アトピー性皮膚炎と分子整合栄養医学(栄養療法) | 旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2007年4月号

アトピー性皮膚炎と分子整合栄養医学(栄養療法)

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 アトピー性皮膚炎の原因と治療について、簡単にまとめました。
最近は、従来の抗アレルギー薬の内服やステロイド外用治療法方法に加え、栄養療法(分子整合栄養医学)の観点からのアプローチの盛んになって来ました。
採血や採尿の検査結果を基に、必要な栄養素(サプリメント含)を処方します(サプリメント外来)。

 冒頭写真の解説:ローマ帝国の初代皇帝だったAugustus(BC63~AD14)は、肥厚した象の様な皮膚を掻き毟るのが本業と揶揄されながらも、バクス・ロマーナを確実に築き上げ、後世までアトピーっ子の鑑と賞賛されました。

 今月のお題目は、Augustusの功績を称えて(?)、”アトピー性皮膚炎”です。情報が氾濫し過ぎて溺れかかってしまった貴女、耳年寄りかもって思ったら、読んで下さい。

アトピー性皮膚炎って何?

 教科書的には、<アトピー素因と言う遺伝的な背景(体質)のある人に、発症の引き金となる環境要因が加わって、慢性的に湿疹を繰り返す病気>。下の図を見てみましょう。貴女の体の中に潜む邪悪な本能(遺伝的体質・アレルギー体質・敏感肌質の三悪)に呼応して、あなたの周囲に存在するあらゆる物が、者が、貴女を悪の道へと誘い込む‥。アレルギー的要因、然り。非アレルギー要因、然り。

 

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 ‥って事は、ある意味聖人君子でありさえすば、どんなに堕落した邪悪な本能の持ち主であろうとも、救われるって事ですよねぇ、流行のポジティブ思考で考えると。そう言えば、かの宮沢賢治も申しておりました。ダニにも負けず スギにも負けず 乾燥にも夏の汗にも負けぬ丈夫な体を持ち 掻き毟りたいと言う掻破欲はなく 決して瞋(いか)らず いつも静かに笑っている そういうものに 私はなりたい 否、なってやろうじゃありませんか。素因があったって、アトピー性皮膚炎が発症しなきゃ、とっとと症状が消えてくれれば、それで良いじゃないですか。

 

アトピー素因(遺伝的素因)

 身も蓋もない様な言い方ですが、親の因果が子に報い、生まれて来たのがこの子でござい‥。狭い意味では、抗原(アレルゲン)特異的IgE抗体を作り易い体質の事。一般的には、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎の病歴若しくは家族歴を持つ人も、素因持ちを名乗れます(笑)。

敏感肌質(ドライスキン)

肌対決! 一般人Vs干人(若しくは乾燥肌質、若しくはドライスキン)で~す。

       
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 図の様に、一般ピープルの皮膚の角質層は、難攻不落の要塞です。 ♪クル クル クレラップ ♪クルクルクルクル ♪クルクルクルクルクルクル ♪クレラップ ばりの隙のなさで、ダニや埃、花粉etc.のアレルゲンも、細菌だって、ウィルスだって弾き飛ばしてしまいます。が、ドライスキンの角質層は、ポテトチップスを重ねた様に、本当にスッカスカ。完全にフリーパス状態ですね。バリア機能なんておこがましくて、とても名乗れる様な代物ではございません。
 だからドライスキンをそのまんま放置してると‥、ちょっとした刺激でも直ぐに反応しちゃう超敏感肌に進化しちゃいます。つまり、ちょっと引っ掻いたとか、ちょっと汗かいちゃったとか、ちょっとちくちくウールセーターを着ちゃったとか、ちょっとゴム手袋を省略して食器洗っちゃったとか、あまりにも些細過ぎる事で、皮膚病変を来たしてしまうようになってしまうんです。耳切れ、手荒れ、舌なめずり皮膚炎、ズック靴皮膚炎etc.と、アトピーの典型的皮膚症状と称されるこれらの殆どは、ドライスキンに基づく敏感肌の一言で説明出来ちゃうんですね。

