戦略は、腸内細菌叢の改善

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 大腸菌や腸球菌等の好気性菌やウェルシュ菌(悪玉菌)が増加し、反対にビフィズス菌(善玉菌)が減少する。  この様な腸内細菌叢の乱れが、様々な病気の原因の一つとして考えられ、最近非常に注目されています。
 アトピー性疾患や蕁麻疹、喘息等のアレルギー疾患や、風邪やインフルエンザと言った感染症、癌、過敏性腸症候群、ロタウィルスや抗生物質等による下痢や便秘、肥満、ニキビ、フケ症、慢性疲労症状等…。
 ところが、現代社会では、食生活の乱れ、ストレス、薬物の乱用等で悪玉菌は増加傾向にあります。
…2012年ももう後半戦。これからの戦略は、腸内細菌叢の改善です(笑)。

 「目指せ、腸管美人!?」 …何だ、そりゃ?と思うかも知れませんが、外側だけを鍛えても、それに答える内側ってものがないと、今一つ美人にはなれないって事で、とうとう、腸管の粘膜まで辿り着いてしまった(笑)って言うのが、近頃の世の中の潮流。消化管、特に腸管は、私達の体に必要な栄養素を選択しながら効率良く吸収する場であるのと同時に、所謂”有害物質”であるバイ菌やウィルス、花粉等々と言った抗原や異物を、積極的に且つ選択的に排除し、侵入を防ぐ(粘膜免疫機構)場でもあります。今月号は、後者、つまり”腸管免疫”と、そのシステムの維持に必要な栄養素(グルタミン、プロ・プレバイオティクス、腸内フローラの改善としてのラクトフェリン)について特集します。

腸管粘膜だって、腹が減っては戦が出来ぬ!?

 消化管、特に腸管は、私達の体に必要な栄養素を選択しながら効率良く吸収する場であるのと同時に、所謂”有害物質”であるバイ菌やウィルス、花粉等々と言った抗原や異物を、積極的に且つ選択的に排除し、侵入を防ぐ(粘膜免疫機構)場でもあります。と~っても重要な機能を任されている腸管が、これらの職務をきちんと全うする為には、ちゃんと栄養を補ってあげなければいけませんよね。腹が減っては戦が出来ぬ、です。

小腸の主たるエネルギー源は、ブドウ糖に非ず。

 小腸粘膜上皮細胞のターンオーバーは、とっても短いんです。

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 陰窩部(上図参照)に存在する幹細胞が、次第に吸収上皮細胞に分化し、脱落するのに要する時間は、たった3~4日。つまり、新陳代謝が極めて良好=昔のアメ車並に、若
しくは運動系の部活に励む育ち盛りの中学生級に、エネルギーをとっても喰うって事なんです。 そうなると…、家計を遣り繰りする身としては、一大事! 正に、栄養をこれから吸収しようって段階で、大事な脳みその栄養源であるブドウ糖を使い尽くしてしまうって意味ですから、どう考えたって、これは絶対の避けなければいけない事態となります。それ故に、バターより人造バター、牛肉ならサイコロステーキ的な発想で、小腸粘膜の細胞は、他の細胞の様にブドウ糖ではなく、グルタミンを主要なエネルギー源としています。ですから、何らかの大事件?災害?が降り掛かると、まあ、平たく言うと、精神的、肉体的ストレスって意味なんですが、筋肉由来のグルタミンが大量に消化管粘膜で消費されちゃって、不足(!)の事態に陥っちゃうんです、はい。

グルタミン

 グルタミンは、体内で最も豊富に存在するアミノ酸(美容通信2010年1月号)で、骨格筋内の遊離アミノ酸の約60%、血中遊離アミノ酸の30~60%を占めています。下図の様に体内に於ける様々な機能を維持する為には不可欠なアミノ酸で、体内でも合成されますが、特に侵襲時には必要量が生合成量を容易に超えてしまう為、”条件的必須アミノ酸”と呼ばれています。

