本邦初! みずいぼ(伝染性軟属腫)の新しい塗り薬(ウイルス性疣贅治療薬)|ワイキャンス外溶液旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2028年4月号

水いぼ(伝染性軟属腫)の新しい治療薬|ワイキャンス外溶液

伝染性軟属腫は、ポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルス(Molluscum Contagiosum Virus:MCV)が、表皮角化細胞に感染して引き起こされる、良性の丘疹性疾患です。通称「水いぼ」。感染力が強く、幼稚園・保育園や小学校に通う子供に多い疾患です。プールやお風呂の水を介して感染する可能性は低いと考えられていますが、プール等では、タオルやビート板等を介したり、皮膚の接触が増える為に直接的に感染(接触感染)する可能性は高く、罹患すると、スイミングスクールから出禁!勧告を喰らいます。
ワイキャンス外溶液は、この水いぼの塗り薬(ウイルス性疣贅治療薬)です。中性セリンプロテアーゼの活性を介して、表皮のデスモゾームを脆弱化し、表皮構造を破壊する事で、塗布部位に水泡を形成します。水泡の形成によって、病巣皮膚が剥がれ落ち、その結果、ウイルス感染組織が除去されます。更には、水泡形成による局所での炎症反応、免疫応答の促進が、病変の消失に寄与します。

 水いぼと言えば、直ぐにプールが連想されますが、歴史的には、ローマ皇帝は個人用のプールを持ち、水泳の為だけでなく魚を飼う為にも使われていたので、ラテン語でpiscinaと呼ばれていました。この所謂生簀で飼われていた魚は、特定の高級魚(特にボラやムレナと呼ばれるウツボの仲間)で、来客への富の誇示として機能し、贅沢な食文化の一環として重要な役割を果たしていたんだそうです。美食家達は最高の鮮度に拘り、魚を食べる直前まで生け簀で飼育し、客の目の前で調理する習慣があり、特にムレナは、古代ローマの豪華な宴会に於いて、特別なソースで調理されるステータスシンボルでした。ボラは、日本では高度経済成長以降、沿岸水域の汚染が進み、それに伴って「ボラの身は臭い」と嫌われるようになってしまいましたが、本来は絶品の高級魚だったんです。

 ワイキャンス外溶液0.71%(一般名:カンタリジン)は、伝染性軟属腫(Molluscum Contagiosum)の治療薬として承認された、本邦初の薬剤です。将来的には、尋常性疣贅(イボ)の治療薬としての認可を狙っていると、鳥居製薬の営業が申しておりました(←実は、こちらの方が本命らしい)。

水いぼ(伝染性軟属腫)

水いぼの正体:伝染性軟属腫ウィルス

 伝染性軟属腫ウイルス(Molluscum Contagiosum Virus:MCV)は、ポックスウイルス科というグループに属しており、このグループには天然痘ウイルス等も含まれますが、MCVは人体に対してそれ程強い毒性を持っているわけではありません。ウイルスのサイズは非常に大きく、一般的な顕微鏡でも観察出来る程の大きさで、二本鎖DNAという遺伝情報を持っており、細胞質内で増殖する事が特徴です。通常のDNAウイルスは、感染細胞の酵素を借りて核内で増殖しますが、ポックスウイルスはDNA複製に必要な酵素の殆どを自前で持っているので、細胞質内での増殖が可能なんです。ウイルスの構造は非常に堅牢で、環境中での生存能力も比較的高い為、タオルの共有やプール等での接触を通じて、容易に人から人へと移動します。乾燥した環境でも一定期間生存出来る為め、身の回りの物品を介した感染にも注意が必要です。また、このウイルスは、感染する場所が皮膚の最も外側にある表皮に限られ、インフルエンザウイルスの様に血液に乗って全身を巡ったり、内臓に感染したりする事はありません。その為、命に関わるような深刻な事態になることはまずありませんが、皮膚表面での局所的なトラブルが長く続く原因となります。