 どうしてこんな大事な水分をみすみす手放してしまう様な、軟弱な角質に堕してしまったのでしょうか‥。分かりません。唯、アトピーっ子は、皮膚炎がバリバリの部分は当然ですが、一見普通の肌にしか見えない部分も、一般ピープルより皮膚の水分保持能力が劣ってるんです。まあ、原因の全てを角質層のみに問う訳には行きませんが、原因の多くは角質にあります。

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 角質の水分保持機能を調整している3大柱は、①皮脂腺から分泌される皮脂膜、②角質細胞間に存在する脂質層、③自然保湿因子natural moisturizing factorと呼ばれる角質細胞内に存在する吸湿性の高いアミノ酸を主成分とする低分子物質。これらが三つ巴になって、体内からの水分蒸発を抑制し、角質の水分の貯留と保水を仕切ってるんです。

 中でも断トツの最大派閥は角質細胞間脂質で、水分保持機能界のドンとか山口組と、影の教科書には記載されています。主な構成員は、セラミド(41%)、コレステロール(27%)、コレステロールエステル(10%)、脂肪酸(9%)ですが、抜群の実力者はやはり組長のセラミドです。他の構成員なんてどうでも良い様に思うかもしれませんが、後でお話しする栄養療法に大きく関与して来るので、心の片隅に置いておいて下さいませ。

詳しいドライスキンの撃退法は、美容通信2003年12月号を読んで下さいね。

アレルギー炎症

 ダニやハウスダスト、犬や猫の毛、花粉等のアレルゲンに対する反応で、アトピー性皮膚炎は酷くなります。犯人を特定して、取り除ける地雷は取り除きましょう。え? 敵を知らない? そりゃあ、話にもなりませんね。検査してみましょう。

アレルギーの検査

人気のアレルギー検査には、以下の様なものがあります。

皮内テスト・プリックテスト

 怪しげなアレルゲンを、実際に皮膚の中に突っ込むのが、この検査のポイント。皮内テストは注射で注入するし、プリックテストは引っ掻いて傷を付けた所に垂らし込む。まあ、即物的な検査ではありますが、運が悪いとショックを来たします。アーメン。

パッチテスト

 皮内テストやプリックテストの様に、痛い事はしないが、痒い事はする(笑)。怪しげなアレルゲンを染み込ませた布を、丸2日貼り付けておかねばならない。つまり、汗はかいちゃいけないし、風呂にどっぽんと浸かるなんてもっての外。クーラーが恐ろしく効いた東南アジアの高級レストランで、例えテープを貼った所が痒くて死にそうになっても、丸2日間は大人しく引き篭もりになっていろ!!と言われてる様な検査です。超簡単ですが、発疹が残っていると出来ない、つまり完治してからのお話なので、気の短い人には向きません。

内服テスト

 主にこれは、飲み薬や注射による謂わば薬疹に対する検査です。究極の再現実験です。命がけです。だから、ショックで心肺停止状態に陥っても大丈夫な様に、入院をして行うのが原則です。

IgE RAST

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 血を採るだけで、一番苦痛の少ない検査方法。まあ、アレルギーの検査全般に言える事なんですが、これはあくまでも体の中にあるIgEと言う名の戦士がどれ位いるかを測る方法なんです。つまり、今回の局地的な小競り合いに直接参加している海兵隊が何人いるかではなくて、全面戦争となった場合に直ぐ動員出来る陸・海・空軍及び海兵隊の隊員全ての名簿を提出する様なものです。だから、RASTの値が例え陽性に出たとしても、即今回の病気の原因とは断定出来ない‥。まあ、RAST値が1以上なら捜査線上に上がった数名の容疑者の一人程度、3以上なら黒、本星ですかねぇ。

人気のアレルゲン、大集合!

