HISAKOの美容通信2012年10月号
飲む日焼け止め
紫外線アレルギーならずとも、日焼け、光老化(シミやシワ、肌のくすみ、キメの粗い肌)や皮膚癌等のお肌の敵は、紫外線。
私達が、鏡を見て「年取ったなぁ」と実感する老化の諸症状の8割は、光老化とさえ言われています。これらの防止の為に、SPFやPAプラスの日掛け止めを塗るのは当たり前。
上級者は、飲む日焼け止めを併用して、完璧を目指して下さいませ。
勿論、尋常性白斑の治療中の方にも、是非、オススメです。
日焼け止め(サンスクリーン剤)って、塗るの面倒なんですよね。たっぷり塗らなきゃ効果はないし、でもたっぷり塗っても汗で流れるし、タオルで汗を拭けば拭いたで剥がれるし…、単に光老化が怖いだけのHISAKOでも結構うんざりする。
でも、紫外線アレルギーの患者さんにしてみれば、「うんざりする」とか「面倒だ」とかのレベルじゃなくて、日焼け止めを塗る事は即ち病気の予防な訳で、後追いで抗アレルギー剤を飲むよりはマシと、せっせと励まざる得ない状況に陥ってます。が、漏れ当る紫外線に苛められる事もしばしばなんです。
今月号で紹介するのは、”飲む日焼け止め”です。”塗る” Vs ”飲む”って考え方はしないで下さい。この”飲む日焼け止め”は、”塗る日焼け止め”を駆逐出来るほどの能力の持ち主ではありません。ですが、塗るだけでは防ぎきれなかった…謂わば取りこぼしを減らす的な存在として考えると、実に優秀。是非、試しておくんなまし。
従来の紫外線防御方法とは。
従来の紫外線防御方法と言えば、基本はブルカや二カーブの様な布っきれ。…まあ、イスラム教が成立するず~っと以前から、強烈な紫外線圏である中近東では、これらの布っきれは色んな名称で呼ばれながらも存在していた訳ですから、洋服を含む布きれってものは、実に有効な紫外線遮断効果があります。ですが、布きれなら何でもその防御効果は等しい訳ではなく、得意不得意ってものがあります。例えば、デニムの様な厚手の長袖、長ズボンは紫外線が通り難く、極めて優秀な紫外線防御法となり得ますが、ガーゼやストッキング、白いブラウス等は、殆ど素通しと変わりないので、下には日焼け止めを塗ってからの着用がお約束。
布の紫外線遮断効果の良し悪しを決める要素は、3つあり、それは色と織りと素材です。色に関しては、一般的には、真夏に鬱陶しく感じられる様な暗い色、濃い色程、紫外線をブロックする効果が高いとされています。右の図を見て下さい。
生地的には、ポロシャツに使われる鹿の子が紫外線のブロック率が高く、薄い生地や織り目が粗いガーゼ系は低くなっています。
素材的には、やっぱUVカットを謳っている繊維は、抜群のブロック率ですかね。
つまり、紫外線から本気で身を守りたければ、白い涼しげなリネンのシャツではなく、UVカットを謳った暑苦しい外見の黒いポロシャツにジーンズ姿が、ベストって事です(笑)。…そうは言われても、流石にそんな装いは女子力って点では極めて劣るし、何と言っても東京の夏は暑い!
そうなると、皮膚の上を包むもので完璧を期せないとあらば、皮膚の直上=水際での紫外線防御作戦の併用で防御率を上げるしかありません。
日焼け止めの選びについては以前美容通信(美容通信2003年7月号・美容通信2003年8月号)でも触れましたが、老化の8割を占める原因が光老化となれば、流石に、UVA遮断効果の高いPA+++を選択するのが一石二鳥系で賢い女子のする事かな。
唯、日焼け止めだけで、完全な遮光が可能かと問われると‥、実際問題として、不可能なんですよ。規定量である2mg/cm2を塗るなんて殆ど塗り壁状態で恥ずかしくて外歩けない(笑)。具体的には、顔全体の面積なら、クリームタイプでパール玉2つ分(約0.6g)が、2mg/cm2に相当する量です。ローションタイプなら1円玉硬貨2枚分(0.6ml)なんですよ。(下図;出典:文光堂”1冊でわかる光皮膚科”より)
結構な量でしょ? 因みに、世の中の一般ピープルが塗ってる量は、規定量より笑っちゃう位少なくて、平均で0.392mg/cm2。つまり、5分の1の量程度なんだそうです。規定量の半分しか塗らないと、効果はSPF値では20~50%に減る。‥ん、じゃあ、規定量の5分の1なら‥、その効果は推して知るべし!?