 この水いぼの厄介な点の一つは、ウイルスが皮膚に付着してから実際にイボとして目に見えるようになるまでに長い時間が掛かる事です。潜伏期間は、一般的には2週間から数ヶ月、長い場合では半年近くにもなり、感染源や感染時期を正確に割り出すのはまず不可能です。この長い潜伏期間が故に、知らず知らずのうちに、兄弟間や友達との間でウイルスをやり取りしてしまっている事が殆どです。

 体には、ウイルス等の外敵が侵入すると、それを排除する免疫システムが備わっていますが、MCVには免疫システムから逃れる為の巧みな仕組みを持っています。ウイルスが感染細胞から放出する特定の蛋白質が、免疫細胞の攻撃を抑制したり、炎症反応を抑えたりして、ウイルスは長期間に亘って皮膚に居座り続ける事が出来ます。しかし、最終的には体がウイルスを認識し、免疫反応が活性化して、自然に治癒に向かいますが、そのプロセスが完了するまでには個人差が大きく、治癒までに数ヶ月から数年という長い期間が掛かります。

 子供の皮膚は、大人に比べて非常に薄くデリケートで、皮膚の最も外側で外部の刺激や異物の侵入を防ぐ角層は、大人の半分程度の厚さしかありません。また、皮脂の分泌量も思春期を迎えるまでは非常に少なく、肌の表面を覆う皮脂膜が不十分な状態です。皮膚の水分が蒸発しやすく、乾燥しやすい状態にあり、肌は表面に目に見えない微細な亀裂や隙間が生じやすくなります。ウイルスはこの微細な隙間を狙って侵入して、大人の丈夫で分厚い皮膚バリアであれば跳ね返せるウイルスも、子供の未熟なバリア機能では侵入を許してしまうのです。更には、子供特有の行動パターンも感染を広げる大きな理由です。保育園や幼稚園、小学校などの集団生活では、子供同士の距離が非常に近く、肌と肌が触れ合う機会が頻繁にあります。相撲ごっこや手つなぎ、狭い空間での遊び等の、濃厚な接触が日常的に行われています。更には、子供は自分の肌を無意識に触ったり、掻いたりする癖があります。痒みを感じれば我慢せずに掻き毟ってしまい、その手で友達に触れたり、おもちゃを共有したりします。大人のように意識的に接触を避けたり、手洗いを徹底したりするのは非常に難しく、集団内で次々と感染が連鎖します。その為、水いぼ(伝染性軟属腫)は、基本的には、幼稚園・保育園や小学校に通うお子ちゃまに多い病気です。しかし、成人でも、免疫力の低下の基礎疾患を有する人や高齢者で発症します。性感染症として、大人の陰部に見られる事もあります。また、胎内感染の報告もあり、先天性伝染性軟属腫を引き起こす事も稀にあります。

 

症状

 皮膚に、肉感的な色調の、2mmから5mm程度の、真ん中が心持ち窪んだ円形の丘疹が出来ます。皮膚が薄くてバリア機能の未熟な乳幼児は、まだ免疫も不完全で、感染し易いですが、大人でも、免疫力の低下の基礎疾患を有する患者さん等では、日和見感染として発症し、悪化しやすく、直径10 – 15mmまで育ってしまう事もあります。水いぼと呼ばれるだけに、水っぽい光沢が特徴的ですが、中身は液体ではなく、モルスクム小体と言う、ウィルスと変性した表皮組織からなる白っぽいドロッとした塊です。水いぼは掻いて潰れたり、また、掻かなくてもある程度の寿命で自然に脱落します。水いぼは、ある時期が来ると突然赤く腫れ上がり、まるで化膿したような状態になる事があります。これは、ましゅん現象で、治りかけのサイン。体が漸くウイルスを異物として認識し、強い免疫反応を起こして攻撃を始めた証拠です。この時期は痒みを伴う事が多く、子供が掻き壊してトビヒ(伝染性膿痂疹)等の細菌感染を合併する事もありますが、炎症反応を経て、イボは乾燥し、瘡蓋となり、最終的には脱落して治癒していきます。