 アトピー性皮膚炎と深い仲と噂される3大愛人をご紹介致します。お子ちゃまからの愛され度No.1は、やはり食い物系。卵、ミルクと言ったケーキには欠かせない食材が、何故か多いのが悲しい所です。小学校に上がる頃になると、やっぱりそれなりには色気付くのか、興味は食べ物からインテリアと言ったお洒落系に移り、ダニ、ハウスダスト、花粉etc.の環境系(詳しい内容は美容通信2005年3月号を読んでね♪)が急上昇します。黄色ブドウ球菌に代表される細菌抗原は、お子ちゃまと遊び盛りの15~25歳にピークがあると統計的に出ています。 

 

花粉症のおまけ~果物アレルギーの併発

 <花粉にみつばち、花粉症に果物アレルギー>って格言(?)がある様に、意外に知られてはいませんが、果物も結構曲者。アレルギーを起こす花粉の種類によって、併発し易い果物や野菜は様々。スギ花粉の人は、トマトにも反応し易いとか。欧米では、白樺の花粉と林檎の悪友関係はめちゃ有名で、白樺の花粉が含む蛋白質は林檎の蛋白質と一部が似ていて、林檎にも体が反応してアレルギー症状が出るんだそうです。白樺花粉症の2~7割の人が林檎を食べ続けると、症状が更に悪化する憂き目にあうらしい‥。まあ、もしかしてって思い当たるようなら調べておくのも手かも知れません。

 

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スギ
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ブタクサ
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ヨモギ
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カモガヤ
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シラカンバal_kabanoki_1as[1].gif
ハンノキ
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治療

 もう一度、最初のアトピー性皮膚炎って何?の図を見てみましょう。

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 アトピー性皮膚炎とは、<アトピーの素因のある人に、アレルギー的な要因と非アレルギー的な要因が加わって発症する>んでしたよね? 治療を考える時も一緒です。ステロイドや抗アレルギー薬を使って、アレルギー炎症を抑える。場所によっては、Dua Light(美容通信2006年3月号)の助けを借りるのも良い選択です。謂わば、従来から病院で行なっている治療法です。非アレルギー的原因、つまりドライスキンを、日常の生活で改善する。美容通信2003年12月号でも特集をしましたが、①環境整備(例・ダニ、ハウスダスト、花粉etc.の除去美容通信2005年3月号)、②清潔のスキンケア、③乾燥のスキンケア、④無用な刺激の回避です。

 これと併せて”栄養療法”を行なうのが、最近のトレンド。アトピー性皮膚炎と言う分子病(=夫々の分子が病気になったから、分子の集まりである体が病気になった)が起き難い細胞環境を整えて、発症しない様に、発症してしまったものを早く終息させる。まあ、端的に言うと、遊びの部分が少ないと直ぐ悪化しちゃうから、遊びの部分を増やしときましょ。酷くなったら、そりゃ、ステロイドとか抗アレルギー薬は使わなきゃ無理だけどさぁ。でも、ビタミン剤でぐんとステロイド何んかの出番が減るんなら、そっちの方が良いじゃん。

 そして、巷では何故か根強い人気の霊能療法です。あはは。

従来の方法

 従来の病院での薬物戦争で使用する武器は、2つ。ステロイドと抗アレルギー薬です。両者の働き振りを理解する為に、下の図を見てみましょう。巨大怪獣アトピンは、口から火を噴きながら、狂った様に暴れまくって、美しい国・日本を破壊していますね。

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 ステロイドは端的に言うと、怪獣の上にどかんと馬乗りになって押え込む、遠い星からやって来た正義の味方。まあ、正義の味方と言ったって、武器が体重だけの相撲取りみたいな奴ですがね(笑)。

