糖分は、肌荒れの原因である。老化の原因でもある。 | 旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2011年4月号

糖分は、肌荒れの原因である。老化の原因でもある。

image1094

糖分は、ニキビや肌荒れ、アトピー性皮膚炎、脂漏性湿疹(皮膚炎)のみならず、肥満、老化と言った諸悪の根源です。

謹んで地震災害のお見舞いを申し上げます。
この度の大規模地震により被害を受けられました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
皆様の安全と、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。


 日常生活の中で、主食として毎日摂取しているお米やパンは、以前美女ごはん(美容通信2010年1月号)でも特集した様に、生命現象を営む上でのエネルギー源としてなくてはならないモノとして誰もが認識するところ。これらの主成分はデンプンと呼ばれる高分子化合物で、消化器の中で加水分解されると、マルトースを経て、グルコースとなって体内に吸収され、細胞のエネルギー源として利用されます。これらは糖類として総称され、炭素、水素、酸素の3元素からなり、一般式としてCm(H2O)nで表される。‥大昔、義務教育時代の‥小学校だか、中学校だか‥余りにも昔過ぎて思い出せないけど、確か理科の時間に習ったはず。蜘蛛の巣が掛かった教科書を紐解くと、通常3個又はそれ以上の炭素原子からなり、少なくとも-OH基を1個以上持つ分子。

 昔は‥、少なくともHISAKOにとっては、CMで宮崎あおいが歌うザ・スパイダースの「なんとなくなんとなく」級に悪モノとしての漠然としたイメージしかなかった糖分が、今や、ニキビや肌荒れ、アトピー性皮膚炎のみならず、デブ、老化と言った諸悪の根源として、栄養療法を行う医者どもの中でも、特に皮膚科、美容皮膚科系の連中の槍玉に上がっています。HISAKOもその潮流の尻馬に乗って、糖分弾圧の狼煙を上げます。”糖分は美肌の大敵だぁ~!!”と(笑)。
    ‥実際、ニキビやアトピー、フケなんかの治療途中の患者さん達は、原因が色々取り除かれて、見た目的には肌の調子が物凄く改善されていても、チョコ1個食べるだけで一気に不調の谷底に転げ落ちるんです。一度、山の中腹からお菓子の為に谷底近くまで後退してしまった複数の患者さん達は、こんなにお菓子が悪者だったなんて‥と、外来でしみじみ懺悔する羽目に‥。

  以上が、今月号の要約。以下は、囲みが教科書の抜粋。他がHISAKOの勝手な呟きです。

生命活動と酸化

●生命体は、常に酸素を用いATPを産生する。
●ATP産生時には、常に一定量の活性酸素が産生される。
●ミトコンドリアの多い組織は、常に活性酸素に曝露される。
●糖は、効率良くATPを産生させる基質である。
●生体に存在する糖は、常に蛋白質を糖化している。
12578078525B15D

 人間、生きていく為にはエネルギーってモノが絶対的に必要なんですが、糖分は蛋白質や脂肪なんかと比べて、とっととエネルギーに変換される、実に小回り度ナンバー1の存在です。ですが、このエネルギーの産生過程に於いて、出来損ないのオマケと言うか‥鬼っ子と言うか‥、活性酸素が漏れなく付いてくる。嬉しくないどころか、はっきり言ってうざいんですけどぉ(‘A`)y-・~~。ベッキーと小島よしお、ビートたけしとたけし軍団的関係ですかね(笑)。でも、まあ、エネルギー産生効率を高め、生存競争に勝ち抜く為に、進化のプロセスで獲得した影の部分が活性酵素ですから、仕方ありません。実際、生体が抗酸化と言う活性酵素の消去システムを得て、人間は少なくとも100年は生きられるようになったんだから文句は言えないか(笑)。

 ですが、運動などでエネルギー需要が高まっているとか、HISAKOのクリニックの患者さん達の多くがそうなんですが、栄養不足で亜鉛や鉄なんかの消去系酵素の活性が低下していると、後述の様に、フリーラジカルが容易にリークして、本来の凶暴な性格の赴くままに乱暴狼藉を働くとされています。活性酸素の性悪話は以前にも、遺伝子と点滴・サプリメント(美容通信2010年10月号)や抗酸化ビタミン配合の化粧品であるエンビロン(美容通信2004年11月号)でも矯めつ眇めつ特集しましたので、忘れちゃった人はクリックしておくんなまし。兎に角、酸化ストレスは、肌荒れや老化は勿論、癌や様々な病気の原因になるんです。

