新しい薄毛治療 | 旭川皮フ形成外科クリニック旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2016年4月号

新しい薄毛治療~αリポ酸によるキレーション(デトックス)

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 薄毛・抜け毛の大きな原因に一つに、頭皮の皮脂腺から分泌された皮脂の酸化が挙げられます。
 皮脂の酸化は、日々の生活の中で長年私達の体内に蓄積されて来た、水銀や鉛、カドミウム、タリウム、アンチモン、タングステン等の有害重金属により発生した、活性酸素により起こります。
 ですから、根治的な観点からは、頭皮の細胞膜で酸化反応を惹起している水銀等の有害重金属を、除去する事が最優先となります。
 α‐リポ酸は、ビタミンCやビタミンEの約400倍もの抗酸化作用を有し、活性酸素の除去のみならず、頭皮に於ける活性酸素発生の最たる原因である、水銀等の有害重金属を体外へ排出する”キレート作用”にも優れています。
 併せて、有害重金属の検査(毛髪・爪)を行うと、客観的に現状が把握できます。

 与えるばかりが、能じゃない。足してダメなら、引いてみろ! つまり、”頭皮毒デトックス”って新しい概念です。

毛に纏わる基本的なお話。

 毛の構造は、基本中の基本。先ずは、下図をご覧下さい。
 毛は、毛母細胞が増殖・分化して作られています。毛母細胞は、毛乳頭に分布している毛細血管から栄養を吸収しています。又、毛乳頭は、直接成長を促すシグナルを毛母細胞に伝達しています。毛髪は、1ヶ月に約1cm(1日に約0.35mm)程度成長すると言われています。
 ここまでは、まあ、常識。

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 最近になって、育毛に重要なエリアとして俄然注目を浴び始めたのが、バルジ領域。毛を作る細胞を毛包幹細胞と言いますが、この幹細胞は17型コラーゲンの産生に深く関わっています。「17型コラーゲンさえ再生出来れば、これこそが育毛の特効薬!」として注目を浴びているこのコラーゲンは、TGFβと言うサイトカインを介して、色素幹細胞を上手にあやして、未分化性や休眠状態を維持します。それ故に、色素幹細胞のニッチ(ゆりかご)とも呼ばれています。毛包幹細胞も色素幹細胞も、17型コラーゲンがなくなると、未分化性を維持出来ず、一斉に分化して、挙句幹細胞までもが枯渇する…。小樽のニシン御殿みたいな状況を想像して頂けると、宜しいのでは(笑)。そうなると、脱毛や白髪が、嬉しくないお土産として、漏れなく付いて来ます。

 髪の総本数は約10万本で、ヘアサイクルから考えると、1日50~100本位は抜けても生理的範囲内です。この生理的範囲を超えて抜けると、毛髪は薄くなったり、ある部分がまとめて抜けたりして、脱毛症となります。
 この毛髪の固有のリズムは、局所或いは全身の状態の影響を敏感に受けます。

従来の発毛・育毛剤

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 血管拡張作用のある事で知られていた、”ミノキシジル”。元々は、高血圧のお薬でした。しかしながら、高血圧の薬として使用するには副作用の多毛がネックで、泣く泣く方向転換夜余儀なくされて…、それがまさかの大どんでん返し。発毛・育毛剤として大ヒットしたお話は、超有名ですよね。
 まあ、当たり前ですが、原理を知れば良く理解出来ると思いますが、根本的な治療方法には成り得ず、使ってる時だけ良いか、若しくは、現状維持。止めれば、当然元の木阿弥系でした。

頭皮毒デトックスとは

 従来の発毛・育毛の考え方の主流は、足りない栄養素を加える。つまり、プラスの考え方です。これに対し、今月のお題である”頭皮毒デトックス”とは、マイナスする。ヘアケア、スカルプケアの前に、頭皮毒を取り除く。つまり、ごみ屋敷は掃除してからじゃないと、幾ら松創やモリシゲの家具を配置したところで、その価値を誰も認識出来ないのと同じです。

 

頭皮毒

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 頭皮毒とは、まあ、端的に申しますと、頭皮の皮脂腺から分泌された皮脂が、酸化して、ごろつき(有害物質)に堕した輩。こいつらが、寄生虫みたいに、毛穴の古い角質と混ざり合ってべったりと毛穴を占拠する訳ですから、主である髪の毛が息も絶え絶えになるのは、当然の成り行き。抜け毛や薄毛、細毛、白髪と言った、嬉しくない事態に陥ってしまいます。

 じゃあ、その頭皮毒は何処からやって来るのか? ストレスは見逃せない、活性酸素の最大の発生要因の一つです。しかしそれ以上に考慮すべきなのが、私達の体の中に、長年に亘って蓄積した有害重金属です。有害重金属をデトックス(解毒)して、体内環境を健全化する事が、先ずは脱毛予防や育毛対策の最優先事項となるのです。
 以前もキレーション(美容通信2006年11月号)で触れましたが、水銀や鉛、カドミウム、タリウム、アンチモン、タングステン等の有害重金属は、細胞やDNAを傷付け、老化や様々な病気の原因となる活性酸素を体内で大量に発生させるものがあります。水銀は、大型魚を含む魚類や、不活化ワクチンの水銀防腐剤であるチメロサール等から、体内に取り込まれます。血管障害に関係する鉛は、老朽化した水道管の鉛が溶けて、水道水の中に混入し、私達の体の中に入ります。カドミウムは、お米のもみ殻から体内に侵入するんだそうです。つまり、私達は、環境汚染、農薬や化学物質の乱用、大量の食品添加物等に晒され、望むと望まざるとに拘わらず、有害重金属がじわじわと体の中に澱の様に溜まってしまっているんです。

 これ等の有害重金属は、確かに、体内に闖入したとしても、その殆どは、うんこやおしっこと一緒に体の外にバイバイ❤してくれます。量としては少ないですが、皮膚からも汗として出て行きますし、髪の毛と一緒に排泄もされます。まあ、これを利用した検査が、後述のミネラル検査になります。ところが、全ての有害重金属を体外に排出する事が可能かと問われると…、残念ながら、それは無理です。澱の様に徐々に溜まってしまいます。排泄の為に頭皮に集まった有害重金属も、その過程で、置き土産的に頭皮を酸化させ、髪の成長を損ないます。ゴミ箱の内側に、汚れがこびり付くのに良く似ていますよね。これが、頭皮毒と呼ばれるものです。