 正義の味方、ヒーローの常として、ステロイドマンも期間限定でなければなりません。ウルトラマンも、”派遣の品格”の大前春子も、正義の味方として残された人々の心に長く残り得た最大の理由は、この期間限定が故。どんなヒーローが現れたって、そのうち新鮮味がなくなって、いることが当たり前になります(依存性の問題)。感激がなります(効きが悪きなってレベルを上げざる得なくなる)。どんどん周囲の期待は膨らむ一方なのに、ウンコもオナラもする。欠点が鼻について来ます。例えば、免疫抑制作用があるから、ニキビが酷くなる(皮膚感染症の誘発)。ホルモン作用があるから、毛むくじゃらになる。細胞増殖抑制作用があるから、皮膚がペランペランに薄く萎縮してしまう。正義の味方・ステロイドマンが、ヒーローでいれる賞味期限は非常に短いんです。だから、漫然とステロイドを塗り続けてはいけないんです。

 怪獣がステロイドマンの押さえ込みで倒れたら、(本当は、倒れる前から、否、出現する前からなんですけど‥)、貴女方が寄って集ってスキンケアと言う聖剣で止めを刺すべきです。自衛隊ならぬ抗アレルギー隊の隊員達も、きっと復興の手助けもしてくれる筈です。意地を張らず、彼らに甘えちゃいましょう。

 抗アレルギー隊の隊員達は、先程も触れましたが、獣災からの復興の時にも活躍はします。しかし、真価を発揮するのは、戦場。寄って集ってアトピンの口を塞いで、火(起炎因子)を噴射出来ない様にするのが仕事です。空から、海から、陸から、隊員達は、夫々の得意分野からアプローチを試みます。

 例えば、掻かない様にするのが得意なのは、レミカット(1mg)やポララミン(6mg)。彼らはちょっとコンプライアンスが悪いのが欠点ですが、掻いて掻いて掻きまくって、自分で自分の首を絞めちゃう自滅型の人には、最強のレスキュー隊員です。痒みで夜もゆっくり寝られないなんて不幸な状況からの脱却には、最高に効きます。頑固一徹の日本の中小企業を支える職人。叩き上げ系のおじさんです。

 多少の効果は犠牲にしても、運転中に睡眠を貪る事が許されないドライバーさんには、アレジオン(20mg)やヒスマナール(10mg)、エバステル(10mg)辺りが好まれます。ここ最近は、ここら辺の、”帯に短し襷に長し”と言うか、”八方美人”と言うか‥、まあコンプライアンス優先で、1日1回の内服で済み、眠気の少ないのを売りにするちゃら男系隊員達が増殖中です。貴女の職場にも結構いるでしょう? 要領が良いので実力以上に評価(重宝?)されてはいるものの、実際は体良く職場のぱしり化しちゃってる僕。あんなタイプです。

 怪獣の口もちょっと塞ぐが、消火活動にもちょっと手を貸しちゃったりするのは、アゼプチン(1mg)、ザジテン(1mg)、セルテクト(30mg)です。

 今後隊員の追加募集は、IgE産生抑制、抗サイトカイン薬、化学伝達物質拮抗薬etc.のアレルギー炎症抑制を得意とする人材に移行して行くと予想されています。

栄養療法を併用する

 先月号(美容通信2007年3月号)でもちょっと触れましたが、アトピー性皮膚炎とは、”分子整合栄養医学”では、アトピー性皮膚炎は<皮膚を中心に起こる炎症性疾患>と考えます。つまり、ライナス・ポーリング(Linus Pauling)博士の頭を拝借したつもりになって考えると、こんな具合になります。

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 上記の図でも明らかな様に、局所的な炎症を抑える為には、アラキドン酸の生成を如何に抑えるかが鍵になって来ます。元々日本人は、σ-6不飽和化酵素の活性が落ちている人種の上に、更にアトピーっ子は活性が低いんです。ですから、乏しいのは乏しいなりに、少しでも補酵素(=人参!?)を補って馬車馬の如く働らかせ、消炎方向に流れを変えてもらわにゃいけません。ですから、補酵素である、亜鉛、マグネシウム、ビタミンB6、ビオチン等が足りないのは大問題です。貴女の体の中に、補酵素は十分ありますか? さあ、採血をして調べて見ましょう。特に重要な検査項目には、a003ani印付いてます。