糖化(Glycation)

●グルコース等の還元糖と蛋白質との非酵素的な結合である。
●食品化学の分野では、食品の褐変現象として知られており、メーラード反応と呼ばれる。
●糖化反応は、グルコース濃度に依存して起こり、生体の蛋白質に影響を与える。
●糖化反応は、アマドリ化合物形成に至る初期段階と、後期反応性生物(AGE:advvanced glycation end-products)に至る後期段階に分けて考えられている。
image1088

image1095

 キツネ色にコンガリ焼けたホットケーキ♪ 甘くて、ホント、美味しいですよね。厚焼き玉子でも、コロッケでも、鯛焼きでも、おこげでも、キツネ色にコンガリ焼けたお姿は、「糖化(Glycation)」の賜物。食品業界ではこの現象は「メーラード反応」として知られ、美味しさを消費者にアピール最強の色とされています。ですから、白い鯛焼きは正にこの法則を覆す食い物ですから、「絶対、売れっこない!」って、消費者の新し物好きを軽視した業界人からは発売当初は白い目で見られてたなんて話もあるくらい。まあ、食い物的には魅惑的なルックスではありますが、人間的には‥、キツネ色=老化によるお肌のくすみであり、加齢臭の原因にもなります。つまり、アンチエイジングは、アンチ・グリケーションでもあるんです。

 因みに、ブドウ糖(グルコース)って測定するのが簡単なので、「糖化」と言うとブドウ糖ってイメージが強いけど、実は曲者なのが果糖(フルクトース)。測定するのが難しいので話題になり難いだけの話で、「糖化」の威力は、ナント、ブドウ糖の300倍なんですよ。侮るなかれ、甘い果物!

糖化(Glycation)と活性酸素

●糖化(Glycation)は、蛋白質の機能を傷害する為に、活性酸素代謝の中心となるSOD活性も低下する。
●生体内に発生する活性酸素は、スーパーオキサイドに起因する事から、SOD活性の低下は大きな影響をもたらす。

[補足]活性酸素消去系について

 私達地球上の生物の偉い所は、酸素呼吸をマスターして行動エリアを広大に拡げた際に、負のオマケとして発生する活性酸素の毒消し方法も、一緒に身に付けた事。大きく分けると、その方法は3通りあり、(1)抗酸化酵素、(2)抗酸化物、(3)ダメージを補修する酵素です。

  • 抗酸化酵素
  •  過酸化水素、過酸化脂質等の過酸化物や、スーパーオキサイドを消去する酵素。
     代表格が、スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD superoxide dismutase)。O2-を不均化反応によってO2とH2O2にする酵素で、Mn-SOD、Cu・Zn-SOD、EC-SODの3つがあります。がぁ‥、元々、O2-はそんなに積極的に悪さを働くだけの気概に欠けた腑抜け野郎。寧ろ、反応によって生じるH2O2がOH-の発生源になる事の方が厄介なので‥、ひょっとすると他に存在意義があるのではないかと邪推(!?)されているのが現状です。
  • 抗酸化物
  • ラジカル消去剤と補捉剤の2つに分けられ、後者には、金属結合蛋白質として存在するものもあります。亜鉛や銅、鉄の様な遷移金属は、そもそも、独り身でふらふらした状態だと、小娘みたいに直ぐ過酸化物と間違い(フェントン反応)を犯して、望まない以上の子供(活性酸素)を作っちゃうんです。そんな過ちを防ぐ為に、私達の体の中では、お目付け役の蛋白質が金属イオンにべったり張り付いて、安定化を図っているんです、はい。
●AGE化した蛋白は、マクロファージや血管内皮細胞などのAGE受容体と結合する。それにより、マクロファージや血管内皮細胞はサイトカイン、活性酸素、エンドセリン1等を放出する。これらが糖尿病の合併症や進展に関係があるとされている。
image1089

 血液中や細胞内では、上図の様に、亜鉛Znや銅Cuは蛋白質と結合して安定した立体構造の形で存在しています。ところが、大事な蛋白質がグルコースやフルクトースにより糖化Glycationされ、過酸化水素が生成されると、それに魅了された銅イオン(Cu1+)がイプセンの”人形の家”化します。つまり、安定していた構造を捨て、ふらふらと外に露出するようになるんです。そして、あろう事か、自ら触媒に甘んじて、過酸化水素をヒドロキシルラジカル(HO・)に変化させるのです。これが「フェントン反応」って代物で、一旦過酸化ラジカルが出来てしまうと、ドミノ倒し的にラジカル連鎖反応が進む切欠になります。

