リンパ浮腫手術後の脂肪減量 | 旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2012年4月号

リンパ浮腫手術後の脂肪減量

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リンパ浮腫手術(リンパ管静脈吻合術)後、リンパ浮腫は多少は改善したはずなのに、あんま細くなった気がしない…。 その理由の1つとして挙げられるのは、長年のリンパ液の貯留による脂肪組織の蓄積。 脂肪吸引って荒っぽい方法もありますが、縦横無尽に走る毛細リンパ管を損なう可能性も無きにしも非ず…。 でも、脂肪細胞だけを超音波で破壊する(キャビテーション)なら、毛細リンパ管を損なう心配がないので、安心です。

 私、ちょうど1年前に、リンパ浮腫の手術を受けましたがぁ…。う~ん、クレームを付けるって程の不満ではないんですがぁ、やっぱり不満と言うか…失望感が残っているんです。  うちに来る患者さん達も、皆、HISAKOの不満に思っている事を、時に激しく、時に諦め気味にスタッフにぶつけて来るんですが、話していると、意外に手術の内容を理解していないんですよねぇ。何故、術後にこそ、保存的な治療を加えなければいけないのか。…今月号は、リンパ浮腫手術後だからこそって視点で保存的治療と、後、手術では絶対改善しないリンパ浮腫のオマケの脂肪組織についての対策をお話します。  題して、”リンパ浮腫手術後の脂肪減量”です。

私、ちょうど1年前に、リンパ浮腫の手術を受けましたがぁ…。

 以前にもお話した様に、リンパ浮腫の治療は大きく分けると、外科的な治療と保存的な治療の2つに分けられます。ですが、両者は相反する治療方法ではなく、外科的な治療に圧迫やマッサージ等の保存的な治療を併用すると、外科的治療のみ若しくは保存的治療のみの単独治療に比べて、有効性が高いとされています。 まあ、考えてみれば、当然と言えば当然で、手術によってリンパ系の還流ルートを再開出来れば、そりゃあ、そこに保存療法の手法を加えて流れを手助けすれば訳で、より効果的♪  …何か、歯切れの悪い言い方じゃない? …そ、そうなんです。後述しますが、現在の主流とされるリンパ管細静脈吻合術は、浮腫が発生してから長期間経過した症例では、既に吻合したリンパ管のリンパ還流能(平滑筋細胞)が損なわれている為に、特に下肢については今一つ。結構、リンパ管内膜のまともな収縮型の平滑筋細胞数が著減 and/or 小型化している症例が多いんだそうな。まあ、教科書的には、HISAKOの様な20年選手とまでは言わなくても、「長期経過症例では、吻合手術後の著効例は少ない。しかし、手術用顕微鏡下でリンパ管硬化が見られたり、皮下の線維化が著明な長期経過例でも、術後の圧迫等の保存的治療を行えば、長期的には何らかの効果が得られる事が多い。この併用療法の効果は、リンパ管の平滑筋細胞の機能が比較的保たれている上肢で特に有効であるが、(平滑筋細胞の機能が損なわれている事が多い)下肢でも外見的な著効は得られずとも約半数で有効であった。特に、蜂窩織炎頻発例では、吻合後蜂窩織炎の発生数が著減し、その効果は大きい。」って表現に落ち着いちゃうですよねえ。  HISAKOのクリニックにも、リンパ浮腫の手術後の患者さん達が来ます。彼女達は口を揃えて、「もっと細くなるんだと思ってた」とか、「圧迫やマッサージから解放されたくて手術したのに」とか、まあ、勝手な事をのたまってくれちゃいます。 HISAKOも、ちょうど1年前に、両脚についてリンパ管細静脈吻合を計11箇所受けましたがぁ…、細くなったかって言うと、殆ど変わらないですね(笑)。精々、MAX 1cm減ですから。201204image12実は、もう少し細くなる事を見越して、大好きなANREALAGEのパンツを大枚はたいて買ったんですがぁ、目論見は見事外れ。未だ、タグ付きのままクオーゼットにぶら下ったままです、ははは。  かく言うHISAKOではありますが、手術して全く効果がなかったかと言うと、実はそうでもなくて…、他の患者さん同様、単に過大な期待に添わなかったってだけの話です。それなりには効果はありました(きっぱり!)。一番の実感は、講習会等で足を下げたまま長時間座っていても、脚が痛くなくなったって事ですかね。まあ、HISAKOが手術を受けようかなと思った最大の理由はこれで、ここ1、2年は、講習会等に出席しても、時間が経つにつれて浮腫みが増悪。急性皮膚炎を疑わせるような鈍痛を感じるようになり、途中からペンを持つ代わりに足を擦っていたんですが、これがなくなった! 仕事中は、何だかんだ言ってはクリニック内を徘徊しているので、適度な圧迫化の運動療法を図らずしも(!)実践していたんですが、講習会等になると殆ど脚を下げて座りっ放しの状態ですからね。リンパ浮腫には望ましくない状況です。後は…、徐々に何となく年単位での増悪感があったのが、何とはなしに堰き止められた感があるってところでしょうか。  今月号は、所謂一般的な患者さんの立場に立つと、クレームを付ける筋合いではないが、やっぱり不満と言うか…失望感が残るリンパ浮腫手術後だからこそ加えてみて欲しい治療の提案ってところですかね。