そうこうして塗り壁を作成しても、汗を掻けば崩れるし、汗をハンカチで拭っただけでも剥げ落ちる(笑)。手なんかは、おトイレで手洗う度に塗り直さないといけない。‥そうなると、手首や足首、首筋と言った、洋服等での遮光サポートが中々期待出来ない様な場所については‥、太陽が燦々と照りつける状況での屋外スポーツやお散歩、野良仕事はちょっとお休みするか、若しくは、これからお話する、”飲む日焼け止め”を併用するかって選択肢を考えないと、ね。
つまりは、日焼け止め(サンスクリーン剤)は塗るだけじゃ不十分なんだ。
何となく、塗るだけでは不十分だった人生を、今ひしひしと感じているのではないかしら(笑)。前述と重複する部位が殆どではありますが、駄目押し的に纏めときますね。
- 思い込みだけで、テキトーに塗っていた。
- ちゃんと皮膚全体に塗っていない。塗り残しの場所がある。
- 塗付量が圧倒的に少ない。…ケチ。
- お出かけ前に一度塗ったら、帰るまで全くお直し(再塗付)をしない。
- こ、高度暴露!? and/or 危機的な状況!?
- 例えば、以前特集した”光接触皮膚炎”(美容通信2009年7月号)もそうですが、所謂”紫外線アレルギー”で苦しむ紳士淑女の皆様にとっては、太陽は謂わば凶器。その他、”白斑”(美容通信2006年3月号)を患っている患者さんにとって、白い部分とは、本来紫外線から遺伝子を防御してくれる色素がいないって事ですから、無防備な紫外線暴露は遺伝子変異(=癌化)の危機的状況にもなります。
- 光老化の最大の犯人であるUVAに対し、全然万全とは言えない…寧ろお粗末の極み的な予防策
- UVA量は一日を通して、更に一年中比較的一定。つまり、雨が降っていようと、屋内にいようと、気怠い午後であろうとなかろうと、そして真冬だって、一定って事です。
- 殆どの外用の日焼け止め防止製品は、UVAスペクトラム全域をカバーしている訳ではなく…、防御漏れの波長域があるんだそうな。
飲む日焼け止めは、確かに大昔からあったがぁ…。
飲む日焼け止めってモン(経口光防御剤)は、確かに大昔からありました。当初は、ほぼ例外なくβカロテンをベースとしており、その抗酸化作用に期待するところが大だったみたい。その後、UV照射と皮膚機構に関する研究が進み、皮膚損傷についての関心が増大した結果、より高度な抗酸化物質の合剤が開発されるに至ったんだそうです。 最近では、幾つかの製品に、免疫防御を謳った成分が含有されている(Inneov:Probiotic)んだそうです。なかでも、FERNBLOCKは、UV照射に対する最も完全で実証済みの防御を誇る成分なんだそうです。
特性 | FERNBLOCK |
緑茶 |
カロテノイド |
ビタミンC |
ビタミンE |
ビタミンC+E |
乳酸菌 |
||
スーパーオキシドアニオンを捕捉 一重項酸素を捕捉 ヒドロキシルラジカルを捕捉 脂質過酸化を抑制 MMPを阻害 TRANS-CIS UCAを阻害 |
○ |
○ ○ ○ ○ ○ ○ |
– ○ ○ ○ – – |
– ○ ○ ○ – – |
– ○ ○ ○ – – |
– ○ ○ ○ – – |
– ○ ○ ○ – – |
||
ヒト試験 | 単回経口投与 |
MED増加 MPD増加 日焼け細胞減少 チミンダイマー減少 ランゲルハンス細胞を保存 マスト細胞浸潤を減少 |
○ ○ ○ ○ ○ ○ |
– – – – – – |
× × – – × ○ |
× × – – × ○ |
× × – – × ○ |
○ – ○ ○ – ○ |
– – – – – – |
反復経口投与 |
MED増加 | ○ | – | ○ | ○ | ○ | ○ | – | |
動物試験 | ランゲルハンス細胞を保存 | ○ | – | – | – | – | – | – |
HELIOCARE ORAL ULTRA 30 カプセル
”HELIOCARE ORAL ULTRA 30 カプセル”は、医療用光免疫防御なので、そんじょそこらのチャラ(コスメティック)系とは違います。光線性皮膚症(所謂、紫外線アレルギーって奴です、はい)、皮膚癌の既往歴、免疫抑制治療中、色素過剰、光感作療法、光線療法のコアジュバント、眼保護(ルテインの効果による)、単に美容的な光老化対策に適応があります。
ですが、中身の成分がオドロオドロしいモノかって言うとそんな代物ではなくて、下記の通り。
[組成]Fernblock 480 mg・ビタミンC及びE・ルテイン・リコピン
1日1回、朝1(~2)カプセル服用により、1回目のカプセル服用から4段階(抗酸化作用・DNA修復・免疫学的作用・皮膚構造)の光防御効果が実証されているんだそうな。…個人的には、飲む事で、塗る日焼け止め(サンスクリーン剤)で防御し切れない領域を補う的な使い方をするのがベストじゃないかと思ってます。
飲む日焼け止めの主成分・FERNBLOCKを徹底解剖!
