コラム 食事で体を治す 2016年7月01日
乳がんと戦う食べ物たち
ホルモン依存性癌の代表格が、乳がんです。先日、歌舞伎俳優・市川海老蔵さんの妻で
フリーアナウンサーの小林麻央さん(33)が
進行性の乳がんを患っていることが分かりました。
女性にとって、乳がんは決して他人事ではありません。
加齢によるホルモンバランスの変化や長期間にわたるホルモンの刺激が、がん細胞の増殖を促進したことが、発病の原因とされています。
特に最近は、以前から指摘されていた欧米型の高カロリー・高脂肪の食生活の他に外因性のエストロゲン、例えば、焦げ付き防止の調理器具やクリームやバター等の脂肪性食品に接する柔らかいプラスチックの容器やスプーンやフォーク、スパチュラ等の柔らかいプラスチック製品、家庭用洗剤、日焼け止めクリーム等々の存在も関与しています。
つまり、環境汚染で生成される化学物質が
厚かましくもエストロゲン受容体に結合して
内因性のエストロゲンとの結合を阻んでしまうのです。
こうなると、エストロゲン優位の状態、もしくは過剰な状態が続き
正常なホルモン作用が妨げられ、代替のシグナル経路、
細胞損傷、DNAエラーと、癌化一直線の経過をたどります。
つまり、乳がんや子宮がんなどのホルモン依存性のがんとはいえど
単に体の中を血液に乗っかって循環している
エストロゲンの総量がどれ位あるかではなくて
いかにエストロゲンを処理(代謝)する能力があるか
また、外因性のエストロゲンをどれだけ排除しているかで
その発癌性が変わってくるんですねぇ。
エストロゲンの代謝状況は、その代謝物を尿検査で調べることで分かります。
クリニックでは代謝経路のどこに問題があるかにより
細かく食生活の指導やサプリメントの処方を行います。
「フィトケミカル」って言葉を、聞いたことがありますか?
通常の身体機能維持には別になくても困らないんだけど
病気を予防したり健康を維持するために有用な植物性の栄養素のことです。
アメリカがん研究協会(AICR)は
「がんと闘う食べもの」(Foods That Fight Cancer )を公表し
豆、アブラナ科の野菜、深緑の葉の野菜、ベリー、亜麻仁、
ニンニク、葡萄、緑茶、大豆、全粒穀物を挙げています。
私たちが日々享受しているチーピィで便利で快適な生活に
密接に関与している外因性のエストロゲンの原因物質。
実際問題として、完全な排除は難しいのが現状です。
せめて、代謝物の無毒化を助けてくれる食べ物を
日々、心がけて摂りませんか?