リンパ管とリンパ節の構造~リンパ浮腫の患者さんのリンパ管で起こっている事。

まっとうな…正常なリンパ管とリンパ節

 細かい解剖的なお話は、以前の特集(美容通信2011年1月号)を参考にして下さいね。適当に要点だけを端折っちゃいます♪

リンパ管のお話

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 右の図を見て下さい。端的に言いますと、リンパ管は場所によって形態も機能も全く異なっていて、毛細リンパ管はリンパ液の産生に関与していますが、壁に平滑筋を有する集合・主幹リンパ管の一部は自発的な収縮能があるので、リンパ液の能動輸送、つまり積極的にリンパ液を運ぶのを生業にしております。

リンパ節のお話

 リンパ節は数mm~2、3cmのちっちゃなお豆さんにたいな形をしていて、輸入リンパ節と輸出リンパ節に繋がっています。リンパ管の本来のお役目とは、リンパ液と共にリンパ節に流れ込んだ抗原性物質と、リンパ球、抗原提示細胞etc.の免疫担当細胞の謂わば巨大なお見合いの場の提供であり、且つ抗体を産生する細胞を増殖させ、それを送り出すって作業を行っています。その他にも、リンパを煮詰めて(!?)濃縮するなんて事もしています。 201204image9 左図の通り、リンパ節は結構ご立派な平滑筋細胞で包まれています。つまり、リンパ節が、リンパとリンパ球を押し出すポンプであるからこそ、平滑筋細胞の存在が必要な訳で、この事は即ち、集合リンパ管とリンパ節の平滑筋による共同作業で、始めて、リンパ液が滞りなく輸送される事を意味します。…リンパ節の平滑筋細胞については、存在を明記しただけなんて教科書が殆どで、あんま重要視されてはいませんが、実はリンパ浮腫って病気がら解剖を振り返ってみると、意外に重要だったんだ…と改めて気付かされます。

リンパ浮腫の患者さんのリンパ管で起こっている事。

 リンパ管の壁構造は、動脈や静脈と同じく、内皮細胞が一層にべたっと張り付いている内膜層、平滑筋細胞が仕切るリンパ管の屋台骨的な存在の中膜層、そして外膜層から成る三層構造になっています。  リンパ浮腫や動脈硬化を始めとする様々な炎症性血管疾患に於いて、どうも首謀者的な重要人物と目されているのが、この中膜層の平滑筋細胞です。平滑筋細胞は、長じて収縮能を獲得し成熟した後でも、周りに流されやすい性格が故に、ちょっと環境が変わっただけで、子供返りとでも言うのでしょうか…、とっとと収縮能を手放して、増殖・遊走能を有する未熟な平滑筋細胞に退化しちゃいます。これをお洒落な医学用語で形質変換と言いますが、炎症性血管病変や移植後血管病変なんかでは比較的良く見られる現象です。 201204image4 右の図を見て下さい。正常な皮下リンパ管の平滑筋細胞は数層しかないのに、リンパ浮腫の患者さんの皮下リンパ管では、平滑筋細胞が収縮型から増殖型に形質変換を起こし、役立たず(!)の平滑筋細胞ばかりが著明に増殖し、リンパ管の壁がぼてっと厚くなっているのが分りますか? 恐らく、HISAKOのリンパ管はこんな状態だったので、手術後、クレームを付ける筋合いではないが、やっぱり不満と言うか…失望感が残ったのでしょう…。  因みに、既に浮腫みが生じている脚(患肢)は勿論ですが、見た目的には全く正常に見える方のリンパ管でも、浮腫んでいる方の脚よりはましとは言え、壁細胞の肥厚が認められ、その大部分は浮腫側のリンパ管同様に平滑筋細胞マーカーが陽性なものなんだそうです。これが、多くの症例で、片側だけのリンパ浮腫から、両側に移行する理由なのでしょう。 201204image8 201204image5  恐らく、リンパ浮腫の治療は、将来的には、”リンパ浮腫発症早期の段階で、平滑筋細胞が収縮型から増殖型へ形質変換するのを阻止する”予防治療や、”増殖型から収縮型に戻してやる”根治的な治療に主軸を移して行くんじゃないかと思います。何れ、何時かは、って話ではありますがぁ。

リンパ浮腫の治療のおさらい

 リンパ浮腫の治療は大きく分けると、外科的な治療と保存的な治療の2つに分けられます。繰り返しになりますが、両者は相反する治療方法ではなく、外科的な治療に圧迫やマッサージ等の保存的な治療を併用すると、外科的治療のみ若しくは保存的治療のみの単独治療に比べて、有効性が高いとされています。

リンパ外科的な治療方法

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 大昔から、試行錯誤の連続的に色んな手術が考案され、そして忘れ去られて行きました…。リンパ管新生法(絹糸埋没法)、ドレナージ法、皮膚切除・植皮術、脂肪吸引法、リンパ系再建術、そしてリンパ管吻合術。今の主流は、リンパ管吻合術の1つである、顕微鏡下リンパ管静脈吻合術です。