FERNBLOCKは、シダの一種(Polypodium leucotomos)から抽出した。
Polypodium leucotomos(ポリポディウム属)は、ホンジュラスに原産のシダの一種で、古代マヤ人は、血液浄化(クレンジング)剤として飲んでいました。ホンジュラスでは今なお人気の民間療法として使用されています。効果・効能についてですが、後に述べる経口投与際の際に特に有効とされる紫外線防御効果の他、抗炎症作用、脳細胞を保護し記憶力の改善や、痴呆、アルツハイマーと言った精神疾患に対し、又、自己免疫疾患(過剰な免疫細胞の調節による)の治療や、喘息、心臓病等々と、ま~、盛り沢山の薬草だこと(笑)!
民間療法のレベルではなく、ちゃんとお薬の原材料として使用するとなると、そこら辺の草っ原に野放図に自生するPolypodium leucotomosをそのまま使用する訳にはいきませんから、綿密に管理された条件下(農薬又は化学薬品不使用!)で厳選された植物から抽出したんだそうです。更に、医薬品品質基準に従った厳密な検査法を採用して、ハーバード・メディカル・スクールにおける光防御分野の第一人者( Fitzpatrick, Pathak, Gonzalezなど)による15年間にわたる調査及び臨床研究の末、安全で有効な成分として、FERNBLOCKは、過去10年間で主要な科学雑誌(J Am. Acad. Derm.; J Derm Science; Photoderm, Photoimmun & Photomed)の20報以上に掲載されているんだそうな。それ故、市販製品のなかで最も完全な経口光防御剤として認知されるに至ったんだそうです。(←ま~あ、スペインのIndustrial Farmaceutica Cantabriaの受け売りなんで、「そうな」「そうな」(笑))
何で皮膚に良いんだ?
FERNBLOCKが皮膚の保護に働く機序としては、4つの作用が挙げられます。①抗酸化作用、②免疫防御作用、③細胞DNA保護作用、④皮膚構造の保存です。
抗酸化作用
発色団はUV照射を吸収する一方で、化学変化を受け、これによりO2 や他の分子と結合する反応性の高い電子を失って、ROS(活性酸素種)やフリーラジカルを発生させます。主なモノとしては、スーパーオキシドアニオン O2-、 ヒドロキシラジカル OH-、一重項酸素 1O2、過酸化水素 H2O2が挙げられます。これらは下図の様に、皮膚癌や日光弾性線維等の疾患の原因となります。
Fernblockは強力な抗酸化活性を有し、UV照射によって起こるフリーラジカルやROSの発生を抑制してくれるんです。嘘でない証拠に、論文を列挙しておきますね。
- PLEはin vitro反応で、活性酸素、脂質過酸化反応の発生に関与する光酸化ストレスに対して、興味深い抗酸化特性を示すことが明らかとなった。 - 55% スーパーオキシドアニオン (Gonzalez S, Pathak MA, Photodermatol Photoimmunol Photomed, 1996) - 10% 一重項酸素 - 50% 脂質過酸化
- PLには抗酸化作用が認められた。(Gomes AJ, Lunardi CN, Gonzalez S, Tedesco AC, Braz J Med Biol Res, 2001)
- Polypodium leucotomos抽出物は無毛ラットモデルでUVB/UVA照射によって誘発されるグルタチオン酸化を阻害しランゲルハンス細胞の枯渇を予防(2008. Mulero M, Rodriguez-Yanes E, Nogues MR, Giralt M, Romeu M, Gonzalez S, Mallol J./ Exp Dermatol)
- DNA修復並びに可能性のあるDNA修復アジュバント及び特定の天然抗酸化物質のレビュー(2007. Emanuel P, Scheinfeld N. /Dermatol Online J)
- Polypodium leucotomos抽出物:光防御特性をもつ栄養補助食品(2007.Gonzalez S, Alonso-Lebrero JL, Del Rio R, Jaen P. /Drugs Today (Barc))
- Polypodium leucotomos抽出物はトランスウロカニン酸の光異化性及び光分解を抑制(2006. Capote R, Alonso-Lebrero JL, Garcia F, Brieva A, Pivel JP, Gonzalez S. /J Photochem Photobiol B)
- シダ植物Polypodium leucotomosの気中部の水溶性抽出物であるFernblockのフェノール類成分及び抗酸化活性(2006.Garcia F, Pivel JP, Guerrero A, Brieva A, Martinez-Alcazar Caamano-Somoza M, Gonzalez S. /Methods Find Exp Clin Pharmacol)
- Polypodium leucotomos抽出物:抗酸化活性及び性質(2006. Gombau L, Garcia F, Lahoz A, Fabre M, Roda-Navarro P, Majano P, Alonso-Lebrero JL, Pivel JP, Castell JV, Gomez-Lechon MJ, Gonzalez S. /Toxicol In Vitro)