ビタミンB6*

 皮膚病の救世主と呼ばれるビタミン。後述する全ての源である蛋白質の代謝を仕切ってるのも、このビタミンB6であります。だから蛋白質の代謝の指標とも言います。亜鉛が不足すると、ビタミンB6の吸収も低下しちゃう寂しがり屋のビタミンです。更に恐ろしい事に、ビタミンB群は吸収の過程を考えると単独で不足するって事はあり得ないので、他のビタミンB群も御一緒に摂取下さいませ。

 足りてるかどうかの検査項目とその理想値は、以下の通り。え? 検査項目って何?って貴女は、速攻<検査の裏読み(美容通信2007年3月号)>を読んで勉強しようね。

  • a003aniGOT・GPT:25U/l 両者の乖離0~2U/l
    因みに、アトピー性皮膚炎とは関係ないけど、GPTが一桁の人は乳癌のリスクが高いんだそうな。
    GOTよりGPTが低い人は、フォアグラ! メタ坊一直線なので、ダイエットに励もうね、美穂ちゃん♪
  • 尿素窒素(BUN):17.5~20mg/dl
  • クレアチニン(CRE):1.0mg/dl前後
    隠れ肥満判定にも使われる‥。
  • 尿酸(UA):5.0mg/dl前後
    噂では、3.5mg/dl以下に癌家系が多いんだとか!
  • 総コレステロール:180mg/dl~
    欝っぽいとか、ニキビや皮膚炎が中々治んないとか言う人は、意外にこの値が低い! 脂溶性ビタミン、蛋白質、ビタミンB群etc.の総合的な栄養欠損の指標です。

ビオチン*&マグネシウム

検査項目は、上記のビタミンB6と一緒です。だから、省略! マグネシウムは、ヒスタミンの濃度も下げてくれるよ~ん。

  • ALP:マグネシウムと亜鉛の欠乏の指標。
    180~200U/l

亜鉛

 亜鉛の仕事は、補酵素だけではありません。細胞の分裂や分化に関与する。つまりあのカサカサ・ガザガザと言った角化異常を、ビタミンAと共に改善してくれる働きがあるんです。だから、ニキビやアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎の治療には必須の栄養素。勿論、某有名育毛業者では、ハゲ・薄毛の人にバカスカ亜鉛投与して亜鉛漬けにしているとの噂通り、ハゲ・薄毛に効きます。二枚爪とか、脆くなった爪にも効きます。細胞の分裂や分化に関与するって事は、こう言う事です。更に付け加えておきますが、性ホルモンやインスリン等のホルモンの補因子でもある為、男性更年期外来でルーチンに処方されるサプリメントNo.1なのでもあります。意外に侮れない奴でしょ?

  • a003aniALP:180~200U/l
  • Zn:80μg/dl
  • Zn/Cu:1.1

 σ-6不飽和化酵素が活性が元々足りなくて、消炎の方向に上手く反応が進まないんなら、もう足掻くのは止めて次のステップに進んじまえ! 少々短気な飛び級希望とも言えなくはないですが、イギリスを中心としたヨーロッパでは、アトピー性皮膚炎にγ-リノレン酸を使うのは当たり前。更に、次の、次のステップを投与しちゃうのも、肉食の白人らしい合理主義? プロスタグランディン代謝改善の旗手・γ-リノレン酸、EPA、DHAを飲みましょう。因みに、これらについての検査項目はございません。ヨーロッパでは、症状がある人にはルーチンで処方している様です。


