砂澤ビッキという彫刻家 | 旭川皮フ形成外科クリニック旭川皮フ形成外科クリニック

旭川大好き、ギャオー
コラム 旭川大好き、ギャオー 2017年6月10日

砂澤ビッキという彫刻家

砂澤ビッキという彫刻家(1931-1389)をご存知でしょうか。

彼のプロフィールを読むと
『土産物の木彫から出発し
大胆にして繊細、原始的にしてモダンな独自の作風を確立。
砂澤自身はアイヌの名を掲げて保護を受けて生きることを嫌い
「アイヌの芸術家」という枠にはめられることを嫌った。』
との記載があります。


アイヌとは、アイヌ語で「人間」を意味します。
「カムイ」
(自然界の全てのものに心があるという精神に基づいて自然を指す呼称)
に対する概念としての、「人間」という意味です。

ビッキの作品群は、カムイです。
北海道の、それも生ぬるい南方ではなくv 空が凛と澄んだ内陸の森林。
そこに、ふら~っと一人迷い込んでしまったような…そんな錯覚に陥ります。
食欲旺盛なエゾシカの残したディアライン、
枝を揺らして木々を移るエゾリス達の影、
クマゲラの乾いたドラミング、
それらのリアルな動物達と混在していても何ら違和感のない
昆虫群や樹鳥に、THO、そして神の舌。
風の音にまで、「ラマッ」と呼ばれる魂が宿っています。
それらを忠実に再現したビッキは、生粋のアイヌだったのでしょう。


昔、シンプルでエキゾチックなアイヌの文様に惹かれて
旭川市内で、ウォールステッカーを探し回ったことがありました。
しかし、立ち寄った老舗の家具屋さんの店主から
「アイヌはタブーだから」と諭されました。

差別は、差別する側の人間と、差別される側の人間が
共通の価値観を持って、初めて成り立つ。

保護を積極的に受けようとする北海道アイヌ協会には
否定的な立場を取っていた、砂澤ビッキ。
気骨稜稜なり。
「木魂を彫る~砂澤ビッキ展」は、6月18日までの開催です。

砂澤ビッキという彫刻家