- シダ植物Polypodium leucotomos親水性抽出物のヒト皮膚細胞に対する光防御特性(2003. Alonso-Lebrero JL, Dominguez-Jimenez C, Tejedor R, Brieva A, Pivel JP J Photochem Photobiol B)
- Polypodium leucotomos抽出物及びコウジ酸の抗酸化作用:活性酸素種との反応(2001. Gomes AJ, Lunardi CN, Gonzalez S, Tedesco AC. /Braz J Med Biol Res)
- Polypodium leucotomosによる紫外線誘発性の活性酸素種形成、脂質過酸化、紅斑及び皮膚光感作阻害(1996. Gonzalez S, Pathak)
- 31% スーパーオキシドアニオン
- 43% 一重項酸素
他にも、
免疫防御作用
紫外線に晒されていると、免疫抑制活性により、皮膚の免疫監視システムが弱体化! 細菌や真菌、ウイルス等々の餌食になる(感染)だけでなく、腫瘍に対する防御能も弱まる…つまり癌って事ですかねぇ。…諸悪の根源は、①ランゲルハンス細胞の死及び非活性化、②抗原を伴わないリンパ腺へのランゲルハンス細胞の遊走による免疫抑制です。兎に角、紫外線暴露によりランゲルハンス細胞が枯渇してしまうって事態は、皮膚癌発生の引き金になり得るって事なんです。怖いですねぇ。
でも、ご安心を! Polypodium leucotomos抽出物が、貴女を危機的な状況から救ってくれます(←大げさ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)。論文によると、
- PL処理後の皮膚では、72時間後の時点でPL未処理の皮膚と比してUVRに反応して表皮1mm2当たりのランゲルハンス細胞保存数が多かった。
- PLEはUVAおよびUVBの光誘発によるトランスウロカニン酸(t-UCA)の光異化性を抑制する。これらの結果から、皮膚免疫監視に直接関与する皮膚細胞と内因性分子の保護にPLEを利用できる可能性が示唆された。(Capote R, et al, J Photochem Photobiol: Biology, 2006)
- 皮膚光防御に関する最新情報(2008. Gonzalez S, Fernandez-Lorente M, Gilaberte-Calzada Y. Clin Dermatol)
- Polypodium leucotomos抽出物は、無毛ラットモデルにおいてUVB/UVA照射によって誘発されるグルタチオン酸化を阻害し、ランゲルハンス細胞の枯渇を予防する。(2008. Mulero M, Rodriguez-Yanes E, Nogues MR, Giralt M, Romeu M, Gonzalez S, Mallol J./ Exp Dermatol)
- Polypodium leucotomosは紫外線B照射によって誘発される免疫抑制を阻害する。(2008. Siscovick JR, Zapolanski T, Magro C, Carrington K, Prograis S, Nussbaum M, Gonzalez S, Ding W, Granstein RD. / Photodermatol Photoimmunol Photomed)
- Polypodium leucotomos抽出物:光防御特性を持つ栄養補助食品(2007. Gonzalez S, Alonso-Lebrero JL, Del Rio R, Jaen P. Drugs Today (Barc))
- 特発性光線性皮膚症患者25名における経口Polypodium leucotomos抽出物の光防御活性(2007. Caccialanza M, Percivalle S, Piccinno R, Brambilla R./ Photodermatol Photoimmunol Photomed)
- Polypodium leucotomos抽出物は太陽光の模擬照射によるTNF-α及びiNOSの発現、転写活性化並びにアポトーシスを阻害する。(2007. Janczyk A, Garcia-Lopez MA, Fernandez-Penas P, Alonso-Lebrero JL, Benedicto I, Lopez-Cabrera M, Gonzalez S./ Exp Dermatol)
- Polypodium leucotomos抽出物:光防御特性のある栄養補助食品(2007. Gonzalez S, Alonso-Lebrero JL, Del Rio R, Jaen P. Drugs Today (Barc))
- 全身性白斑に対するPUVA療法におけるアジュバントとしてのPolypodium leucotomosの全身性免疫調節作用:パイロット研究(2006. Reyes E, Jaen P, de las Heras E, Carrion F, Alvarez-Mon M, de Eusebio E, Alvare M, Cuevas J, Gonzalez S, Villarrubia VG. J Dermatol Sci)
