702image11511

②蛋白質は、前述の如くに、食事誘導性熱産生(DIT)が三大栄養素の中で最も高い!から。

 

男性ホルモンと食事の内容

■先ずは、亜鉛でしょ!

 男性ホルモンと食事を語る上で、絶対外せないのが亜鉛の存在美容通信2005年11月号)です。亜鉛(美容通信2009年12月号)は、牡蠣や豚肉に多く含まれていますが、韓国の検討では、毛髪の亜鉛の濃度が高い男子のテストステロン値は高く、亜鉛の摂取がテストステロンの維持に重要であるとしています(Chang et al. Biol Trace Elem Res, 2011)。

■ニンニクは、やっぱり精力増強剤!?

 スタミナ食材の代表格、にんにく。効果については、賛否両論真っ二つに分かれる面白い食材としても有名ですが、実は、恐らく、その調理方法に原因があるのではとされています。生のニンニクを食すと、ナントテストステロンは低下したにも関わらず、ニンニクをパウダー状に加工した食材では、テストステロンの増加を認めた(Hammami et al. 2008,2009, Abdelmalik, 2011, Oi et al. J Nutr.2001)なんて報告もあるくらい。特に、高蛋白質の食事と共に摂取すると、テストステロンの増加傾向が優位に上昇したんだとか!

■お酒

201407GABAimage 3週間夕食の際に、グラス4杯のビールを飲んだ群とノンアルのビールを飲んだ群でガチンコのテストステロン値勝負を行ったところ、ノンアル群の勝ち(Sierksma et al. Alcohol,2011)! でも、面白い実験もあって、まあ、ちょっと動物虐待じゃね~のって気もしないでもないんです(笑)が、テストステロン価の高いオスのラットは、値の低いラットよりも飲酒を好み、飲酒後はテストステロン濃度は一様に低下する…(Etelalahti TJ et al. Alcohol, 2011)。いやあ、人生を垣間見る様な結果です。

 

②運動

男性ホルモン

201406image17 有酸素運動を行うと、ダイレクトにテストステロンが上昇します(Zmuda et al. Metabolism, 1996)。運動なら何でも良いんだろうと、鼻っ先で笑われてしまいそうですが、激しい無酸素運動でも上がります。唯、両者共に一過性でしかありません。

 唯、運動の種類によっては、テストステロンの上昇を長持ちさせる事は可能です。普通のスクワットを10回3セットでやった群と、ウェイトリフティングを3回8セットやった群では、有意に前者のスクワット群の方がテストステロンも持ちが良かったって報告(Villanueva et al. J Strength and Cond Res, 2012)もあります。

 最近では、運動が脳への影響も報告されており、最近の報告では、運動すると、海馬に於けるDHTが有意な上昇を示すとか。運動療法が認知機能や鬱症状に貢献するメカニズムは、まだ完全には解明されてはいませんが、テストステロンが介入している可能性が高いのでは?と考えられています(Okamoto et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A, 2012)。男性ホルモンが、アロマターゼを介して変換されるエストロゲンとして作用する可能性や、テストステロン自体が神経保護作用やAβ産生に対する影響も、示唆されています。

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成長ホルモン

■成長ホルモンは、脂肪をガッツリ燃焼!

 成人成長ホルモン欠損症の患者さんでは、①内臓脂肪の増加、②コレステロール上昇、③骨密度減少、④筋力低下、⑤QOLの低下等の症状が見られます。つまり、成長ホルモンは、脂肪燃焼に物凄く関係のあるホルモンじゃないのか?と言う訳で、論文を漁ってみました。

 27研究44論文より抽出した303人(平均年齢27歳)のアスリートのデータから、成長ホルモンの体組成への影響について論じた論文(Liu H et al.:Systematic Review:The Effects of Growth Hormone on Athletic Performance ANN INTERN MED 148:747-758,2008)がありました。それによると、成長ホルモンは、筋肉を増やし、脂肪は減らす。若干、体重は増えるけど、贅肉じゃなくて筋肉だから、まあ、増えたって良いじゃ~ん❤

■成長ホルモンを増やす方法

①食事

  • 炭水化物:血糖上昇→インスリン分泌→血糖低下→成長ホルモン上昇!
  • 蛋白質摂取(アミノ酸):成長ホルモン分泌刺激→蛋白合成
  • 特にアルギニンの多い食品:鶏肉・エビ・大豆製品・チーズ

②睡眠

 成長ホルモンの分泌のピークは、20:00~2:00! 