活性酸素が頭皮毒を産生するまで

 活性酸素の話をする時に、必ずと言っても良い位に例に挙げられるのが、林檎。

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 林檎を切った直後は、綺麗な瑞々しい色をしていますが、あっという間に、茶色く汚らしく変化しちゃいます。これは、林檎の表面が酸素と反応して、酸化した(=錆びた)から。この現象はりんご界に留まらず、人間界でも広く認められ、私達の体の中では、活性酸素により体が錆びる。つまり、老化します。眼だったら白内障、鼻だったら花粉症、気管支だったら喘息、皮膚だったらアレルギー性の皮膚炎だし、脳みそだったら脳卒中。心臓なら心筋梗塞。全身的には、糖尿病や癌なんかに関係します。
image290 活性酸素は上述の様に体を酸化させ、様々な悪影響を私達の体に及ぼす極悪人です。しかし同時に、その強力な殺傷力(酸化力)で有害な殺菌等を殺してくれる、必要不可欠な存在でもあるのです。諸刃の剣。草不回避(藁(藁(藁(藁(藁)。そして、私達の体は私達が認識している以上にお利口で、用が済めば、如何に凶暴な破壊屋・活性酸素とは言え、ととっと処分する分別すらを備えています。但し、その処理能力を大幅に超える事がなければ、です。因みに、この辺りの遺伝的な己の処理能力を知りたければ、美容通信2014年11月号で白黒つけてしまえば一発です。有害重金属は勿論、紫外線、ストレス、過激な運動、不規則な生活、電磁波、化学物質、肥満、煙草等、その他諸々、尻馬軍団と呼ばれる連中がいます。外野から無責任に茶々を入れるのを無上の喜び?とする連中(笑)で、活性酸素の発生を劇的に増大させちゃってくれます。・゜・(/Д`)・゜・。

 頭皮の脂肪酸も、例外ではありません。

排泄の為に頭皮に移動して来た水銀等の有害重金属が、活性酸素を発生させます。
 繰り返しにもなりますが、私達の体の中に、水銀や鉛、カドミウムと言った有害重金属が知らぬ間に蓄積されている事は、一般的にはあまり知られてません。PM2.5で霞たなびく?某国と比べればまだマシな環境とされている日本でも、これ等の有害重金属は、呼吸や食事、飲料水等を介して、じわじわと体内に溜まる一方です。
 大気汚染だけでなく、海洋汚染も見逃せません。世界的な規模での廃液や各種廃棄物、化学肥料等による海の汚染は、今尚進行形です。そんな大海でノビノビと大きく育った魚貝類や海産物は…、当然汚染されていて当たり前。特に有機水銀(メチル水銀)は脂溶性なので、脂の乗った美味しい金目ちゃん等の深海魚を介して、私達の五臓六腑に染み渡ります。因みに、マグロ大国との異名のある私達日本人の水銀蓄積量は、欧米の2~6倍なんて悍ましい報告すらあります。最近では、水銀繋がりでは、予防接種ワクチンの多くに防腐剤として含まれる、チメロサール(有機水銀)がホットな話題として取り沙汰されています。この水銀が、どうも脳みそに何らかの影響、と言っても良い影響ではありませんよ(笑)。を、及ぼしているらしいんです(詳しく知りたい人は、下記の囲みを読んでね)。アメリカ科学アカデミーの医学研究所(IOM)は、今の所、結果をうんぬんするには時期尚早って報告を出しちゃった!もんだから、アメリカのお伺いを立てて舵取りをするポチ国・日本の厚生労働省は、チメロサールの濃度を1/10に下げましょうって穏やかな指導に終始しました。アメリカでは、ワクチン製造会社に対し、損害賠償を求める集団訴訟が勃発していると言うのにです。

img_l102Induction if metallothionein in mouse cerebellum and cerebrum with low-dose thimerosal injection.
(Department of Life Sciences, Kinki University, Higashi-osaka,Osaka, Japan)

 エチル水酸化合物であるチメロサールは、ワクチン保存剤として世界中で利用されている。私達は、以前チロメサール注射の臨床投与量で、マウス脳の水銀濃度は増加しないが、低用量のチメロサール投与でも、リポ多糖と共にチメロサールを注射すると脳での水銀濃度増加が認められる事を観察した。
image152 チロメサールは脳を通過できる可能性があるが、チメロサールの臨床投与量の注射では(直接)検出できない。そこで、チロメサール注射後に、マウスの小脳、大脳で、メタロチオネイン(MT)-mRNAとメタロチオネイン蛋白質を誘導蛋白質として、観察した。
 MT-1mRNAは6,、9時間後に小脳と大脳で発現していた。12μg/Kgチメロサールの注射後に、小脳でのmRNA発現は、大脳での発現より3倍多くなっていた。MR-2mRNAは、両方の器官で24時間後まで発現していなかった。MT-3mRNAは、注射後6から15時間で、小脳に発現していたが、大脳では24時間後まで発現はしていなかった。MT-1とMT-3mRNAは小脳で容量依存性に発現されていた。さらに、MT-1蛋白質は、12μg/Kgチメロサールの注射が注射された後、6から72時間後に小脳で検出され、10時間でピークを示した。MT-2は小脳で10時間後に検出された。
 大脳では、MT-1蛋白質は10時間と24時間でほとんど検出されず、MT-2蛋白質はピークがなかった。結果として、一定量のチメロサール注射によって、MT-1とMT-3mRNAは大脳より小脳で容易に発現し、MT-2RNAの発現はなかった。小脳はチメロサールに対して敏感な臓器であると考えられる。
 現在の結果として、自閉症と診断された患者で観察された脳病理像との組み合わせると、今回の研究はチメロサール含有ワクチンから水銀への暴露が、自閉症と関連するという生物学的に可能な妥当性を支持するのに有効となる。