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 グルタミンは、小腸消化管粘膜の他、免疫担当細胞の重要なエネルギー源になります。

大腸を養うのは、腸内細菌が産生する酪酸なのだ。

 大腸粘膜の重要なエネルギー源は、腸内細菌が産生する中鎖脂肪酸の酪酸! それ故に、例えば、抗生物質をニキビの治療なんかで延々と飲み続けていると、腸内細菌もニキビ菌と一緒に死滅。そうなると、大腸粘膜のエネルギー源である酪酸を産生する事が当然出来なくなり…、挙句に大腸が機能不全に陥ってしまうなんて笑えない羽目になちゃうんです。抗生物質服用前に、ダイエタリーファイバーやプロバイオティクスを摂っとくだけでも、腸内細菌叢の崩壊を防いでくれます。

腸内細菌にも、善玉と悪玉がいる。

腸内フローラとは、細菌のお花畑

 腸内には、主に回腸から大腸に掛けて、約100兆個もの腸内細菌が生息しています。これは重さにして約1Kgと結構な重量にも達しますが、面白い事に、同じ種類の細菌ばかりが、集落と言うか…部落の様に身を寄せ合って、一塊になって暮らしているんです。その様子が花畑みたいに見えるもんだから、腸内フローラ(Flora=植物相)・腸内細菌叢と、可憐な呼び名が付いています。

腸内細菌には、善玉菌と悪玉菌がいる。勿論、どっちつかずの奴もいる。

 腸内細菌の社会も、私達の人間社会と同様に、私達の健康に貢献してくれる良い子(善玉菌)、悪い子(悪玉菌)、普通の子(日和見菌)がいます。

良い子(善玉菌)の定義

 私達の体にとって有益な働きをしてくれる菌で、健康維持には欠かせない! 具体的には、下記の通り。

  • 腸内のpHを下げ、病原菌の増殖を防ぐ!
  • 腸内の腐敗を抑えて、有毒ガス!の発生を抑える。
  • 腸内を発酵状態にして、消化機能を補助する。
  • ビタミンB群、ビタミンKを作る。
  • 免疫を刺激し、抵抗力を高める。
  • 腸の蠕動運動を促進し、便秘を防ぐ。
  • 有害物質や発癌物質の分解や排泄を促進する。
  • 下痢の予防・治療に効果的。  等々

[代表的な菌類]乳酸菌・ビフィズス菌

悪い子(悪玉菌)の定義

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 腸内の内容物を腐らせたり、有害物質を作り、私達にとって極めて不利益を齎す悪の申し子。
免疫力が低下し、有害な病原菌が増殖し、感染症を引き起こす。
腸内に有毒ガスが発生し、おならや便がと~っても臭い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
有毒ガス成分は血液中にも運ばれ、全身に拡散! 肝臓にも多大なる負担を掛ける。
消化管ホルモンの分泌を低下させる。
下痢と便秘を繰り返す。  等々

[代表的な菌類]大腸菌・酵母菌等の真菌


 うんこの3~7割は、腸内細菌で占められていて、うんこの中にあんまり腸内細菌が含まれていないと、糞詰まりになり易くなります。余談になりますが、アメリカでは最近、腸内細菌叢の状態を調べる為の便検査も盛んに行われているんだそうな。未だ、日本には上陸はしていないのですが、近い将来的にはHISAKOのクリニックでもサービスが提供出来る様になると思います(現在は、便検査行っています。詳しくは美容通信2013年8月号を読んでね。)
腸内細菌の発生するガスは、腸管の蠕動運動を活発にして、うんこの通過速度を早めるジェット噴射機能付き。