- Polypodium leucotomos抽出物の経口投与により、ヒト皮膚のソラーレン-UVA誘発光毒性、色素沈着及び損傷を減少させる。(2004. Middelkamp-Hup MA, Pathak MA, Parrado C, Garcia-Caballero T, Rius-Diaz F, Fitzpatrick TB, Gonzalez S./ J Am Acad Dermatol)
- シダ植物Polypodium leucotomos(Difur)は、in vitroでTh1/Th2サイトカイン平衡を調節し、in vivoでは抗血管形成活性を示す:病原との関連及び治療との関連(2000. Gonzalez S, Alcaraz MV, Cuevas J, Perez M, Jaen P, Alvarez-Mon M, Villarrubia VG. Anticancer Res)
- Polypodium leucotomos抽出物は、無毛アルビノマウスの動物モデルにおいて特定の光老化による変化を最小限に抑える。パイロット研究(1999. Alcaraz MV, Pathak MA, Rius F, Kollias N, Gonzalez S. /Photodermatol Photoimmunol Photomed)
- Polypodium leucotomos抽出物の局所又は経口投与は、急性日光皮膚炎及びソラーレン誘発光毒性反応のほか、ヒト皮膚のランゲルハンス細胞枯渇も予防する。(1997. Gonzalez S, Pathak MA, Cuevas J, Villarrubia VG, Fitzpatrick TB. /Photodermatol Photoimmunol Photomed)
- シダ植物Polypodium leucotomosの抽出物は、in vitroでヒト末梢血の単核球増殖を阻害する。(1997. Rayward J, Villarrubia VG, Guillen C, Prieto A, Rodriguez-Zapata M, Sada G, Alvarez-Mon M./ Int J Immunopharmacol)
- Polypodium leucotomosによる紫外線誘発の活性酸素種形成、脂質過酸化、紅斑及び皮膚光感作阻害(1996. Gonzalez S, Pathak MA./Photodermatol Photoimmunol Photomed)
UV照射 | UV照射 + PL処理 |
|
LC x mm2 表皮 | 18,56 | 24,80 |
(Gonzalez S, Pathak MA, Fitzpatrick TB, Photodermatol Photoimmunol Photomed, 1997)
そうなんです。Fernblockはランゲルハンス細胞を保護し、trans-UCAの光異化性を 抑制してくれるんです。
他にも、免疫防御作用についての論文は盛り沢山。
DNA保護作用
UVを照射すると、DNAは壊れてしまう…。
- 2本のDNA鎖の融合(チミンダイマー):病変の70%
- DNA鎖の1本を切断(鎖切断)。
- 蛋白質による鎖の結合(タンパク質の架橋)。
DNA損傷は、チミンダイマーと日焼け細胞の増加によって検出されるんです。
- チミンダイマーには変異原性があり、発癌の原因となる。
- 日焼け細胞は、表皮細胞が回復不可能な損傷(DNA損傷など)を受けたときに出現。
- 24時間経過時点の表皮1 mm2当たりの日焼け細胞数は、PL-未処理皮膚と比べPL-処理皮膚で有意に少なかった(p = 0.03)(Middlekamp M. et al., J. Am Acad Derm, 2004 (a, b))
- 24時間経過時点で、PL-未処理皮膚と比べPL-処理皮膚でのチミンダイマー量は、有意に少なかった(p < 0.001)。 これはDNA損傷を減少させる経口抗酸化剤に関する初めての報告であり、PLによって皮膚癌などの長期にわたる皮膚損傷を予防できる可能性があることを示唆している。従って、PLによるチミンダイマー量の有意な減少が期待出来る。(Middlekamp M. et al., J. Am Acad Derm, 2004 (a))
- 経口Polypodium Leucotomos抽出物は、Xpc+/-マウスに対してUVによって誘発されるCOX-2発現量を減少させ、UVによって誘発される光産物の除去を促進する。(2009. Guillaume A, Helms B, Arad S, Gonzales S, Goukassian DA. Poster.67th Annual Meeting of the Society for Investigative Dermatology (SID) (Pending publication))
- Polypodium leucotomosは紫外線B照射によって誘発される免疫抑制を阻害する。(2008. Siscovick JR, Zapolanski T, Magro C, Carrington K, Prograis S, Nussbaum M, Gonzalez S, Ding W, Granstein RD. / Photodermatol Photoimmunol Photomed)