 その他にも、農薬や食品添加物等の影響もあります。例え、微量であっても、塵も積もれば山となりますからねぇ、侮れません。
 毎日飲む水も要注意です。鉛製の水道管は非常に危険な代物ですが、2,005年7月時点での厚生労働省調査によると、実に約547万世帯にも及んでいるそうです。しかしながら、本管から分れた引き込み管については、(水道メーターを除き!)個人所有であり、当然ながら、その交換費用は自己負担。恐らくは、交換の遅れの最大の理由なんだとは推測はされますが…、医療費の増大が云々と言う位なら、景気対策としての公共事業として、昭和58年以前の水道管を全部取り替えろや!と言いたくなってしまいます。体内に蓄積された鉛の殆どは骨に蓄積され、脳神経や血管に障害を招きます。つまり骨粗鬆症や、今流行のボケ(認知症)の大いなる要因なのですから、舛添知事が吠える東京オリンピックよりも、遥かに逼迫した問題なのです。
 カドミウムの問題もあります。昔、カドミウム≒イタイイタイ病と社会科で習いました。カドミウムは亜鉛に伴って産出する為、公害への関心が薄かった時代には、亜鉛の精錬過程で環境に放出され、精錬所の下流域の土壌に蓄積されました。土壌中のカドミウムは、土壌のpHが中性からアルカリ性では難溶であれば、吸収され難く、問題にまで発展する事は殆どあり得ません。しかしながら土壌の酸化条件によっては、イオン化して溶出し、農作物に吸収、蓄積されてしまいます。特に日本では、国内の土壌の大半が中性から酸性である為、カドミウムの溶け出し易い環境にあり、即ち、農産物や畜産物に吸収されている可能性が高くなります。その為、米を始めとする食物には、含有基準ってモノが設けられています。基準値を超える農作物は、当然ながら販売出来ません。食品衛生法上では、玄米は1ppmと規定されており、これを超えた物については焼却処分になります。因みに、日本以外の含有基準はと申しますと、台湾0.5ppm、韓国・中国・EU0.2ppm、タイ・オーストラリア0.1ppmなんですよね~。日本の基準は甘過ぎる!?のではと思わぬ訳でもありませんが、土壌の性質上、そこまで厳しい基準を当て嵌めてしまうと…、まあ、目先の政治的な線引きも、時としては優先せざる得ないものなのかも知れません…。
 欧州では、カドミウムを含む製品の製造・輸入に関しては、RoHSとして知られる厳しい制限を課しています。2001年。ソニーコンピューターエンタテイメントは、オランダ政府より、ゲーム機プレイステーションPSoneから基準を超えるカドミウムを検出した!と、対応策を求められました。配線の赤いビニール被覆の顔料に、カドミウムが用いられていたのが原因でした。結局、ソニーコンピューターエンタテイメントは、欧州全域で100億円以上の費用を投入し、製品の回収と対策品の置き換えを余儀なくされました。
 まあ、日常の食生活で摂取する分には、今時イタイイタイ病に至る事はないでしょうが、微量でも慢性的に蓄積していくと、腎臓障害の他、骨が脆くなったり、血管の内皮細胞が傷付いて動脈硬化を起こしたり…、脱毛の原因にもなります。

image320 これらの有害重金属により発生した活性酸素は、頭皮の毛根細胞の周辺にある脂肪酸と接触。脂肪酸を無情にも、酸化させてしまいます。ヴィーナスではなく、過酸化脂質の誕生です。
 一部の脂肪酸は、酸化により、邪悪で毒性の強いHNE(4ヒドロキシ2ノネナール)に進化!します。こうして生じた頭皮毒が、毛根の毛母細胞にダメージを与えます。脂肪酸が酸化してより邪悪なHNEが生じていると、毛母細胞は細胞死に至り…、ますます脱毛に拍車が掛かる・゜・(/Д`)・゜・。
 踏んだり蹴ったりな話ですが、脂肪酸の酸化は、頭皮に於いては脱毛ホルモンDHT(美容通信2014年7月号)(美容通信2008年9月号)(美容通信2013年2月号)(美容通信2005年12月号)の影響力を増大させる傾向があり、抜け毛に更に拍車が掛かる事になります。   

 有害重金属の中でも、特に頭皮に於いて活性酸素の発生力が強大=最悪なのが、水銀です。毛髪ミネラル検査を行うと、毛髪から水銀が検出される頻度は物凄く多くて、値を目の当たりにすると、ホント、クラクラ?グラグラ?しちゃいます。
  毛髪の主成分はケラチンって蛋白質ですが、このケラチン、他の蛋白質よりも豊富にシスチンと言うアミノ酸が含まれています。シスチンは2つのアミノ酸が非常に強く結合している為、髪の柔軟性と硬さの保持に重要な蛋白質です。ところが、毛髪内に水銀等の有害重金属が侵入すると、この結合が壊され、毛質が変化してしまう羽目になります。頭皮に水銀等の有害重金属が高濃度に蓄積されると、皮膚全体にも炎症反応が起き易くなります。対症療法は対症療法にしか過ぎませんから、根治的な観点からは、頭皮の細胞膜で酸化反応を惹起している水銀等の有害重金属を、除去する事にあります

頭皮で炎症が起こると

 拡大鏡で見ると、髪の毛や頭皮の問題で悩んでいる患者さん達は、押しなべて、何らかの炎症反応が頭皮に起こっているものです。フケ(美容通信2004年9月号)が多くなったり、皮脂の量が増えたり、臭いが強くなったりと何らかの炎症所見を呈した挙句、異常脱毛へと至ります。

どれ位、自分は有害重金属に汚染されているのだろうか?

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 美容通信を読み進めて、誰もが先ず気にするのが、「どれ位、自分は有害重金属に汚染されているのだろうか?」って疑問です。
 所謂、ガチで全身デトックスするなら、当然評価としての検査は詳細で鋭敏なデータが要求されます。多くは、キレーション点滴後、24時間溜めたおしっこを十分に撹拌後、その10cc程度をアメリカの検査会社さんに送り、評価をしてもらいます。この検査は、”言うが易し 行うのが難し”の典型で、検査の日は、自宅での軟禁状態を要求されます(笑)。
 でも、髪の毛と言う、どうしたって長いスパンでの治療を考える場合、そこまでの鋭敏さと不便さは要らんだろうと、HISAKOは思うのです。検査料金だって、為替相場を考える必要のない日本で検査出来る方が、全然安いし。早いし。髪の毛で良いじゃん。爪で良いじゃん。になってしまいます、ははは。

 HISAKOのクリニックで行っている、毛髪ミネラル検査と爪ミネラル検査について、少し説明しておきますね。両者共、後述するように有害重金属の検査としては、非常に簡便で、且つ値段もお安いにも拘らず、可なり以上に優秀。両者の違いを端的に言うと、測定期間。爪は、当たり前だけど、伸びた部分を採取せざる得ないので、検査結果の値がおよそ半年前の値。唯、半年前から生活習慣等を変えていないのであれば、さほど今の結果と変わりはないので、十分代替可。毛髪だと、根元から3cmの採取とるので、直近~3ヶ月の値が反映されます。なので、直近のデータにあくまで拘る派なら髪の毛。楽な方で良いやぁと思うなら、爪って選択ですかね。

毛髪ミネラル検査

 2000年頃から、既に、日本国内で行える有害重金属検査と言えば、毛髪ミネラル検査って図式が成り立ってる位に超有名。髪の毛は、前述の様に排泄器官であり、体内の情報を長期的に記憶してくれるレコーダーでもあります。1ヶ月に約1cm伸びて、3ヶ月で3cm。その間の必須・有害ミネラル情報を漏れなく記録した、素晴らしい媒体なんです。カラーリングやブリーチ、パーマを掛けた直後は、測定値への影響が強く出てしまう可能性が無きにしも非ずなので、避けとく方が無難ですが、それ以外には制限なし。痛くも痒くもない、超楽ちん検査です。