 反対に、亜鉛は、同じ遷移金属仲間の鉄Feや銅Cuとは異なり、不対電子を持たない為に活性酸素を発生させる危険性がない良い子です。

image602

オマケに、亜鉛の生理的機能を挙げときましょう。

 結構広範囲に亘っています。栄養療法についての以前の特集(美容通信2007年3月号)(美容通信2007年4月号)も参考にしてね。

  • 酵素の活性因子としてのエイコサノイドの適正化
  • 抗酸化物質の構成成分
  • ビタミンAの作用調節による角化の正常化
  • 細胞分裂のトリガーとして、皮膚再生の促進

 亜鉛欠乏による皮膚の変化としては、びらん・水泡・乾燥・粗雑・膿痂疹が挙げられ、実際、アトピー性皮膚炎のガキんちょは、亜鉛の値が低く、銅の値が高い事が知られています。

image1077

成長に過程に於いても亜鉛は必須な微量金属で、

  • 細胞分裂や増殖が盛んな胎生期~成長期は、亜鉛の必要量が多い。
  • 胎生期に於ける亜鉛の貯蔵は、胎生28~32週以後に急激に起こり、鉄や銅の様に十分な貯蔵状態では生まれて来ない。
  • 出生後の亜鉛の必要量は、食餌由来に依存している為、乳児は容易に亜鉛欠乏になる。
→栄養障害のある母親からアトピー性皮膚炎の発症の可能性が、指摘されています。

シミの形成を例にとって考えてみましょう。

色素沈着の作用機序~局所ダメージと活性物質

  • 局所のダメージ
  • ダメージ組織からの生体内物質の産生
    • 各種エイコサノイド
    • 炎症性プロテアーゼ(プラスミン)
    • 過酸化脂質の形成

グリケーションの最終産物であるAGEが促進する。
ケラチンがグリケーションを起こし、お肌全体のくすみに発展!

  • 生理活性物質によるメラニン産生刺激と過生成
  • メラニン過生成の継続

分化異常の改善には、Vit.Aと亜鉛が必須。

image1078

フリーラジカルと栄養素

  • 過酸化脂質を生成⇒しみ
  • 消去系酵素がない
image1087

皮膚の色素沈着と角化異常~細胞の分化障害として

  • 顆粒の生合成
  • 表皮顆粒層の顆粒は、謂わば散乱型の日焼け止めで、紫外線が皮膚の奥深くまで入り込まないように、弾き飛ばすのがお仕事。顆粒の構成成分の多くは蛋白質で、グルタミン酸、セリン、グリシンが沢山含まれいています。 細胞分化の過程で生合成される
    顆粒合成の調節とビタミンAの関係
  • 角化とは
  • 中心に核を持つ顆粒細胞が無核化し、角質細胞へ分化する過程(狭義の角化の定義)
    無核化が行われないままに分化が進行すると不全核化となり、角質層が徒に肥厚するが、バリア機能は寧ろ低下する。

オマケついでに、正常な角化サイクルの為の、亜鉛のベターハーフ・ビタミンAについて補足しときましょう。(美容通信2005年2月号

ビタミンAの主な働きとしては、

  • 分化調節作用
  • 核内レチノイン酸受容体を介し、形態形成に関する遺伝子の制御に関与。
  • 上皮組織の形態維持
  • →欠乏による変化として 
     ・毛孔・汗孔の異常角化
     ・粘膜の異常角化
  • 抗酸化作用 βカロチンによる作用

ビタミンAの代謝

image1086

[ビタミンAの代謝の特徴]

  • 生理活性がない形態で常に移動(細胞内外)=蛋白質との結合
    ・リポ蛋白:CM RCM
    ・結合蛋白:RBP CRBP
  • 核内の特異的受容体と結合し、遺伝子を制御
  • ビタミンA輸送と亜鉛
    ・肝に於けるRBPの生合成
  • ロドプシン形成に必要なretinol dehydrogenaseに関与

*ビタミンAの作用発現には、充分な蛋白質と亜鉛が必要!