 さあ、もう一つのアトピー性皮膚炎の攻略の要は、角化異常の改善です。乾燥も角化異常だし、象のあんよみたいに分厚くガザガザに肥厚したアトピーの名残り肌も、角化異常。角化はアトピー性皮膚炎の増悪因子であるにも関わらず、洗ったから、擦ったから、中々落ちるものじゃありません。手強いんです。そこで、必殺仕事人、老化の救世主として名高いビタミンA(美容通信2005年2月号)の登場になります。

ビタミンA*

 ビタミンC、ビタミンEと共に、フリーラジカル・スカベンジャー(美容通信2004年11月号)として、諸悪の根源・活性酸素とも戦います。

  • a003ani尿酸(UA):5.0mg/dl前後
  • ALP:180~200U/l
  • Zn:80μg/dl
  • Zn/Cu:1.1

 絶対外してはならないメジャー所は以上の<局所の炎症>と<角化異常>2点ですが、まだまだ侮れない栄養素が一杯♪ その他編で~す。

蛋白質

 全ての源は、蛋白質にあり! これが不足していると、話にもなりません。蛋白質は、筋肉や皮膚、爪etc.の大御所のみならず、細胞膜や細胞内の小器官、サイトスケルトン等の構成蛋白質です。更に血中では、膠質浸透圧とpHの維持、各種物質の転送、凝固と線溶、防御と免疫etc.も営んでいます。多彩やなぁ~。総蛋白(TP)、ALB、γ-GTPは、蛋白質検査の三天王! 全てに低いと、北朝鮮の人民級♪

  • a003ani総蛋白(TP):7.5~8.0g/dl
  • a003aniALB:4.5%~

 唯、ALBの半減期は17~23日と長いから、ちょっとの間頑張って蛋白質採った位じゃデータは良くなんないぞ! まあ、言い換えると、ALBまで下がるようじゃ、かなり問題!って事でもある。

  • a003aniγ-GTP:20U/l台
  • 総コレステロール:180mg/dl~
    栄養障害の総合商社!?
  • 中性脂肪(TG):100mg/dl前後
    低い人には、重症病気が隠れている事が多いぞ~。
  • 尿素窒素(BUN):17.5~20mg/dl
    GOT・GPT:25U/l 両者の乖離0~2U/l
    ビタミンB6とセットで考えようね。
  • LDH:180U/I~
  • クレアチニン(CRE):1.0mg/dl前後
  • 尿酸(UA):5.0mg/dl前後
    Ca:10mg/dl前後

 骨!ってイメージが強いCaだけど、実は蛋白質と結合して戦ってくれてるんだよ~ん。MgやビタミンCと一緒に、痒~いの原因であるヒスタミン濃度も下げてくれます。

コンドロイチン

検査の項目はないけど、コラーゲンを作ってくれるお約束のサプリメント。

ビタミンC*

ご存知、フリーラジカル・スカベンジャー。これが無いと傷も治らないし、炎症後の色素沈着も中々消えなくなっちまう。

  • a003ani好中球(NEUTRO):50%・リンパ球(LYMPH):40%

 好中球(NEUTRO)>70%・リンパ球(LYMPH)<20%だと、交感神経がバリバリ興奮状態だと分かります。これじゃあ、ニキビもアトピーも悪くなって当たり前。
因みに、好中球(NEUTRO)<50%・リンパ球(LYMPH)>40%だと、副交感神経の亢進を意味し、気分がどよ~んと落ち込んで、デブ化すると言われている‥。

ビタミンE*

ご存知、これまた有名なフリーラジカル・スカベンジャー。細胞膜も守ります。

  • a003ani網状赤血球:0.8%前後

上がるって事は、壊れているから体も必死に作ってるって事なのさ。

  • γ-GTP:20U/l台

 意外な大人の女の落とし穴。
貧血が改善するだけで、皮膚がカブレ易いのが治るだけじゃなくて、疲れ易いとか、気分が何となくぱ~っとしないとか、イライラする、足が夕方になると格段に浮腫みっぽくなるとか、風邪引き易いとか、爪が割れ易いとか、抜け毛が気になるとか、シワくちゃでシミが中々消えない老け顔オバタリアンとか、口周りにニキビが出来るとか‥、随分と色んな事が改善するんです。少し脱線してしまいますが、皆さんが興味を抱きそうな所を補足してみましょうか。