 毛髪ミネラル検査には、2種類があります。26元素(有害ミネラル6元素、必須ミネラル13元素、参考ミネラル7元素)を調べる毛髪ミネラル検査と、有害ミネラルだけを調べる有害ミネラル検査(6元素)です。

  • 有害ミネラル(6元素)
    • Cdカドミウム⇒公害物質としてあまりにも有名。汚染源としては、排ガスや煙草、農作物etc.。
    • Hg水銀⇒過剰蓄積により、消化機能・中枢神経異常等が惹起。汚染源としては、大型の魚(特に、日本人が大好きなマグロ!)や歯の詰め物etc.。
    • Pb鉛⇒貧血や神経障害、動脈硬化等の原因に。汚染源としては、鉛水道管、白髪染め、塗料etc.。
    • As砒素⇒過剰蓄積により、色素沈着・皮膚角化症、発癌性の問題等。汚染源としては、残留農薬、井戸水、温泉水etc.。
    • Beベリリウム⇒呼吸障害や発癌性が指摘。汚染源としては、大気汚染や電子機器etc.。
    • Alアルミニウム⇒過剰蓄積により、腎臓障害、透析脳症、骨軟化症が惹起。汚染源としては、アルミ缶、制汗剤、ワクチンetc.。
  • 必須ミネラル(13元素)
    • Naナトリウム・Kカリウム・Mgマグネシウム・Caカルシウム・Pリン・Seセレン・Iヨウ素・Crクロム・Moモリブデン・Mnマンガン・Fe鉄・Cu銅・Zn亜鉛
  • 参考ミネラル(7元素)
    • Vバナジウム・Coコバルト・Niニッケル・Geゲルマニウム・Liリチウム・Bホウ素・Br臭素

 が、HISAKOがクリニックへの導入を躊躇ってたのは…、こんな検査、誰が受ける? 採取方法の用紙を読まば読むほど…、行きつけの美容院の伊藤君の顔が頭に浮かび…、やっぱ無理やねん。スタッフに、やる?と聞いても、後述の爪の検査なら全然OKだけど…、髪は、嫌!って返事しか返って来たためしがない。
 採取方法について、下記に記載します。OKと思えたら、しましょう。検査自体は、非常に良い検査なのですから。

毛髪の採取について

 根元付近から約3cm、重さにして0.1gを、以下の様に採取します。

    • 長い髪の人々

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 ①後頭部の髪を掻き上げます。
 ②内側の髪を一掴み切り取りましょう。この際、なるべく頭皮ギリギリで切って下さい。このギリギリ!って奴が大事なので、1ヶ所から無理に採取する必要なんてなく、少しづつ場所をずらして、ずらして、取るのもあり。引っこ抜く必要はありません。唯、お子ちゃまは、毛がと~っても軟らかくて、軽いので、大目に取らないと検体量として不足と判定されちゃいます。
image142 ③根元に近い部分から約3cmの長さが必要であって、昔過ぎるデータまでは不要。要らない毛先側は、燃えるごみに。
 ④検体袋には、必要事項を全て記入した上で、直に毛を入れて下さい。ティッシュや祝儀袋、新聞紙、ラップ、ビニル袋等々の、余計なものには包まない!

    • 短い、HISAKOみたいな髪の人々

 長い人と、基本は同じですが、如何せん、3cmに満たない場合は、その分本数で稼がなくちゃいけない。0.1gは必要です。

 フ~ンと思うかも知れませんが、検査会社さんの人によると、4,50本なんだそうな…。5本、10本なら許せても…、う~ん。毛髪量が規定量に達しないと、再度検体としての髪の毛を送らなきゃいけないんでしょ(←そりゃあ、当たり前なんだろうけど…)。検査の手引書には、この悩む乙女心を知ってか知らずか、「気持ち多めの採取を心掛けていただきますよう、よろしくお願いします」と、SAのトイレか?的な言い回しで書いてある(笑)。
image123  左図の様に、検体袋裏面の枠内に毛髪が埋まるくらいの量を目安に、長さ3cmに切り揃えたを並べるかぁ。長い髪の毛の先っぽの方なんて大昔のデーターでしかないので、まあ、捨てるのは当然としても…、えっ? HISAKOはバリバリのツーブロックで、後頭部は刈り上げてるので、長さは3cmのも満たないっので、もっと本数を切れって事かぁ!? うへ~っ。無理!

爪ミネラル検査

 毛髪ミネラル検査は、HISAKOの様に髪の毛命ではないまでも、唯でさえ少なくなって、薄毛を「どげんかせんといかん」と真剣に悩んでいる患者さんや、流石に髪の毛の採取を頼める程の親しい関係の人がいない人にとって、敷居が高過ぎて受ける気にもなれない検査でした。…そんな、「したいけど、無理!」って多くの人々からの要望により、漸くスタートしたのが、爪ミネラル検査。遅すぎだよ~と思わぬ訳ではありませんが、こんなストレスフリーなお手軽検査なら、受けてみようと言うもの。で、今回、HISAKOがチャレンジしちゃいました。HISAKOの痺れるような汚染度を、じっくり御鑑賞下さいませ(笑)。
 あっ、マニュキア等をしている場合には、しっかり洗浄及びネイルオフしてからの採取になります。

 爪もまた、髪の毛同様、爪ミネラル検査と爪有害金属検査の2つからお選びいただけます。が、チョイとばかし、調べられる項目が違いますので、御注意を!
 爪ミネラル検査は、ナトリウム、カリウム、カルシウム等の多量ミネラル5元素と、鉄、亜鉛、銅等の微量ミネラル7元素の合計12元素(必須ミネラル)。更に、癌や貧血、腎臓障害、動脈硬化等の深刻な病気や、アレルギー、不妊、脱毛etc.に関与しているとされる、カドミウム、水銀等の有害ミネラル5元素と、今後有害ミネラルに昇格確実とされているウラン、ストロンチウム等の準有害ミネラル5元素についても調べます。爪有害金属検査は、後二者に含まれる10元素について調べます。

    • 有害ミネラル(5元素)

Cdカドミウム・Hg水銀・Pb鉛・As砒素・Alアルミニウム

    • 準有害ミネラル(5元素)

Uウラン・Srストロンチウム・Snスズ・Sbアンチモン・Baバリウム

    • 必須ミネラル(12元素)

Naナトリウム・Kカリウム・Mgマグネシウム・Caカルシウム・Pリン・Seセレン・Crクロム・Moモリブデン・Mnマンガン・Fe鉄・Cu銅・Zn亜鉛

爪の採取について

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 爪、爪とは申しておりますが、手の爪です。検体が足りないからと言って、足の爪を混ぜるなんて姑息な事はしないで下さい。
 綺麗に汚れを落として、手の全ての指から、つまり10本ね。先端から2mm切ります。綺麗な三日月型に一塊に切れなくても、全然構いません。

HISAKOの汚染度を大公開!