- 狭帯域のUVB及び経口Polypodium leucotomos抽出物による尋常性白斑の治療:ランダム化二重盲検プラセボ対照試験(2007. Middelkamp-Hup MA, Bos JD, Rius-Diaz F, Gonzalez S, Westerhof W. /J Eur Acad Dermatol Venereol)
- Polypodium leucotomos抽出物:光防防御特性を持つ栄養補助食品(2007. Gonzalez S, Alonso-Lebrero JL, Del Rio R, Jaen P. Drugs Today (Barc))
- DNA修復並びに可能性のあるDNA修復アジュバント及び特定の天然抗酸化物質のレビュー(2007. Emanuel P, Scheinfeld N. / Dermatol Online J)
- 経口Polypodium Leucotomos抽出物は、Xpc+/-マウスに対してUVによって誘発されるCOX-2発現量を減少させ、UVによって誘発される光産物の除去を促進する。(Guillaume A, Helms B,Arad S, Gonzales S, Gounkassin)
こんなDNAの危機を救うのが、Fernblock。UV照射によって生じるDNA損傷を減少させてくれるんです。具体的には、上記の真反対。日焼け細胞数の減少と、チミンダイマー数の減少です。
DNA細胞修復に於ける最新の耳より情報についても、ついでと言ってはなんですが、載せときま~す。
マウスのIN VIVO試験
目的は、PL経口投与がUVによって誘発されるCOX-2発現に影響を及ぼすかどうかを調べることであった。
結論
天然抗酸化物質であるPolypodium Leucotomosの経口投与によって以下の光防御が得られる。
>>> UVによって誘発される急性炎症反応を減少。
>>> UVによって誘発されるCox-2酵素レベルを阻害。
>>> UVによって誘発される光産物(CPD)の除去を促進する。
…経口PLがUVによって誘発されるCOX-2発現量を減少させる事から、臨床結果は光線誘発皮膚癌の予防薬としての経口PLを正当化するものである。
皮膚構造の保存
紫外線に慢性的に、若しくは何度も何度も晒されていると、左図の様に、皮膚の早期老化や「光老化」(皮膚の肥厚、弾力の喪失、皺やたるみ)にどぼっと陥ってしまうのは、以前特集した通り(美容通信2003年7月号)(美容通信2003年8月号)。 皮膚の光老化は、線維芽細胞への直接的な損傷とMMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)産生増加で引き起こされちゃうんですね。
Fernblockは、下記の機序にて、皮膚構造の変化を防ぐとされています。
- UV照射によって誘発される線維芽細胞の変化(死、機能性、形態)を減少させる。
- UV照射によって誘発されるMMP産生を抑制する。
- 細胞がUVA光に曝露されると、PLEは効率的にヒト線維芽細胞を保存し増殖能力を回復させる。(Alonso-Lebrero JL et al, J Photochem Photobiol Biology, 2003)
- PLEを用いた細胞処理は、UVよって誘発されるヒト線維芽細胞の形態変化、すなわちFアクチンに基づく細胞骨格構造の破壊、チューブリン細胞骨格の癒合を予防した…。(Alonso-Lebrero JL et al, J Photochem Photobiol Biology, 2003)
- Polypodium leucotomos抽出物による直接又は皮膚線維芽細胞、紫外線照射線維芽細胞及びメラノーマ細胞におけるマトリックスメタロプロテアーゼと阻害物質(線維性コラーゲン、形質転換成長因子β)の有益な調節(2009.Philips N, Conte J, Chen YJ, Natrajan P, aw M, Keller T, Givant J, Tuason M, Dula L, Leonardi D, Gonzalez S.Arch Dermatol Res)
- 紫外線を曝露した線維芽細胞及び角化細胞における膜の完全性、脂質過酸化、エラスチン及びマトリックスメタロプロテアーゼ-1の発現に対するPolypodium leucotomosの主な効果(2003. Philips N, Smith J, Keller T, Gonzalez S. J Dermatol Sci)
- Polypodium leucotomos抽出物は、無毛アルビノマウスの動物モデルにおいて特定の光老化による変化を最小限に抑える。パイロット研究。(1999. Alcaraz MV, Pathak MA, Rius F, Kollias N, Gonzalez S. / Photodermatol Photoimmunol Photomed)
- Polypodium leucotomos抽出物:光防御特性を持つ栄養補助食品(2007. Gonzalez S, Alonso-Lebrero JL, Del Rio R, Jaen P. / Drugs Today (Barc))
論文にも下記の様な記載があります。
赤くだってなんないぞ!~紅斑予防
