診療内容 ー しみ/色素異常症/傷跡・ケロイド治療/ほくろ | 旭川皮フ形成外科クリニック

しみ/色素異常症/傷跡・ケロイド治療/ほくろ

お肌の大敵・シミそばかす

たとえ直接的に病気ではない、とされていても、皮膚のトラブルはやはり好ましくないもの。特にシミ・そばかすは、気にされる方が非常に多く来院される方もトップクラスです。 日本人のシミは、大きく分けると5種類。

  • 肝斑、SK(老人性色素斑・脂漏性角化症含む)
  • そばかす(雀卵斑)
  • ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
  • 炎症後色素沈着(PIH)
これらはそれぞれ全く違うものなので、治療方法も違います。しかし一種類のシミしかないなんて人はいません。誰でも複数の種類のシミがあるものです。 さらに始末が悪いことに、同じ場所に複数の種類のシミが重なっているなんてことは、良くある……どころか、ほとんど当たり前に近いのです。 ですから、シミはレーザー治療で跡形もなく瞬時に綺麗に……なんてことは、残念ながらないのです。パズルと一緒で、根気よくそれぞれのピースを、順を追ってひとつずつ片づけていくのが、シミ治療のお約束。 短気は損気。気長に、堅実路線で立ち向かっていきましょう。

シミ治療のゴールは、シミを消すではなく、顔の肌色を均一にすること

シミ治療のゴール

「色の白いは七難隠す」という古い言葉がありますが、現代ではただ色白なことに価値がある、というわけではありません。日焼けサロンもあるし、「健康的な小麦色の肌」って言い方もありますからね。 そこで誰もが気にするのが、シミ。 色黒は肌全体が均等に黒いことを指しますが、シミは局所の黒さが増量した状態です。 つまり、問題は、単なる色素の総量ではないのです。濃淡の異なる柄が幾つも重なり合った、色調のムラが問題なのです。 だから、シミの治療の最終ゴールは、どうやって顔の肌色を均一にするか、なのです。

混在する何種類ものシミを同定し、治療方針を組み立てる

さて、さきほど挙げた代表的なシミ5種類。肝斑、老人性色素斑・脂漏性角化症をまとめたSK、ソバカス(雀卵斑)、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、炎症後色素沈着の5つで、これらが混在し、その多くがオーバーラップして、シミとして認識されるようになります。 中でも肝斑は、軽度なものまで含めれば、シミを訴える患者さんの、実に半数以上に認められる非常にメジャーなシミです。 人種間で差があり、白人(コーカソイド)にはまず認められません。白人のシミは、SKとソバカス(雀卵斑)がほとんどです。日本人に多い肝斑とかADM(後天性真皮メラノサイトーシス)はないと断言してもいいくらいですね。 シミの治療は、顔に散在する複数の種類の、場合によっては同じ部位にオーバーラップして存在するシミを同定し、治療方針を組み立てていく地道な作業です。 一般論としてですが、シミの種類とよく起きる年齢には相関関係があります。 20歳頃まででよく起きるのはソバカス。20代になると、肝斑とADM(後天性真皮メラノサイトーシス)が徐々に勢いを増し始め、それに押されるようにソバカスの存在感が消えて行きます。30歳代は、何といっても肝斑です。 そして更年期を過ぎてくると、肝斑は下火になります。60代になると、シミの大半は老人性色素斑・脂漏性角化症(SK)となります。 ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、30歳代から高齢になるまで一定の割合で発生しますね。

変化していくシミ

そして注目ポイントですが、シミは一回できたらずっと同じ状態であり続けるわけではありません。 経年的変動(年単位で徐々に変化していく)、季節的変動(数か月ごと、季節によって変化していく)がありますし、見る人が受けるイメージに依存する心理的変動、なんていうのもあるのです。

 

シミの出来やすい肌、出来にくい肌

ある特定の種類のシミに限られますが、確かに出来やすい肌質はあります。 ソバカスは、色白のドライスキンタイプに多く、逆にホクロとは縁遠い。 老人性色素斑や脂漏性角化症(SK)もやはり色白のドライスキンタイプに多いのですが、どうも髪の毛が乏しいタイプに出やすい、と昔から整形外科医の間では有名です。 また、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、反対に肌もしっかりしているし、髪の毛も豊かで、ホクロ(黒子)が多い人に多いようですね。

 