腸内細菌の構成は、歳と共に変遷をするがぁ…、それ以外にも悪玉を増やす原因がある。

 割合は、年齢や食事、体調(ストレス)等によって変化します。右の図を見て下さい。お母さんのお腹の中にいる胎児は、腸内細菌がいない無菌状態です。お母さんのおっぱいで育った新生児の場合、生後約3~4日で腸壁はビフィズス菌で覆われます。しかしながら、離乳食の摂取と共に、様々な菌が入り込み、それらによって、個々の腸内フローラが決まって行きますが、爺婆化に伴い、ウェルシュ菌(悪玉菌)が増加し、ビフィズス菌(善玉菌)がどんどん減って行くのです、はい。

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 一般的に、悪玉が増える要因としては、下記の事項が考えられています。

  • 食生活の乱れ
  • 悪玉菌は、高蛋白質&高脂肪食を餌にして、インドールやアンモニアと言った有害物質を発生させます。

  • 寄る年波…それを人は加齢と呼ぶ
  • 爺婆化に伴い、善玉菌は衰退し、替りに悪玉菌が栄える。文化が爛熟してこその、悪徳の栄え!?

  • ストレス
  • 善玉菌はとっても軟弱なので、ちょっとのストレスでも減ってしまう…。

  • 薬物の服用
  • 抗生物質等の薬剤は、良い子も悪い子も、軒並み殺してしまう…原爆みたいな破壊王的存在。

腸内細菌と病気の密接な関係

 腸内細菌は、免疫賦活、外来微生物の排除、日和見感染の抑制etc.に関係していると考えられています。しかし、前述の様に、爺婆化すると、大腸菌や腸球菌等の好気性菌やウェルシュ菌(悪玉菌)が増加し、反対にビフィズス菌(善玉菌)が減少し、この腸内細菌叢の乱れが、様々な病気とか、病気と言わないまでも老醜を促進する…アンチ・アンチエイジング(笑)効果を齎します。

 最近になって、どうも菌の社会も椅子取りゲームみたいな面があって、善玉菌等の有益な細菌叢が粘膜に生着すると、病原性のあるバクテリア(悪玉菌を含む)による炎症や過剰な刺激(発癌物質や毒素の産生分泌)を競合阻害してくれるって事が分って来ました。端的に言うと、悪い奴が付け入る隙間を無くす作戦がどうも効を奏するらしいぞぉって風潮になり、実際、腸内細菌叢を改善する為の、プロバイオティクス(生菌類)やプレバイオティクス(食物繊維・オリゴ糖類・乳酸菌産生物質等)が盛んに利用される様になって来ました。

     

プロバイオティクス

 プロバイオティクスとは、抗生物質の反対の言葉で、共生を意味するプロバイオシス(pro:共に・~為に、biosis:生きる)を語源としています。人の体に良い影響を与える微生物(生菌)の事で、乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌、酪酸菌等の生菌剤や、広くは発酵乳酸菌飲料、ヨーグルト等の発酵乳etc.も含まれます。

 HISAKOのクリニックで取り扱っているプロバイオティクスは、クレア・ラボ社の製品です。何故かって? 折角摂った善玉菌だって、腸にまで届かなかったら…意味ないですよね。しかしながら、一般的に乳酸菌ってもんは、乾燥や熱、酸に弱く、酵素が多い所では死滅し易いにも拘らず、口から入れる以上、胃を通過する、つまり強酸である胃酸の洗礼を受けない限り、本来の乳酸菌の活躍の場である腸まで到達出来ないんです。下図を見て下さい。クレア・ラボ社のプロバイオティクス、頑張ってるじゃないですか(笑)。

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 それ以外にも、クレア・ラボ社のプロバイオティクスは、下記の特徴があり、結構優秀なんですよ。

  • 力価が高い
  •  他所様の事はあんま言いたくはないけど、多くの場合、1カプセル当りの生菌数が3億~50億個程度。それに対し、クレア・ラボ社の製品は、1カプセル当り250億~500億個以上と高力価。

