新しい女性の薄毛治療 その1 | 旭川皮フ形成外科クリニック旭川皮フ形成外科クリニック

いつまでも美しく
いつまでも美しく 2017年3月03日

新しい女性の薄毛治療 その1

α—リポ酸によるキレーション(デトックス)

 薄毛・抜け毛の大きな原因の一つに、頭皮の皮脂腺から分泌された皮脂の酸化が挙げられます。
加齢による女性ホルモンの低下や栄養素の欠如からも薄毛、抜け毛は起こります。皮脂の酸化は、日々の生活の中で長年私たちの体内に蓄積されてきた、水銀や鉛、カドミウムなどの有害重金属により発生した、活性酸素により起こります。根本から治療するという観点からは、頭皮の細胞膜で酸化反応をしている水銀などの有害重金属を除去することが最優先と考えられます。「頭皮毒デトックス」という考え方です。頭皮毒とは、頭皮の皮脂腺から分泌された皮脂が、酸化して有害物質になったものです。毛穴の古い角質と混ざり合ってべったりと毛穴をふさぎ、薄毛や抜け毛、細毛、白髪の原因となってしまいます。
 従来の発毛、育毛の考え方の主流は、足りない栄養素を加えるプラスの考え方です。これに対し、頭皮毒デトックスは、原因を取り除くマイナスの考え方です。ヘアケア、スカルプケアの前に、頭皮毒を取り除くことが重要です。

有害重金属が酸化を加速させ、頭皮と毛根の環境を悪化させる。

 有害物質はどこから取り込まれるのでしょう。
 水銀や、鉛、カドミウム、タリウム、アンチモン、タングステンなどの有害重金属には、細胞やDNAを傷付け、老化やさまざまな病気の原因となる活性酸素を体内で大量に発生させるものがあります。水銀は大型魚を含む魚類や貝、海藻類、不活化ワクチンの水銀防腐剤であるチメロサールなどから体内に取り込まれます。マグロの大消費国である日本人の水銀蓄積量は、欧米人の2~6倍という報告すらあります。血管障害に関係する鉛は、老朽化した水道管の鉛が溶けて水道水の中に混入し、私たちの体の中に入ります。また、日本は国内の土壌の大半が中性から酸性であるため、カドミウムの溶けだしやすい環境にあり、農産物や畜産物に吸収されている可能性が高くなります。そのため米をはじめとする食物には、含有基準が設けられています。つまり、私たちは環境汚染、農薬や化学物質の乱用、大量の食品添加物などにさらされ、有害重金属が自覚しないままじわじわと体の中に澱(おり)のようにたまっているのです。

α—リボ酸によるキレーション

 具体的なデトックスとしては、体内の解毒機能を高め、肝臓の健康をサポートしてくれるサプリメントの摂取やα—リボ酸による局所的な治療が挙げられます。α‐リボ酸は、ビタミンCやビタミンEの約400倍もの抗酸化作用があり、水銀などの有害重金属を体外へ排出する〝キレート(デトックス)作用″にも優れています。また、カラーリングやブリーチで傷んでしまった髪の毛や、頭皮への刺激も改善し、育毛効果がさらにアップします。施術方法としては、頭皮の皮下組織への注射になります。細かく注射することによって皮下組織までα‐リボ酸を浸透させることができ、キレート効果が期待されます。
 α-リボ酸の効果を最大限に発揮させるためには、すでに酸化して固まってしまった皮脂をしっかり取り除くことから始めます。クリニックでは、バイオ・クレンジングにより、毛穴をふさいでいる頭皮毒を取り除き、α‐リボ酸によって捕捉された有害重金属の排出をより効果的に進めることができます。
発毛のセルフケアとしては、毎日の洗髪が重要なポイントです。できれば水圧の強いヘッドなどに替えて、シャンプーを使わずにお湯の水圧だけで汚れを落とします。伸びかけている若い毛を守るため頭皮をこすらないようにしてください。シャンプーは合成界面活性剤の入っていないものを選び、週1回程度、髪だけを洗います。自然に頭皮からの皮脂分泌を促し正常化することが大切です。