顕微鏡下リンパ管静脈吻合術

 現在、リンパ浮腫の治療として行う外科手術としては、顕微鏡下でのリンパ管静脈吻合術が一般的とされています。昔は普通に外科医が目で見て繋いでいたんですが、最近は顕微鏡下で細い血管を繋ぐのをお家芸としていた形成外科医がリンパ浮腫業界にも進出し、飛躍的に吻合技術が向上しました。HISAKOもそうでしたが、形成外科の医局に入ると大学病院ですからルーチンの仕事が山の様にあるにも拘らず、やれデッサンの時間だ。英会話の時間だ。ネズミで血管を吻合するトレーニングをして来い等々と、この時間さえなければ早く寝られるものをと…恨んだ事もありました。今思えば、医局が丸抱えで教育に時間と金を割いてくれていた訳で、感謝してもし足りない位なんですが、当時はそんな余裕もありませんでした(笑)。そんな研修医達の汗と涙の結晶の延長線上にあるのが、顕微鏡下でのリンパ管静脈吻合術です。  下の図を見て下さい。      201204image1  リンパ浮腫のある手や足に、ナイフで数か所、3cm程度の小さな切れ目を入れて、顕微鏡下で、皮膚直下の脂肪組織の中のリンパ管と静脈を捜索! リンパ管は直径が約0.5mmと超が付く程に極細なので、11-0か12-0って規格の、う~ん、イメージ的には、波平級の禿げのおじさんのへろった髪の毛(産毛!?)よりも細いかもって太さのナイロンの糸で縫い合わせます。上の図を見て貰えば分るように、1本のリンパ管と静脈を繋ぎ合わせるのに、6~8針も縫うんです。まあ、揶揄ではなくて、実際に重箱の隅を突っつくのが好き(!!)な形成外科医ならではの、趣味と実益を兼ね備えた手術です。  局所麻酔で行うので、4時間が患者的には限界。HISAKOの時は、3人の術者が3台の顕微鏡下で夫々にリンパ管と静脈を繋ぐ訳ですから、夫々の術者がやり易い=人間としてはどちらかと言うと不自然な姿勢を要求し、殆ど上海雑技団(笑)。途中で休憩を取り、腰をマッサージしてもらって後半戦に臨んだんですが、それでも4時間近く経つと、ゲロ吐きそうな気分になってしまいました。…医者も疲れますしねぇ、医者と患者の双方の限界点が4時間で、そうなると1回の手術で縫合出来る箇所は、精々7、8ってところでしょうか。  この手術の最大の欠点は、”リンパ管の平滑筋細胞が機能してさえいれば”って枕詞ならぬ接頭語(?)が付く事です。多くの、特に下肢のリンパ浮腫の患者では、前述の様に、リンパ管の平滑筋細胞が損なわれている事が多く、吻合術が技術的な意味で成功しただけでは不十分で、ストッキングや弾性包帯による圧迫療法や、運動療法等で、他動的なリンパ管の収縮をきちんとサポートしたやらなければ駄目なんですねぇ。…寝たきり老人状態ならいざ知らず、立って歩きますからねぇ…、普通の人は。どうしたってリンパ液に重力が掛かり、還流され難くなります。  実際、HISAKOが手術を受けるのに際し、担当の医者からもらった説明書にも、ちゃんとこう記載されています。「術後に浮腫みが劇的に改善する事はありません。この手術はバイパス(新たなリンパ路)を作るもので、リンパ管のリンパ液を吸収して送り上げる自己収縮能を再建するものではありません。ですから、術後もストッキングやマッサージなどを使って、リンパ管を収縮させる手助けをしなくてはなりません。手術後は術前と同じ様に圧迫療法をしていただきます。毎日必ず圧迫をする事が必要になります。圧迫しないと手術の効果は期待できません。術前にしっかりストッキングの圧迫療法が出来た方に対してこの手術を行っています。又、術後バイパス効果が認められず、浮腫が進行する場合があります。繰り返しになりますが、この手術で劇的な効果は期待できません。」 …ちょっと言い方がきつ過ぎるんじゃないかって気がしないでもないですが、大学病院だとこうならざるえないんでしょうねぇ。