  • アレルゲンフリー
  •  牛乳アレルギーは、乳児と小児で最も一般的な、そしてHISAKOも保有する食物アレルギーの原因の一つ。市販のプロバイオティクス製品は、乳製品を使用して培養されています。これらの製品を摂取すると、牛乳に過敏反応を起こすリスクが増加することが示唆されています。クレア・ラボ社が使用しているプロバイオティクスは、製造段階で一切の乳製品を排除、添加物もアレルギー物質も含まないので、HISAKOのお仲間でも大丈夫なんです。

  • 遺伝子同定
  • 製造時に全ての生菌をRNAリボ・タイピングで同定しているんだそうです。つまり、由緒正しきお家柄って事です。


    腸内細菌の構成は、歳と共に変遷をするがぁ…、それ以外にも悪玉を増やす原因がある。

     この腸内細菌の種類や割合は、年齢や食事、体調(ストレス)等によって変化します。右の図を見て下さい。お母さんのお腹の中にいる胎児は、腸内細菌がいない無菌状態です。お母さんのおっぱいで育った新生児の場合、生後約3~4日で腸壁はビフィズス菌で覆われます。しかしながら、離乳食の摂取と共に、様々な菌が入り込み、それらによって、個々の腸内フローラが決まって行きますが、爺婆化に伴い、ウェルシュ菌(悪玉菌)が増加し、ビフィズス菌(善玉菌)がどんどん減って行くのです、はい。

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     一般的に、悪玉が増える要因としては、下記の事項が考えられています。

    • 食生活の乱れ
    • 悪玉菌は、高蛋白質&高脂肪食を餌にして、インドールやアンモニアと言った有害物質を発生させます。

    • 寄る年波…それを人は加齢と呼ぶ
    • 爺婆化に伴い、善玉菌は衰退し、替りに悪玉菌が栄える。文化が爛熟してこその、悪徳の栄え!?

    • ストレス
    • 善玉菌はとっても軟弱なので、ちょっとのストレスでも減ってしまう…。

    • 薬物の服用
    • 抗生物質等の薬剤は、良い子も悪い子も、軒並み殺してしまう…原爆みたいな破壊王的存在。

    腸内細菌と病気の密接な関係

     腸内細菌は、免疫賦活、外来微生物の排除、日和見感染の抑制etc.に関係していると考えられています。しかし、前述の様に、爺婆化すると、大腸菌や腸球菌等の好気性菌やウェルシュ菌(悪玉菌)が増加し、反対にビフィズス菌(善玉菌)が減少し、この腸内細菌叢の乱れが、様々な病気とか、病気と言わないまでも老醜を促進する…アンチ・アンチエイジング(笑)効果を齎します。
     最近になって、どうも菌の社会も椅子取りゲームみたいな面があって、善玉菌等の有益な細菌叢が粘膜に生着すると、病原性のあるバクテリア(悪玉菌を含む)による炎症や過剰な刺激(発癌物質や毒素の産生分泌)を競合阻害してくれるって事が分って来ました。端的に言うと、悪い奴が付け入る隙間を無くす作戦がどうも効を奏するらしいぞぉって風潮になり、実際、腸内細菌叢を改善する為の、プロバイオティクス(生菌類)やプレバイオティクス(食物繊維・オリゴ糖類・乳酸菌産生物質等)が盛んに利用される様になって来ました。

    プロバイオティクス

     プロバイオティクスとは、抗生物質の反対の言葉で、共生を意味するプロバイオシス(pro:共に・~為に、biosis:生きる)を語源としています。人の体に良い影響を与える微生物(生菌)の事で、乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌、酪酸菌等の生菌剤や、広くは発酵乳酸菌飲料、ヨーグルト等の発酵乳etc.も含まれます。

     HISAKOのクリニックで取り扱っているプロバイオティクスは、クレア・ラボ社の製品です。何故かって? 折角摂った善玉菌だって、腸にまで届かなかったら…意味ないですよね。しかしながら、一般的に乳酸菌ってもんは、乾燥や熱、酸に弱く、酵素が多い所では死滅し易いにも拘らず、口から入れる以上、胃を通過する、つまり強酸である胃酸の洗礼を受けない限り、本来の乳酸菌の活躍の場である腸まで到達出来ないんです。下図を見て下さい。クレア・ラボ社のプロバイオティクス、頑張ってるじゃないですか(笑)。