またまた、復習になりますが、UV照射は皮膚の色素沈着を引き起こし、過剰な照射を受けた日には、HISAKOなんぞは正に真っ赤に爛れた焼き豚状態(=紅斑)になります(特にUVB)。UVA は、既存のメラニンの酸化により、即時型色素沈着(IPD、2~4時間)を引き起こします。 UVB は、メラニン細胞の活性化、新たなメラニンの産生促進、メラニンの角化細胞への移動促進により、遅延型色素沈着(24~72時間)を引き起こす波長域の紫外線です。
ですが、Fernblockを内服する事で、急性日光皮膚炎及びPUVAによって誘発される光毒性反応から皮膚を保護する事が可能です。何でかって申しますと、
- PLEの局所投与はUVBによって誘発されるヒト皮膚紅斑反応を効果的に防御し抑制した。UVA曝露前に局所投与した結果、光増感反応が有意に抑制された(一部中略)。(Gonzalez S, Pathak MA, Photodermatol Photoimmunol Photomed, 1996) …何でも、PLEは日光に対する抵抗性を3倍にした(x 3 MED) [MED:最小紅斑量]んだとか。
- PL経口投与後、MEDは2.8 +/- 0.59倍に増加し、MPDは使用したソラーレンの種類に応じて2.75 +/- 0.5倍又は6.8 +/- 1.3倍に増加した。(Gonzalez S, Pathak MA, Fitzpatrick TB, Photodermatol Photoimmunol Photomed, 1997)
- UV照射(太陽シミュレータ)曝露後24時間経過した時点での評価では、PL処理を受けた皮膚は、PL未処理の皮膚と比べて急性紅斑反応が明らかに少なかった(p<0.01)。(Middlekamp M. et al., J. Am Acad Derm, 2004 (a))
- PUVA療法を受けた患者では、PL経口投与によって光毒性(紅斑及び浮腫)が有意に減少した(p<0.005)。これは、PUVA曝露についてのすべての評価時点で観察された。(Middlekamp M. et al., J. Am Acad Derm, 2004 (b))
- Polypodium leucotomos抽出物:光防御特性を持つ栄養補助食品(2007. Publications available in Gonzalez S, Alonso-Lebrero JL, Del Rio R, Jaen. /Drugs Today (Barc))
- Polypodium leucotomos抽出物は太陽光の模擬照射によるTNF-α及びiNOSの発現、転写活性化並びにアポトーシスを阻害する。(2007. Janczyk A, Garcia-Lopez MA, Fernandez-Penas P, Alonso-Lebrero JL, Benedicto I, Lopez-Cabrera M, Gonzalez S. / Exp Dermatol)
- Polypodium leucotomos抽出物の経口投与は、紫外線誘発によるヒト皮膚の損傷を減少させる。(2004. Middelkamp-Hup MA, Pathak MA, Parrado C, Goukassian D, Rius-Diaz F, Mihm MC, Fitzpatrick TB, Gonzalez S./ JAm Acad Dermatol)
- Polypodium leucotomosによる紫外線誘発性の活性酸素種形成、脂質過酸化、紅斑及び皮膚光感作阻害(1996. Gonzalez S, Pathak MA./ Photodermatol Photoimmunol Photomed)
- Polypodium leucotomos抽出物の局所又は経口投与は、急性日光皮膚炎及びソラーレン誘発光毒性反応のほか、ヒト皮膚のランゲルハンス細胞枯渇も予防する。(1997. Gonzalez S, Pathak MA, Cuevas J, Villarrubia VG, Fitzpatrick TB. /Photodermatol Photoimmunol Photomed)
こんな時にこそ、FERNBLOCKがオススメ!
肝斑及び色素過剰
最近の研究によって、MSH(メラニン刺激ホルモン)の増殖亢進は、酸化ストレスによって生じている可能性が示唆されています。実際に、一重項酸素(O2-)は、メラニン形成に必須の基質なんですよ。
DNA損傷とその後の修復も、メラニン産生増加の原因となる可能性があるんだそうな(①Gilchrest BA, Eller MS, J Investig Dermatol Symp Proc 1999 ②Pedeux R, Al-Irani N, Marteau C, J Invest Dermatol 1998 ③Eller MS, Ostrom K, Gilchrest BA, Proc Natl Acad Sci USA 1996)。
ご安心を! Fernblockは、その光防御活性、抗酸化活性(一重項酸素など)、DNA損傷予防により、色素過剰のリスクを減少させます。酸化ストレスの話は、以前にも特集しているので参考にしてね(美容通信2011年4月号)(美容通信2004年11月号)(美容通信2010年10月号)。
光線療法のアジュバント
光線治療(PUVA、PUVASOL、NB-UVB等)は、白斑(美容通信2006年3月号)や円形脱毛症(美容通信2004年2月号)、掌蹠膿疱症(美容通信2006年5月号)、乾癬(美容通信2008年4月号)他、炎症性疾患等、数多くの皮膚障害の際に、一般的に行われる治療選択肢の一つです。ところが、以前お話した様に、両刃の剣ではありませんが、これらの治療は有効である一方、重大な副作用(合併症?)により使用が妨げられたり制限される場合があります。