遊離血管柄付きリンパ管-リンパ節移植

 繰り返しますが、 顕微鏡下リンパ管静脈吻合術の欠点は、損なわれてしまったリンパ管の平滑筋細胞の機能を復活させるものではありません。ですから、機能不全を補うべく、”自分で出来ないのなら、せめて助っ人を!”が基本的な考え方で、術後も引き続き、圧迫や、マッサージ、運動療法等と言った、他動的にリンパ管の収縮をサポートしてやる必要があります。きちんとしたサポートを加えさえすれば、例え、平滑筋細胞が完全にお馬鹿状態だったとしても、正常と比べれば確かに見劣りはするものの、そこそこにはリンパ液は還流されます。…多分、されます。  遊離血管柄付きリンパ管-リンパ節移植は、前述の顕微鏡下リンパ管静脈吻合術と違って、未だ一般的な手術ではありません。欧米では、既に5年以上の臨床成績が報告されていますが、日本では未だトライアル的な段階で、殆ど症例がない状況です。ですが、顕微鏡下リンパ管静脈吻合術の最大の欠点である、損なわれたリンパ管の平滑筋細胞の機能を、外からの移民の形ではありますが、理論上は、再獲得させる事が出来ます。  少し補足を致しますと、リンパ節を切除しても、リンパ管はリンパ節を切除した部位に伸びて来ます。再生するんです。ですが、リンパ節は再生しません。一度そこの領域から切除してしまうと、リンパ管に置き換わるだけで終わりです。ところが、切除されたリンパ節は、血流さえ保たれていれば、移植された場所でリンパ節は素知らぬ顔して生存し続け、リンパ管も前にも後ろにも伸びて行き、ネットワークと機能を再建する事が分っています。  HISAKOの様に、顕微鏡下リンパ管静脈吻合術を受けても今一つだった患者さん達にとっては、とっても魅力的な方法ですが、欧米で良好な結果とされているのは乳癌術後の症例(Beckerらの報告:手術を行った24名中、①正常化:10人、②50%以上減少:6人、③50%未満減少:6人、④不変:2人)で、未だ下肢のリンパ浮腫に対する効果は未だ不明。又、手術の手技自体も未だ確立されておらず、術者の裁量に委ねられているのが現状です。そして、HISAKOがこの手術の存在を遠い噂では耳にしてはいても、自分が受けるかと問われると二の足を踏んでしまう、正確に言うと、静観している最大の理由は…、リンパ節を採取した部位に新たにリンパ浮腫が出現する可能性があるから。両脚の場合は勿論、見た目的に片脚しか発症はしていなくても、前述する様に火種を隠し持っている訳ですから、どうしたって血管柄付きリンパ節の採取部位は、鼠径部ではなくて、腋窩部からって事になります。両脚だと…、両脇!? 「いや~あ、浮腫んだ脚だけでも持て余しているのに、腕までとなると…。う~ん、暫くは様子見だよね、絶対」って慎重派に(笑)。