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    それ以外にも、クレア・ラボ社のプロバイオティクスは、下記の特徴があり、結構優秀なんですよ。

    • 力価が高い
    • 他所様の事はあんま言いたくはないけど、多くの場合、1カプセル当りの生菌数が3億~50億個程度。それに対し、クレア・ラボ社の製品は、1カプセル当り250億~500億個以上と高力価。

    • アレルゲンフリー
    • 牛乳アレルギーは、乳児と小児で最も一般的な、そしてHISAKOも保有する食物アレルギーの原因の一つ。市販のプロバイオティクス製品は、乳製品を使用して培養されています。これらの製品を摂取すると、牛乳に過敏反応を起こすリスクが増加することが示唆されています。クレア・ラボ社が使用しているプロバイオティクスは、製造段階で一切の乳製品を排除、添加物もアレルギー物質も含まないので、HISAKOのお仲間でも大丈夫なんです。

    • 遺伝子同定
    • 製造時に全ての生菌をRNAリボ・タイピングで同定しているんだそうです。つまり、由緒正しきお家柄って事です。


       プロバイオティクスは、以下の様な様々な疾患の治療や予防に使われていますが、HISAKOのクリニックでは、3種類のプロバイオティクス製品(コンプリート・バイオティック、デトキシフィケーション・サポート、バイタルオミューン・バイオティック)から、貴女の症状に合わせて最適な製品を提案します。

      アレルギー

      (美容通信2007年4月号)(美容通信2005年3月号)

      腸内フローラのDysbiosisは、ガキんちょのアレルギー疾患と、と~っても濃厚で深~い関係にあります。それ故に、プロバイオティクスの摂取によりDysbiosisが改善するだけで、アトピー性皮膚炎や花粉症、食物アレルギー等々の様々なアレルギー疾患の症状の改善、予防に役立ったんだそうです。

      註:Dysbiosis⇒腸内細菌叢の共生バランスの失調で、悪玉菌の比率が80%以上になった状態。腸内毒素症とも言う。

      論文1. アレルギー疾患と腸内細菌叢

      (下條直樹ら「小児内科(vol.39 No.8 2007-8)」) 

       アレルギー患者と健康人の腸内細菌叢を比較した検討で、Bjorkstenらは、2歳の時点でアレルギー児(アトピー性皮膚炎又はアレルギー感作)と対照健康児の腸内細菌を比較したところ、アレルギー児では、対照に比してLactobacillus Bifidobacterium、Bacteroidesの検出率が少なく、coliformやstaphylococcusの菌数が多い事が報告されている。我が国でも幼児期から若年成人までのアトピー性皮膚炎患者と対照健康人の腸内細菌叢を調査し、アトピー性皮膚炎では、対照健康人に比較してBifidobacterium菌数が少なく、更にBifidobacteriumの占有率と疾患活動性が逆比例する事を示唆している。又、アトピー性皮膚炎患者では、対照に比較して、ブドウ球菌の検出率が有意に高かった。以上の調査結果から、アトピー性皮膚炎患者では、腸内細菌叢に於けるBifidobacteriumの絶対的、相対的な減少が存在すると考えられ、又所謂悪玉菌が相対的に増加している事が示唆される。
       腸内細菌叢の乱れは、アレルギー性疾患発症や増悪に関与するのか、Isolauriのグループは、北欧のアレルギー乳児と対照健康乳児の腸内細菌叢を比較し、アレルギー乳児ではB. adolescentisが多い事を示唆している。興味深い事に、B. bifidumはB. adolescentisに比べて腸粘膜への接着能が強く、マウスマクロファージ細胞株からのIL-10誘導能が高く、IL-12誘導能が低かった。即ち、健康児には腸管への接着能が強く、炎症抑制能の高いBifidobacterium菌種が多いという結果であった。一方、アレルギー児の腸内細菌叢の異常としての、「悪玉菌」であるBacteroidesやClostridiumは腸の炎症を強く誘導する事が示されている。以上の事から、腸管での炎症を抑制する腸内細菌叢の形成がアレルギー発症の予防と増悪の抑制に重要であると考えられる。