勿論、ビタミンAの作用発現には、充分な蛋白質と亜鉛が必要な訳で、オマケのオマケとして体蛋白質の代謝についての補足を。

 ‥唯、あんまり脱線しすぎるのもなんですから、これだけで本線に戻るつもりです、はい。デブを科学する。(美容通信2010年4月号)でも、糖分や蛋白質の代謝について特集したけど、覚えてるかな(笑)。まあ、忘れたら、クリックしてもらえば別に良いんだけど、ね。 image1079  低蛋白質→低コレステロール→ステロイドホルモンの減少→炎症の持続。つまり、世の中の風潮はちょっとコレステロールが高めってだけで、諸悪の根源の様に捉えがちだけど、実は、低コレステロールの方がもっと始末に悪いんだよねぇ。

糖化(Glycation)と老化

●活性酸素を含んだフリーラジカルFRは、老化(aging)を促進する。
●血中には、常にブドウ糖/果糖が存在している。
●これらの単糖類は、常に糖化を起こす。
   ・アマドリ化合物・AGEは、強力な活性酸素発生源。
   ・糖化は、更に抗酸化力を抑制。
   ・そしてフェントン反応を引き起こす。   →”Aging=AGEing”

AGEingは、どっちが進む?

□あんぱん
   ・エネルギー 279Kcal
   ・蛋白質 74g
   ・脂質 5.9g
   ・炭水化物 49.2g
□唐揚げ
   ・エネルギー 247Kcal
   ・蛋白質 10.4g
   ・脂質 17.7g
   ・炭水化物 9.3g

日本の糖尿病の食事指導では、カロリーが殆ど同じ為に従来同列に扱われて来たあんぱんと唐揚げ。どっちが、貴女を婆化させるでしょう? ヒントは、下図の”血糖上昇値対決”。
image1090
 老けるのが嫌だったら、あんぱんじゃなくて、唐揚げを選べって事です。

 老ける以外にも、例えば、脂っぽい肌(美容通信2010年11月号)も、糖質のコントロールで改善出来るんです。ニキビや脂漏性皮膚炎のベースとなる脂っぽい肌と言うと、油っぽい食事が原因と思われがちですが、実は糖分の方が断然関係するんです。

[健康人皮脂量と食物の関係]

(mg/40cm2/12H)

健康人では脂っぽい食事を摂ろうと、糖分過多の食事を摂ろうと、大した差はないんですよねぇ。

年齢 正常食
過脂肪食
過糖質食
A 12 17.2
21.7(126%)
22.1(128%)
B 27 16.8
20.5(122%)
20.9(124%)
C 25 17.9 22.0(122%)) 24.4(136%)

[ニキビで悩む患者の皮脂量と食物の関係]

(mg/40cm2/12H)

ニキビで悩む患者の角化異常に最も関与する要因は、実は過糖質食なんですね。

  年齢 正常食
過脂肪食
過糖質食
D 19 24.5
38.9(156%)
34.9(142%)
E 24 29.7 33.9(114%)
38.1(128%)
F 25 32.8 37.8(115%) 41.3(126%))

 このデータはニキビですが、角化異常に関係するトラブルと言えば、脂漏性皮膚炎然り、アトピー性皮膚炎然り、シミ然り、老化然り。兎に角、糖分は美肌の敵には間違いない‥。

栄養素が血糖に変わる割合と時間

image9575B15D

 炭水化物は100%、蛋白質は50%、脂肪では10%未満しか血糖に変化しません。以前美容通信の3大栄養素の号(美容通信2010年1月号)でも触れましたが、炭水化物だと喰った分がそのまんま全部、とっとと血糖に変化します。蛋白質だと半量程度がゆっくりと3時間位で血糖に変化し、脂肪だと下手したら半日掛かりで1割を切る量しか血糖にならないんです。つまり、炭水化物は、量もさることながら、急激な血糖の上昇を招くって事なんです、はい。
image956 これに過食に早食いが加わったり、GIが高い食品だったりすると、更に急激に血糖値が上昇する羽目になります。そうなると当然、血液中の糖の処理に多量のインスリンが分泌されたり、分泌が追いつかなくなるなんて事態も発生して来ます。逆に同じ炭水化物でも、GIが低い食品では、糖が穏やかに取り込まれ、血糖値の上昇も緩やかになる為、インスリンも分泌し過ぎる事がなく、糖は速やかに組織に吸収されるのです。

 詳しくは、後述しますが、高GIのフランスパンやベーグルよりも、低GIの全粒ライ麦パンやピザ生地ですよね、絶対!