リンパ浮腫の保存的な治療

 現在HISAKOのクリニックでリンパ浮腫の治療として行っているのは、複合的保存療法です。この治療は、外科的な治療の有無にかかわらず行う基本的な治療方法で、外科手術の前であろうと後であろうと、又、何度でも繰り返し行える治療でもあります。具体的には、(1)圧迫、(2)マッサージ、(3)スーパーライザーやプラセンタのツボ注射、マイクロウェルダーを組み合わせた理学療法、(4)栄養療法、(5)高濃度ビタミンC等の点滴療法やそのサポートとしてのオゾン療法、(6)ホルモン療法、(7)内服、(8)運動慮法を含む生活指導等を組み合わせて行っています。これは、外科的治療を行なった場合でも、術前術後に関わらず、内容的には全く同じです。  つまり、手術(リンパ節の隔清)や放射線照射etc.で、今まで老廃物(蛋白質)を効率良くリサイクルセンターに運んでいた高速道路(リンパの本幹)が不通になってしまった‥。ですが、腕や脚と言った末梢組織は、本部からどんどんと送られてくる酸素や栄養の単なる消費の現場であしかありません。不法投棄しまうって選択肢は今時はあり得ませんから、何時か高速道路が再び開通するかも知れないその日まで、建前上は、使用済みの老廃物をちゃんと倉庫に保管しとかなくちゃいけません。が、元々倉庫でもなんでもない一介の末梢組織(笑)ですから、屋外に野晒し状態で積み上げておくしかありません。でもそんな事をすれば、雨水を吸った老廃物は化けモンみたいに勝手に膨れ上がる(=リンパ浮腫)し、運が悪いと虫が湧く(=蜂窩織炎)。 image1054  リスクを負って保管し続けるのは、誰だって嫌です。高速道路が駄目なら、一般道でも、農道でも、獣道でも、リサイクルセンターに続く道(=バイパス)があれば、否、道がなければ道路を造ってでもと、考えるのが人情です。(3)の理学療法は、謂わば道路工事です。磁気と振動と温度をファジーに外側から加えるのがマイクロウェルダーなら、血流を改善し、交感神経をブロックし、現場の棟梁に的確な指示を出させるのが、スーパーライザー(美容通信2007年12月号)であり、プラセンタ(美容通信2009年2月号)のツボ注射(美容通信2009年4月号)です。冷たく硬く浮腫んだままでは、幾ら圧迫した所で、細くなりようがないんです。中と外から温めるのが、道路工事(理学療法)の基本です。  補足になりますが、皮膚のマッサージ、特に俗に”ツボ”と言われる部位に対するマッサージや、マイクロウェルダーやAC BODYの様な機械的なバイブレーションの刺激を加えると、毛細リンパ管のリンパ液の流量が増加するだけでなく、最近の研究では、リンパ液の産生のみならず、リンパ液内の蛋白質、特にアルブミン濃度が有意に増加する事が判明しました。このアルブミン濃度の増加は、自然免疫能を中心とした免疫機能を強化してくれるんだそうです。つまり、嬉しくないオマケである蜂窩織炎の予防にも効果大って事なんです、はい。  そして、本題に戻りますが、工事を少しでも恙無く進行させる為には、十分な材料を供給する必要があります。(4)の栄養療法(美容通信2007年3月号)です。元々、リサイクル用の蛋白質が末梢組織に溜まっていて使えない状態がリンパ浮腫ですから、低蛋白の患者さんが非常に多いのが現状です。HISAKOも、必死に毎朝プロテインを飲んでいるんですが、ちょっと気を抜くとスッコ~ンって感じで検査値が圏外に転落しちゃいます。その他にも、採血すると、やれ鉄が少ないとか、亜鉛が少ないとか、ボロボロ不足する材料が露見する事が多いです、ホント。 (5)点滴療法は、小回りの効く栄養療法のサポートとして働く事も多いですが、例えば高濃度のビタミンCの点滴(美容通信2008年11月号)は、コラーゲンを産生する時の必須の栄養素として働くだけでなく、癌の再発予防として、更には濃度を挙げる事で癌の治療の助っ人として行います。その強力な抗酸化作用で、高濃度ビタミンC点滴をサポートするのがオゾン療法(血液クレンジング)(美容通信2011年8月号)です。プラセンタ点滴は、乳癌で抗癌剤(ホルモン治療)を行っていて、明らかに女性ホルモン減少による他の諸症状に苦しんでいる患者さんにとっては、ホルモンもどきとして症状の緩和にも繋がります。  そして、大事なのは、現場の効率を考え、人足の手配から材料の調達・配送、工程の調整、後片付けまでと、細かく仕切る中央指令センター的な存在。それがホルモンです。例えば、甲状腺ホルモン。代謝を高め、体温を上げてくれる効果があり、理学療法(道路工事)の大いなるサポーターです。ですが、唯でさえ爺婆化と共に減少するのに加えて、恐ろしい事に、プロゲステロンって名の女性ホルモンが低下する事で、T3がT4に変換が難しくなり、実際に働いてくれる活性を持ったT3の不足に陥ってるなんて事態も。因みに、プロゲステロンは、更年期が終わる頃には、完全に干上がって殆どゼロになりますし、HISAKOの様に子宮癌で子宮も卵巣も摘出されている患者さんでは、副作用の多い合成のプロゲステロンしか処方薬がない日本の保健医療体制では、若くして欠乏症に陥っています。  天然ホルモン(ホルモン補充療法と一言で言ってしまうと、ドン引きしてしまうかも知れませんが、HISAKOのクリニックで使用しているのは、全て天然(ナチュラル)ホルモン=生物学的同一ホルモン(ヒト固有ホルモン=バイオアイデンティカル(バイオアベイラブル)ホルモンです。乳癌や前立腺癌等のリスクを高めるとされる合成ホルモン剤ではありません! ここら辺の詳しい話は以前特集したので(美容通信2010年12月号)(美容通信2010年8月号)(美容通信2010年9月号)を読んで下さいね)での補充は、出来れば是非欲しいところです。ですが、如何に天然ホルモンとは言え、乳癌進行中の患者さんにはエストロゲンの補充は行いません。乳癌の様なエストロゲン依存性の癌に罹っている時は、癌組織は既にエストロゲンに反応し易くなっているからです。ですから、一般的に乳癌に際しては、タモキシフェンやアルミデックスの様なエストロゲンを阻害する事で癌の成長を抑えるお薬を使用します。ですが、文献上は治療後5年経過していれば、つまり完治していれば、エストロゲン受容体を大量に装備した癌組織自体がいない訳ですから、エストロゲンの補充は安全とされていますし、再発には補充は関係ないとされています。実際、エストロゲンの補充によって再発率は寧ろ低下し、生存率も上がると言う報告もなされています。  余談になりますが、ホルモン依存性の癌に対する再発に対するリスク検査も、尿中の女性ホルモンの代謝産物を測定知る事で可能ですし、そもそも癌化の切欠ともなった活性酸素による細胞の損傷の受け易さ等も、遺伝子を調べれば分るので、ベースとしてのサプリメントや点滴等による弱点の補強(美容通信2010年10月号)も可能です。勿論、遺伝子の損傷具合も判るので、年に一回は遺伝子検査で癌検診(美容通信2011年11月号)も出来ちゃいます。  ですが、こうして頑張って頑張って造った道路ですが、高速道路とは程遠い、バイパス(側副路)。まあ、所詮代用品ですから、例え道幅の狭い悪路であろうと文句は言えません。大容量を積載可能なトラックを諦め、リヤカーを引いて老廃物を運ばねばなりません。リヤカーのお尻を押して手助けしてあげようって言うのが、自宅やクリニックで行う(2)のマッサージ(美容通信2003年9月号)です。  そして、忘れてはならないのが、(1)の圧迫(美容通信2011年2月号)。在庫調整です。正確には、老廃物が雨水を吸って膨れ上がらない様にするって事なんですが、大量に在庫が膨らめば、当然、幾らリヤカーで運び出したって間に合いませんものね、ははは。平成20年の4月からですが、お国も重い腰を上げて、弾性着衣(弾性包帯とかストッキング、スリーブetc.)も医療保険からの給付を認めましたしね。リンパ浮腫治療上、絶対必須のアイテムです。

リンパ浮腫の手術(顕微鏡下リンパ管静脈吻合術)の弱点を補う為に。

 現在一般的なリンパ浮腫の手術として行われている顕微鏡下リンパ管静脈吻合術は、損なわれてしまったリンパ管の平滑筋細胞の機能を復活させる手術ではないって事。つまり、機能不全を補うべく、”自分で出来ないのなら、せめて助っ人を!”がベースの考え方で、術後も引き続き、圧迫(美容通信2011年2月号)や、マッサージ(美容通信2003年9月号)、運動療法(美容通信2011年1月号)等と言った他動的にリンパ管の収縮をサポートする系は、必須のお約束事になります。きちんとしたサポートを加えさえすれば、例え、平滑筋細胞が完全にお馬鹿状態だったとしても、正常と比べれば確かに見劣りはするものの、そこそこにはリンパ液は還流されますから。  以前にも特集は組んでいるので、圧迫やマッサージ、運動療法等の詳細についてはそちらを参照して頂くとして、近頃患者さんとおしゃべりしていて「あんれ、ま~ぁ!?」と思う事が多々あったので、その辺りを補足しておきます。題して、”意外な落とし穴シリーズ”。