           

      論文2. アレルギー疾患の予防

      (山口公一「小児内科(vol.39 No.8 2007-8 p1238-1241)」)

       腸内細菌叢のアンバランスを是正する事で、アレルギー疾患の発症予防や治療を行う事を目的として、プロバイオティクスを用いた試みは数多くなされている。その対象疾患は、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、気管支喘息、或いは食物アレルギーで、プロバイオティクスに用いられる菌としては、アレルギー性疾患児に低下しているとされるLactobacillusやBifidobacterium等が多い。実際にその投与により、アレルギー疾患の発症率が低下したり、症状が改善されたとの報告がある。例えば、Lactobacillus rhamnosus GGの投与により、食物アレルギーを有するアトピー性皮膚炎児の症状(SCORAD)の改善が認められている。プロバイオティクスには内因性の防御機構を活性させると言う報告や、母乳栄養児にLactobacillus或いはBifidobacteriumを2か月間投与する事により、アトピー性湿疹の症状が改善し、血清CD4濃度と尿中EXP(eosinophilic protein X)が減少し、プロバイオティクスは腸管に於ける炎症を抑制すると言う報告がある。又、アレルギーの家族歴を有する児に、出生前から生後6か月間までLactobacillus rhamnosus GGを投与したところ、2歳児までのアレルギー疾患の発症が有意に抑制されたとの報告もあり、周産期に於けるLactobacillus rhamnosus GGの投与により、生後2年までのアトピー性湿疹の発症が抑制され、更にその効果は乳児期にとどまらず、4歳まで持続したとも言われている。
       プロバイオティクスのアレルギー疾患の発症予防や、治療に於けるメカニズムの詳細は不明ではあるが、分泌型IgAなど内因性のバリア機構の確立や、TLR(toll-like recepter)等を介した免疫調節機能、即ちTh1/Th2バランスの是正やIl-10、TGFβ等の抑制サイトカインの産生等の関与が指摘されている。

      感染症

       プロバイオティクスは、腸内の免疫応答を調節し、免疫増強効果があります。プロバイオティクスの投与によって、マクロファージ食作用の亢進、リンパ球の抗原特異性抗体分泌亢進、サイトカイン産生増強等によって、感染を抑制し、治癒を促進します。又、プロバイオティクスは短鎖脂肪酸を生成、腸内を酸性に傾け、悪玉菌の増殖を阻害します。

      消化器疾患

       プロバイオティクスは、ロタウィルスによる下痢症、抗生物質性下痢症、旅行者下痢症等様々な下痢症並びに便秘症の症状を改善します。又、過敏性腸症候群では腹部の痛みや不快感、鼓腸、便秘などの症状を軽減します。炎症性腸疾患の潰瘍性大腸炎は、プロバイオティクス投与により炎症サイトカインの産生減少、炎症の軽減が報告されています。更に、クローン病の補助療法として、プロバイオティクスが有効であると報告されています。

      重金属デトックス

      (美容通信2006年11月号)

       腸内細菌叢は、重金属の排泄に重要な働きを担っています。プロバイオティクスを経口で腸に大量供給すると、人間の解毒能力が改善します。又、重金属解毒のキレーション療法や抗生物質治療では、腸内フローラのバランスの崩れが予想される為、プロバイオティクスを投与します。

      (美容通信2011年11月号)(美容通信2008年11月号)(美容通信2011年8月号)