シミの治療

シミのタイプごとに、有効な治療は異なります。

●ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、Qスイッチレーザー系、Qスイッチルビーレーザーがベストの選択です。 しかしADM(後天性真皮メラノサイトーシス)が単独で存在していることはほとんどなく、高い確率で肝斑を合併しています。肝斑を伴う以上、色素沈着の可能性がありますから、安易にADMにQルビーレーザーを照射するわけにはいきません。肝斑の治療を行って表皮色素を軽減してから、ADMに対しQスイッチルビーレーザーを照射するのが、ゴールデンスタンダードと考えられています。
●老人性色素斑・脂漏性角化症(SK)
平坦な老人性色素斑についてはQスイッチルビーレーザー、フォトフェイシャル(IPL)を、盛り上がった脂漏性角化症については、炭酸ガスレーザーを使用します。 補足としては、老人性色素斑・脂漏性角化症(SK)は些細なことで炎症を起こして赤くなります。肝斑が併発していればレーザー照射後に色素沈着を起こしてしまいます。一過性の炎症は、ステロイドの外用薬で炎症を抑えてから。 肝斑については、先ず肝斑の治療を行ってから、レーザー照射が定番です。フォトフェイシャル(IPL)は、完璧にシミ(老人性色素斑)を除去するよりも、顔全体が色的にも質的にも良くなれば……という方には最適な方法です。
●ソバカス(雀卵斑)
ソバカスの場合は、長持ちするけど照射後のケアが必要なQスイッチルビーレーザーか、再発しやすいがダウンタイムのないフォトフェイシャル(IPL)のどちらかを選びます。 ソバカス(雀卵斑)は、もともと体質性の色素失調状態。つまり、レーザーを選ぼうとフォトフェイシャルを選ぼうと、対症療法には変わりありません。
●肝斑
肝斑は、メラニン顆粒の増加が皮膚のどのレベルで起こっているかによって、表皮性・真皮性・両者が同時に起きている混合性の3種類に分かれます。治療はそれぞれ別個のアプローチが必要です。 たとえば混在性の肝斑に対してピーリングのような表皮性のアプローチのみを行ったところで、表皮性の肝斑については確かに効果は出ますが、真皮性の部分にはケアできません。肝斑全体としては多少色は薄くなるかも知れませんが、患者さまからみれば奥歯に物が挟まったような何となく不満が残る治療で終わってしまいます。

 

普段の生活で気をつけること

 肝斑の根本的な治療方法は、その本質が「慢性刺激(擦り過ぎ)によるバリア破壊によって惹起された炎症性の色素沈着」ですから、「何もしないこと」です。それしかありません。バリア機能に生まれつき弱点があるかどうかは、アトピー性皮膚炎の際によく行うフィラグリン遺伝子とSPINK5遺伝子の検査でわかります。この検査が陽性なら、まずは経過観察が必須です。

●お化粧、クレンジング
AKシリーズ生活指導の一番の対象となるのが化粧です。基本的にはあまり効果的ではないAKシリーズ(固形石鹸/セラミド配合クリーム/日焼け止め)レベルで十分と思っています。もしくは羊水やASVC配合のもの。化粧水だとか、美容液だとか、乳液だとか、クリームだとか、ファンデーションだとか、肌に塗る行為そのものがよくないのです。 そして、それ以上に大きなダメージを与えるのがクレンジングです。化粧品を塗る以上に、それをこすり落とす行為が危険なのです。
●紫外線
慢性の刺激としては、他に紫外線が代表的な増悪因子として挙げられます。避けるに越したことはありません。飲む日焼け止めや塗る日焼け止めをお使い下さい。

その他の治療法

まず有効なのがトランシーノ(トラネキサム酸)。機序は不明ですが、非常に効果的です。 栄養療法は基本中の基本ですが、各栄養素が働きやすい環境を整えるのも大事です。 トータルで見れば「細胞再生注射(フィロルガBRM 4 in 1)」が最適ですね。 副腎をサポートする「アドレナルガード90」は、自前の副腎皮質ホルモンの産生を助け、炎症を収束させる方向に働くので効果的です。  真皮のメラニン過剰は、ある程度はメラノファージやリンパ系を介して排出されます。しかしそれには年単位の時間が必要なので、何らかの手を打たなければいけません。局所的には、今時の流行の、QスイッチNd:YAGレーザー(1064nm)を使うレーザートーニングや、ロングパルスNd:YAGレーザー(1064nm)を使うレーザーシャワーなどの中空照射がよいでしょう。

 

シミだけじゃない、強敵白なまず(尋常性白斑)

さて、気になるのは色が黒いのではなくて肌のムラ……というのは「色の白いは七難隠す」ということでお話ししました。 シミと同じように悩む方が多いのが、一部だけ肌が白くなる白なまず(尋常性白斑)です。ある日急に、メラニン色素を作る機能が低下して、白く肌の色が抜けてしまう現象です。大人であろうと、子供であろうと、例外なく発生します。 俗称”白なまず”、医学的には病名を”尋常性白斑”と言って、生まれつきではなくて後天性の病気です。

白なまずの症状

脱色したところが白くなって、木の葉状や円形のものから不規則な地図の形を示すものまで、実にさまざま。毛髪のある部分で発症すると、白髪になることもありますね。 さらにこの白なまず、年季が入ってくると、周囲の色が濃くなって一層白さが際立つようになってきます。でも、痛みやかゆみなどの自覚症状を伴う事はほとんどありません。だから見た目だけが重大問題なのです。 ちなみに、お年を召してから起きる白斑は「老人性白斑」といって、この白なまずとは別ものです。