      • 幾ら、患肢拳上とは言っても…過ぎたるは及ばざるが如し。

 リンパ液を、親ならぬ重力を使ってでも流したいのが人情。ですが、過ぎたるは及ばざるが如し。川の流れを想像してもらえば良いんですが、高く上げ過ぎると、底って言うか…淀みに水が溜まちゃうんです。腕だったら脇の下(腋窩)や肩、脚だったら鼠径部や下っ腹に浮腫みが溜まって、却ってリンパの流れが 滞っちゃうんですよ、ねぇ。なだらかな勾配がベストなんです。具体的には、根元より、手や足の先っぽが精々10cm位高くなる程度の、って感じですかね。         

  • 人気NO.1のハドマーは、弱い圧で使うのがお約束。
  •  リンパ浮腫のお友達として人気が高い、ハドマーを始めとする間欠的空気圧迫措置(空気式マッサージ器)。ですが、使い方を誤ったが故に自分の首を絞殺しちゃった的な、笑うに笑えない悲劇も結構散見されます。つまり、この器械は、元々、浮腫んだ手や足のリンパ液を胴体に誘導する為に、リンパ液を無理矢理胴体方向に向けて、押し上げたり、絞り上げるって、ちょっと荒業的な性格の持ち主なんです。それが故に、功を急ぐあまりに圧を強めに設定すると、上肢の場合は脇の下(腋窩)や肩に、下肢の場合は下腹部にリンパ液を押し込んでしまう事となり、却って治療に難渋するなんて話も(笑)。ハドマーは、あくまでも、間欠的な圧迫によって、浮腫んだ腕や脚のリンパ管の収縮を活発にする為の器械として使用するものなのです。だから、”何やってんだか的な弱い圧で”が、お約束なんですよ、はい。

  • 大は小を兼ねる。弾性スリーブやストッキングは、サイズに迷ったら、兎に角、大きいサイズを!
  •  世の中の思い込みってモノは激しくて、サイズに迷ったら、皆、小さいサイズを選ぼうとするんです。まあ、単なる洋服選びなら、ブティックのお姉ちゃんの様に、お客の”見栄”を陰で「ボンレスハム♪」って嘲笑って終・わ・りですが、治療用の弾性着衣となるとそうはいきません。小さいサイズ信仰の皆様、冷静になって考えて下さい。生地が引き伸ばされた分、反動で縮もうとする力が強力に働くと思うのは単なる願望であって、実際は。引き伸ばされた分だけ弾力繊維が疎な状態となり、却って圧が弱くなっているんです。  1パック1000円均一なら、g数の多い方を私は買います。…生地を沢山使っているのに、少ない物とお値段が一緒!?  じゃあ、沢山使ってる方がお得じゃございませんか、奥さん!

  • 喰い込んだら、引き上げるのではなく、引き下げる。
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         これ、結構大事なポイント。例えば、動いてるうちに、膝の裏に弾性ストッキングの布地が溜まって喰い込んでしまったなんて経験、ありませんか? HISAKOもお散歩が大好きなので良くあるんですが、最寄りのスタバのトイレに直行。膝裏に溜まった布の溜まり部分をふくらはぎまで引き摺り下ろし、ちょうどふくらはぎの一番太い部分により繊維が密に=圧が掛かる様に整え直しています。上に引き上げちゃ、ダメなんですよ。膝裏と同じ様に、脚の付け根(鼠径部)なら大腿に、足首なら踵にと、摺り下ろして形を修正するのが、正しい対処法なんです。
      • 過激な運動は、×。

     息を止めて、”よっしゃ~ぁ!”と行う様な、つまり嫌気性呼吸となる様な激しい運動は、過剰なリンパ生成を招くだけ。唯でさえ、余剰在庫でアップアップ状態なんだから、これ以上余計なモノは背負わなくたって良いじゃない(笑)。でも、同じ運動でも、無酸素から有酸素運動に切り替えるだけで、交感神経の緊張を増加させ、リンパ集合管の自動運搬能をUPさせます。噂によると、リンパの流れは安静時では非常にゆっくりしか流れないのに、運動中は5~15倍にもなるんだそうな。

  • 深呼吸してます?
  •  体の外側って、実際的なアプローチって結構簡単。ところが、体の内側って…、触れない! 確かに、やれ、栄養療法(サプリメント含)やホルモン補充療法、スーパーライザーだ、オゾン療法だ、ビタミンCだ等々と色んなアプローチの方法はありますがぁ、直接的にやられてる感♪のあるものと言うと…、深呼吸でしょう、やっぱ。呼吸こそが、唯一、意図的に且つ直接的に深部の静脈やリンパ液に働き掛ける事が出来る方法なんですよ。


