遅発型フードアレルギー | 旭川皮フ形成外科クリニック

いつまでも美しく
いつまでも美しく 2017年2月03日

遅発型フードアレルギー

原因不明の体調不良のほか、慢性的な疲労感やアレルギー疾患など、これらに遅発型のアレルゲンが関与していることが最近分かってきました。

即時型と遅発型アレルギー

 フードアレルギーには2種類あります。私達が一般的に連想するフードアレルギーは、原因となる食べ物を食べてから短時間(直後~1時間)で、じんましん、痒(かゆ)み、下痢、胃痛、呼吸苦などが出る即時型です。痛みや痒みなどの自覚症状があります。これは、IgE抗体が関与しています。
 一方、遅発型フードアレルギーでは、食べてから6時間から24時間後と、ずいぶん時間が経過してから、ようやく症状が表れます。ところが、症状といっても非常に多様で、原因である食べ物になかなか気付かないのが特徴です。場合によっては原因食物を除去しても、数週間から数カ月も症状が続くこともあります。これは、IgG抗体が関わっています。
 身近な食べ物、例えば、牛乳、小麦、とうもろこし、大豆、柑橘類、トマト、ピーナッツなどによる遅発型フードアレルギー反応は、風邪として片付けられてしまいやすく、多くのありふれた症状(疲労、頭痛、不安感、鼻水、まぶたの腫れなど)からは、それらを引き起こした原因物質(アレルギゲン)との関係は、何年も気付けないままのこともあります。
 

あてはまる症状はありますか?

  • □疲れやすい
  • □消化不良
  • □下痢・腹痛
  • □肌荒れ・湿疹(しっしん)
  • □アトピー性皮膚炎
  • □片頭痛・めまい
  • □不眠
  • □過度の眠気
  • □肥満
  • □メンタルの不調
  • □風邪をひきやすい
  • □口内炎

なぜアレルギーは発症するのでしょう?

 病原菌等の有害物質から体を守るために、腸には強い免疫系が発達しています。小腸の後半部分5分の3を占める回腸には、免疫細胞であるM細胞、パイエル板などの免疫組織があり、腸管免疫が行われています。また、この腸特有の免疫組織を活性化しているのが、1000種類以上、1000兆個以上も棲息(せいそく)している腸内細菌です。腸の免疫細胞が防御機能をしっかり果たしていれば、病気にもならず、自然治癒能力も高く保たれます。
 食べ物や腸内の常在菌に対しては、アレルギー反応等の異常な免疫反応が起こらない、つまり〝免疫寛容″というシステムが作動します。しかし、免疫寛容の機能が低下すると、その食べ物が有害か無害か正常な判断ができなくなります。するとIgE抗体やIgG抗体が産生され、フードアレルギー反応が起こってしまうのです。また、IgG抗体はアレルギーの原因物質と直接結合することができます。こうしてできた抗原抗体複合体は、体内組織に沈着し、多種多様な症状を誘発しますが、痛みや痒みなどの自覚症状がないため、アレルギーだと気付きづらいのです。

アレルゲンとなりやすい食べ物は?

 「食生活には気を使っているし、体にいいものを毎日食べているから大丈夫」。そう思った人や朝食や昼食のメニューが毎日はぼ同じ人は要注意です。ほぼ毎日食べているものほど遅発型のアレルゲンになりやすいのです。卵やヨーグルトなどの乳製品は、アレルゲンになりやすい食品です。
 よく摂取するものが、なぜアレルゲンになってしまうのでしょうか?同じ食品を摂取し続けることにより、その食品に対する分解能力が低下し、免疫細胞では免疫反応が不安定になるからです。さらには、新たに入ってきたタンパク質(例・スギ花粉)を十分に吟味する余裕がなくなります。免疫細胞は、体に害を及ぼすかもしれない、と考えIgE抗体を作り、その結果炎症が起こります。免疫細胞に余裕があれば正しく判断し抗体を作りません。体に良いと信じて食べ続けていたものや、好んで日々口にしていたものが、必ずしもアレルゲンになるわけではありませんが、新たなアレルギーを引き起こす可能性も大いにあるのです。
 遅発型フードアレルギーの対処方法は、アレルゲンになる食品を特定し除去することと、腸内環境を整えることです。日本人の食生活にあった検査項目で遅発型アレルギーの血液検査ができます。自由診療になりますが、慢性的な体調不良と決別できるチャンスでもあります。

グルテンフリー・ダイエットの勧め

 グルテンフリー・ダイエット。 テニス界の王者ジョコビッチ選手が実践していることから広く知られるようになりました。また、ハリウッドの女優や、多くの有名セレブたちが実践していることも影響しています。グルテン (gluten) は、小麦、大麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種です。同じ穀物でもコーンやオート麦、米、そば、キヌアには含まれていません。
 麦と牛乳の登場は、歴史的には比較的新しく、1万年前にトルコで鎌が穀物の収穫で使われた時期に 初めて食べ物として利用されたと考えられています。 この時期以前の人は、野生植物、 魚、動物、虫等のさまざまな物を食べていました。そのため、これらの比較的新しいタンパク質に適応(代謝)できなかった多くのヨーロッパの民族は淘汰(とうた)されてしまいました。致死量にまで至らなくとも、完全にアミノ酸まで分解できない民族は、小腸上皮のバリア機能が損なわれ、その程度にもよりますが、さまざまな不定愁訴をきたすようになりました。 これが、遅延性フードアレルギーです。
 グルテンは、パン、ホットケーキ、パスタ、ピザ、シリアル、ケーキ、クッキーなど、アメリカの食卓には欠かせない食品に多く含まれています。パン類の多くには砂糖、マーガリン、ショートニングといったトランス脂肪酸が多用されており、それらを意識的に避けるだけで余分なカロリーを省くとともに、健康的な栄養バランスも保てるようになるのです。
 グルテンの中に含まれる「グリアジン」という物質には食欲を促進させる働きがあり、パンやスイーツを食べだすと止まらないという現象を起こします。また、小麦を食べると 血糖値が急上昇し、それを下げるためのインスリンが過剰に分泌されると、脂肪を溜め込み、結果として太りやすくなるため、シミやシワといった老化の体内時計を早めることにもなりかねません。