 ウイルス自体の感染力は実はそれほど強い訳ではないのですが、皮膚の極悪く小さな傷や毛包から、皮膚同士の接触やタオル等を介して、1個出来ればその近くに数個増え、または引っ掻いた指で触わると遠くの皮膚にも感染し…、あたかも山林火災の如くに、類焼?延焼?的に次々と広がります。水を介した感染流行は起こらないのでプールに入る事自体は問題ないのですが、水に濡れてふやけた皮膚はバリア機能が一時的に低下し、傷つきやすくなっていますから、タオルやビート板等を介したり、皮膚同士の接触が増える為に直接的に感染(接触感染)する可能性が高く、罹患すると、バイキン扱いされて、スイミングスクールから出禁!勧告を喰らいます。

  発症部位は、手掌及び足底を除く全身で、何処にでも発生する可能性があります。お子ちゃまでは、顔面、体幹、四肢。大人では陰部、陰茎、女性の外陰部が好発部位です。免疫不全患者さんでは全身に多発し、特に顔面に出来る事が多く、一つ一つのイボが大きい事が特徴とされています。殆どの場合、痒いや痛みはありません。

 因みに、水いぼと水饅頭は、似て非なるものです。水饅頭は、岐阜県大垣市の名物として知られる、葛粉を生地に使用した饅頭です。柔らかい水饅頭を猪口に流し入れて、井戸舟と呼ばれる水槽で冷やしながら販売する様子は、大垣の夏の風物詩です。学会ついでにたまたま訪れた金蝶園総本家の水饅頭は、絶品! お店の奥の喫茶室で、冷たい氷水を入れたガラスの器に盛りつけられた、出来立ての水饅頭を氷水と一緒に頂く至福の夏の昼下がり。「是非に」と、ついおススメしてしまう逸品です。

検査・診断

 まあ、見りゃあ分かるけど…、内容物をつまみ出して内容物を確認する事が、診断と治療を兼ねた方法とされています。

 

治療

■外科的治療

 軽症ならば治療する必要はありませんが、なかなか治らない場合はピンセットで摘まんだり、液体窒素や硝酸銀で焼いたりします。

  • トラコーマ摂子で摘まみ取る

 治療は、数が少ないうちに摘み取るのが、最も確実で早く治す方法です。トラコーマ摂子という、先が輪になった水いぼ専用の器具で水いぼの基部を挟み、中身のモルスクム小体を摘まみ取ります。多少の痛みはあるものの、10個以内なら、「お友達と一緒にプールに行きたいんでしょう? じゃあ、頑張るしかないじゃ~ん」と納得ずくならば、小さい子供でも大丈夫。しかし、何十個となると…、我慢の限界を超えてしまい、嫌がって泣き叫び、全力で抵抗します。無理矢理取ったところで、次からは絶対に容易には取らせてくれず、数人で押さえて取らなければならなくなり、お互いに汗まみれで大変な労働です(笑)。

 健康な子供なら、何もしなくても、6ヵ月~3年で勝手に治る。自然治癒します。しかし、個人差は大きく、何時治るか、何時からプールに行けるかなんか…、分かりません。予測不能です。特に、ベースにアトピー性皮膚炎があると、味噌も糞も一緒ではありませんが、湿疹も水いぼも一緒くたに搔き毟り、加速度的に全身に水いぼが増殖します。幾らアトピーが痒くても、こんな状態でのステロイドの外用は火に油を注ぐ様なもので、炎上以外の何ものでもなく、収拾が付かなくなる可能性が高くなります。

 お子ちゃま相手では、予め局所麻酔入りのクリームやテープを貼って、痛みに対する予防線をしっかり張ってから、毟り取ります。唯、痛みよりも、抑えられたり処置台に寝かせられる恐怖心から抵抗する子供に対しては…、当たり前ですが、何の効果もありません。