     そして、手術(顕微鏡下リンパ管静脈吻合術)の弱点を補う為に忘れてはならないのが、リンパ浮腫のオマケの改善です。手術(+保存療法)で、リンパの滞りが解消されさえすれば脚が細くなると皆さん思っているようですが、実はリンパ浮腫の陰に隠れて地道に存在感を増してしまった脂肪組織の処理も必要なんです。繰り返しますが、毛細リンパ管や前集合菅は、脂肪畑を縦横無尽に走る農道みたいな存在です。農道のキャパを超えて溢れ出したリンパ液は、お節介にも脂肪細胞の増加を唆しているんですよ。HISAKOの様なデブの遺伝子の保有者(美容通信2010年3月号)(美容通信2010年4月号)は、元々要注意人物ですが、年齢や手術等によるホルモン分泌の低下(美容通信2011年10月号)も関与しています。これらを加味しながら、HISAKOのクリニックでは、脂肪減量プログラムを従来のリンパ浮腫の保存療法に組み込んでいます。

    リンパ浮腫手術後の脂肪減量プログラムについて

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     メインとして使用するのは、S-OPERAです。S-OPERAは超音波により脂肪細胞を破壊する(キャビテーション)の器械で、この種の器械は美容皮膚科・美容外科領域では、痩身系をやっているクリニックでは一家に一台ならぬ一件に一台的に普及している極々く一般的なモノ。下の図を見て下さい。追撃砲で”髪の毛を一本も残さずに”粛清した公開処刑を髣髴とさせるが如くに、見事にターゲットである脂肪細胞が破壊されています。 image1152  脂肪細胞が壊れ、中から脂肪が放出されると、血液やリンパ液によってとっとと排泄されるか、エネルギーとして筋肉でとっとと消費されて、存在自体が消えて無くなってしまいます。所謂、普通の生理的な代謝のメカニズムに則って事後処理が粛々と為される訳ですが、諸事情によりとっとと処理出来ないと、野良脂肪酸は行く当てが無いので、丸2日もすれば、またそぞろに脂肪細胞として再結成しちゃうんです。  ですから、脂肪の排泄って観点で考えると、一般人に比べ、リンパ浮腫の患者さんは確かに不利です。ですが、リンパ液の滞留だけでもうんざりしているのに、更にこの溜まったリンパ液が脂肪細胞の増殖を盛んに促して、ぼってっと肉ならぬ脂肪襦袢を纏ったと言う、謂わばW増量状況を鑑みると、十分トライしてみる価値ありじゃないのかなって思います。勿論、よりリンパ液が流れるであろう可能性が高い手術後の脂肪減量として併用する方がより効果が期待出来ますし、併せて、圧迫やマッサージ、運動療法と言った一般的なリンパ浮腫の保存的な治療をしっかりと行てリンパの流れを少しでも促進する事こそが、S-OPERA追加の前提となります。  脂肪減量のもう一つの機序である燃焼って意味では、リンパ浮腫があるからって理由だけで、決して一般人に劣る点はありません。う~ん、正確にはホルモンの低下も関係はありますがぁ…、まあ、それは後でお話する事にして、つまり、脂肪は燃えてナンボのものなんです。しかしながら、脂肪細胞をぶち壊しただけでは、駄目系なんです。下の図”脂肪燃焼のメカニズムと関与する遺伝子”を見ましょう。繰り返し、デブの話の際には出て来る図ですよね。 image944_1  L-カルニチンとビタミンB群(B1・B2・パントテン酸・ナイアシン・ビオチン)の手引きでTCA回路に侵入し、CoQ10をばかばか消費しながら、「燃えてナンボのもんだい」なんですよ。確かに、ガルシニアって援軍が大勢いると、多少燃え残しがあったとしても、もう一度燃焼系への道筋を立ててくれるので、脂肪組織再結成阻止には役に立つので心強いですが、ね。  実際的には、外側からマイクロウェルダーで温度と振動と磁気を加え、内側からスーパーライザーで全身の血流を改善し、まあ、謂わばWでほっこりと温めた状態で、S-OPERAを行います。その後は、マッサージに加えて、圧迫下での運動療法が定番のコースですかね。まあ、パワーアップ組は、AC BODYで筋力強化を加えたり、ダイエット点滴を併用します。

    プラスαのお友達

     ”乳癌や子宮癌術後のリンパ浮腫に対して”って特異的なものはありませんが、強いて言うなら、乳癌や子宮癌の治療に伴うホルモン環境の変化が、加齢と相まって代謝を低下させている場合があります。但し、エストロゲンの補充については、乳癌の様なホルモン依存性の癌は治療後5年経過している事=完治が補充治療の前提になっています。  他は…、一般的なダイエットの方法(美容通信番外編・ダイエットの方法)と重複するので割愛しますね。

    ホルモン補充療法

     代謝に関与するホルモンは、年齢と共に分泌が低下しますが、乳癌や子宮癌の治療により、低下に更に加速が加わる場合があります。血液や唾液検査により、明らかな低下を認めた場合、下記の様なホルモンを補充する事で代謝を改善し、リンパ浮腫によって余計に蓄積してしまった脂肪の燃焼を促進します。