例えば、PUVA療法。50年以上前にEl Mofry先生が始めたこの療法は、嘗ての(未だに?)gold standardで、Psofalen(ソラレン)Ultra-Violet A(ウルトラバイオレットA)の頭文字を取ってPUVAと言います。言葉が示す様に、紫外線照射前に、紫外線を吸収し易くするオクソラレンと言う薬を予め塗布(10~30分前)or内服(2時間前)しておくのがお約束です。このオクソラレンはimage450.gifイカの抽出物で、これを併用する事により紫外線の照射量を減らせる事が出来るですがぁ…、照射を行った部分は勿論、内服の場合は照射しない部分も、完全にオクソラレンが体の中から代謝され排出されるまでは、ギンギンに紫外線に対する感受性が上がってしまいます。それ故に、入院が基本なんですよ。日光が当たると火傷しちゃう可能性があるので、通院の場合は、要・厳重梱包ファッション。特に、内服の場合は、目に対する副作用を避ける為に、内服後8時間はサングラスは必須です。
…こんな嬉しくないオマケ対策としても、Fernblockは大活躍! 副作用の多くを防ぐのに役立ち、光線治療の安全性を高めるだけでなく、更に更に、一部の適応症では、Fernblockによって臨床効果が得られ、 治療成績の向上も期待出来ちゃうんです、はい。なんてたって、広範な臨床データによって、FernblockにはUVA、UVB及びPUVA曝露中にROS、フリーラジカル及び光毒性から肌を防御し、DNA及びランゲルハンス細胞の損傷を防ぐ能力がある事が実証されていますからね。
白斑に於ける臨床効果
白斑はよく見られる色素性皮膚障害で、その病因は様々で依然として不明瞭。表皮のメラニン細胞減少によって生じる乳白色の脱色素斑(無色斑)を特徴となっています。
現在のところ、白斑のメラニン細胞減少は、自己免疫プロセスによって生じるとした仮説が最も有力視されています。白斑患者の血清を分析した結果、メラニン細胞を破壊する作用を有する細胞傷害性T細胞の値が高いことが明らかとなっているからです。
実質的な証拠を備えたもう一つの理論は、白斑のメラニン細胞減少の原因は、フリーラジカルやROSの増加、又は内因性抗酸化防御の減弱による酸化ストレスであるとするものです。
Fernblockが白斑の治療に効果的とされる理由は、その免疫調節作用と抗酸化特性です。特に免疫調節作用については、FernblockにはT細胞活性化に対する免疫調節作用があり、メラニン細胞に対する自己反応性T細胞の増殖を阻害又は減少させることが示されています。 (Brieva A, Guerreo A, Pivel JP, Inflammopharmacol, 2002)(Reyes E, Jaen P, de las Heras E, J Derm Sci, 2006)
特発性光線皮膚症
一番、この飲む日焼け止めの需要として高いのが、「特発性光線皮膚症」でしょう。「特発性光線皮膚症」と言われてもピンと来ない人が殆どだとは思いますが、世の中では、所謂、”紫外線アレルギー”とか、”日光アレルギー”、”日光蕁麻疹”とか呼ばれている代物で、UV曝露によって生じる紅斑、そう痒を伴う湿疹、丘疹及び小水疱を特徴とする皮膚反応の事。何でこんな事が起こるのかは、未だに良くは分っていないんですがぁ、最近の研究によって、酸化ストレスが重要な役割を果たしているんじゃないかぁと考えられています。( Krutmann J, J Dermatol Sci, 2000)(Ahmed RS et al, Indian J Med Res, 2006)(Wolber R et al, J Dtsch Dermatol Ges, 2004)(Hadshiew IM et al, Photodermatol Photoimmunol Photomed, 2004.)
特発性光線皮膚症のうち最も多い病型は、人口の約10%に発症する多形日光疹であり(女性に多く、あらゆる人種で見られる)、次いで日光蕁麻疹と慢性光線過敏性皮膚炎が多いとされています。
光防御及び抗酸化活性って意味で、Fernblockは 特発性皮膚疾患の症状緩和や解消にとっても有効なアイテムなんです。最後に補足として、論文のサマリーを載せときましょう。
- 特発性皮膚疾患の治療に広く用いられる全身薬及び外用薬では改善が認められなかった患者を対象とした点を考慮すると、結果(患者の49%で改善を認め、31%で光曝露に対する反応の正常化を認めた)は十分満足できるものである。(Caccialanza M, Percivalle S, Piccinno R, Photodermatol Photoimmunol Photomed 2007)
*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。
※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。
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来月号の予告
皮膚の大掃除って訳ではありませんが、しっかり汚れを落とすだけでも、女っぷりは随分と上がります。
”ハイドラフェイシャル”です。