ボトックスで花粉症対策 | 旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2011年5月号

ボトックスで花粉症対策

ボトックスで花粉症対策

image1124ボトックスを鼻の粘膜に滴下するだけで、花粉症による辛い鼻水や目の痒みが、施術直後(個人差があります)からスッキリ解消! 花粉のシーズンに1回から2回の施術でOK。 勿論、滴下法なので、痛くありません。

 
 今年の花粉は半端じゃない! 5月1日号だけど、前倒しに発刊しちゃいました。題して、”ボトックスで花粉症対策”です。
 ボトックスは、日々、進化を遂げています。昔は単なる皺取りや多汗症の治療(美容通信2003年10月号)として美容皮膚科系での限られたメニューとしてしか認識されなかったボトックスですが、眼瞼痙攣や片側顔面痙攣(美容通信2008年1月号)、毛穴やオイリースキンの改善(美容通信2010年11月号)、ボトックス・リフト(美容通信2011年3月号)と用途が拡がり、遂には花粉症や片頭痛、腰痛や肩凝りの新しい治療法として認識されるようになって来ました。もう、これは美容系以外の、内科や脳外科、整形外科、眼科、耳鼻科等々と言った幅広い科でボトックス外来開設の兆し!?

2011年、花粉持ちのHISAKOにとっては最悪の年だった

 今年の花粉は、半端じゃない。肩書きが、アレルギーの総合商社 and/or 百貨店と、本気だか冗談だか分んない名刺を持ち歩くHISAKOにとって、今年は本当に辛い辛い春でした。鼻水は出ます。でも、ナント言っても、辛かったのは眼。生まれて初めて、花粉が嵩じてドライアイを併発し、例年ならコンタクトを止めてメガネ女子になっていたんですが、コンタクトレンズを外すと、目薬を滴下し続けてるにも関わらず、2時間もしないうちに眼がバリバリに乾燥し、痛い。夜は眼の乾燥で何度も目が覚めるので、とうとうシビレを切らし、野蛮とは分っていたんですが‥眼軟膏を目の中に入れて睡眠を確保。本当に、トホホでした。‥何で、過去形で書いているんだって? 実は、HISAKOは、ボトックスを鼻の穴に滴下したから。世の中の未だに花粉に苦しむ一般ピープルを尻目に、涼しい顔が出来るんです、はい。

アレルギー性鼻炎とは何ぞや。

 アレルギー性鼻炎の原因となる物質は実に多種多様で、ハウスダストやカビ、犬や猫やハムスターと言った動物の毛、花粉等々の、兎に角、飛び系なら何でもありです。唯、便宜上、一年中原因となるべき物質が存在している通年性のものと、花粉の様にある限られた季節だけに存在する季節性のものに分けられています。ですが、機序的には両者に差がなく、単に免疫機能に変調を来たした挙句の過剰反応美容通信2013年3月号)でしかありません。

花粉は本質的には全く「敵」でもなんでもはないのだか‥、「敵」だって勝手に思い込んじゃう人々がいる。

以前にアトピー性皮膚炎(美容通信2007年4月号)の特集で解説しましたが、花粉(美容通信2005年3月号)の様な本来体に存在しない変な奴が侵入して来ると、マクロファージ(貪食細胞)がすっ飛んで来て、一気喰いしちゃいます。我が家のパンダ猫・娯娯(ここ)も部屋に捕まえて来たトンボを放すと、だ~っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!って走って来て、バンと叩いて、そんで一気喰いしちゃうもんなぁ。マクロファージって名前にしとけば良かった(笑)。 普通は、一気喰いした敵(獲物?)の情報は、律儀にヘルパーT細胞に報告されます。ここで独断と偏見で「敵」と仕分けされてしまえば、即B細胞にその報告が上がります。このB細胞は謂わば参謀本部で、次回の「敵」の来襲に備え、「敵」を倒す為に最適なトレーニングを受けた特殊部隊IgG(免疫グロブリン)を養成します。彼らは、夫々が特定の「敵」、例えば、コナヒョウヒダニならコナヒョウヒダニに、スギ花粉ならスギ花粉に特化した先鋭部隊で、「敵」の侵入を関知すると、とっとと「敵」をポア(←古いなぁ‥。でも、ボトックスの資料を引っくり返していたらオウム真理教の記述が出て来て、つい)してくれます。 image1125 ところが、この様に事を荒立てずに粛々と一連の反応を終息させる為の陰の立役者であるサプレッサーT細胞が、何の因果か分りませんが、職務放棄をしてしまう、所謂アレルギー体質って人々がいるのです。そうなるとヘルパーT細胞はきちんと仕分けをする事が出来なくなり、誤った情報がB細胞に上がり、その結果珍妙な特殊部隊IgEが養成される羽目になります。IgGがロイヤル・バレエ団の”白鳥の湖”なら、IgEは歌舞伎町の”黒鳥の湖”って感じですかねぇ(笑)。まあ、平たく言えば、「敵」の侵入増大に伴い、おかまがドンドン増殖する状況を「感作」と言います。通常の免疫反応なら抗原(=「敵」)を抑え込んでそれで完結しちゃうんですが、差別って言われると困っちゃうんですが、IgEとかおかまって、極端な位の過剰防衛体質(‥本当は違うのかもしれないけど、商売上の理由からかオーバーリアクション)で、ちょっとの事を大げさに騒ぎ立てるんですよねぇ。結果、鼻水は際限なく流れ続け、眼や喉も痒み等の不快な症状が出現し‥、心地好い春の訪れが、つ、辛いだけの季節になってしまいます。