        • エストロゲン

      ”女性ホルモンは太る!”って偏見が、未だ世間には根強く残っていますが、実は太るのは健康保険で処方されるプレマリンの様な合成ホルモン。”天然”の生物学的同一ホルモン(ヒト固有ホルモン=バイオアイデンティカル(バイオアベイラブル)ホルモン=天然(ナチュラル)ホルモン)にはそんな副作用はありません。ちゃんとホルモンが分泌していた小娘時代の方が、今より痩せていたじゃないですか(笑)。どんなホルモンを補充するかってポイントは結構デカいです、はい。しかしながら、如何に天然ホルモンとは言え、乳癌の様なホルモン依存性の癌については、治療後5年経過している事=完治が補充治療の前提にはなります。  エストロゲンには色々な作用がありますが、代謝関連については、インスリン耐性(

    美容通信2010年4月号

        )の抑制作用の他、筋力を向上作用が挙げられます。
      • プロゲステロン

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         エストロゲンの女房役。代謝に関しては、何と言ってもポジティブ思考! その他、最近の研究によると、睡眠時間が短かったり、眠りが浅かったりすると、インスリンの分泌が乱れ、血糖値(

    美容通信2010年4月号

        )(

    美容通信2011年4月号

        )が上がる傾向がある為、プロゲステロンの不眠の改善はとっても重要な作用。元々、日本人は欧米人に比べて、インスリンの分泌が傷害され易い体質の人が多いとされています。HISAKOも全ての糖尿病関連遺伝子を保有している訳ではありませんが、インスリン抵抗性の遺伝子PPARγ(Pro12ALa)を持っていますから、これは致命傷(

    美容通信2010年3月号

          )になりかねません。他にも睡眠とデブの関連は大有りで、実は睡眠時間が不足すると、食欲を刺激するホルモン(グレリン)が増え、逆に満腹だと脳に伝えるホルモン(レプチン)が減る事が判明。寝不足は、過食を誘発し、誘惑に乗っただけ脂肪が増えるって負の連鎖を引き起こしてたんです。そして、忘れてはならないのが、中年太り克服のキーマンである甲状腺ホルモンとの密接な関係。甲状腺ホルモンが婆化に伴い唯でさえ低下するので、代謝機能は衰えるのに、ここに更にプロゲステロンの低下が加わると、引っ込み思案のT4から活動的なT3への変換が難しくなり、更に代謝機能の低下に拍車が掛かちゃうんですです。
        • DHEA

     DHEA-sの濃度が低い場合は、女性ホルモンの補充療法を行なう際、単独で女性ホルモンを補うよりも、DHEAを併せて使用する方が、婆への急激な移行(加齢)による諸症状の緩和により効果的な為、グリコのオマケ的に処方される事が多いホルモンですが、デブに関して言うと、直接的な作用としては、インスリン耐性の阻止。その他にも、細胞再生能活性化、筋肉増強、性機能改善、抗欝・抗精神作用が代謝関連系の作用でしょうか。

  • 男性ホルモン(テストステロン)
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         インスリン抵抗性も改善されるので、最近はメタボ対策としても注目されているのが、男性ホルモン。男性専科と思われがちですが、実は女性の体内にも、男性の10%位ですが、卵巣と副腎が分泌する男性ホルモン(テストステロン)()が存在しています。しかしながら、子宮癌の場合、子宮と一緒に卵巣を摘出している症例も多く、この場合は卵巣由来のテストステロンは当然ながらゼロに。つまり、副腎で極く少量作られる以外、補給手段がない状況ですから、HISAKO同様、非常に底辺を彷徨ってる患者さんが殆ど(笑)。例え、子宮の摘出だけで卵巣が残っていたとしても、卵巣って奴は根性がないので、子宮摘出の1年か2年後にはその機能を停止しちゃうんです。根性、ね~ぇ!!
      • 甲状腺ホルモン

     婆化に伴う甲状腺機能低下状態に癌の治療が重なり、(医原的に発生した)更年期障害の症状と甲状腺機能低下症の症状が極めて酷似しているが故に、甲状腺ホルモンの低下が見逃され、単に更年期障害の治療しか受けていない子宮癌術後の患者さんが世の中に大多数います。又、更年期障害の治療と言っても、保険医療の縛りから、合成のプロゲステロンしか選択肢がない保険医療の病院では、癌の再発を恐れ、単に(合成の)エストロゲンだけの補充しか行っていません。この様な片手落ちの補充状態が続くと、プロゲステロンが枯渇し、これにより甲状腺ホルモンの働きも低下します。つまり、加齢による①T4産生の低下、②T4からT3への変換量の低下、③受容体機能の低下に加えて、多くの癌患者は片手落ちの女性ホルモンの補充療法のツケまで払わされるって事です。  甲状腺ホルモンは、端的に言うと、代謝を高め、体温を上げてくれるホルモンです。この代謝の良し悪しを簡単に見分ける方法は、お熱を測る事。午前は36.4℃前後、午後は37.0℃前後が、所謂”平熱”なんです。貴女は何℃でしたか? 低体温の全ての原因が、甲状腺ホルモンの低下ではありませんが、低体温に代表される様な代謝が悪い状態のままでは、幾らS-OPERAで脂肪細胞を局所的に破壊しても、又漫ろに脂肪組織が再結成されてしまいますから。  その他デブ関係では、女性ホルモンの低下を受けて上昇志向に転じていたコレステロール値も下げてくれるだけでなく、細胞代謝を高めます。又、眠りのリズムも決定します。低甲状腺ホルモンは、欝や疲れの原因にもなります。

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    *註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

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