新しい女性の薄毛治療 その2
ホルモン補充療法と栄養療法
女性の健康とホルモンの働きには密接な関係があります。ホルモンの減少による症状として、疲労、記憶力低下、火照り、更年期障害、頭痛、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)など、全身的なものがあります。また、肌荒れ、シワ、薄毛、代謝が悪いなど、広い意味での美容皮膚科領域やアンチエイジング領域でのトラブルの原因にもなります。
アラフォーを境に激減するのは女性ホルモンだけではありません。男性ホルモン、成長ホルモン、DHEA(抗ストレス)、メラトニン(睡眠)、甲状腺ホルモン(代謝)と、すべてにおいて一気に減少していきます(グラフ 参照)。

中高年の女性の薄毛と、甲状腺ホルモン低下の間には、密接な関係があります。甲状腺ホルモンは代謝をつかさどるため、甲状腺ホルモンが加齢と共に低下するに従い、代謝機能が衰えます。すると体は、限られたエネルギーをあまり重要性がない髪の毛に割くことはせず、脳や内臓に送ることを優先させます。残念ながら髪は最初に犠牲となります。薄毛だけでなく、乾燥肌、体重増加、体温の低下、疲労感、便秘などの症状も甲状腺ホルモンの低下が原因となっていることがあります。
更年期障害をきっかけに、ホルモン補充療法を真剣に考える方は多いと思います。ですが、女性ホルモンと聞くと、がん化の問題や血栓、太りやすい等々の副作用=「怖い」というイメージがまだ先行しており、二の足を踏む人も多いのは事実です。
しかし、これらの副作用は、合成のホルモン(保険薬として処方されるのは全て)で補充を行ったことによる弊害です。天然の生物学的同一ホルモン(ヒト固有ホルモン)による補充では副作用がありません。
内側からの栄養療法も大切です。
ホルモンの働きを高めるミネラルやビタミン、硫黄化合物を含む食品を意識的に摂りましょう。
- カルシウム
- アーモンド、ごま、高野豆腐、アジ、あさり、菜の花、にら、小松菜、わかめ
- マグネシウム
- 小麦胚芽、小豆、かぼちゃの種、ごま、いわし、アボガド、牡蠣、えび、海苔
- 亜鉛
- ハト麦、蕎麦、ライ麦、ごま、ピスタチオ、生揚げ、がんもどき、牛肉、鮭、舞茸
- セレン
- 蕎麦、ごま、牛肉、鶏ささみ、鰯、ウナギ、さんま、ししゃも、たらこ、ホタテ
- 鉄
- 小豆、かぼちゃの種、アーモンド、牡蠣、あさり、小松菜、しそ、モロヘイヤ、切干大根
- ビタミンB6
- 小麦胚芽、銀杏、きなこ、さんま、鮭、ニンニク、しし唐、バナナ、鶏肉
- ビタミンC
- ブロッコリー、ゴーヤ、カリフラワー、小松菜、かぶの葉、じゃがいも、いちご、キウイ
- ビタミンD
- 鮭、身欠きニシン、さんま、しいたけ、シメジ、ヒラタケ、えのきだけ、マッシュルーム
- ビタミンE
- ニジマス、鰯、たらこ、アーモンド、紅花油、かぼちゃ、かぶの葉、アボガド
- メチオニン・シスチン
- 鮭、鰯など魚類、牛・豚等の肉類、乳製品、卵類、小麦胚芽、胚芽米
- 硫化アリル
- ニンニク、ニラ、玉ねぎ、ラッキョウ、チャイブ