       近年、プロバイオティクスが、大腸に於いて抗変異原性・抗癌性の活性があると言うエビデンスが、増えつつあります。免疫増強、腸内pH、変異原性物質と乳酸菌の結合等の多彩なメカニズムによって、抗癌作用が発揮されていると考えられます。乳酸の持つ抗癌作用は、癌を事前に移植させた動物モデルの実験でも報告されています。

      その他

       高脂血症、肥満(美容通信番外編;ダイエットの極意)、ニキビ(特に18歳以下の男女に顕著)(美容通信2003年11月号)、フケ症(美容通信2004年9月号)、慢性疲労症状、風邪等にも効果的とされています。まあ、栄養が悪きゃあ、そりゃ色んな病気に憑りつかれるわな…。

      プレバイオティクス

       プレバイオティクスは、善玉菌を増殖させる働きを持つ食品成分で、オリゴ糖・食物繊維等があります。

腸管免疫ネットワーク

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 免疫機構とは、細菌やウィルス等の外敵から心身を守る為の防御システムの事。つまり、細胞の癌化や花粉等のアレルギー物質に対する防御機能も、この免疫の力の賜物なんです。そして、これらの防御システムの最前線(水際?)で戦うのが、最近何かと話題の”腸管免疫ネットワーク”って奴です。
 つまり、腸管は、食物や微生物等の膨大な種類と量の侵入者と常に接しており、これらの取捨選択を判断する機能を持っています。それこそが、腸管が”第二の脳”とも称される所以でもある訳で、食物の様に安全で必要なモノと性悪なだけの病原性のあるバイ菌等を識別し、有益なモノだけを体内に取り込み、害虫はシビアに叩き出す。この素晴らしい仕組みこそが、腸管免疫なのです。

パイエル先生の見つけたパイエル板

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 小腸の内腔側には、前述の通り、絨毛って名のケバケバが一面モップみたいにモサモサ生えているもんなんですが、所々に、毛が擦り切れて禿げちゃった感のある領域が点在しています。これがスイスの医師・パイエル先生の見つけたパイエル板です。パイエル板は、腸管内の膨大な種類と量の侵入者達に対し、積極的に接触を行い、集めた情報を基に片っ端からその対処法を決定して行きます。まあ、アメリカ中央情報局とか、イスラエル諜報特務庁、イギリス情報局秘密情報部みたいな存在で、日本なら…法務省入国管理局!?ですかねぇ(笑)。あんまりにも複雑過ぎて、HISAKOの様な凡人にはその全容を窺い知る事なんて無理ですが、端的に言うと、危険人物若しくは要注意人物に分類されると、多くは病原微生物がこれに分類されるんですが、IgAの分泌を中心とする免疫応答による排除が行われます。テロリストの暗殺とか、強制送還って奴です。食べ物とか腸内の常在菌に対しては、アレルギー反応等の異常な免疫反応が起こらない、つまり”免疫寛容”ってシステムが作動します。唯、この免疫寛容のシステムが破綻すると…、IgEやIgGの産生が起こり、食物アレルギーが起こってしまいますが。まあ、来月号では、IgGを主体とした、今注目の遅発性フードアレルギーについて特集します。

腸内フローラの改善には、ラクトフェリン

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 ラクトフェリンは、母乳や、涙、唾液、血液や粘液等の分泌液や、好中球の中に存在する鉄結合性糖蛋白質で、感染防御の中核的な担い手として有名です。
 ラクトフェリンは特に初乳に多く含まれ、免疫機能の不完全な出産直後の乳児にとっては、これがウィルスや細菌等に対する重要な防御成分となっているんです。それ以外にも、ストレスや薬物、老化等による腸内細菌の乱れを防ぎ、腸管免疫システムの恒常性を保持するetc.と、多機能蛋白質として多彩な臨床応用が期待されています。つまり、こんな症状に悩む紳士淑女の皆様にオススメって事です。