白なまずの原因

尋常性白斑は原因がまだはっきりしていないので、根治療法はありません。 そこで対症療法として、脱色した部分に色素を復活させるという治療法が行われています。外用剤としてステロイド軟膏やビタミンD3軟膏などを使用する治療と、“紫外線照射療法(PUVA療法)”が一般的です。 日本では最近、効果のある狭い周波数の紫外線を全身に照射するNarrow‐Band UVB治療が主流になって来ました。ですが、世界に目を向けると、今や、病変のみに照射可能な、つまり正常皮膚に対する副作用がない、ターゲット型光線療法システムに治療の主軸は移行しています。代表的なターゲット型光線療法システムには、エキシマレーザー、DuaLight(長波長紫外線A(UVA)&中波長紫外線B(UVB)システム)があります。

 

創傷治癒

皮膚科に来られる患者さまの大きな悩みに、傷痕をきれいにできないかというものがあります。傷というものは、邪魔をしなければ自然の治癒力で治ります。 しかしここでひとつ気をつける必要があるのは、傷は治っても、傷跡は残ってしまうということなのです。それは、傷の原因によるものではありません。怪我でも手術でも変わらないのです。 「この傷、治りますか?」といわれることはよくありますが、注意して説明するようにしています。  まず、傷が治るというのはあくまでも「良くなる」ということで、傷跡そのものが消えるわけではありません。患者さまにとって大事なのは、傷跡が目立つか目立たないかということ。傷が目立たなくなれば、“傷がよくなった、治った”と思われます。 患者さまから見ると、皮膚の移植後に生じる色素沈着や脱失、それからひきつれの問題―例えば関節が伸びない、まぶたがツレて眼が閉じないといった変形など―も含めた多くの事象がただ“傷跡”なのです。  ここで区別してもらいたいのは、医師が傷跡という時には「瘢痕(はんこん※)組織」を指していますが、患者さまが傷跡という場合は「見た目に目立つ跡」のことで、この2つは必ずしもイコールではないということです。 現代の医学では「瘢痕組織」を完全になくすことはできませんが、「見た目に目立つ跡」を目立たなくすることはできるのです。 ※瘢痕:できものや傷などで欠損した組織が、治る際に別の組織に置き換わった跡。

 

傷を治すには

手術をせずに治す、つまり保存的治療には、傷を乾燥させて治す“dry dressing”と、湿った環境にしておく“wet dressing(湿潤療法)”の2つの選択肢があります。 しかしながら、“dry dressing”で出来たかさぶたは、結局はかさぶたの下を湿潤な環境に保つためのもので、つまりは傷が癒えるには、癒すに必要な細胞が増殖出来る最低限度の湿潤な環境がなくてはならないのです。そのため、小さくて浅い傷なら“dry dressing”もありでしょう。しかし、そうでなければ“wet dressing”が基本です。“dry”でも“wet”でも、消毒するのかしないのか、塗り薬を使うのか使わないのか、被覆材(絆創膏など)を使うのか使わないのか、使うとするとどんな創傷被覆材なのかなどについては、ケースバイケースです。 消毒薬にはポビドンヨード(イソジンetc.)、クロルヘキシジン(ヒビテンetc.)、塩化ベンザルコニウム(オスバンetc.)、アクリノール(リバノールetc.)、過酸化水素水(オキシドールetc.)、塩化メチルロザニリン(ピオクタニンetc.)などがあります。 塗り薬にはブロメライン軟膏、ゲーベンクリーム、ユーパスタ、イソジンシュガーパスタ、カデックス軟膏、アクトシン軟膏、亜鉛華単軟膏、オルセノン軟膏、プロスタンディン軟膏などがあり、用途に応じて使い分けます。 また、フィブラストスプレーは強力な血管新生作用・肉芽形成作用があるので使い方によっては非常に効果的です。

 

ほくろの治療

ご来院いただく方でご要望が多いのが、「ほくろをとってください!」という方。いわゆるほくろは組織学的には母斑細胞母斑という名前の茶アザの一種ですが、中にはメラノーマ(※)のような怖い病気が混じっていることがあります。不規則な形のほくろ、最近急にできたほくろに気づいたら、きちんと検査することをおすすめします。 レーザーを使った治療には炭酸ガスレーザーで焼いてしまう、Qスイッチルビーレーザーで色を薄くするという選択肢があります。根治を目指すなら、やはり外科手術で切除がいちばんですね。 ※メラノーマ:悪性黒色腫とも呼ばれる皮膚がんの一種。

 

まとめ

さまざまな皮膚のトラブル、やはりポイントは自分の肌質のチェックを怠らないこと、過剰な刺激(洗いすぎ、化粧品塗りすぎ、紫外線浴びすぎ)を避けることです。そこをしっかり注意して、健康なお肌ライフを送りましょう!気になることはすぐ皮膚科にご相談くださいね。

 

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