 この大事な大事なインスリンの分泌が少ないとかぁ、分泌のタイミングが遅い、作用が低下するetc.の理由から、上手く血糖の処理が出来なくなると、血糖値が下がらなくなっちゃいます。因みに、糖尿病って病気は、食後数時間経っても血糖値が下がらない状態が慢性に続く病態を言います。前述の亜鉛は、糖質代謝の改善に必須のアプローチとされている栄養素でもあって、インスリンの合成や分泌に関与するだけでなく、インスリンと結合する事でインスリン自体の安定化に寄与し、分解され難くなる事が知られています。

 ここで余談なんですが、以前”デブを科学する。”(美容通信2010年3月号)(美容通信2010年4月号)で特集したんですが、糖尿病が発症していなくても、生まれ付き、つまりインスリン抵抗性の糖尿病関連遺伝子を持った人々ってジャンルの人もいます。日本人は欧米人に比べて、インスリンの分泌が傷害され易い体質の人が多いとされ、HISAKOも全ての糖尿病関連遺伝子を保有している訳ではありませんが、PPARγ(Pro12ALa)って遺伝子を持っています。つまり、HISAKOの様なインスリン抵抗性の糖尿病関連遺伝子を保有する輩は、美人でいたければ、保有していない人々よりもより厳格な糖分制限が課せられる‥。つまり、小腹が空いても、あんぱんじゃなくてフライドチキンを齧り付く方が推奨される(笑)。
image960 あ、次いでですが、そもそも何で腹が減ったなんて感じるのかって申しますと、血糖値が下がっちゃったから。インスリン抵抗性の遺伝子を持つHISAKOは、インスリンの効きが悪いから、ついつい必要以上にインスリンの分泌の量が増えちゃうんですよね。左の図を見て下さい。これが、正常人の血糖曲線。
image961 そして、右下の図は、食べても、直ぐお腹が減っちゃって、お散歩の途中で、何度も何度もカフェに立ち寄って、小腹を満たしてしまうHISAKOの血糖曲線。これじゃあ、直ぐ小腹が減っても当たり前なんですが、欲望のままにお菓子(糖分)を喰うと、老化のみならず、ブタ化にも歯止めが掛からなくなるので、本当は小腹が減る30分位前に、蛋白質やファイバーを食べれると良いんだけどねぇ。

 参考までに、無反応性低血糖症だと、食べても食べてもお腹が一杯にならないんだよ~ん。

食材によって変わる血糖曲線

image1091

 上図は、栄養療法の研究会の会員の内科の先生が、休日に何を食べたらどんな風に血糖値が上がるのかを、地道に30分毎に採血して調べたデータです(←す、凄いです!! 休みの日に食パンだけ齧って、30分毎に5時間も、自分で自分の採血を行なう‥。6種類って事は、単純に6週間も! 頭が下がりますです)。食材とか食べ方を工夫するだけで、血糖のスパイクは変えられるんです、はい。

GL値とは?

●グリセミックロード(グリセミック負荷、Glycemic Load、GL)値
   =グリセミック指数(GI値)/100×(1食分の炭水化物g)
●グリセミックロードは、炭水化物の”質”も”量”も考慮に入れたもの。
   「その食品は、ブドウ糖何gに相当する影響を血糖値に与えるか」
      例・リンゴ1個とバナナ1本を食べた時のグリセミックロード
          リンゴ:40/100×14.6g=5.8
          バナナ:51/100×23.9g=12.2
   カロリーで言えばバナナはリンゴの1.5倍弱だが、血糖値の観点からは、バナナ1本はリンゴ1個の2倍以上の影響がある。
食材  GI値 GL値  1食重量(g)  備考

85
42
100

精白米
84 46
150

胚芽米 70 37 150
玄米(五分) 58 31 150
玄米 56 29 150
食パン 91 24 60  
ライ麦パン 58 16 60  
全粒粉パン 50 13 60  
うどん  80 42 250  
そうめん  68 42 250   
スパゲティ  65 35  200   
そば  59  9 250   
肉類 45~49       
魚介類  40前後      
 豆腐 42 1  150  
 納豆 33 1 50  
 チーズ 35 0 20 プロセスチーズ1切れ 
 卵 30 0 50  
牛乳  25 3 210  
プレーンヨーグルト  25 1 100  
ジャガイモ  90 21 140  
 サツマイモ 55 31 190  
 トウモロコシ 70 11 100  
 バナナ 55 12 100  
トマト  30 2 150  
キュウリ  23 0 100  
キャンディ 108 5 5 1個 
 菓子パン 95 32 70 あんぱん 
チョコレート 91 26 55 1枚
アーモンド 30 0 15 10粒
ピーナッツ 28 0 8 10粒
コーヒー 16 0 100  
緑茶 10 0 100 煎茶
紅茶 10 0 150  
白砂糖 110 110 100  
黒砂糖 99 71 80  
蜂蜜 88 15 21 大匙1
みりん 15 1 18 大匙1