 子供を泣かせてまで水いぼを取るべきか否かについては、以前から論争の的になってきました。取るメリットは、他への感染源になる、プールに入れてもらえない、見た目でいじめられる等の問題を解決する事にあります。やはり、数が少ないうちに、見つけ次第早く取ることが適切でないかと思います。数十個以上に増えてからでは、例え時間が掛かっても、1回に10個ずつだけ!と約束する等して、根気良く治療を続けるしかありません。

 摘除した部位は、数週間から数ヶ月程度で痕を残さず綺麗になります。

  • 液体窒素
  • 硝酸銀

■薬物療法

  • ワイキャンス
  •  漢方薬:信じる者は、救われる。免疫向上目的で使用します。

■予防方法

 兎に角、ウイルスに付け込まれる隙を与えない。ドライスキンやアトピー性皮膚炎の様なバリア機能が破綻している状態を、出来るだけ改善しておくしかありません。即ち、保湿剤によるスキンケアと、湿疹の治療をきちんと行っておく。爪を短く切っておくのも、重要なポイントになります。また、スイミングスクール等へ通う子供は、消毒の為の塩素によって皮膚表面が脱脂され、感染しやすくなるので、プール後の保湿を心掛けましょう。また、兄弟や身近な友達が感染した場合、入浴やタオル、玩具等を別にし、直接肌と肌を接触させないように注意する事も大事です。衣類やタオルは、熱湯消毒が有効です。

 アトピー性皮膚炎等の、皮膚のバリア機能が低下している人は、大人でも結構罹患してしまいますから、普段からのスキンケアはとっても重要です。

ワイキャンス外溶液

 ワイキャンス外溶液0.71%(一般名:カンタリジン)は、伝染性軟属腫(Molluscum Contagiosum)の治療薬として承認された、本邦初の薬剤です。機序としては、中性セリンプロテアーゼの活性を介して、表皮のデスモゾームを脆弱化し、表皮構造を破壊する事で、塗布部位に水泡を形成します。これにより病巣皮膚が剥がれ落ち、ウイルス感染組織が除去されると考えられています。

 プレフィルドアプリケータを装着した単回使用製剤です。誤飲防止を目的に、経口抑止剤(苦味剤)である安息香酸デナトニウムを配合しています。

 成人及び2歳以上の小児の伝染性軟属腫患者に対して、有効性が認められました。塗布12週時の伝染性軟属腫病変が完全消失した患者割合は、ワイキャンス外用液0.71%群でプラセボ群と比べて有意に高く(p<0.05、ピアソンのカイ二乗検定、検証的な解析結果)、プラセボ群に対する優越性が検証されました(208-3-1試験、2歳以上)。

 主な副作用としては、適用部位に、小水疱、痂皮、紅斑、疼痛、そう痒感、びらん、変色、皮膚剥脱、浮腫が報告されています。

 

作用機序

 ワイキャンスの作用機序は、本当のところ…、良く分かってません。中性セリンプロテアーゼの活性化を介して、表皮のデスモソームを脆弱化し、表皮構造を破壊する事で、塗布部位に水疱を形成します。これにより病巣皮膚が剥がれ落ち、ウイルス感染組織が除去されると考えられています。

 

薬物動態

■血中濃度

 日本人を対象とした国内第Ⅰ相臨床薬理試験(2~15歳の小児伝染性軟属腫患者)によれば、MC病変を21個以上有する2~15歳の日本人小児MC患者を対象に、本剤の初回塗布前、初回塗布2時間後及び24時間後に於ける血漿中薬物濃度を測定したところ、初回塗布2時間後に16例のうち2例で定量下限(2.500ng/mL)を上回る血漿中カンタリジン濃度が検出されたが、24時間後では定量下限未満でした。その他の14例では定量下限未満でした。

 