 結果は約2~3週間で出ます。
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 HISAKOは爪ミネラル検査を受けました。結果は、右図の通り。

    • 必須ミネラル

 生体を構成する成分であり、生理作用にも重要な役割を果たすミネラルです。評価はA良好、B要注意、C基準より高過ぎ、若しくは低過ぎの3段階評価です。
 幸いな事に、C判定はありませんでした。要注意のB評価の烙印を押されてしまったのは、Na、K、Pです。

 ・Na(ナトリウム)
   基準範囲内ですが、やや高めの「要注意」にあります。ナトリウムは酸・塩基の調整、神経伝達、浸透圧の調整に関わっています。塩分や化学調味料の摂りすぎが懸念されます。塩分の多い漬物等は控え、ナトリウムを排出する作用があるカリウムの摂取を心掛けましょう。又、定期的に水泳をする方は水質浄化剤の影響により、銅が上昇する傾向になるようです。
   [多く含まれる食品]
 穀類:ポップコーン、フランスパン
 野菜類:漬物
 果実類:梅干し
 魚介類:塩辛、タラコ、佃煮、するめ、かまぼこ
 肉類:ビーフジャーキー、サラミ、生ハム
 菓子類:煎餅、ポテトチップス
 調味料類:味噌、醤油、ソース

   ・K(カリウム)
201404image8 基準範囲内ですが、やや高めの「要注意」にあります。ナトリウムは酸・塩基の調整、神経伝達、浸透圧の調整に関わっています。ナトリウムはカリウムを排泄する作用があるので、塩分の高い食事に心当たりがある人は、カリウムが多く含まれている野菜やイモ類、果物を積極的に食べるようにしましょう。ナトリウムが「要注意」若しくは、基準よりも高い場合、ストレスの影響かも知れません。ストレスを感じているようなら、それを軽減する事が大事です
  →って事は、ストレス過多の環境にあった!? 自覚はないんだけどなぁ、ははは。
 [多く含まれる食品]
   穀類:小麦胚芽、オートミール、玄米、蕎麦
   イモ類:里芋、山芋、薩摩芋、じゃが芋
   豆類:大豆、大豆製品
   種実類:ピスタチオ、アーモンド、落花生
   野菜類:ほうれん草、三つ葉、枝豆
   果実類:アボカド、バナナ、スイカ
   きのこ類:エリンギ、ブナシメジ
   藻類:刻み昆布、ワカメ、焼き海苔
   魚介類:かつお、さわら、かんぱち

   ・P(リン)
 基準範囲内ですが、やや高めの「要注意」にあります。リンは骨や歯の形成、エネルギー代謝、酸・塩基バランスの保持等に関係しています。レトルト食品や加工食品、清涼飲料、食物添加物によるリンの過剰な摂取が問題となってます。心当たりがある方は(←ドキッ!)、控えた方がじゃなくて、控えましょう。リンはカルシウムや鉄の吸収を阻害してしまうので、これ等のミネラルが不足していると感じる方は、カルシウムや鉄の摂取を心掛けましょう。
 [多く含まれる食品]
   穀類:小麦胚芽、アマランサス、オートミール
   豆類:大豆、大豆製品(凍り豆腐、きな粉)
   種実類:ブラジルナッツ、ゴマ、アーモンド、ピスタチオ
   魚介類:田作り、桜エビ、シシャモ、ワカサギ、イワシ、鮭、アジ
   肉類:肉、肉加工品

    • 有害ミネラル

 健康に被害を生じる恐れがあり、必須性が無いとされているミネラルです。評価はA良好、B要注意、C基準より高過ぎの3段階評価です。
 幸いな事に、C判定はありませんでした。要注意のB評価の烙印を押されてしまったのは、Alです。

   ・Al(アルミニウム)
 基準範囲内ですが、やや高めの「要注意」にあります。
 アルミニウムは、軽量で加工しやすい為に、幅広い分野で利用されています。地中に最も多く含まれる金属で、銅の1000倍近く存在します。私達の身の回りでは、アルミ缶、アルミホイル、食品包装等に使用されています。又、合金のジュラルミンとしても身近な存在です。
 体内に入る経路として、アルミニウムが使用されている食品添加物(膨脹剤・着色料等)や調理器具、保存容器、制汗剤等の経路が多いと推定されています。アルミニウムは、一部の小児では摂取量の多い傾向が見られた為、アルミニウムの低減化や摂取基準値の作成等が行われています。
  [汚染源となり得るもの]
調理器具、食器、アルミ缶、アルミホイル、ワクチン、ベーキングパウダー、消化制酸剤、制汗剤、大気汚染、酸性化した土壌
  [解毒・排泄を促進するミネラルやビタミン]
 マグネシウム、カルシウム、ビタミンD
   [らべるびぃ社考案のデトックス対策レシピ]
 ■材料■(1人分)
   小松菜 2株(80~100g)
   しらす干し 大さじ1杯
   えのきだけ 1/3株
   白ごま 小さじ1杯
 ■作り方■
   1.小松菜とえのきだけをさっと茹でる。
   2.しらす干しと茹でた野菜を加え、醤油小さじ1/2杯と辛子少々、白ごまを1.の野菜と加える。

    • 準有害ミネラル

201511image76 環境医学の観点から、今後有害ミネラルとなる可能性がある元素達。
 少し補足をしておきますと、世界保健機構(WHO)は、2012年に大気汚染と関連した死因による死者が、世界で推定約700万人に上ったとの報告を発表しました。これは全死者の1/8に当たる数字です。WHOは、大気汚染が、特に虚血性心疾患等の心臓疾患や癌との強い関連性があると警鐘を鳴らしています。中国のお隣に国土がある日本も、PM2.5等のとばっちり系の大気汚染の懸念があります。準有害ミネラルは、環境汚染の観点から、今後問題視されるであろう5元素をらべるびぃ社が独断と偏見で勝手にセレクトした5元素で、今後大気汚染の進行と共に、注目度がアップすると考えられています。
  評価はA良好、B要注意、C基準より高過ぎの3段階評価です。
  HISAKOは、Uが、まさかの、基準値以上のC判定! Sbも、B判定。