肝臓のミクロゾーム内のチトクロームP450は、薬物代謝に関与しているので、貧血があると、折角投与した薬も効きが悪くなる。

 ミトコンドリア内の電子伝達系の構成要素であるチトクロームa、b、cは、ATP産生に関与しているので、貧血があると、疲れ易くなる。

貧血があると、カタラーゼ・ペルオキシダーゼと言う名前の消しゴム(活性酸素消去系ヘム鉄)を合成できなくなるので、シミが何時までたっても消えない! 消え難い!

 貧血があると、コラーゲンを作るのに必要な調味料(補酵素)が調達出来なくなっちゃうので、シワシワにもなるし、腱鞘炎にもなる。皮膚炎だってなり易くなる。血管の壁もろくに作れない有様陥って、直ぐ内出血起こしたりするようになる。毛は抜けるし、残った毛も細々と勢いも失せて乏しい、寂しい。

因みに、アメリカやカナダでは、鉄欠乏性貧血の母親からは、鉄欠乏性貧血の赤ん坊しか生まれて来ないから、フェリチン40ng/ml以下なら妊娠する資格なし!と烙印を押され、指導されるらしい‥。

皆さんも、貧血かどうか、早速調べてみましょう。

    • a003aniフェリチン:80ng/ml~
      自覚的に症状が劇的に改善するラインは、50ng/dl以上!
      鉄欠乏を最も正しく反映してくれます。
    • 血色素量(Hb):13.5g/dl~
    • 平均赤血球容積(MCV):90~93fl
      貧血が酷くなるにつれ、MCV→MCH→MCHCの順に減って行くのです。

 

  • 平均赤血球ヘモグロビン量(MCH):30~33pg
  • 平均ヘモグロビン濃度(MCHC):31~34%                     
    赤血球数
    ヘマトクリット(Ht)
  • 網状赤血球:0.8%前後
  • 血清鉄:100μg/dl~

 a003ani印に先ずフェリチンが挙げられるのは、不思議に思う方がいるかも知れません。貧血って言うと、血色素量(Hb)ってイメージが強いですから。でも、下の表を見てみましょう。

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 じゃ、鉄、どうやって摂るのが効果的なんでしょう。

 鉄は小腸粘膜上皮細胞でフェリチンとして貯蔵されていますが、これが乏しくなって来ると、腸管内から鉄輸送体蛋白の出現を促進する事で、吸収率を上げるんです。反対に過剰だと、今度は小腸粘膜の上皮細胞のターンオーバーを亢進させて、鉄を上皮細胞ごと剥離脱落させて、ウンコと一緒にバイバイ。つまり、口から鉄分を摂る分に於いては、強制注入する注射と違って、過剰になるなんて事はあり得ないんです。(鉄過剰で活性酸素による細胞障害を起こしちゃうのは、静脈注射とか輸血とかの強制注入だけなんですねぇ。)

 鉄には、2種類あります。一つが非ヘム鉄*。もう一つはヘム鉄。
非ヘム鉄*とは蛋白質と結合しない鉄で、植物性。吸収が2~5%程度と効率が悪いのと、飲み薬で飲むとムカムカし易いので飲み続けられない人が続発するのが欠点(だからって注射すると、先程述べた様な過剰症の危険と背中合わせになっちゃう)。それに、ちょっとこの子は神経質で、一緒に摂ると吸収が下がってしまう食べ物があるんです。例えば、お茶とかコーヒーと言ったタンニン、ダイエットの為に良く摂るファイバー、カルシウム、フィチン酸(玄米、豆類、全粒粉)。その他、胃酸分泌抑制作用のあるお薬も苦手です。が、保険適応になってるのは、何故かHISAKOにも謎なんですが、内服でも注射でも、この非ヘム鉄のみ。

 ヘム鉄は、お肉やお魚に含まれる、まあ、蛋白質と結合した鉄。とっても、吸収率が良くって、10~30%と、非ヘム鉄*の5~10倍です。

‥貴女は、どちらの鉄で手を打ちたいですか? 