ドラッグインフォメーション

■禁忌

 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

■組成・性状

  • 組成
販売名 ワイキャンス®外用液0.71%
有効成分

1mL中カンタリジン7.1mg

*カンタリジン:カルボン酸無水物を含む構造を持つ、エーテルテルペノイドに分類される有機化合物の一種。含有する昆虫の一つジョウカイボン科(Cantharidae)にちなみ命名されました。昇華性がある結晶で、水には殆ど溶けません。皮膚につくと痛みを感じ、水疱を生じます。ツチハンミョウ類、ジョウカイボン類、カミキリモドキ類、アリモドキ類、ハネカクシ類等の甲虫類が分泌する体液に含まれ、日本では、夜間に灯火に飛来するアオカミキリモドキによって皮膚に水疱を生じる事故が多い事で知られています。以下は、アース製薬の「キケンな虫の虫ケア図鑑」から拝借した図です。北海道にも生息しているようですが、昼行性のHSAKOと行動時間帯が違う所為か、未だに遭遇したことはありません。

 

添加剤 アセトン、無水エタノール、ピロキシリン、ヒマシ油、dl-カンフル、ヒドロキシプロピルセルロース、安息香酸デナトニウム
  •  製剤の性状
販売名 ワイキャンス®外用液0.71%
性状 無色澄明~黄色の僅かに粘性のある液体

■効能又は効果

 伝染性軟属腫

■用法及び用量

 通常、成人及び2歳以上の小児に、3週間に1回、患部に適量を塗布します。塗布16~24時間後に、石鹸を用いて水で洗い流します。

 本剤の8回の投与までに治療反応が得られない場合は、他の治療法を考慮。8回を超える投与経験はありません。

 塗布部位に於いて激しい痛み等が発現した場合、塗布16~24時間後より前でも、石鹸を用いて水で洗い流して本剤を除去し、直ちにクリニック又は薬局(薬剤師)にご連絡下さいね。

■特定の背景を有する患者さんに対する注意事項

  • 妊婦:妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する事。生殖発生毒性試験は実施されていません。
  • 授乳婦:治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討する事。本剤塗布後のヒト母乳中への移行は不明です。
  • 小児等:低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施されていません。

■副作用

 以下の副作用が現れる事があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等の適切な処置を行う必要があります。

  10%以上 1~10%未満 1%未満
皮膚及び皮下組織障害 適用部位小水疱(95.7%)、適用部位痂皮(90.2%)、適用部位紅斑(87.9%)、適用部位そう痒感(70.3%)、適用部位びらん(62.5%)、適用部位変色(55.9%)、適用部位皮膚剥脱(35.5%) 適用部位乾燥、適用部位瘢痕、適用部位潰瘍、適用部位湿疹、接触皮膚炎 適用部位丘疹、水疱性皮膚炎、痂皮、皮膚色素過剰、紅斑
傷害、中毒及び処置合併症 適用部位疼痛(79.7%)、適用部位浮腫(22.7%) 適用部位腫脹  
感染症及び寄生虫症     化膿、膿痂疹、皮膚感染、細菌感染、膿痂疹性湿疹
その他     発熱、性器水疱

ワイキャンス使用方法

準備

 ワイキャンス®外⽤液0.71%のアプリケータの準備と本剤の使⽤⽅法を説明しておきます。医者や看護婦に一方的に押さえつけられて、何をされているのか分からないまま施術されるのでは、拷問でしかありませんからね(笑)。本剤の包装容器はアプリケータで、付属として、ブレイクツールを添付しています。アプリケータ内のガラスアンプルを付属のブレイクツールで破砕して使⽤します。

予め、本剤(ワイキャンス®外⽤液0.71%アプリケータ)及びブレイクツール、個⼈⽤防護具(手袋、保護メガネ)、ペーパータオル⼜はガーゼ、綿棒を完備してからの施術開始です。

 