③運動

201702image11441 成長ホルモンの分泌を促すって意味では、無酸素運動で十分なんです。だから、「痩せよう!」って思うなら、無酸素運動でちょっとばかし成長ホルモンを増やして、有酸素運動で脂肪を燃やすのが、お利口な運動法!なんですよ~ん。勿論、加圧トレーニング、スロートレーニングでも、成長ホルモンの分泌効果が認められています。

 運動は、天然型成長ホルモンの補充療法としては、非常に安価で、体質改善効果の高いアンチエイジング方法とも言えるのです。

 

■アルツハイマー病と運動 

201702image234 海馬とは、大脳辺縁系の一部である、海馬体の一部です。右図を見てもあまりピンと来る訳がないんですが、その断面!がタツノオトシゴに似ているんです。繰り返しますが、形自体は…似てませんよ(笑)。昔、どこぞのお偉い先生が、hippocampus(タツノオトシゴ)→sea horse→海馬、と訳したんでしょうね。

 海馬は、特徴的な層構造を持ち、脳の記憶や空間学習能力に関わる脳の器官です。虚血に対して非常に脆弱で、アルツハイマー病に於ける最初の病変部位として知られています。又、心理的ストレスを長期間受け続けると、コルチゾールの分泌により、海馬の神経細胞が破壊され、海馬が萎縮します。心的外傷後ストレス障害(PTSD)・うつ病の患者さんでは、認知症の患者さん同様、その萎縮が確認されています。

 非可逆的変化、つまり、「萎縮しちまったら、もう終わり(/ω\)」と、赤玉が出ちゃった時!と同様に絶望的な気分に苛まれるかも知れませんが、実は、海馬のサイズは、運動で増えるんです。記憶力は改善するんです(Erickson KI et al. Proc Natl Acad Sci USA.2011 Feb 15,108(7):3017-22)。

201702image11451 国立長寿医療センターのHPからの引用(一部改変)になりますが、左図の如く、運動習慣の有無がアルツハイマー型の認知症の危険度を大きく左右します。

201702image2351 因みに、アルツハイマー病の補足しときましょう。

 認知機能低下、人格の変化を主な症状とする認知症の一種であり、認知症の60-70%を占めています。右図は、通常の老人の脳(左)とアルツハイマー型認知症患者の脳(右)の断面図ですが、アルツハイマー型認知症では、大脳皮質、海馬の萎縮、および脳室の拡大が見られます。発端は、端折り過ぎと非難されそうですが、端的に申しますと、βアミロイドやタウと言った蛋白質が脳に蓄積する事から始まります。これにより海馬の萎縮や神経伝達組織の機能低下が起こり、認知症になります。

 発症リスクを低下させるものとしては、知的生活習慣、正しい食習慣、運動、睡眠(美容通信2015年8月号)(美容通信2017年1月号)等が挙げられます。エストロゲン(美容通信2010年8月号)とNSAIDsも、AD発症を抑制的に働いている可能性が報告されていますが、あまりお手軽な一般的なものとは言い難いですよね。大豆由来のイソフラボン♪を謳ったエクオール(美容通信2016年8月号)は、エストロゲン様作用がとは言いますけど…、う~ん(-_-;)。

  • 食習慣

 魚(EPA(美容通信2010年6月号)・DHAなどの脂肪酸)の摂取、野菜果物(ビタミンE・ビタミンC・βカロテンなど)(美容通信2009年11発号)(美容通信2009年12月号)の摂取、赤ワイン(ポリフェノール)の摂取等が発症を阻止してくれるんだそうです。データによれば、1日に1回以上魚を食べている人に比べ、殆ど魚を食べない人は危険度が約5倍に跳ね上がっちゃうんだとか! …怖いですねぇ。又、米国の加齢研究所では、「精製された炭水化物(例えば白い砂糖)(美容通信2011年4月号)(美容通信2015年10月号)(美容通信2014年3月号)は問題を起こす可能性がある」と述べています。201702image11611更には、「パプア・ニューギニアのキタバ島では、イモ、ココナッツ、魚を食べるが、空腹時のインスリン濃度は低く、認知症は見られない」とする報告もあります。な~んだ、美人になる為に何時もHISAKOが外来で言ってる事は、お肌だけじゃなくて、脳みそにも効くんじゃ~ん❤

  • 運動習慣

 有酸素運動で高血圧コレステロールのレベルが下がり、脳血流量も増すので、発症の危険が減少します。前述の国立長寿医療センターのHPからの抜粋でも明らかな様に、普通の歩行速度を超える運動強度で週3回以上運動している人は、全く運動しない人と比べて、発症の危険が半分に下がります。ホント、運動、侮るなかれです。