Ca

骨っこにゃんにゃんのイメージが強いですが、必殺ヒスタミン殺し!?

  • a003aniCa:10mg/dl前後

 まあ、脂漏性皮膚炎(美容通信2004年9月号)何かが合併している様であれば、オリーブ葉エキスもあると良いですね。感染症に対する効果と共に、免疫力もパワーアップしてくれます。が、検査項目はありません。悪しからず。


 補った方が望ましい栄養素は色々予想が出来ますが、唯、問題は‥、*印しか、日本では保険は通らないんです。それも、保険で出せる量には上限があり、炎症を十分に抑制するには、まだまだ不足の事が多いんです。増して、個人の栄養状態だって違うのに、それを加味して処方量を増やすなんて事も当然保険の範囲外となってしまいます。不足分は諦めて、サプリメントで補いましょう。採血やオシッコのデータを基に解析し、不足分がどれ位あるのかを解析して飲むのが、一番無駄がなく効果が出る方法です。解析については、お気軽にスタッフにお尋ね下さい。

治療に利用する主な栄養素

 亜鉛、ビタミンB群(ビタミンB6、ビオチンetc.)、ビタミンC、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンE、γ-リノレン酸、EPA、DHA

霊感療法

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 医学的な(根拠のある)治療に飽き足らなくなったら、根拠のない非科学的な霊感療法に嵌ってしまうのも手です。信じる者は、病気自体は当然治らない、場合によっては悪化もするけど、心だけは救われた気がする。

 霊感療法で成果を上げる為のポイントは、以下の4つです。

  • ご先祖様の祟りです。
    このままでは、貴女は永遠に因果応報の連鎖の中で苦しみ続け、脱する事は出来ません。
  • 医学的な(科学的な)治療を超越した所にこそ、真の救いがあります。
    神の力は、医学の様な科学で割り切れる程単純ではありません。奥が深いのです。
  • 悪霊を取り除きましょう。
    お祓いをしましょう。水子の霊を供養しましょう。御利益のある壷を買いましょう。
  • 良くならないのは、貴女のお祓い供養が足りないからです。

 もっと高い壷を買いなさい。ついでに、印鑑も買いなさい。値段が高ければ高い程、御利益があります(笑)。

 旧約聖書『ヨブ記』は、アトピー性皮膚炎の記載のある最古の書物と言われています。”頭のてっぺんから足の裏まで酷い皮膚病に罹らせた。ヨブは灰の中に座り、素焼きの欠片で体中を掻き毟った。” ”寝る時、何時も思う事は寝付く事が出来るだろうか。” ”夜は長く、寝返りを打ち続ける。” ‥主人公ヨブは非の打ち所のない人物でしたが、アトピーの素因を持っていました。ある日突然、些細な切欠から、彼の身に次から次へと不幸(アレルギー的要因&非アレルギー的要因)が襲い掛かる様になりました。ステロイドが万能の神なら、何故アトピーで人は苦しむのか? ヨブを苦しみの意味を問い、神様と争います。

 アトピーっ子の誰もが悩む発症の理不尽さを主題にした『ヨブ記』は、私たちの人生の多くの問題に多くの示唆を与えてくれるに違いありません。数々の名言で知られるイギリスの思想家トーマス・カーライルは、『ヨブ記』を評してこのように言っています。「高貴なる一書、万人の書! それは決して終わることのない問題―すなわち人間の運命、および神がこの地上にある人間にどう対処されるかという問題についての最初にして最古の表明である。‥私は思う。聖書の中で、あるいは聖書の外で、これに比肩出来る文学的価値の作品は皆無である、と。」

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*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

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