   ・U(ウラン)
 代表的な自然放射性物質の一つで、自然界では234U、235U、238Uの同位体があり、特に238Uはその存在比が99.28%とその殆どを占めています。ウランは土壌中に広く分布し、日本国内には238Uとして2~59Bq/Kg(平均29Bq/Kg)含まれています。又、地域により濃度幅は異なります。海水中には45億トンのウランが存在し、鉱物として利用可能なウランの約1000倍もあると言われています。因みに、原子力発電所で使用される燃料は、自然界に存在する235Uの濃度を2~5%程度に濃縮した低濃縮ウラン燃料が利用されています。
 [汚染源となり得るもの]
   汚染経路としては、呼吸による大気からの吸入と、飲料水及び食物による経口摂取が主なものと考えられています。一日の摂取量は1.13μg/日と推定され、使用されたデータからその内訳の殆どが食物(86%)、次いで土壌(9%)、飲料水(4%)とされ、残りがハウスダストとされています。

   ・Sb(アンチモン)
 アンチモンは、化学的特性が砒素と類似しており、地殻に殆ど含まれていないレアメタルの一つです。プラスチック、ゴム、繊維等の難燃剤、クーラーや冷蔵庫の冷媒材料、半導体材料の添加物として利用されている、身近な金属元素です。幅広く利用されている為、様々な発生源から大気粉塵として排出され、健康上の懸念がありますが、大気中での動態については十分に未だ解明されてはいません。
 アンチモンは、細胞内の酵素や補助因子と反応する事で、毒性を発現すると言われています。
 タンニンがアンチモンと結合する為、アンチモンが体内に入った時は、タンニンを多く含む緑茶を飲むのが良いとされています。
 [汚染源となり得るもの]
  アンチモンの汚染経路としては、呼吸による大気からの吸入と、飲料水及び食べ物による経口摂取が主であると考えられています。

1stデトックス

 従来のサプリメント等によるデトックスは、1st デトックスが中心でした(美容通信2014年1月号)(美容通信2015年11月号)(美容通信2015年9月号)。

 肝臓での解毒反応を下図で示します。生体に取り込まれてた毒物は、解毒代謝酵素群によって水溶性の代謝物に変化して、トランスポーターによって細胞外へ、そして尿や便に排泄されます。

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vitaldetoximage48 因みに、HISAKOが1st デトックス アイテムとして、全幅の信頼を置いているのが、”バイタルデトックス60カプセル”♪ 体内の解毒機能を高め、肝臓の健康をサポートしてくれるダイエタリーサプリメント
 今までも、美容通信で何度か解毒システムについては触れて来ましたが、大きくPhaseⅠとPhaseⅡに分けられます。毒の種類によって、PhaseⅠ→Ⅱの二段階で解毒するか、イキナリPhaseⅡで決着!します。つまり、PhaseⅡだけじゃ、ちょっと手に負えなさそげな毒相手の時に、二段階システムが発動されるんです。PhaseⅠは、生体が産生する「シトクロムP450』という酵素を利用して中間生成物を作り、それを「グルクロン酸によるPhaseⅡによって無毒化するって二段構え。
 バイタルデトックス60カプセルは、肝臓のPhaseⅠ及びⅡをサポートしてくれます。

    • Phase I デトックスサポート

 ①ビオチンは、細胞増殖、脂肪代謝、及びエネルギー発生をサポートするビタミンです。
 ②コリン及びイノシトールは細胞膜では必須な栄養素です。シトクロムP450 酵素をサポートするには、肝細胞の膜が健康である必要があります。又、コリンとイノシトールは、肝臓での脂肪やコレステロールの代謝をサポートします。
 ③DIM (ジインドリルメタン) は、ブロッコリー、カリフラワー等のアブラナ科の野菜にあるの硫黄化合物です。DIM は、Phase I 及びPhase II の肝臓デトックスやエストロゲン代謝物のデトックスをサポートします。

    • Phase II デトックスサポート

 ①グルカル酸カルシウムは、グルクロン酸化をサポートする緩衝化されたグルクロン酸です。グルクロン酸化プロセスは、真菌毒素、ステロイドホルモン及び体内に入り込んだ排気ガス等を体内からデトックスします。

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 尿、便への排出は上記の様な1st デトックスで十分効果は出ますが、毛髪も所謂排出先である以上、それでは不十分。2nd デトックスが必要になります。溜まった有害重金属をキレートする事は、即ち、頭皮毒が更に悪乗りして増幅した活性酸素自体も効率良く減少させうる、まあ、一石二鳥のお話なんです。

2ndデトックス

 局所的な、つまり頭皮に於ける頭皮毒デトックスには、α-リポ酸が最適との研究報告が散見されます。
 α-リポ酸(美容通信2010年10月号)は、ビタミンCやビタミンEの約400倍もの抗酸化作用を有し、活性酸素の除去のみならず、頭皮に於ける活性酸素発生の最たる原因である、水銀等の有害重金属を体外へ排出する”キレート作用”にも優れているからです。分子量が極めて小さいだけでなく、その構造上、水溶性の部分(COOH)と脂溶性の部分(COOH以外)の両方を有するので、頭皮の皮脂にも浸透し易い。つまり、安全な癖に、一石二鳥的に頭皮の脂肪酸の酸化が回避出来ちゃうって代物って事なんです。

 纏めると、以下の通り。

  • 安全に使用出来るα-リポ酸は、活性酸素の除去と、活性酸素の発生原因である有害重金属の除去を包括的に行える為に、頭皮の脂肪酸の酸化の回避に最適な物質です。
  • これにより、皮脂中の不飽和脂肪酸の働きが保持されるだけでなく、不飽和脂肪酸とα-リポ酸が組み合わされる事で育毛効果が更にUPします。
  • α-リポ酸は、カラーリングやブリーチで傷んでしまった髪の毛や、頭皮の刺激を改善します。

下拵え

 先ずは、α-リポ酸の効果を最大限に発揮させる為には、既に酸化して固まってしまった皮脂をしっかり取り除く事から始まります。

HISAKOのクリニック編

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 バイオ・クレンジングの最大の効果は、その名の通り、清浄効果。毛髪に付いた整髪料や埃、毛穴に溜まった皮脂・脂を洗い流し、毛髪・頭皮のコンディションを整えてくれます。でも、効果はそれだけじゃありません。例えば、活性効果。シャワーの水圧によるマッサージ効果&白衣の天使のフィンガー・テクニック♪(←時々、HISAKOの手も猫の手として登場!?)で、血行促進し、新陳代謝も促してくれるんです。特に、シャワーカップによるタッピングは天にも昇る夢心地だし、脂の揉み出しは思わず鼻の穴がぐふっ♪と膨らむ痛気持ちイイ感じ(笑)。他にも、保湿効果があるので、頭皮や毛髪に潤いを与え、紫外線やドライヤーの熱から髪を守ってくれます。
 こんな3拍子揃った良い子ちゃん力を発揮出来るのも、影の立役者のクレンジング・ウォーターがあってこそ。古い角質や皮脂、毛穴の脂汚れを取り除き、頭皮を整えると共に、地肌を柔らかくして、発毛環境を整えます。又、植物ミネラル配合により、髪の酸化を防止し、細胞に活力を与え、元気な髪を育てます。
 先ずは、バイオ・クレンジングの実力をとくとご覧あれ! 