実際の手順

1.アプリケーターの確認

 アプリケータに貼付されているラベルの⼀部をミシン⽬に沿って剥がします。この際、ガラスアンプル及びアプリケータに破損や異常がないのを確認します。

2.ブレイクツールを使⽤したガラスアンプルの破砕

 ベッドの上で俎板の鯉しながら、スタッフの会話を含む音を聞いて、作業行程を妄想して下さいね。

①先ず、ブレイクツールを平らな場所に置きます。

②アプリケータキャップが外れていない事を確認し、図のようにアプリケータキャップがセットされるように、アプリケータをブレイクツールに置きます。

③破砕⾳(パチンという⾳)が聞こえるまで、確実にブレイクツールの上部を押し下げます。

④ブレイクツールの上部を開き、アプリケータを取り出します。

⑤使⽤後は、ブレイクツールの表⾯をアルコール綿で拭いて消毒します。

3.アプリケータ内の薬液を移動させるタッピング(軽く叩く)

 アプリケータキャップを下に向けて持ち、約10秒間優しく、丁寧に、軽く叩きます。薬液がアプリケータフィルターの上に集まるまで、タッピングします。

【注意事項】

  1. アプリケータチューブは優しく持ち、余分な⼒を加えない。
  2. アプリケータフィルターから先に薬液を押し出さない。
  3. アプリケータキャップを下に向けた時に、薬液がアプリケータフィルターの上に集まっている事を確認した場合、タッピングはしません。

4.アプリケータの使⽤確認

 アプリケータキャップを取り外します。ペーパータオル⼜はガーゼにアプリケータチップ(先端部分)を付け、アプリケータチューブを軽く押し、薬液が適切に塗布出来るかをご確認します。もし、薬液が詰まって出ない場合は、そのアプリケータは使⽤しません。

【注意事項】

 薬液が出過ぎてしまう場合や気泡により薬液が⼀定に流れない場合は、必要に応じてアプリケータを反転するとか、⽔平に保つ等の対処を⾏います。

5.薬液の塗布

 伝染性軟属腫病変部位に、アプリケータチップ(先端部分)で薬液を適量塗布します。この際、病変部位からはみ出さない様に、薬液を極く薄く(薄いフィルム状)乗せる様に塗布します。もし、塗布時に出過ぎてしまった薬液や病変部位以外の⽪膚に付着してしまった薬液は、綿棒やガーゼで直ちに拭き取ります。塗布部位を可能な限り⽔平に保つのが上手に塗るコツなので、患者さんの協力が非常に大切な行程になります。

【注意事項】

 眼、眼の周囲、粘膜に、使用禁止! 万が一、薬液が眼に⼊った場合は、直ちに流⽔で15分以上洗浄します。

【アプリケータの取扱い】

 アプリケータチューブを強く押すと、思いの外、ドバっと薬液が出る(;’∀’)ので、要注意! 塗布時に薬液が多量に出てしまう場合や気泡が認められる場合は、手順4の注意事項を再確認!して、慎重に作業を進めます。

6.塗布部位の薬液の乾燥

 薬液を完全に乾かし(約5分)てから、お洋服を着ます。薬液が乾くまでは可能な限り塗布部位を⽔平に保ち続けるのが、ポイント!なので、ベッドの上で大人しくお過ごし下さい。

7.塗布後の注意

 塗布16~24時間後に、石鹸を用いて水で洗い流して本剤を除去します。塗布部位には、局所皮膚反応として水疱や紅斑、腫脹、疼痛、掻痒等が発現します。まあ、その強烈な反応こそが作用の本態ですから、起こって当然と言うか…起こってくんないと困るとも言えますが、激しい!!!!!!!!痛み等が発現した場合は、塗布16~24時間後より前でも石鹸を用いて水で洗い流し、直ちにクリニックにご連絡下さいね。

 本剤を洗い流すまでは、塗布部位に触れたり、舐めたり、噛んだりしてはいけません。誤って口に入れた場合には、直ちにクリニックにご連絡下さいね。また、洗い流す前に、塗布部位にクリーム、ローション等を塗布しないで下さい。

 

注意事項

 本剤は可燃性です。⽕気厳禁(アセトン及び無水エタノールを50%以上含む)。クリニック内で煙草を吸う患者さんはいないとは思いますが、念の為。

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来月号の予告

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<人生ずっとアンチエイジング>