ケミカルピーリング | 旭川皮フ形成外科クリニック旭川皮フ形成外科クリニック

いつまでも美しく
いつまでも美しく 2017年5月03日

ケミカルピーリング

肌の浸透力を高める!
きめの粗い肌をなめらかに

 歴史をひもとくと、ケミカルピーリングを実践して美しくなったり、美しさに磨きをかけた話が山積しています。例えば、古代エジプトのクレオパトラは、ロバのミルク風呂に入っていました。これは乳酸の効果が期待されます。ローマ帝国時代のご婦人方は、ワインで洗顔していたそうです。これはブドウの酢酸の効果が狙いです。ブルボン王朝では、ポンパドール夫人がシャンパンで顔を洗っていたという話は有名で、これも酢酸の効果が期待されます。

 歴史に名を残す彼女たちのような超有名人でなくても、果物や野菜のパックは古くからどこの国でも行なわれています。フルーツ酸(AHA)は、多くは果物の中に存在しているので、フルーツ酸と呼ばれています。それらの刺激で皮膚の生成サイクルを改善するのがケミカルピーリングです。参考までに、フルーツ酸を列挙しておきましょう。

  • 酢酸:ブドウに含まれる
  • クエン酸:ミカン・オレンジ等の柑橘類に含まれる
  • リンゴ酸:リンゴに含まれる
  • ピルビン酸:パパイヤに含まれる
  • グリコール酸:サトウキビに含まれる
  • 乳酸:牛乳に含まれる

 フルーツ酸は、果物から抽出するのは技術的に難しく、コストもかかってしまうので、人工的に合成したものがほとんどです。効果に違いがあるので、診察時に説明を受けましょう。

<細胞>
マスクの効果で表皮に適度な酸の刺激を与える。ケラチノサイトによる成長因子(GF)の放出が行われ、コラーゲンの生成が促され肌のハリがUPする。

肌の大切な線維芽細胞を傷付けることなく、コラーゲンの生成を優しく促す

ピーリングというものは、普通の日常生活を送りながら受けることが可能な、マイルドな皮膚の改善方法でなければならないと思います。
適切なピーリングは安全です。心配したり恐れたりする必要はまったくありません。AHAピーリングでは皮膚の生成サイクルを改善することができます。表皮に適度な酸の刺激を与えることで、表皮ケラチノサイトから成長因子を放出させ皮膚の代謝が促されます。成長因子の放出はコラーゲンの生成を促し、肌のハリを高めますので、シワ、たるみケアにも有効です。水分たっぷりのみずみずしい新しい細胞が育ってきて、やわらかく滑らかな肌を実感できるようになります。

軽いピーリングを受けると、その効果で皮膚の浸透力が高まります。これまでケミカルピーリングは、それ自体が効果のあるスキンケアの一つだと考えられていました。しかし、ビタミンによるスキンケア・プログラムと組み合わせてより効果的に行なわれるべきだと思います。

ピーリングにビタミンA、抗酸化ビタミン(ビタミンC、ビタミンE)、β-カロテンを組み合わせると、最もアンチエイジングに効果的なスキンケア・プログラムになります。これらのビタミンは、角化細胞を刺激してその分化を早めたり、異常角化を防ぐことができます。さらに、コラーゲン、エラスチンの生成をコントロールすることができます。

ケミカルピーリングの効果をより高めるために、ビタミンの浸透に効果的な超音波導入(*1)とイオン導入(*2)との組み合わせをお勧めします。ケミカルピーリングを、こうした働きを持つビタミンの浸透を促進させるためのステップとして利用するとより効果的で満足されると思います。

*1 超音波導入
超音波による非常に細かな振動は、肌の奥深くまで届くため、肌に有効な美容成分を、肌の奥まで浸透させることができる。また、血行が促進され、リンパ液の流れも良くなる。

*2 イオン導入
肌にごく弱い電気を流して表皮のバリア機能を一時的に弱め、肌のより深いところまで水溶性の美肌成分を浸透させることができる。