*肉類・魚介類は、炭水化物を殆ど含まない為、GL値も殆ど0。  つまりは、肌荒れが嫌だったら、何時までも若々しく生きていたかったら、白いお米のご飯よりも茶色い玄米ご飯を、駅の立ち食いならうどんより蕎麦を喰え。料理に使うなら、白砂糖じゃなくて蜂蜜を選べって事です、はい。

食品交換表で同じ単位でも、炭水化物量が違う

食品 食品交換表で3単位の分量 含まれる炭水化物量
ご飯
150g(男茶碗1杯)
56g
食パン
90g(4枚切1枚) 42g
クロワッサン 60g(1個半~2個) 26g
うどん 240g(1玉強) 52g
和そば 180g(1玉) 47g
中華麺(蒸) 120g(1玉) 46g

(引用:独立行政法人 国立病院機構 京都医療センター 1型糖尿病外来)

 食品交換表で同じ3単位とされている食物の、カーボカウント勝負。油脂の含有が多い食品はカロリーが高いが、炭水化物の含有量は低い。

カーボカウントとは?

●栄養素の血糖への変化率の観点から、食後の血糖上昇は‥
   ・摂取した食事のエネルギー量ではなく、主に炭水化物量が影響する。
●カロリーではなく、食事の炭水化物量に着目した食事療法及び血糖コントロール方法
メニュー・素材 目安 分量(g)  糖質量(g) カーボカウント
ご飯
茶碗1胚
150
55.7
5.5
おにぎり
1個 120
44.6
4.5
1個 50 25.2 2.5
食パン 6枚切1枚 60 28.0 3.0
メロンパン 1個 85 59.4 6.0
クロワッサン 1個 30 13.2 1.0
うどん(ゆで) 1玉 200 43.2 4.5
そば(ゆで) 1玉 180 46.8 4.5
スパゲティ(ゆで) 1食 200 56.8 5.5
中華麺(蒸) 1玉 150 43.8 4.5
シリアル 1食 40 33.4 3.5
餃子の皮 1枚 6 3.4 0.5
小麦粉 大匙2 16 12.1 1.0
ジャガイモ 中1個 15.8 15.8 1.5
サツマイモ 中1本 56.7 56.7 5.5
かぼちゃ 1切れ 7.4 7.4 0.5
ミックスベジタブル
5.8 5.8 0.5
 いちご 6個 8.3 8.3 1.0
バナナ  1本 22.5 22.5 2.5
柿  中1個 28.9 28.9 3.0
リンゴ 中1個 29.2 29.2 3.0
砂糖 大匙1 9.9 9.9 10.0
蜂蜜 大匙1 17.5 17.5 2.0
カレールー 1片 8.9 8.9 1.0
牛乳  コップ1杯 9.6 9.6 1.0
低脂肪牛乳 コップ1杯 11.0 11.0 1.0
ヨーグルト(無糖) 1個 4.9 4.9 0.5

 血糖のコントロールが厳格に適応されるのは、皆さんもご存知の通り糖尿病。ですから、糖尿病の食事指導でも、特に欧米で行われている血糖管理に重点を置いたカーボカウントを利用する考え方は、アトピーっ子やニキビさん、フケ症に悩む老若男女は勿論、アンチエイジングを望む綾小路 きみまろ世代のオバ様、そしてHISAKOの様なデブ化に悩む肥満児には、是非是非理解して欲しい方法かな(笑)。