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 左上図:施術前。毎日ちゃんと洗っているつもりでも、地肌は極めて脂ギッシュ! 毛穴なんて、汚れとフケと脂でこんな状態。可哀想な髪の毛は正に首絞め状態で、窒息寸前です。これじゃあ、幾ら塗り薬塗ったくったって、染みこみませんわなホント。右図:バイオ・クレンジング施行後。地肌を覆っていた皮脂や汚れが取れて、ぷるんぷるん♪ 毛穴だって開いているの分りますよね? 毛根の周りが、ぽかっとリング状に開いているでしょ? こうじゃなきゃ、塗り薬実力は発揮出来ませんよね。左下図:付録に、取れた皮脂と汚れを公開! うへ~っ!!

 バイオ・クレンジングにより、既に毛穴を塞いでいる頭皮毒を取り除き、α-リポ酸によって捕捉された有害重金属の排泄をより効果的に進める事が可能になります。

ホームケア編

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 発毛のセルフケアとして、最も重要なポイントが、この毎日の洗髪とシャンプーです。洗髪時に頭皮まで強く擦ると、伸びかけている若い毛が抜けちゃいます(ノД`)・゜・。通常の洗髪で100本、強く擦ると200本は抜けちゃいますからね。
 具体的には、日常の洗髪は、お湯で洗髪する前に頭皮全体に十分に温水シャワーを浴びるとか、温めたタオルを頭に乗っけて頭皮部分をしっかり温めとくと、○。日常の洗髪は、5分程度、ぬるま湯がお約束です。ジャグジーやバブルシャワーの水圧で、頭皮を洗浄するだけ。繰り返しますが、頭皮を擦るなんて、論外なんです。ホームセンターでも、アマゾンでも、サイクロンシャワーヘッドが1万前後で売ってますからね。あんなんで、十分。アメリカの雑誌を読むと、クリニック用に、洗濯機みたいなのに頭を突っ込んで自動洗浄!なんて代物も売ってるみたいですが(笑)。
 シャンプーは? 今のアメリカの育毛界のトレンドでは、水圧で日々頭皮を洗浄し、シャンプーを使うのは週に一回。それも、シャンプーは頭皮を洗うもんじゃなくて、髪の毛!を洗うのに使うだけ。これ、新常識として、しっかり定着しているみたいです。シャンプーを使わなければ、ブローしなくても毛は立つものですし、ドライヤーを使わなければ髪の毛は傷みようがありません(笑)。えっ? じゃあ、せめて、どんなシャンプーを選択すべきかって? う~ん、ベビーシャンプーの様な界面活性剤を含まないシャンプーが、そりゃあ望ましいっちゃ望ましいけど、個人の技量も関与するからね。つまり、たとえどんなに髪の毛に良い製品を使っても、使いこなせなきゃ、猫に小判。豚に真珠。昔、形成外科の総会の商品展示ブースで、界面活性剤を含まない髪の毛に良いシャンプーと謳っている製品のサンプルを、何社からか貰い、クリニックのスタッフに感想聞いたんです。10回分だからね、と念を押したのにも拘らず、彼女達は1回に全量使ったにも拘らず、その泡立ちの悪さに業を煮やし、御丁寧にも!普段使ってるシャンプーを付け足して頭を洗ったそうなんです。HISAKOの様な丸坊主ならいざ知らず、素人のロングヘアの持ち主には、ある程度の界面活性剤の存在は、必要悪なのかもって思いました。物理的な刺激を不要に掛けざる得ない製品は、幾ら髪の毛には良くても…って判断です。

本番:ナパージュでα-リポ酸を頭皮に

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 α-リポ酸が頭皮の皮脂に溜まっている有害重金属のデトックスにも優れた効果を発揮するのは、前述の通り、α-リポ酸がその構造の中に水溶性の部分と脂溶性の部分の両面性を有している事にも関係があります。α-リポ酸が頭皮の皮脂に溶けて浸透し易い分だけ、より効果的って事です。
 α-リポ酸によって皮脂の脂肪酸の酸化を防ぐ事が出来、頭皮毒の増加に歯止めを掛けられれば、本来の健全な皮脂が適度に分泌されるようになり、清潔な頭皮環境(毛穴や毛根)が漏れなく付いて来ます。毛母細胞が活性化して、育毛の促進にもつながります。
 更に、α-リポ酸によって、皮脂に含まれる脂肪酸の酸化が抑えられると、特に不飽和脂肪酸が本来持っている、動脈硬化の予防、アレルギー症状の緩和、血栓症の予防等々と言った嬉しい作用が発揮されるようになり、回り回っての感も無きにしも非ずではありますが、頭皮環境の改善→髪の毛に良い♪ AGAの原因であるDHT(美容通信2014年7月号)(美容通信2008年9月号)への変換に歯止めを掛けてくれる、プロペシア(美容通信2005年12月号)(美容通信2013年2月号)もどきの作用を有し、若禿げの治療のサイドメニューの定番との評価も。脂肪酸から生成される有害なノネナールによって、毛母細胞がダメージを受けるのを防ぐ効果もあります。つまり、確実に脱毛抑制効果が認められるって事なんです

 HISAKOのクリニックでは、こんな素敵なα-リポ酸を使わない手はないと思っているんですが、未だ、デトックス育毛ローションとしては、この原稿を書いている2015年6月中旬!現在、未だちゃんと商品化はなされてはいない状況。会社さんに問い合わせた所、道半ばらしいです。ならば、何時製品化されるかを、ボケ~っと待ってるよりと、α-リポ酸をメインにカクテルした薬液を、ナパージュ美容通信2006年6月号)しています。平たく言うと、血が滲むか滲まないかの極々浅いレベルで、細かく注射して行く…と言うより、注射針で細かく傷付けて、その生傷に薬液を垂れ流すって表現の方が近しいかも知れない(笑)。だから、偶にチックンっと感じる瞬間もあるかも知れないけれど、頭の上をカブトムシが歩いているかな位の違和感で、泣き叫ぶ程には痛くなりようがないです、はい。