ボトックスは汁物系にも効く。

 鼻水の製造工場を支配しているのは、副交感神経(コリン作動性)。翼口蓋神経節から伸びる節後線維が、鼻粘膜に分布しています。花粉症の際は、この副交感神経が大いにハッスルして大量な鼻水を産生し続けるのですが、過剰ではあるにしろ真っ当な反応である。つまり、福島原発の様にどっかの配管が壊れて鼻水を垂れ流している訳ではありませんから、この副交感神経の作用を抑制すれば、自ずと鼻水も止まるはずです。‥これが、ボトックスが辛い花粉症の鼻水に効く理由です。
じゃあ、何で目の痒みに効くか? 知りません。何でかは分んないですが、眼の症状にも効きます。スカッとは効きませんが、結構マシレベルには効きます。え? 眼に直接滴下したらって? 痒みに効果がないだけでなく、散瞳して終わりで~す。

鼻の穴からボトックスを垂らしてみました。

 まだまだ謎の多いボトックスですが、作用の一つに分泌物を抑制する事があります。この作用を利用した治療としては、多汗症やオイリースキンの改善等が挙げられますが、アレルギー性鼻炎の治療も含まれています。副交感神経に働きかけて期間限定で鼻水の分泌を抑制する、まあ、その場凌ぎの極み(対症療法)みたいな方法ではありますが、ボトックスを滴下した直後から直ぐに効果が実感出来るのが、エライ(論文上は、投与30分である程度のスッキリ感が現れ、数時間後には大幅な鼻粘液分泌減少と表記)。HISAKOは、鼻水はピタッと止まった。眼については、痒みは多少は出る日はあるけど、兎に角、ドライアイが改善したのが何よりも嬉しいかな。
 気になる有効期間ですが、後述する直接注射法と異なり、滴下だとやっぱ短い。2週間程度です。でも、花粉のフルシーズンではなくて、ピーク時や、大事なビジネスのプレ前とか試験や面接等のここぞって時に使うって考えれば、精々シーズン中1~2回の施術で済みますからねぇ。抗アレルギー薬を服用するのと違って、眠気やだるさと言った副作用がなく、注射をするのと違い痛くないから、聞き分けのないクソガキは無理だけど、10分間大人しくベットで横になれる素直な幼稚園児なら施術可能変な臭いもないしね。まあ、そう考えると、悪くないんじゃないかな。まあ、後付け加えるとすると‥、抗アレルギー薬の内服でも点鼻薬でも、いえいえ、他のどんな治療でも重複する訳じゃないので、重ねてOKの懐の大きさかな。

 鼻の穴からボトックスを垂らしてみた時の、HISAKOの経験談を載せておきましょう。理論は超シンプルで、施術自体も垂らすだけって超シンプルで、副作用らしい副作用もないんですが、強いて言えば、鼻の中に液体を流し込むので、一瞬溺れるような不安が心を過ぎる事かな。唯、実際問題として、ギリギリ喉に流れ落ちない量なので、全然心配はありません。がぁ、講習会の時、最後にゆっくりゆっくり起き上がるんですが、この時威勢が良過ぎて直ぐにぱ~んと体を起こしちゃったDr.は、つ~っと薬液が喉の方に流れて去っていくのが自分でも分ったとか。当然つ~っと薬液が流れてしまった側は効果も一緒に流れ去ってしまったらしく、施術直後から「片方だけ、今一つ、効きが悪い」と左右差発言を盛んに連発していました。ちゃんちゃん。

 余談ですが、花粉症以外の一般的な通年性のアレルギー性鼻炎に効果があるかと言うと、滴下法に関して言えば、ちょっと今一つの結果かも。だって慢性的に炎症が続いていると、線維成分が増えて、粘膜自体が厚くなっちゃってるから、その分染み込みが悪いんです。同じ理由から、年期の入った花粉症の大人より、初々しいガキんちょの方が効き易いんです、はい。

鼻の粘膜に直接注射をする方法もある。

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 鼻水は、鼻の粘膜でも下鼻甲介からの分泌が殆どで、ほんのお湿り程度が中鼻甲介から分泌されるとされています。それ故に、耳鼻科さんなんかでレーザーで焼却するのも下鼻甲介だし、ボトックスの注射をするのも、基本下鼻甲介。まあ、両者共に侵襲的な治療であるが故に、腫れが伴う所為か、滴下法の様に滴下直後から即実感には至らないのがちょっともどかしい所です。でも効果の持続は長くて、4~12週間とされています。あ、付け加えると、注射だからちょっと痛いか。

付録・その他のあんま注目はされてないけど、”痛みを減らす”ボトックスの使い道

 ボトックスは筋肉の緊張を緩めて、過剰な筋肉の収縮による突っ張り感の痛みを減らしますが、それだけでなく直接痛みを減らす作用も見付かっています。唯、「何で?」と問われても明快な答えをお示しする事は出来ませんが、P物質、CGRPと言った痛みに関係がある物質の分泌が抑制されるからではないかと考えられています。

 適応疾患としては、片頭痛・群発頭痛・筋緊張型頭痛の頭痛系の他、歯軋りや顎関節症、五十肩、腱鞘炎、膝関節炎等が挙げられますが、HISAKOのクリニックでは、肩凝りとか筋・筋膜性腰痛が多いかな。基本的には、プラセンタ(美容通信2009年2月号)のツボ注射(美容通信2009年4月号)やスーパーライザー(美容通信2007年12月号)を血流の改善を中心にアプローチしますが、カチンコチンに凝り固まって歯が立たないなんて時には、ボトックスの筋注を追加します。その他、帯状疱疹後の頑固な神経痛にも使っています。

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*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。

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