 要約すると、

  • どんな食品から炭水化物を摂取したかではなく、摂取した炭水化物の総量が重要である。(1994年アメリカ糖尿病協会(ADA)栄養勧告)
  •  
  • 1型糖尿病の食事指導に於いて、実際に食べる炭水化物量を計算する方法が、他の方法よりもインスリン量の調整が簡単だった。
  •  更にアメリカ糖尿病協会栄養勧告から適当に抜粋すると、
  • お肉やお魚等の蛋白質は炭水化物を含んでいないから、ノーカウント!
  • 脂肪の食後血糖への影響は、血糖を上げるのでなく、寧ろ血糖の上昇を遅らせる(前述の「栄養素が血糖に変わる割合と時間」を参照)。実際、蛋白質や脂質の多い食事を摂っても、血糖値は殆ど上昇しないって事が分ってますしね。
 以前、デブを科学する(美容通信2010年4月号)でも触れましたが、別にサラダにノンオイルドレッシングなんて代物を使う科学的な根拠なんて何もなくて、単に嗜好的に選ぶならいざ知らず、大好きなオイルドレッシングを我慢してまで振り掛ける必要なんてないんです。寧ろ、西洋料理のフルコースの様にオイル漬け(?)のサラダ⇒メインのお魚・お肉料理(⇒本来ならここでデザートだけど、何時までも美肌女子でいたいのなら省略!)の順に食べる方が◎って事です。まあ、以前乾癬(美容通信2008年4月号)やEPA(美容通信2010年6月号)の特集でも触れた様に、油の種類は選ばなきゃ駄目ですけどね。
 えっ? 忘れた? 今月号の本題じゃないので、復習はさらりと。先ずは、下の図は、全ての悪の根源・「炎症」のメカニズム。
image1081  外界から何らかの刺激、例えばレーザー治療や手術等を受けたり、紫外線に曝露されたり、受動喫煙の憂き目に遭ったり、事故って怪我をしたり、バイ菌やカビの襲撃を受けたり‥、今時分はスギやヒノキの花粉に襲われたりなんて事もありますが、これらの降って沸いて来た災害を最初に受け止めるのが、表皮の細胞。つまり、表皮がちゃんと職務を真っ当出来るかどうかは、角化が正常に行なわれているって前提ではありますが、表皮の脂質の質(不飽和脂肪酸)で決まるんです。表皮の乾燥重量の約10%が脂質で、この大部分は細胞膜を構成しているリン脂質に由来しています。
 細胞膜の基本構造は、下図の様な脂質二重層になってます。 image599
 細胞膜を構成するリン脂質の構成が、EPA・GLA側に傾いているかアラキドン酸側に傾いているかで、炎症が終息するか増悪するかが決まるんです。
image1083 image1080image1082  多価不飽和脂肪酸は、2重結合の位置により、ω-6系とω-3系に大きく分けられます。食材としては、ω-3(n-3)系脂肪酸が、α-リノレン酸(シソ油・エゴマ油・亜麻仁油・しそ・えごまetc.)、DHA(ドコサエキサエン酸)(本マグロの脂身・養殖ハマチ・養殖真鯛・ブリ・サバ・鰻・サンマ・サワラetc.)、EPA(養殖ハマチ・マイワシ・本マグロ脂身・サバ・養殖真鯛・ブリ・鰻・サンマetc.)。ω-6(n-6)系脂肪酸としては、リノール酸(紅花油(サフラワー油)・ひまわり油・綿花油・大豆油・コーン油・胡桃etc.)、γ-リノレン酸(月見草油・母乳etc.)、アラキドン酸(レバー・卵白・サザエ・伊勢海老・アワビetc.)が上げられます。が、食材を列挙するのは簡単ですが、実際問題として食べる身になって考えると‥、α-リノレン酸は不安定で、食材で摂るのは結構難しいのが本音。EPAの方がお手軽です。又、γ-リノレン酸を欧米の様に投与しても、ビタミンCやナイアシン、亜鉛がしっかり摂れていないとアラキドン酸になる! つまり、σ5-デサチュラーゼって酵素は、インスリンの存在によって活性が左右される日和見主義者。糖質制限しないと、アラキドン酸になるんです。ひぇ~っ!!

 アメリカ糖尿病協会栄養勧告からの抜粋の続きですが、
  • GI値やグリセミックロード(GL)を用いる事は、食後血糖値の評価に対してある程度の利点がある。
  • アメリカ糖尿病協会栄養勧告では、糖尿病向けの炭水化物、蛋白質、脂質の最適な割合はない。
image1096 *註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

関連ページ

関連するHISAKOの美容通信をピックアップしました。

来月号の予告

辛い花粉症対策に、ボトックス!? 鼻と眼の症状に、即効です。