 何でって機序ですが、恐らくは、①βアミロイドを分解する酵素の活性をUPしてくれる、②運動ホルモン(イリシン)が海馬を活性化する!、③体内酸化ストレスの軽減と考えられています。

③DHEA補充療法って裏技

高DHEA(-S)値は長寿の証❤

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 DHEA(-S)(美容通信2010年9月号)とは、Dehydroepiandrosterone(-sulfate)の略で、約50種類のホルモンに進化する為、副腎が生み出す”ホルモンの母(マザー・ホルモン)”と称され、近年、補充療法の中心的存在として脚光を浴びまくっているホルモンです。201702image249201702image250高DHEA(-S)は、相対的低体温、低インスリンと並んで、私達人間様の長生きの指標マーカーとされています(Roth GS:Scienco,2002)。

 わが国でも、男性に於いてのみ!、DHEA(-S)値が相対的に高い程、長生きするってデータも出ています(Enomoto M et al:J Am Geriat Soc 56,994-8,2008)。研究グループは福岡県・旧田主丸町(現久留米市)で1978-79年にかけて行われた住民検診で、男性396人、女性544人の血中濃度を測定し、27年後に、同じ人達について生死や死亡時期、死因の追跡研究をしたものです。報告によると、男性は約8割の生死が判明し、住民検診時の血中濃度を「高」「中」「低」の3グループに分けて比較したところ、「高」のグループは「低」に比べ死亡率が約8割低い事が分かりました。女性は女性ホルモンの影響等があり、濃度と寿命との関連は認められなかったそうです。

■DHEA(-S)の生理作用

201702image11442 生理作用としては、以下のものが挙げられます。

  • 免疫賦活作用(JCEM.1995)
  • 抗糖尿病作用(Metabolism.1995)
  • 抗動脈硬化作用(Atherosclerosis.1996)
  • 抗腫瘍作用
  • 中枢神経系への作用(Endocrine J.1995)
  • 抗肥満作用(Obesity Res.1995)
  • 抗骨粗鬆症作用(Endocrinology.1996)

 作用機序としては、①DHEAの直接作用(標的遺伝子)、②DHEAの間接作用(テストステロン、エストロゲンへの転換)が考えられています。

 

DHEAの抗肥満作用!

 56例(65~78歳、男28例、女28例)を対象にしたランダム化二重盲検試験(DHEA補充療法6ヶ月)によると、①男女共に、内臓、皮下脂肪共に減少、②インスリンの曲線下面積の減少が認められたそうです(Vilarrel DTら:JAMA,2004)。

 この機序としては、以下の事が考えられています(Apostolvaら:Endocrine Metab,2004)。

  • DHEA投与→IGF-1↑、E2↑
  • DHEAはPPARα活性化剤→脂肪酸β酸化の活性化
  • DHEAは肝臓や脂肪細胞の11β-HSD1の発現を抑制:組織内コルチゾール低下

201702image2341201702image1147 db/dbマウス(HISAKOは、初め、”デブ””デブ”のdb/dbと、マジに覚えていた!)ちゃんは、ご存知の通り、レプチン受容体の欠損により、過食による著明な肥満と高血糖を呈する、2型糖尿病のモデル動物です。この肥満、高血糖、高インスリン血症って現代人の三重苦を生まれながらに背負っている、可哀そうなdb/dbマウスに、DHEAを投与したところ、血糖値の正常化、膵β細胞の機能維持が認められたそうです(Coleman et al.Diabetes,1982)。

 

DHEAは、骨量維持にも貢献

 DHEA、DHEA-Sは、老年期に於ける末梢性エストロゲン産生、まあ、つまり平たく言いますと、卵巣からのエストロゲンの分泌は婆ちゃんになると期待出来ないのでって、副腎が助け舟って意味なんですが、それはそれなりに意義はあって、重要な供給源として骨量維持に貢献しています(Endocrinology,1996)。

ザルディア(タダラフィル錠)

男性ホルモンが下がると、ロクなことがない。

201506image36 繰り返しになりますが、加齢でテストステロンが低下すると、ロクな事が起こらない(美容通信2014年7月号)(美容通信2015年6月号)(美容通信2005年11月号)。論文をちょっと探すと、様々な嬉しくない疾患、例えば、 ED関連のみならず、糖尿病、内臓肥満発症、メタボリック症候群、動脈硬化、勃起障害、心・脳血管疾患、認知症等々との関連が目白押し。糖尿病に至っては、去勢して高脂肪食を食べさせればイチコロさ♪なんて報告まで載ってます。左図の様に生命予後への影響についても、多くの論文が発表されており、201506image48テストステロンは男性の心と体、生命を左右する重要なホルモンとしての位置付けが確立しています。