サイドメニュー

 頭皮毒デトックスのサイドメニューには、血流を改善するフロジン液等のイオントフォレーゼ(美容通信 2006年1月号)や、プラセンタ(美容通信2009年2月号)や高濃度ビタミンC(美容通信2008年11月号)等を含む発毛点滴、まあ、そりゃあ、遺伝子的なデータがあると、そりゃあより効果的な薬液の選択する(美容通信2010年10月号)事は可能にはなります。その他、オゾン療法(美容通信2011年8月号)、細胞再生注射(フィロルガ4in1)(美容通信2015年1月号)があります。
勿論、従来の発毛・育毛の為のHARG療法(美容通信2008年9月号)やBENEV(美容通信2012年6月号)は、非常に良い方法ですが、頭皮毒デトックスと併用する事で、更に効果は上がるってもんです、はい。

頭皮毒デトックスを後押ししてくれる栄養素達

 詳しいデトックスと栄養素のお話は、そのうち別立てで特集を組む予定ですが、有害金属の排泄には、バランスの取れた栄養摂取も大事です。特に、折角、α-リポ酸が体内に蓄積していた水銀や鉛を捕捉しても、それを体外に排泄するにはエネルギーが必要なんです。蛋白質や、ビタミン、ミネラルは、十分足りてますか? 採血で調べて、足りない栄養素があれば予め補充しておかないと、排泄が覚束なくなっちゃいますよ。これは、脅しじゃなくて、ホントの話。
 唯、あれこれ飲むのが面倒だ!  取り敢えず、これさえあればの最低ラインさえ教えてくれれば良いんだ!って方には、やっぱ、前述のバイタルデトックス60カプセルがお勧めです。

そんな、一般論はいらない! もっと、具体的な栄養素を、食品を教えろって?

 有害ミネラルの毒性軽減と排出促進の為の食品です。以下に記載してあるお魚さん達は、水銀少な目なので、まあ、安心かな。

    • 有害ミネラルの毒性軽減

 ①ミネラル
   ・カルシウム
 アーモンド、ゴマ、ピスタチオ、凍り豆腐、アジ、ワカサギ、シシャモ、アサリ、干しエビ、菜の花、にら、モロヘイヤ、小松菜、切り干し大根、わかめ、昆布、海苔
   ・マグネシウム
image368 アマランサス、小麦胚芽、小豆、カボチャの種、ゴマ、きな粉、イワシ、田作り、牡蠣、海老、海苔、アボカド、ドライフルーツ(プルーン、イチジク)、ココア
   ・亜鉛
 ハト麦、蕎麦、ライ麦、緑豆春雨、ゴマ、ピスタチオ、松の実、えんどう豆、生揚げ、がんもどき、牛肉、イワシ、しらす干し、ワカサギ、鮭、牡蠣、小松菜、舞茸
・セレン
 蕎麦、ブラジルナッツ、ゴマ、牛肉、鶏ささみ、イワシ、ワカサギ、ウナギ、キス、鮭、さんま、マス、シシャモ、タラコ、アサリ、帆立、タコ、昆布
・鉄
 小豆、凍り豆腐、空豆、お多福豆、カボチャの種、アーモンド、しらす干し、牡蠣、アサリ、小松菜、紫蘇、モロヘイヤ、切り干し大根、木耳、海苔、昆布、ワカメ

 ②ビタミン
   ・ビタミンB6
 小麦胚芽、銀杏、ヒマワリの種、きな粉、さんま、鮭、海苔、鶏肉、ニンニク、しし唐、カボチャ、バナナ
   ・ビタミンC
 ブロッコリー、ゴーヤ、カリフラワー、小松菜、カブの葉、ジャガイモ、苺、キウイ、オレンジ、緑茶
   ・ビタミンD
 鮭、身欠きニシン、さんま、木耳、椎茸、シメジ、ヒラタケ、えのきだけ、マッシュルーム
   ・ビタミンE
201503image65 虹マス、イワシ、タラコ、アーモンド、ヒマワリの種、綿実油、紅花油、カボチャ、紫蘇、カブの葉、アボカド

 ③硫黄化合物
   ・メチオニン・シスチン
 鮭、イワシ等魚類、牛・豚等の肉類、乳製品、卵類、小麦胚芽、胚芽米、トウモロコシ等の穀物
   ・硫化アリル
 ニンニク、ニラ、玉葱、ラッキョウ、チャイブ

    • 有害ミネラルの排泄促進

 ①食物線維
   ・水溶性食物線維
 ライ麦、オートミール、ゴマ、きな粉、インゲンマメ、コンニャク、昆布、もずく、寒天、トマト、枝豆、サツマイモ、ブロッコリー、みかん、桃、キウイ、レーズン、プルーン
   ・不溶性食物線維
 押し麦、小麦胚芽、大豆、おから、納豆、栗、アーモンド、落花生、小豆、花豆、切り干し大根、牛蒡、菜の花、ニンニクの芽、椎茸、エリンギ、干し柿、ココア

    • 有害ミネラルに対抗する体内環境の整備

 ①腸管機能
   ・発酵食品
 醸造酢、味噌、醤油、酵母パン、塩辛、キムチ、漬物、アンチョビ、納豆、テンペ、チーズ、ヨーグルト、発芽玄米
   ・オリゴ糖
 玉葱、牛蒡、きな粉、バナナ、蜂蜜、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖
 ②肝機能
   ・クロロフィル
 小松菜、ほうれん草、紫蘇、ケール、ピーマン、ニラ、ブロッコリー、玉葱、緑茶
   ・タウリン
 サザエ、トコブシ、帆立、アサリ、烏賊、蛸
   ・ムチン
 山芋、里芋、オクラ、モロヘイヤ、なめこ、ジュンサイ
   ・リグナン
 ゴマ、ごま油
   ・クルクミン
 カレー粉、うこん

    • 有害ミネラルから細胞を守る

image201 ①フィトケミカル
   ・ポリフェノール
 ブルーベリー、苺、葡萄、茄子、生姜、セロリ、パセリ、ピーマン、赤ワイン、ココア、緑茶、蕎麦、大豆
   ・カロテン
 ニンジン、トマト、赤ピーマン、赤唐辛子、ほうれん草、鮭、海老、スイカ、パパイヤ、マンゴー、蜜柑
   ・テルペン
 セロリ、生姜、紫蘇、ローズマリー、レモングラス、ミント、ブラックペッパー、高麗人参、柑橘類の皮
   ・β-グルカン
 椎茸、松茸、平茸、シメジ、なめこ、エリンギ
 ②n-3系脂肪酸
 アジ、サンマ、イワシ、シシャモ、マス、紫蘇、エゴマ、紫蘇油、亜麻仁油、エゴマ油   

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*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。


※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。

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