 
  • 風邪引きやすい。
  • 口臭・虫歯。
  • 感染症。
  • 炎症がある。
  • アレルギー体質。
  • 肌荒れ。
  • ドライアイ。
  • 貧血。
  • 便秘・下痢・ガスが溜まり易い。
  • 消化不良を起こし易い。
  • ストレスが多い。
  • 疲れ易い。

免疫調整作用

 小腸にあるリンパ球が寄って集って出来た集合体=パイエル板は、腸管の免疫だけでなく、全身の免疫ネットワークの維持に関与しています。
 ラクトフェリン⇒パイエル板⇒NK細胞の活性化⇒癌細胞攻撃・ウィルス感染細胞攻撃って、構図が成り立つ訳です。

抗菌・抗ウィルス作用

 ラクトフェリンには、鉄との親和力(結合力)が非常に高いと言う性質があるんです。ラクトフェリンは、白血球の一種であるマクロファージや好中球(貪食細胞)の中に沢山存在しているんですが、このラクトフェリンがフェロモンをばら撒くもんだから、細菌やウィルスの中に潜んでいた鉄もふらふら~っと引き寄せられちゃうんです。こうなれば、後は強力な活性酸素の発生(フェントン反応)が活性化され、細菌やウィルスを攻撃。ご愁傷様!

ラクトフェリンと手と手を取り合って戦う同志(栄養素)

  • オリーブ葉エキス
  •  オリーブ葉エキスに含まれるオーレユーロペンには、マクロファージや好中球の貪食作用を焚き付ける様な…、火に油を注ぐ様な…、そんな働きがあるんです。

  • ビタミンC
  • 細菌やウィルスを殺すには、控室(血管内)で待機している執行人(貪食細胞)を、処刑場まで出向いてもらう(遊走)必要があります。ビタミンCは牛追い人ではありませんが、遊走を進める作用があります。

    学術論文から(1)~慢性C型肝炎に対するラクトフェリンの臨床応用

    (田中克明ら 栄養評価と治療 (2003)20(2)53,169-173)

     慢性C型肝炎を患っている患者さん達に、毎日毎日、ラクトフェリンを1.8gづつ飲ませ続けながら、データを取るって実験をしたんだそうです。まあ、正しくは、8週間ぶっ続けで飲ませてから、4週間休憩。再び10週間只管毎日飲ませ続けたんですが、右図のグラフを見て下さい。
     肝細胞の障害の度合いを示すGPT値と、C型肝炎感染の有無の指標とされるHCV-RNA値の増減は、ラクトフェリンの投与と見事に相関する事が判明! つまり、慢性C型肝炎にラクトフェリンが利くって事です、はい。

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    学術論文から(2)~歯周病菌の抑制にもラクトフェリン

    (Wakabayashi H et al., bio Metals.,(2010)23(3)419-424)

     歯周病とは、歯周病菌が撒き散らす毒素で炎症が起こり、歯を支える歯槽骨まで破壊されちゃう病気。毒素は、口臭の原因にもなり、貴女のみならず、貴女の周囲の人々に多大な迷惑を撒き散らします。
     ラクトフェリンには、歯周病の増殖を抑制する働きがあるので、最近頓に歯科の先生達から熱い視線が送られているんだとか。

    腸内細菌叢改善作用

     腸内細菌は、腸管免疫に於いてと~っても大事な立役者。ラクトフェリンには、ヒトに有害な菌の増殖を阻害し、有益な菌が育ち易い環境を整えてくれる作用があるんです。

    鉄の吸収調節作用

     ラクトフェリンは強欲(笑)で、前述の通り、細菌やウィルスからさえも鉄を強奪して、挙句殺してしまうんですが、実はそれ以外にも、鉄吸収の調節機能が確認されています。体内の鉄が不足すると、腸細胞がラクトフェリンの受容体を形成し、ラクトフェリンを介して、鉄の取り込みを増加させるんです。

    201208image24

    *註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

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