 テストステロン分泌は、加齢による仕方ないねの部分だけでなく、様々な環境で変化し、食事制限や睡眠不足、ストレスや薬剤の副作用によって低下してしまいます。最近では、結婚、出産によってテストステロンが低下する事も指摘されています(Gettlera et al.PNAS,2011)。又、逆にパートナーの存在、成功体験や運動、筋肉トレーニング、食事等によって上昇する事が知られています。前大統領のオバマに敗退したマケイン陣営の唾液テストステロンは、優位に減少していたそうです(Stanton et al. PLos One,2009)。

 

テストステロン(男性ホルモン)補充療法と、その仲間達

 テストステロンの補充療法は、PSA等を定期的にチェックしながら行いますが、加齢による男性ホルモン低下症候群に対し、副作用も殆どなく、その臨床的効果は意義深いとされています。

 初期治療の段階では、男性ホルモン剤のクリームだけでは十分な効果が得られない場合が多く、筋肉注射(エナルモン・デポー)が一般的です。最初は大量投与で細胞機能を立て直す必要がありますから、2週毎の頻度がお約束。そして症状軽快後は、徐々にその投与間隔を伸ばし、男性ホルモンのクリームで維持を図るのが定番の治療方法です。

 細胞再生注射(フィロルガ4in1)(美容通信2015年1月号)で、男性ホルモンを分泌する臓器(精巣)からテコ入れ‼出来れば、そりゃあ理想的です。と言っても、幾ら細胞再生注射(フィロルガ4in1)と言えど、35歳の頃のイケイケ世代の精巣に修復するなんて事は不可能ですから、上記の様な男性ホルモンの分泌を促す様な生活習慣や、メラトニン(美容通信2017年1月号)やDHEA等のホルモン剤、冬虫夏草(美容通信2017年1月号)の様なサプリメントの併用が必要とされる所以です。

 しかしながら、効果が今一つって時には、更にザルディア(タダラフィル錠)の登場です(((o(*゚▽゚*)o)))。

■PHF5阻害剤のザルディア(タダラフィル錠)(シアリス)を併用する

201702image2342 ザルディア(タダラフィル錠)は、ご存知、EDの救世主シアリスの低用量版。健康保険では、前立腺肥大の薬として適応があるPDF5阻害作用を有するお薬です。

 大昔、知り合いの形成外科の某教授が、シアリスを愛用していました。いつもクリニックでお買い上げいただいてたんですが、「お盛ん❤」と思われては沽券に関わるとでも思ったのかどうかは知りませんが、ある日、突然、言い訳がましく(?)、「これ、1/4に割って、毎日飲んでるんだ。足先の痺れにとても良く効くんだよ。凄く眠れるようになったし、男性更年期(障害)の特効薬だね」と、滔々と語り始めました。バイアグラの(効果の)本体は、実は含有されてる低用量の男性ホルモン(^^♪なんて噂は、前々から耳にはしていましたが、シアリスに含有はされておらず、「へ~? 何でやねん?」と、その時は不思議に思っておりました。その時は、教授がお帰りになって速攻、製薬会社に問い合わせましたが…、明確な答えはもらえず…。まあ、10年も前の話ですから(笑)。

 ところが、今や、ザルディア(タダラフィル錠/PHF5阻害剤/シアリス)は、押しも押されもせぬメンズヘルスケアの鉄板薬にまで昇格! 恐らくは機序としては、抗酸化作用を介してテストステロンを上昇させるのではと推測(Yasuda et al. JSM, 2008)されています。

 ザルディアは半減期の長いお薬なので、連日2.5mgの低用量の服用を続けているだけで、じわ~んと余力が付いた感?がしてきます。ですから、シアリスと同様量の4錠一気飲みなんて荒業しなくても、なんとなく流れでHって局面に展開しても、意外に自然に出来ちゃうって、誠に使い勝手の良い面を有しております。

 唯、バイアグラ(美容通信2005年1月号)同様、ザルディアと硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)の併用により、降圧作用が増強し、過度に血圧を降下させる事があります。つまり、飲んでる人はザルディアは×だし、ザルディア飲んでる人は、投与されないように、自分も、また口が利ける状態でない緊急事態が起きても、家族や愛人?等の親しい人から、「ザルディア飲んでるよ!」って伝えられるようにしていて下さい。

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*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

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